問題児たちと一緒に禍巫女も異世界へ来るそうですよ? 作:禍巫女
とある世界のとある神社の縁側にて、脇がでた特徴的な巫女服を着た1人の人間がいた。
「あぁ〜、暇じゃなぁ……幻想郷は平和だし。今代の博麗の巫女である霊夢も忙しそうだし。……本当に暇だのぉ」
そう1人で呟く人物。腰まである濡羽色の黒髪をポニーテールにし、金色の目は退屈そうに細めていた。
その姿はまさに絶世の美少女。大和撫子と言うべき姿で10人中10人が美女と答えるぐらいの、美少女っぷりではあるが、なんとこの少女、男なのである。
幻想郷を妖怪の賢者と共に守ってきた歴代の博麗の巫女の中で、唯一無二の男の巫女なのである。
そんな、少女のような見た目の少年に近づく同じ博麗の巫女服を着た少女、博麗霊夢が嘆息しながら来た。
「……はぁ、だったら少しくらい神社周りの落ち葉の掃き掃除くらい手伝ってくれてもいいじゃない。お師匠様」
博麗霊夢は呆れたような顔でそう言いながら少年を見る。
「……うーむ。べつに手伝っても良いのだが……やはりワシの能力でどうにか出来てしまうのでの。能力を使わずともワシの異常な身体能力ですぐに終わってしまう。故にすぐに飽きてしまうのじゃ。……と、言うよりかは霊夢。お主も暇じゃからそうして掃き掃除をしておるのではないのか?」
少年がカラカラと笑いながらそう言うと、霊夢はまた嘆息しながら「そうよ。悪い?」と答える。
「カッカッカッ! 先代の博麗の巫女でありお主の母親でもあった博麗楓姫(ハクレイ サツキ)もいつも暇があれば落ち葉の掃き掃除をしていたぞ。それも、落ち葉がなくてもな。……さて、霊夢。お主の本当の目的は別にあるじゃろう? さぁ、その懐にしまっておる物を出してみぃ」
少年は霊夢を面白そうに見ながら手を出した。とうの霊夢はバレていた事に驚きもせず、逆にやっぱりわかってたかといった感じな顔をして、やれやれと首を振りながら懐から"一枚の手紙"を取り出した。
「はい、これ。師匠宛の手紙よ。私が知らない内に玄関に落ちてたわ。最初は紫かと思ってたんだけど……」
霊夢が少年とは別の方面に視線を向けると、何も無い空間がパカッと割れ、その割れ目から無数の不気味な目がギョロギョロとしている空間の中から、頭の帽子に赤いリボンのような物が付いた帽子をかぶった金髪の女性が現れた。
「いやぁ〜ね。今回の"ソレ"は私は関係ないわよ。むしろ、こことは別の世界から来たと言うべきね。私は結界内にいつの間にか侵入していたそれを確かめに来たのだけれども…………随分と物騒なものね。封を開けたら強制的にその"世界"へと召喚される仕組みね。」
その人物……妖怪の賢者こと八雲紫は扇で口元を隠しながらそう言った。それを聞いた少年は面白そうに笑を浮かべる。
「そうじゃのぉ。どうやらこの送り主はワシをどうしてもこの手紙の世界へと召喚したいようじゃしの。……なんせ、ワシの本名を知っておるのだからのぉ」
その手紙の裏には、『博麗祐奈様へ』と書いてあった。
「ワシはこの博麗神社の神になって以来、名を変えこの本名はその代の博麗の巫女にしか教えていないからのぉ」
「そういう割りには幻想郷の住人の殆どが師匠の名を知っているじゃない。」
「……うむ。まぁ、加奈子や諏訪子といった神メンバーは幻想郷に入る前から知っておったし、他の古い時代からおる妖怪メンバーも何度かあっておるからな。知っていても当然じゃ。それに、それ以外のメンバーもここで宴会をこう何度もしておれば、嫌でも覚えよう。…………何たって、酒が入るとワシの事だけは口の軽い女がそこにおるからなぁ〜」
少年……博麗祐奈は紫を見ながらそう言った。とうの見られている本人である八雲紫は「そ、そうだったかしら? あ、あはは〜」と目をそらしながらそう言っていた。
「……ふむ。まぁよい。別に隠すような事でもないし。あくまでも神となったからケジメとして神の名を持つだけじゃからな。……そもそも、信仰心のない博麗神社の神様になった所で、それを神と言えるかどうかが問題じゃしの。」
「まぁ、確かにそうね。祐奈ったら、加奈子や諏訪子同様、神特有の力である神力を持っているくせに信仰心がなくても神としての力は使えるしね。しかも存在が消えるわけでもないし」
「まぁ、ワシは元々人として生まれておるからの。そもそも神力といっても長い年月をかけていつの間にか神になっていただけで、純粋の神ではないからのぉ。『神であって神にあらず』ワシを一言で申すならこれが一番しっくりくるじゃろうな。もしくは半神半人かの?」
「そうね。それがあなたにピッタリな言葉かもね」
「まあ、師匠は師匠だし、私にはどうでもいい事ね」
「カッカッカッ! 霊夢は相変わらずバッサリとしておるの。じゃが、それこそが霊夢じゃな。ワシがいなくなっても博麗神社に幻想郷は安心できるの」
そういうと、博麗祐奈は封を切り、中身を見た。
すると中にはこうかかれていた。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
「それではいってくるぞ!……霊夢よ、ワシがいない間、幻想郷を頼むぞ!」
と霊夢にぼやくと、急に視界が花が生い茂る縁側から晴れ晴れとした空に変わった。
ちなみに、イメージモデルはバカテスの木下秀吉を黒髪ポニーテールにした感じです。ちなみに、ふぁみぷちという、木下秀吉のフィギュアをモデルにしました。