MUV-LUVALTERNATIVE外伝 サイドストーリー   作:kaenn

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原作で不憫な子を生かしてみました。

まだそこまで書いていませんが、黒き戦神の本編に登場予定です。


サイドストーリー03 国連軍の武御雷

MUV-LUVALTERNATIVETOTALECLIPSE外伝

国連軍の武御雷

 

2001 10.5

 

吹雪がようやく止み、部隊の練度向上の為作戦司令部から許可を取り、エヴェンスクハイブ周囲の間引き作戦を行う事となった。

 

『篠原中尉!中尉の武御雷は準備完了です、何時でも出られます。』

 

声を掛けてくれた整備士に感謝を伝え、搭乗口まで歩く。

 

間引き作戦と言えど、少しの油断で命を落としかねない実戦に挑むと思うと肝が冷える…傍目には未だ実戦経験の無い又は後方支援のみ参加した経験しかない者が浮かれているのが伺える。

 

そんな彼らを横目に見ながらハッチへ近づくとその中から1人の少女が自分に近づいてくる、何事か?と思い少女に近づくと、

 

『あの、先程の方から1998年の7月31日に京都駅で崇宰恭子様とご一緒だったとお聞きしたのですが……。』

 

黒髪ロングのよく見ると少女から女性になりかけと言った方が良い年格好の子が自分にそんな事を聞いてくる。

 

確かにその時、京都にて未だ試作段階だった武御雷を駆り出す恭子様の護衛として、恭子様の瑞鶴を借りて出撃した事がある。

部隊の古参の人間なら誰でも知っている事ではあるが、何故この少女からその話を聞かれるのか不思議に思い何故そんな事が気になるのか尋ねる。

すると少女は思いがけないことを言った。

 

『私!あの時、篠原中尉に助けて頂いた白の瑞鶴の衛士です!御礼を申し上げたかったのですが何度行っても面会不可と言われて取り合ってもらえなかったんです、御礼が遅くなり申し訳御座いませんでした!あの時は本当に有難うございました!』

 

確かにあの時、フォート級の相手をしていた恭子様から先行してSOSの発信元で2人の衛士を救助したが目の前の相手がその内の1人だとは思わず声を出して驚いた。

 

『あの、もしかしてあの時の出撃でお怪我でもされたのでしょうか?私も1カ月程城代省に通ったのですが毎回取り合って頂けなかったので……』

 

少女が不安気な顔で怪我をしたのか、自分のせいか?と、でも考えているのだろう。

しかしながら俺は怪我をした訳ではない、まして彼女の所為でもないのだ、俺が面会謝絶だったのは城代省の一部の人間から崇宰恭子様の瑞鶴を”勝手に”乗り廻した罪で軍事裁判にかけられていたからだ。

あの時は非常時との事で、本来なら記入して置かなければいけない書類一式を完全に忘れ、かつ恭子様から言質のみであった為、整備士達のの制止を強行突破しハンガーも破損させるなど大事故を起こした事もあり一時は収監されるところまで行きそうだった、結果は師匠である紅蓮翁や恭子様や何故か真耶が擁護してくれたから降格処分のみで済んだ。

そんな事があったと目の前の女子に言えば謝罪と後悔で泣きながら土下座を敢行するに違いない、と考えて、配置転換や再編で混乱してたんだろう。

と、誤魔化した。

 

そう言えば名前を聞いて居ないが、リストには載って居なかったよなぁ?と思いながらふと悪巧みを成功させた我らが中隊長の顔が目に浮かぶ、あの野郎俺が降格して自分は出世したからって調子に乗ってやがるな戻って来たらしばいてやる、と腐れ縁の中隊長の顔を思い出して不吉な顔をする。

 

『篠原中尉?どうかなさったのですか?』

 

不安気に声を掛けてきた女子に名前を聞いてみる、すると女子は『失礼しました!』と言い、

 

『本日より国連軍第1独立北方中隊northern小隊に配属されました山代上総少尉です!これからよろしくお願いします!』

 

と元気に頭を下げた。

 

これまたビックリ、噂に名高いホワイトファング2がこの少女だとは、この分だともう1人の女子も有名になっているのかな?なんて考えていると上総の機体も整備が終わったらしく声をかけられる。

 

『では、又後で!』

 

上総は元気に言い走って行く、俺もそろそろ行くかと背後を向くとニヤニいやらしい笑い顔の男がいた。

 

『よぅ!白馬の王子様、助けた姫さんを見た感想はどうよ?良く育ってるじゃねぇか…特に上の方とか後ろの方とか、羨ましいなぁ〜〜真耶さんといい上総ちゃんといい何でこんな唐変木なんかを………。』

 

また訳のわからん事を言いながら俺の肩に手を回しポンポン叩いて来る馬鹿に後で締める、と一言と1発お見舞いして戦術機に搭乗する。

 

背後から『俺……一応上官だぞぉ〜〜〜』と言う空耳が聴こえた気がしたが無視し、ハッチを閉めた。

 

そんな事をやっている内に、northern小隊の戦術機は整備が終了したらしく全員搭乗済みだった。

 

『シノさん、また中隊長ブン殴ったんですか?他でやったら絶対ヤバいですよ?』

 

『でもでも、あのゴリラ顔、何時もいやらしい目で私たちを見てるから篠原中尉の制裁は見てていい気味よ!』

 

古参の斯衛の衛士が上総の緊張を解す為雑談をするが、新人が京都防衛戦参加の元ホワイトファング2である事を伝えると『ヤバっ負けられねぇ!って言うか勝てねぇ?』などと驚いていた。

 

では改めて自己紹介をするかと言い、俺にnorthern2が続いた、

 

『第1独立北方中隊northern小隊、northern2の榊 莉明(りあ)少尉だ!よろしくお嬢!』

 

『同じくnorthern小隊、northern3来賀 絵夢(えむ)少尉です、よろしくお願いします…………ウチの小隊長はすっっっっごく鈍いですから頑張って下さいね?』

 

鈍いとはどういう事だ?と問いただすが『べっつに〜〜』やら『そうゆうとこです、だから真耶さんや真那さんが苦労するんです……ハァ……』等と返事が返って来る。

何故ここで真耶や真那が出てくるんだ?、と思ったが、この手の話題は突っ込むと藪から虎が出かねないのを実感している為、腕を組んで黙り込むことにした。

話が落ち着いたのを見計らい上総少尉にも自己紹介を促す。

 

『あっはい!northern小隊、northern4を拝命しました、山代上総少尉です!不束者ですがよろしくお願い致します!』

 

元気に挨拶をする上総は緊張しているのだろうか、不束者とは嫁入りした娘や息子が言う言葉では無かったか?と思いながらも、司令部から出撃許可が出た為発進する事にした。

薄暗いハンガーから雪の降り積もる大地へとUNブルーと言われるカラーにその身を染めた武御雷が歩を進める。

 

【挿絵表示】

 

 

『第1独立北方中隊、northern小隊northern1篠原 天中尉、武御雷F型寒冷地試験仕様出るぞ!』

 

と言いながら盾と新型突撃砲を構えて飛び出した。

 




外伝を一つにまとめようと画策して少しずつ移動させています。
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