DDG-191ふぶきの物語   作:シン・アルビレオ

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お久しぶりです。

大変お待たせいたしました。

まず、期間が空いてしまったことをお詫び申し上げますm(*_ _)m

色々とあって意欲がなかなか回復しなかったのですがちょくちょく書いていき、やっと投稿することができました。

この三ヶ月なにがあったのかというと…
・鎮守府氷祭り…パンパなかった。もう一回見たい。
・夏休みと先週の関東旅行×2…横須賀軍港巡り素晴らしき。どぶ坂通りの有名店混みすぎぃ!
・10年以上飼っていたペットのウサギが天国へ。人間でいうともう高齢だったらしい…可愛いやつだったよ
・絶賛初秋イベ中。E4丙の戦力ゲージまでまったり進んでいます。

うーんこの 

許してくださいお願いしますなんでもしますから(するとは言ってない)



13話 1vs40 対空戦闘

「仮想敵演習、始めッッ!」

各々の無線から提督による開始合図が発せられると、まずは教導隊が先に動いた。

「よし、やるわよ!艦首風上、攻撃隊、発艦始め!!」

乱れのない動作で瑞鶴改二甲は弓をスッと構え、バシュという音とともに弓矢が海上を進んだかと思うと、光に包まれ艦載機へと変わりエンジン音を轟かせ高度を上げていく。

今回の各スロットの内訳は天山村田隊32機、彗星江草隊24機、零式艦戦62型(爆戦)12機、烈風改6機となっている。

第一次攻撃は各機体を半分ほど発艦させた。つまり艦攻16機、爆撃機18機、戦闘機のみ6機…計40機がたった一人の相手にへと向かっていく。隊長機の指示の元、扇状に別れて散り索敵を開始した。

そして艦載機だけでなく、教導隊の艦娘もすぐに動く。

「プランαに移行」

吹雪が無線で指示をだすとそれは単縦陣でも斜めの陣形でもなく、警戒陣へと変えていく。

真ん中に旗艦である吹雪を置き、右サイドに霧島改二が、左サイドに北上改二が配置されていく。その後ろには瑞鶴改二甲を守るように摩耶改二が前方にいる。上から見るとまるでT字のようにも見える。

ちなみに伊58はというと、静かにひっそりと海中へと潜航していた。

 

 

一切の乱れなく整えていく教導隊艦娘らに、映像越しで見ていた艦娘らは感嘆していた。

勿論それは、仮設テントで机に置いてある生中継テレビを見ている提督も例外ではなかった。

「流石だな」

「ですね~」

隣にいる青葉も演習場の定点カメラをテレビの編集者のように何台も置いてあるカメラをにらめっこしながら最適な映像をパブリックビューイングに映るようにしている。ちなみに左側には教導隊が、右側には護衛艦ふぶきが映るように2つの大型映像装置が会場に設置されていた。

(映像機器の保護装置大丈夫かなぁ)

同じく仮設テントで観戦している夕張は上手くいってくれと祈るように見つめていた。演習の様子を各所に届けるべく撮影係を乗せ飛行している観測機には味方識別がなされている。

観測機だけでなく定点カメラにも妨害電波の周波数情報も施してあるとはいえ、万が一にそなえて保護装置をつけてある。

「ふーむ…?これは…」

ここまでふぶきは動くことなく、何かを準備しているようだ

「えぇ、おそらく電子対抗手段という妨害を仕掛けるのではないかと」と明石が説明していく。

提督は遠征隊の天龍らの報告で、ふぶきと会う前に一時的に電探が使えなくなったということを思い出したのだ。最初は故障かと思ったのだが、工廠で見てもなにも異常は見つからず原因不明ということになりかけた。

が、後日工廠組がまとめた報告書で電波妨害というのをふぶきが仕掛けたことが分かった。

提督はあえてこの情報を教導隊らには伝えなかったのは、電子対抗手段という予想外の妨害で何も対策しなかった場合どれぐらい対処できるのか、またどれほどの妨害の強さなのかを知りたかったのだ。

艦載機が演習場に目一杯扇状に広がった時、偶然なのか、ついに彼女ーイージス艦が動いた。

一体どんな戦いをするのか。

提督だけでなく、会場内全てがふぶきの動向に注目していた。

 

 「…よし、合戦準備ッ!」

艦内ではカーンカーンと警報音が鳴り響き妖精さん達は足下から救命胴衣を取り出して羽織り、ヘッドセットやマイクを頭に被った。

皆次々と配置につき、合戦準備の発動からわずか3分未満で『艦橋、CIC。艦内各部、合戦準備、用意よし』と艦長妖精から無線で報告が上がった。

そしてレーダー類を起動させると、次々と航空目標や海上を滑る艦娘がコンタクトディスプレイ上に現れ、計40機が飛び立ち、扇状になってこちらに向かってくるのがはっきりとわかる。短時間でこれだけの航空機を上げるだけでなく、教導隊も乱れなく陣形を変更していく様子を見ると、練度が高く尚且つ手練だということがレーダー越しでも分かる。

『SPYレーダー目標探知。目標群α、数20、30度。距離、11.5マイル。目標群β、数20、335度。同じく11.5マイル。目標、まっすぐ近づく。』

「了解。対空戦闘用意」

 

(11.5マイルということは約18.5kmか。さて…まずは定石通りに電子対抗手段→SM-2や主砲で航空機の数を減らす→空母と重巡、戦艦にSSMですね。潜水艦は…航空機の脅威がなくなってからヘリを発艦させよう。幸い無誘導魚雷に静音性も高くもなく、速度も遅い。対処はできる…!)

「対空、対潜警戒を厳となせ。艦橋、第三戦速。取り舵70度宜候。」

テキパキと指示を出し、ガスタービンエンジンは独特の唸りを上げ瞬く間に第三戦速へと達したかと思うと、まるで駆逐艦ような機動性で左方向へと曲がり、艦載機らに対してほぼ真横になった。

「ではいきます。対空戦闘、CIC指示の目標、EA攻撃始め!」

従来のものより小型化し改良したNOLQ-2Bから妨害電波が発せられた。

キス島脱出の時では出力を抑えていたが、今は最大出力で妨害電波を航空機や艦隊にむけて浴びせている。

先程まで使えていた通信機や電探は使い物にならなくなっているはずで、大慌てになっているだろう。

 

さて、目を潰したあとは対空攻撃を開始すべく目標の選別を始めた。CICから脅威度が割り振られる。

やはり妨害が効いているのか、攻撃隊は徐々に密集してきた。これは非常にありがたい。なぜなら、SM-2ブロックⅢBは新型の指向性爆風・破片弾頭MK125を採用しており、任意の方向に爆風と破片をプレゼントする素敵なものだ。

『近づく目標、SM-2攻撃始め』とミサイル発射警報が甲高く艦内に響き渡る。

「発射用意…撃てっ。Birds away」

パカッと前後のVLSの蓋が開き、強烈な発射炎が逃がされると共に光る白い矢が4つ上がり、瞬く間に空へと消えていった。

その矢は瑞鶴が率いる航空部隊へと牙を向けた。

 

一方、パブリックビューイング会場では、イージス艦ふぶきの行動に皆がざわざわと驚きの声が上がっていた。

ー初めて聞く号令だ…

ー合戦準備ってかっこいい!

ーそれよりも艦載機をすぐに探知するってヤバくね?!

ーしかもあの白い矢は一体…?

「開始したばかりなのに有利はイージス艦に傾きかけた。しかも見たことのない兵器…この演習はいったいどうなるんだ」

提督は戦闘の歴史が変わる瞬間を画面越しにじっと見つめていた。

「こりゃ明日は特集組まなくちゃですねぇ♪」

青葉はウキウキとインタビュー内容を考えているようで、すでにメモ帳に書いていた。

(ちょっと映像装置とか乱れたけど支障はないようね…よかった)夕張と明石はホッと息をついた。あとは演習を見守るだけだ。

 

 

 

 

「くっ…ノイズが酷い!」

霧島改二が電探や無線を復旧しようと試みるも、ますます酷くなるばかりだった。

これでは吹雪も北上も同じような状況になっているはずだ。

無線が使えないのならもうすぐ旗艦からアナログ式の交信が来るはずと分析していた。

すると分析通りに、左方にいた旗艦の吹雪から探照灯によるモールス信号が送られてきた。

「…流石ね!えぇと…ふむふむ。了解…っと」

その内容は『我も無線及び電探使えず。よってこれより各艦の距離を2kmから500m以内とする。なお陣形の変更は無し。同内容を随伴艦にも伝えよ。』というものだった。

 

「なんで使えてた無線がいきなり使えなくなるのよ?!これじゃ…」

瑞鶴改二甲も小型無線機を何度も再起動したが、虚しくノイズ音が流れるのみだった。これでは連携がものをいう航空部隊に直接指示が出せなくなる。焦るのも当然だろう。

「それだけじゃねぇ…電探も突然オシャカになった。真っ白になって映らない…これ最新鋭の電探だぞ?」

対空艦として瑞鶴の盾になるように警戒していた摩耶改二はドイツ製のFuMO25レーダを装備していた。それだけでなく90mm単装高角砲を2基、零式観測機、25mm三連装集中配備というまさに対空番長にふさわしいものだった。

しかし対空番長とはいえ、レーダという目を潰されてしまってはレーダと連動する対空能力はできなくなった。こうなったら従来の目視による対空攻撃しかなくなる。

「全くしっかり整備してくれよな…うん?あれは…吹雪からのモールス信号か?!瑞鶴も見えるか?」

「えぇ!…なるほどね。とりあえずこっちは速度を上げて早く合流しましょう!」

航空部隊と連絡が取れないことも心配だが、練度が高い妖精さんや艦載機を揃えてきた。きっと大丈夫だと、信じた。

「だな!あまり遠いと手旗信号も使えないしな。よーし、第五戦速!!」

二人はスロットルを全開にし唸りをあげた主機と黒煙とともに前にいる索敵部隊に合流していった。

 

 「隊長!どうやっても復旧できません!」

「ちっ…わかったありがとう」

雷撃隊や爆撃隊は順調に高度を上げていたが、突然無線が使用不可になりノイズばかりが鳴り響くだけのガラクタになった。どの隊も復旧を試みたが直せず、自然と索敵陣形から攻撃陣形の密集形態へと変更していった。空中衝突することなく陣形変更していけたのは日頃の訓練の賜物だろう。

「しかし…どうします?」

後ろで後方銃座に座っていた補佐妖精さんが隊長に話しかける。発艦してからまだ4kmくらいしか進んでおらず、アタックポジションに入るには高度のエネルギー不足から十分とはいえない。

「本当はもう少し高度を稼いでおきたかったが…仕方ない雷撃隊と一部の艦爆隊は徐々に高度を下げていこう。」

「艦爆隊もですか…!?本当にあれをやるつもりなんですね?」

「本気でやるには十分だろう?そうしないと彼女の本当の実力がわからんからな…よし行くぞ!!」村田隊隊長機は手振りやバンクを使用して、雷撃隊と一部の爆撃隊と共に高度を下げていった。

 

「おっ早いな…まぁ無線が使えない状況なら妥当かね。万が一に備えて戦闘機隊を編入したが…しっかりと統率がとれてるし尚且つ敵は一隻。俺らの出番無しにあっという間に終わるだろうな」

烈風改隊長機らは艦爆隊よりもさらに上空で警戒飛行していた。

戦闘機は高度の高さ…つまりエネルギー保持が高いほど有利である。

速度は高度に、高度は速度に相互変換できる。

また、航空機はエンジンで加速してるため高度を上げる事で空戦エネルギーを貯めることが出来る。

しかし、航空機は旋回などの機動を行う事で空戦エネルギーを喪失する。つまり、速度や高度が下がってしまうのだ。

そのため空戦エネルギーを失った航空機は機動力を失い、敵を振り切れなくなってしまう。

つまり、敵に会うまでに空戦エネルギーを貯めておき、速度が急激に落ちる急旋回は避ける。

この2つを心掛けることで空戦を有利に持っていけ、機体のパフォーマンスも上がり生存性も高くなるのだ。

「しかし、妙に静かだな…嵐の前の静けさというか…」

烈風改の二番機妖精はより一層警戒を強めた…その予感はすぐにやってきた。

突如下の方で何かが爆発四散し、雷撃隊や艦爆隊があっという間にバラバラに分解され海へと墜落したのだ。

「ふぁっ?!」

「隊長!雷撃隊が!!」

「なん…だありゃ?!新手の三式弾でも積んでるのか?しかも…なんて精度だ?!」

このまま密集しては的になると判断した烈風改隊長機はすぐさま全機に無線で呼びかけようとしたが、ジャミングでガラクタと化したことを思い出し、無線機を叩きつけた。

「くそっ!!なにもできねぇなんて…仕方ない。ついてこい!」

隊長は手振りで四機は俺の後に着いて高度を落とし攻撃隊の前について護衛しろと伝え、残りの二機はこのまま飛び航空隊の被害を確認した後至急空母へと戻れ、と命令した。

 

 

 「あべしっ?!」

「ひでぶっ!?」

「ああっエンジンが!!くそっ…」

「翼も吹っ飛びやがった…ちくしょうめぇぇ…」

「あんな三式弾なんて聞いてねぇ…よ…」

艦対空ミサイルの餌食になった雷撃隊は密集陣形がアダとなり機体がバラバラになったり、きりもみ回転して墜落するものや、逆にミサイルを避けようと回避起動するが、味方と空中衝突するものも出てきて阿鼻叫喚と化した。

雷撃隊だけでなく後ろにいた艦爆隊も同様だった。

「そんな…あの村田隊と江草隊がいとも簡単に蹂躙されてしまうなんて…」

村田隊隊長の補佐妖精はその光景に唖然としていた。無理もない、この鎮守府の中で最強の攻撃隊なのだから。

「やべぇなあれは…。避けるには…もっと高度を落とすしかないか」冷汗をかきながらも、隊長は僚機に指示を出し、海面ギリギリに高度を落としていく姿をみて僅かに生き残った攻撃隊はエンジンの唸りを上げてその後についていった。

 

 

 『マーク、インターセプト』

『目標、残り20、距離7マイル。高度を落としそのまままっすぐ突っ込んでくる』

レーダには航空機を表す光点が少なくなったものの、その闘志は失われておらず仇を打つようにこちらに近づいてくる。

しかも、しっかりと高度を落としてきていることから艦対空ミサイルを避ける目的だろう。

(うーん…やりますね。さて、整理しよう。距離は約11kmに数は20…半数を失ったとはいえ攻撃は続行。やはり一筋縄ではいかないか…よろしい、ならば次は主砲射程内まで引きつけて対空戦闘を始めましょう)

「艦橋、第四戦速。面舵80度、取舵10度宜候」

『えっ、わざわざ攻撃隊に突っ込むんですか?!』妖精さんが驚いたように無線越しでも聞こえた。無理もない、イージス艦の強みはアウトレンジ戦法なのだから。

それなのにわざわざ近距離に持ち込むなんて一体どうしたんだ?そんな空気が妖精の中で流れた。

するとふぶきは口パクで艦橋にいる妖精に作戦を伝えた。なぜならば、無線は会場にも伝わるからだ。作戦が伝わらないようにあえて口パクで伝えようと試みたのだ。

『……そういうことか。腹黒いですなぁ。よろしい、ならば付き合いますよ。第四戦速、面舵80度、取舵10宜候』

『ええぇ…まじでやるのか…』

『やべぇよやべぇよ…』

『けど、面白くなりそうだな!』様々な感情が妖精の間に混ざりつつもその士気は高まった。

数分後、目的のポイントに着いたふぶきは再度レーダを確認する攻撃隊との距離はおよそ5kmを切っているところだ。目をこらすと黒い点々がポツポツと見えてきた。

「来たか…主砲、攻撃始め」

『主砲、攻撃始め!』

「CIC指示の目標、トラックナンバー4921、主砲、撃ちーかた始め、…発砲!」

カラン、と薬莢が落ち、ドン!と乾いた音と発砲炎と共に砲弾が攻撃隊に向かって撃ちだされた。

 

 

 待ちに待った艦影。視野外から一方的に攻撃され海水浴コースへと連れ込んだ元凶がようやく手の届く所まで来た。隊長らは自ずと操縦桿を握る手に力が入った。

「目標を確認」

「やっと捉えた… 目標、ふぶきまで約5km! 残存機数は……20。半分ほど減ってしまいましたが叩くには十分です」

「よし、このまま低高度を維持してアタックする…おやっ戦闘機隊も来たのか?」

上空から四機の烈風改が颯爽と現れ、前方を警戒するように攻撃隊の前に出る

「どうやら前に出て壁になるようです」

「…そうか。なら無駄にはできんな!」

後続の雷撃隊や一部の艦爆隊は隊長機に続くように最適なポジションに入っていく。

「ふん!たかが一門の砲でなにができる?!」

ただの単装砲だと高をくくっていた烈風改の三番機はこの言葉を最後に、目の前が爆ぜたかと思うといつの間にか機体ごと海面に叩きつけられてしまった。

そして、ありえない連射速度でまるで磁石のように砲弾が次々と航空隊に吸い込まれ、炸裂していく。

「……はあっ?!」

「なんじゃありゃぁぁ?!」

驚くのも無理はない。艦載砲が初弾で動きまくる航空機に当てたのだから。

例えるならば、打ったライナー性のボールを百発百中で空中を高速で動くトンボに当てるようなものだろう。

「くそぉ!魚雷捨て…たわらばっ?!」

回避行動に邪魔な重い魚雷を捨てようとするが遅かった。炸裂した砲弾で機体はズダズダとなり、当然バランスを失い炎を吹きながら海に落下した。

「隊長……」

補佐妖精が泣きそうな声で、また1機と部下たちが日頃の訓練成果を出すことなく果てていくのを眼下で見つめていた。そして、もうすぐでこちらの番になるということも。まるで死神の足音がすぐそこまで聞こえてくるかのようだった。

「この…ハリネズミめっ……」

隊長が見た最後の光景は、スローモーションのようにこちらに向かってくる砲弾だった。

無情にも、いつの間にか片方の攻撃隊は艦載砲によって全滅された。

なんとかせねばと、残る10機の攻撃隊も散開し仕掛ける。

「このままじゃ終われねぇ!なんとしても奥の手のあれを…ッッ?!」

爆戦隊隊長らは高度10m程の超低空に舞い降り、雷撃よりも高い速度で水平飛行しながら目標の300m程手前で反跳爆弾を投下し、通り過ぎる際に機銃掃射を叩き込もうと試みた

が、300mに届くはるか前に、先程まで明後日の方向を向いていた主砲が即座に旋回しこちらを狂いなく、ジッと見つめていた。

まるで"ハハッ↑こんにちは、死ね"と言っているかのようだった。

「くそっ…こんなのってありかよ…」

ギリッと唇を強く噛み、恨めしそうに艦爆隊長は彼女を見つめる。あと一歩なのに、その一歩がとてもとても遠くに感じられた。

非情にも、砲弾は全く外れることなく、最後の艦爆隊に砲弾を爆発四散させた。

 

 

 

 ふぶきは最後の手である近接防御システムを使うことなく、ミサイルと主砲のみで攻撃隊を全滅させた。

周辺には黒煙と油と、バラバラになった機体があちこち浮かんでいた。

「対空戦闘用具収め」

(脅威はなくなったとはいえ…残り二機のあれは戦闘機隊かな?どうやら空母に戻る素振りはあるけど…フェイクという可能性もありえる…迂闊にヘリは上げられないか)

SH-60Kは対潜ヘリとしての役割もあるが、敵艦船を探知・識別し、データ・リンクによって搭載艦へ情報を伝達すると共に、艦対艦ミサイル攻撃の支援を行うことも可能だ。

また、防御システムも搭載しており敵のミサイル攻撃からの生残性を高める為、ミサイル警報装置(MWS)とチャフ/フレア・ディスペンサーを組み合わせた自機防御システム(CMD)を装備しているが…レシプロ戦闘機はヘリよりも当然速く、機銃がメインの攻撃なのであまり意味がない。ジャミングしているとはいえ万が一戦闘機に見つかってしまったら、格好の的となってしまう。この点からみてふぶきはヘリを今あげることをためらったのだ。

(仕方ない。精度はほんの少しだけ落ちるけど予定通り対艦ミサイルを撃ち放そう)

 

 ビューイング会場は先程の盛り上がりが嘘のようにしーんと静まり返っていた。

リアルタイムで情報が届くとはいえ、その一報を信じられなかった。

制空権喪失…と。

それは摩耶でも、秋月型でも、一隻だけで攻撃隊をすべて撃墜することは不可能である。

しかし、ふぶきはこれが当たり前かのように、外れることのない光る矢にありえないほどの発射レートと精度を誇る単装砲だけでやってのけたのだ。

演習報告書をまとめる大淀は手が止まってしまっているし、映像編集している青葉も、観戦している艦娘達も提督も信じられないというような顔をしている。

その中でも大きくショックを与えたのは空母勢だろう。

育て上げた最高練度の機体が何もできず、一方的に叩きのめされたことに。

(夢だったら良かった…しかし夢じゃない…現実…これが現実っっ…)

瑞鶴を慕ってる葛城だけでなく他の空母を同じような思いだった。

(まだ…終わってないわよ瑞鶴。私達の厳しい指導にもよくついてきてくれた貴方がここで終わるわけ…)

加賀も祈るように映像越しの瑞鶴を見つめるが、そんなことはどこ吹く風かのように、ふぶきは攻撃対象を艦隊に向けた。

 

 




どうでしたか?感想や私が気づかなかった所の誤字脱字報告お待ちしてます~。あ、少しWTやWOWS成分が入ることがあります。これもタグでつけたほうがいいのかね。


さてこれからのことを。来月には友達がサークルとして出る沖縄の砲雷撃戦に行くんだが…台風発生しないでほしい。
行けない&帰れなくなるは最悪のパターン…神様仏様オナシャス!
結局遊びしかしてねぇ?!もちろん仕事はしっかりとしてますよ。大変だけどね_(:3」∠)_
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