更新が少し遅いけどなんとか頑張るぬい。あ、そろそろふぶきのスペックも考えておかないとなぁ…それより三回目の劇場版艦これ見に行きたいな
~キス島から南150海里付近~
「ん…?こりゃSOS信号か?」旗艦である眼帯をした彼女ー天龍は後ろの5人に促し、減速した。遠征から帰投中であるが、いきなり耳っぽいアンテナがピクリと反応したためだ。
「間違いなくSOS信号だわ。しかし場所が…」
銀髪で緑のリボンでサイドテールに結った勝ち目がある彼女ー霞も無線を受信した。いや全員が受信したようだ。
「あぁ、これはキス島からだ。一体なんでだ…?」天龍はキス島がある方向を鋭い目で見つめた。
「まさか深海棲艦の罠か?」セーラ服を着て黒でショートボブの彼女ー深雪は疑った。
「確かにメーデー呼び出しがないから罠の可能性もある…が無線が使えない状況だったらありえるな。下手に座標までいうとあっという間に奴らが来るだろうしな」
するとまたモールス信号がきた。
「ということはこれは…」
長髪、鮮やかな赤紅色の髪で少しエルフっぽい彼女ー江風は確信したようだ。
「間違いなく本物だろうな。よしこっちも返すぜ!内容は…」すると彼女の艤装から妖精のようなものがでてきて、モールス信号で返答した。
「頼むぜ…吉とでてくれ」
~キス島小屋内~
わずか数分後、ヘッドホンからモールス信号が届いた。あまりの嬉しさに飛び跳ねそうになったがすぐに我に返り、モールス信号を解読していった。
「なになに…そちらの船舶名や緊急事態の種類、必要とされる救助などを教えてくれ…日本海軍幌筵泊地所属の軽巡天龍…?! んえっ?!」思わず変な声がでた。
ー天龍って、海上自衛隊の訓練支援艦のてんりゅうしか思い浮かばない。がはっきりと“日本海軍”といっていた。なんかの暗号でも使っているかなと考えたが、とりあえず自分も返答していった。
~キス島から南150海里付近~
「おっきたか。どれどれ…“こちらは海上自衛隊ふぶき型護衛艦一番艦ふぶきである。本艦は遭難し島内にたどり着いた。乗員は一名。すぐに救助を求む”…えーと妖精さん。これ間違ってないよな?」すると妖精さんは間違ってないと伝えてきた。
「まじかよ…なんだ海上自衛隊って?そんな組織聞いたことねぇぞ。おいお前たち。海上自衛隊っていうの聞いたことあるか?」当然だが5人らは頭に?マークが浮かんでいた。
「新しい秘密組織かしら?」 深雪のセーラー服とは少し色違いで、腰まである紺色のロングストレート(帽子付き)の彼女ー暁はきょとんとした。
「確かに私たちが知らないところでそういう組織ができたのはありえますね」茶髪のセミロングを後ろに2つ括りした深雪と同じセーラー服の彼女ー白雪は一つの可能性としてそう言った。
「けど護衛艦ともいったぜ?罠なのか本当に遭難しているのか…」
天龍は考えたが、もし遭難ならその信号はすでに深海の奴らに聞かれている恐れもありえる。つまりその護衛艦とやらを狙って拿捕する可能性もあるし、艦砲射撃で痛めつける可能性もある。
そのリスクを冒してまでモールス信号をするのは限りなくハイリスクだが、それほど緊急度は高いということになる。
が、仮に本当の遭難だとしても俺らは遠征部隊である。装備は主砲にドラム缶×2がほとんどだ。あのキス島撤退作戦のように逆探できる電探もないし速力が上がるタービンもない。
また泊地からここまでは100時間近くかかるから、救出部隊を待っている間にやられる可能性もある。
つまりそれらの問題のクリアするには…大ばくちになるが天龍は決意し、5人の駆逐艦に作戦内容を伝えた。
皆驚愕したが、今キス島に“深く”突っ込んでもあの海域は戦艦などがうようよしているため、瞬く間に海の底になるだろうと…。5人は同意した。
「責任は俺がすべて持つ!だから信じよう。諦めず最後まで見捨てずにやろう」まさかこれほど重大なことになるとは思いもしなかった。
ーこりゃ帰ったら説教コースかもな…いやそれで済めばいいな。苦笑したが天龍は五分五分の賭けならのる方である。
「よし只今から護衛艦ふぶきを救出を目的とした作戦、Wキ作戦を開始する!ドラム缶は切り離せ!」
一斉にドラム缶は切り離され、天龍の妖精はモールス信号を二つのところに打っていった。
キス島小屋内
数十分が経過したが、やっと信号がきた。落ち着いて解読していくととんでもない内容だった。
「“島の周りには敵がいる。もうすぐすれば砲撃がくるだろう。深くそこには行けないため、自力で脱出して、Y地点で会おう。天候は霧でありしばらく晴れない模様。健闘を祈る”…か。」
ー敵ってなんのことだろう?もしかしてあの物騒な海軍がここまでいるのか…だとしたらもう急がなくては!
けどY地点がどこか分からない。机の引き出しを引いてみるとなにもなかったが、二重構造になっているのを見つけたのでちょいといじると…なんということか。地図があった。
はやる気持ちを抑えて開いてみると、島の地図やあの撤退作戦のルートがかかれたものだった。
「おいおい…こりゃ貴重なものが残っているとは!奇跡過ぎるでしょ私って」
するとZ地点やY地点を見つけることができた。思わずガッツポーズした。
「よし返答しよう。早く脱出しなきゃ…」私は震える手で慎重に打っていった。
キス島から南145海里付近
「よしきたか。“了解した。これより無線封鎖しなんとかして行く。そちらも健闘祈る。”だとよ。」
「しかし無茶な作戦だわ。下手すれば私たちも海の藻屑となるわ。」
「けどやるしかないぜ。天龍さん頼みましたよ」霞と江風は天龍にプレッシャーをかけた。
「おいおいそんなにプレッシャーかけるなよ。…よし行くぜ!ここから無線封鎖だ!第五船速!!」機関の出力があがり黒煙がより濃くなり、6人たちは警戒しながらY地点へと向かった。
キス島小屋内
「急げ急げ…」電源を抜き地図を持ったのを確認してから通信室を出た。
電源コードを巻き戻し、NC旗はマストに掲げてからあの靴を履き、艤装は慎重に背負った。
「これ浮くのか動くかどうかわからないけど、やるっきゃない!」丘を下り砂浜を渡り、近くにあった簡易の橋を渡ってからゆっくりと海に入った。
「浮いてくれよ…」祈りながらそっと両足を海に付けて立った。
「うおおっ!」波でバランスが崩れかけたがなんとか耐えた。コントのようなことはならず安心したが、まだ課題はある。主機は動くかである。
「いい子だから動いてくれ…主機起動!ブレーキ脱!」すると甲高い機関音をあげながら主機は動き、スクリューはゆっくりと動いた。そしてわずかながら様々なシステムも動いた
「おおっ…やった動いた!!両舷前進微速!」バランスをとりながら行くがこれが結構難しい。まるで生まれたての小鹿のようにプルプルしているがこけないように必死に進んだ。
数分後、やっと微速に慣れたので徐々に速度をあげてみた。ただ最大船速は主機に負担がかかるだろうと思い使わないことにした。
「はぁ…疲れた(汗)。とりあえずこのまま南に進んでっと…しかし濃い霧だなぁ。」警戒しながら湾内を抜けようとした直後、レーダーに反応があった。
「うん?ノイズだらけでさっぱりだけど…なんか12隻いてしかもUnknown?距離は…北北西30海里と北東42海里か…。」
どうやらこっちに向かっている動きのようだ。まさかあの信号でばれたか!?
「まずいな。兵装はすべて使えないし…仕方ないこのステルス性と霧を信じて抜けよう」針路変更を行い座礁に気を付けながら島沿いを進むことにした。
キス湾から南東30海里付近
キス島包囲艦隊の旗艦である軽巡ホ級flagshipはホ級eliteと駆逐イ級elite×2、輸送ワ級×2とともに信号が発信された所へと向かっていた。
「ギギッ…ギッ?」ホ級flagshipは霧が予想以上に深いため、目視は出来ないのでもう一つの部隊である水上打撃部隊に無線で電探による探知をお願いした。
すると戦艦ル級eliteから電探による探知を開始したと報告がはいり、ホ級flagshipも水中探信儀による捜索を開始し た。
どうやらベガ湾を封鎖しながらキス湾に向かう戦法をとるようだ。
ーゼッタイニトラエテヤル…憎悪のような念を抱きながら12隻は電探類を使いつつキス湾に向かった。
ベガ湾内
「うわぁ…いるね。しかも無線といい電探といい色々な電波が来てるよ。」艦種まではまだ分からないが確かに12隻はいることはレーダーでおぼろげながら分かっている。
ー見つかりませんように…。ゆっくりと速度を落としながら進んだ。が途中で悪寒がいきなり走り思わず停止した。
「なんだこれ…まるで殺気…いや憎悪の念…。こんなの感じたことない」冷や汗をかき艦隊がいるだろうと思われる方向をじっと見つめた。
深い霧で見えないが黄色くも赤くも、どす黒いオーラ-がビンビンに伝わってくる。
そして靴の先についてあるバウソナーからわずかであるが、タービンの音が聞こえた。
しかしそれは今まで聞いたことのない音だった。
「いったいあれは…なんなんだ?」このまま見つかったらお終いだろう。逃げ切れる自信がない。
私はじっと息をひそめて謎の艦隊が通り過ぎるのをただただ待った。
ベガ湾内 ふぶきから東6海里付近
敵水上打撃部隊を率いる旗艦であるル級eliteは、イライラしながら索敵していた。
霧で電探の探知力は落ちているとはいえ、信号を打ったと思われる奴は一向に見つからないのだ
「クソ、マダミツカラナイナ…。オイソッチハドウダ?」別部隊のホ級flagshipに無線で呼んだが、そっちも全くの無反応だそうだ。
ーモシカシテ、ハンタイカラニゲタノカ…?イヤ、ソウダッタノナラ、クウボキドウブタイカラハッケンノ、ホウコクガアルハズダ…シカタナイ、サクセンヘンコウダナ。
すると旗艦は後方の仲間と無線で作戦変更を伝えようとした。
「ふむ…無線でやり取りしてるね。このままだと封鎖されるかもね…仕方ないあれを使いましょう。ってこれどう使うんだ?(汗)」
あれこれ考えたが、艦魂の頃にやった方法で試すことにした。
「ふぅ……」落ち着くために目を瞑り大きく深呼吸し、精神を統一させた。
「電子戦用意!NOLQー2C始動!ジャミング開始!!」そしてすぐさま主機を再起動させて移動していく。
ジャミング電波が一瞬ににて放出された。
…ガガッ
「…ナンダ?ムセンガツナガラナクナッタ…クソッ、レーダーモ、ホボマッシロダト?!」
イキナリコショウシテシマウトハ…。続く運の悪さにイラついたル級は探照灯で指示を出し、予定にないことだが島に砲撃を開始した。
そしてその砲撃はホ級Flagshipが率いる艦隊に動揺を与え、奴がついに見つかったと思いこみ、主砲斉射した。
「…ギーッ!?」突然水上部隊の駆逐艦一隻が轟音と水柱とともに、断末魔をあげて轟沈した。
「クソッ?!イツノマニマワリコンダンダ!?」旗艦は砲撃があっただろうと思われる方向に斉射した。
それもそのはず、深い霧とふぶきによるジャミングのため統率は取れず、電探による射撃ももはや期待できず、同士討ちが発生したのだった。
「わっ?!」ベガ湾をぬけだそうとしたら、突然腹に響くような砲撃音が聞こえた。
でもそれは私たちが装備している主砲の音でもなく、対艦ミサイルのものでもなかった。
気になったが、まずはここを抜けることが第一と考え、両舷を第四船速にあげた。
Y地点
「んーおっかしいなぁ。いきなりレーダーが使えなくなってしまったぜ。故障か寿命かこりゃ?」天龍は頭に浮いてるアレを手に取ってトントンと叩いてみたが、治らず雑音もひどいままだ。
「私達のも使えなくなってしまいました…けどほんとうに来るんでしょうか」白雪が不安そうに水平線を見つめた。
ここも珍しく濃霧であり、なかなか見えにくい状況である。
「祈るしかねぇ…ここが敵の哨戒圏ギリギリの地点だから、いくら濃霧だろうがこれ以上はな…。」
くそっ、と唇を噛みしめながら霧の彼方を見つめると、遠くから発砲音らしきものが聞こえた。
「っつ?!この音は…?」今まで聞いたことのない発砲音だった。
「レーダーには依然反応ないわ…」霞が言い終わらない内に今度は彼方から霧中信号の連続音響の信号が聞こえてきた。
ーおいおい、まさかほんとにあそこを抜けるとは。唖然としている内に先ほどよりも大きな発砲音が聞こえ、徐々に近づいてきているようだ。
「この霧だ。早くここだと知らせないと」天龍は音がしたと思われる方向に探照灯を照らしパシャパシャと切り替えをした
内容は“こちら旗艦の天龍。間もなくY地点。減速セヨ”だった。
すると向こうからも探照灯による返事がきた。“こちらふぶき。了解した。”
その直後、急に動かなくなった電探が回復し、雑音も直った。ただレーダー上の反応はないままだが。
「どういうことだ…」天龍らが困惑しているとき、無線が入った。
“当艦は海上自衛隊ふぶき型護衛艦ふぶきです。Y地点まであと三浬。”
ーもう三浬かよ?!この霧の中で正確に距離を…?!なんてやつだ! 感心しつつ天龍は無線で返した。
“こちら日本海軍天龍型一番艦天龍だ。ここまでよく頑張った。後は俺たちがそこまで行くから停止せよ。”
“了解。当艦の位置は北緯49度50分、東経176度77分。マストにNC旗を掲げています。”
“了解した。直ちに向かう”通信を終えるとジェスチャーで仲間に伝えた。
それは武装解除しその地点へ向かうということだった。万が一のことを考えてだが、できれば使いたくはない。
六人は主機を起動し、霧中信号を出し警戒しながら第三船速で向かった。
天龍達の艦隊から北に三浬
「レーダーに感。うん近づいてきてるね…信号もはっきりと聞こえるし」ふぶきは不安だった。レーダー上には6隻映っているが、故障のようで敵味方の判別がつかないのだ。それが一番怖い。あの無線の相手が本当に“天龍”か“てんりゅう”なのか…それとも先ほど遭遇した得体のしれないものか…
ー武器はリンクできない…使えるには腰にある9ミリ拳銃のみか。いくら最新鋭の私でもこれでは分が悪すぎる。
「こりゃ下手に抗わない方がいいかなぁ…」9ミリ拳銃を手に取りながらため息交じりに呟いた。
すると異変が起こった。あんなに濃かった霧がどんどん晴れてきてきたのではないか。
「うえっいきなり?!海は天候が変わりやすいとはいえ…」もうあの艦隊は二浬以下まで迫ってきている。
「三キロ以下か…もう目視はできるかも」拳銃は腰に隠したまま、NC旗をマストいっぱいに高く上げ、左右に伸ばした腕をゆっくりと上下させてみた。
霧が晴れると、私は慎重に接近してくる艦隊を見つけることができた。ただ…それは船ではなく、私と同じく海に浮かんで進んでいる人だった。
「私は「俺は」夢でも見ているのか…?」
どうやら天龍といった人達も驚いているようだが、何に対して驚いているのかは私は分からない。
私は遭難してから初めて人(っぽいもの)に出会った。
そしてこの世界の歯車は、これを機に大きく、複雑に動き始めた。
いかがでしたか?感想や質問とかもおまちしておりますよー。
さて次回は私が所属している鎮守府にふぶきは天龍らによって曳航されます。そこでふぶきが見たものとは。そして待ち受ける衝撃の事実…