MUV-LUVALTERNATIVE外伝 サイドストーリー 作:kaenn
最初の挿絵は合成して作ったイメージ画像です。
海洋の照り返しで日光の陽射しが眩しい
そんな戦術機母艦の甲板で1人の女性が眩しさに眼を細めながら潮風にさらされている髪を手で抑えて
「うーん潮風は髪と肌に悪いんだけどなー。」
紫色のロングストレートの髪で、170cmくらいの身長をした女性は眠たそうにそう呟いた。
「オーイ、シルヴィアー!そこ!今からホバーの奴等が帰って来るから離れてくれー!」
シルヴィアと呼ばれた女性が黄昏ていると、10メートル程離れた哨戒機の側から見知った整備兵が大きく手を振って呼びかけて来た。
聴こえたシルヴィアはダルそうに整備兵の方へと歩いて行く。
少し離れると戦術機の跳躍ユニットの轟音が遠くから近づく
「相変わらず煩いなぁー、おちおち昼寝もできないよ……こっちはまだ育ち盛りの16才なんだけど……ふぁ〜〜〜ぁ……。」
着艦の体勢に入ったホーネット4機を眺めながら、シルヴィアは眠たそうに欠伸をすると左手首にしている腕時計を確認するとブリーフィングまでまだ1時間程あることに気がつき昼寝の為、自室へと歩きだした。
ー……ドンドンドン…ドンッドンドン……ー
自室のドアが何度も何度も大きく叩かれている事に気がついたシルヴィアは、寝惚け眼でふらふらと立ち上がるとドアを開けた。
「シルヴィア!もうブリーフィング始まる時間過ぎてるよ!…って!?ごっ、ゴメン!」
ドアを叩いていたと思われる同僚の少尉は、望み通りに扉を開けると何故か謝りながら開けた扉を閉めてしまった。
疑問に思ってもう一度扉を開けると、同僚のランド少尉が顔を真っ赤にしながら狼狽えていた。
「んーー!…ランド?どーしたの?…私はまだ眠いんだけど……。」
伸びをして眠い目を擦りながらランド少尉に話し掛けるとランド少尉は顔を背けたまま慌てたように、
「シルヴィ!服!服ちゃんと着て!頼むから!」
ワタワタと手を振って何かを口走るランドに、少しづつ意識が覚醒してきたシルヴィアが自分の服装を確認すると……………下着のみであった。
私はその事に気がついた途端に急に顔を真っ赤にして恥ずかしさから、声にならない声をあげながらランドにビンタをくらわせて部屋に戻り着替えをした。
着替えをしているとドアの外から話し声がする。
「オーイ!シルヴィ〜、起きたカ〜お姉ちゃんだゾー、ってランド坊何やってんだ?………あぁ、シルヴィはやっぱ寝起きだったカ?」
ドアの外で頬にもみじ跡を付けたランドを発見した姉が納得したような声を出している。
ーカシュー
「メル姉まで来たの?まだ時間あるでしょ……げっ!」
着替えを済ませドアの外にいたメルヴィナ・アードヴァニーに声を掛けて腕時計を確認すると、時間がブリーフィングルーム集合の時間から20分程過ぎていた。
やばい、と青ざめて言い訳を考える。
すると足下の視界に見慣れた軍足が現れた。
恐る恐る腕時計から目を離して前を見ると、額に青筋を浮かべた我が部隊の隊長殿が立っていた。
「シルヴィア少尉?私は1300にブリーフィングルームと言ったはずですが?貴女の部屋はブリーフィングルームという名前でしたっけ?」
眼鏡をかけた金髪セミロングの女性は髪をカリカリと掻きながら怒気を隠さずにそう告げた。
オルタ世界ならメルヴィナさんも生きているだろうと考えましたので書いてみました。