さて二話はというとどこかの島で目が覚めたが、なんとふぶきは女の子になっていた!?そしてあることをしようとふぶきは少し冒険する
渦潮に巻き込まれてから一体どれほどの時間が経過したのだろうか。
夢をみているようでみていないような、そんな感覚がある。
ーやれやれ、まさか初任務がこうなるとは…とんだ厄日です。まるで第四艦隊事件かな…いやそれよりもひどいですね。
もう船体はボロボロになっているだろう。戦うどころか浮くことすら出来ないかもしれない。私は争いが好きではないが、日本を護れずに沈んだのは心残りがあった。
ーせめて防衛の最中だったらなぁ…申しわけないです。
すると遠くで波が打ち上げる音が聞こえてきた。けど辺りは真っ暗だから確かめようがない。
いや、目をつむっているからではないか?そう思ったが辺りがどんな世界なのか、確かめるのが怖い。もしかすると深海の底の可能性もあるし、天国でハワイのような場所にいるかもしれない。
けど、どんどん明るくなっていく。まるで引き上げられるみたいに。
だから私は勇気を出して、徐々に目を開いてみることにした。
まだ目のピントが合ってなく景色が朧げだが、目に入ってきたのは茶色っぽい草と砂の海岸のようなものと…あとは肌色っぽいのが見えたような気がした。
「ん………?」そこにあったのはどう見ても、人の手、いや私の手だ。
試しに指を動かしてみる……うん動くね。
驚きのあまり声もでたようだ。
いつも仲間と交信し合っているんだけど、なんか違和感がありまくる。
試しにもう一度…「--あ」
うんどういうわけか声が出るね。
すると今度は、よっこいしょとうつ伏せ状態から起き上がってみた。
座った状態で自分の両手や腕を見つめ、色々と体とか触ってみる。柔らかい感触が指先に伝わる。
そして肌を突き刺すような寒い北風も感じられた。
まだ頭の中がぼーっとして多少混乱しているが、懸命にこの状況を理解しようとした。
艦魂とは圧倒的に違うなにか…頭にデータなどが送られてくるのではなく、はっきりと肉眼で確認していて、しかも五感もある。それらから導だされた答えは…。
「-もしかして“人間”になってる?!」
ようやく頭がすっきりしてきた。いや目が覚めたというべきか。
「いや落ち着け。私は渦潮に巻き込まれて沈んだはず。なのにこれはどういうこと?!」
思わず立ち上がるが、いきなりだったので立ちくらみがしてきた。
しゃがみ込むが、落ち着いてゆっくりと立ち上がっていった。
すると限定的であるが、彼女のスタイルや服装が分かってきた。
「なんじゃこりゃ」
おもわずまじまじと見つめた。
服は海自仕様の第三種夏制服のようだがリボンは赤と白が交互になった色になっている。
また結構良いスタイルのようで、やや大きめの胸にくびれたお腹、安産型っぽいお尻…これはモデルさんですと言われても違和感はないだろうなと思った。いやグラビアかな。
そんなことはどうでもいいと自分でツッコミつつ、辺りを見回してみた。
茶色く枯れたような草はあるが木は見当たらない。
また山脈も見えるが頂上は霧がかかっているようでみえない。
すると砂浜に何かしらの機械があったので近寄ってみると、船体に191とペイントされたのがあった。どうやら船体や武器類のようだ。ただそれほどボロボロになっていないのは不幸中の幸いか。
(あんな渦潮に巻き込まれたのに奇跡だな……)
試しに色々と触ってみたがどうやら無線などは使えることはできなかった。はぁっとため息ついた。
またスクリューがついた灰色の靴もあったので履いてみることにした。 うんぴったり合う…ということはやはりこれらは私のものだ。
が、肝心なことがまだわかっていない。ここは一体どこなのか…仲間は無事なのか。
ただ殺風景とした風景に周囲は霧となっているので、恐らく巻き込まれたあと運よく海流にのり、アリューシャン列島の島々にたどり着いたのではないかと推測した。
けどどの島かは分からないので、島内を歩き回ることにした。もちろん船体部なども忘れずに優しく持ち上げ、探索を開始していった。
しばらく海岸沿いを歩いていくと、ちらほらと建物っぽいのが見えてきた。
さすがに船体部類を持って歩くのは骨が折れるのであそこで一休みすることにした。もちろん通信機もあったらいいなと思いそこに向かった。
その建物に向かう途中に砲台のようなものを見つけた。近づいてみると機銃砲台のようだが、どういうわけかあまり錆びれていない。
「うーむ…やっぱりアリューシャン列島辺りで間違いないと思うけど…なんで錆びてないんだろう?」おそらく、定期的に米軍とかがメンテナスとかしているのかな…と思ったが、外来者の立ち入りは制限されているし、そもそもメンテなど聞いたこともない。
「不思議だけど…まずあの建物に向かいましょうか」
数十分後、やっと建物がある地点に到達した。船体等を持ったまま丘を歩いたので流石に息が切れた。
「あぁ、辛かった。さてここで少し休憩しつつ通信機を探しますかね…」
よく見てみると建物というより小屋に近いものだった。ここも同じく小屋はそれほど損傷していない。
「とりあえず中に入りましょう。誰かいますか?」ドアをノックしながら返答を待ったが一向にかえってこない。
何回もノックしたがらちが明かないので、なぜか腰にあった9ミリ拳銃を手にとり、構えつつドアに手をかけて静かに開けた。鍵がかかっていないのは幸いだった。
銃口を向けたまま中に入ると、結構荒れており黴臭かった。どうやら何年も開けていない証拠でもある。
机や棚などを捜索していくがなにも残っていなかった。
ならばと奥のドアを開けてみると、なんということか。
通信機が残されているではないか!どうやらここは通信室だったようだ。
「やった!!これでなんとか…ってこれモールス信号機?!」私は愕然とした。
ーまさか時代遅れの通信機だったとは…でも背に腹は代えられない。なんとかするしかない。
幸い電源は船体部にある発電機から引っ張ることで、通信機を稼働することができた。ただ古いためか、それとも発電機の出力が大きいのか、針がかなり荒ぶっているが。
「…よし、やるか。」
有線のヘッドホンを着け大きく息を吐き、決意して私はモールス符号である“・・・---・・・”(SOS)を打った。本当はこの後にメーデーを無線で言うべきだが、残念ながら無線機はどちらも壊れていたので使えなかった。
そして外には簡易の棒を立てて、遭難信号N旗とC旗を掲げていた。
「誰でもいいから、届いてくれ…」私は祈った。
しかし彼女は見落としていた。そのモールス信号機の裏にある薄い刻印には“キスカ島”とは書かれておらず、“キス島第五警備隊”と書かれていたが…気づくのはそう時間かからないだろう。
そして信号は幸か不幸か、二つの艦隊が信号を受信した。
キス島から南150海里
「ん………こりゃSOS信号か?」
キス島から南東45海里
「………?」
遅い更新になりましたが今後も宜しくお願いいます。
さて次回は時間との戦い、そしてふぶきはどう動くか…になりそうです。ではまた。あ、感想もお待ちしてますよ。(≧▽≦)