Fate/EXTERIOR   作:ニカワ信者

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 人の嗜好は千差万別・多種多様。
 私の好きが貴方の嫌い。貴方の好きが私の嫌い。そんな事が多々ありましょう。
 しかし今、声を高らかに宣言したい。
 Fate/EXTRAシリーズにおいて“一番”なのは、赤セイバーでもキャス狐でも、金髪凛でも履いてないラニでもなく。
 ましてや、甲斐甲斐しい野良小間使いから狂おしい悪役までこなすチョロかわ赤ランサーでもなく。

 ──ザビ子であると。

 そんな気持ちが作り出した作品です。
 EXTELLAのネタバレあり。
 ザビ子x赤チャしか認めんという人はGO BACK。
 これも一つの可能性……と思える方だけ、お楽しみ下さいませ。


第一話

 

 

 ただいま、と。

 誰に言うでもなく、自分は帰宅の挨拶をする。

 マンションのドア、と言われて誰もが思いつくだろうそれを開けた先にあるのは、質素な1DKの部屋だ。

 現在時刻は午後一時半。丸一日以上をかけた大仕事を終えた、しがないサラリーマンを迎える、薄ら寂しい愛しの我が家。

 当然、出迎えてくれる人も居ないので、溜め息と共に靴を脱ぐ。

 ガサリ。手に提げたビニール袋と、仕事で使うバッグが音を立てた。

 

 とにかく、疲れた。途中で仮眠を取ったから眠くないが、それでも疲労感が体に染みついている。

 これを洗い落とすには、簡単にでも食事を済ませ、暖かい風呂に入らなければ。

 せっかく外はいい天気なのに、休日に布団すら干せない忙しさは、給料的には嬉しいが……。

 いや、愚痴ってても仕方ない。食事の前に、まず風呂を沸かさないと。

 そう思い、いつもの定位置──ダイニングのソファへと、目も向けずにバッグを投げる。

 

 

「ふぎっ」

 

 

 ぬぉわっ。

 

 ボスン、という落着音の代わりに、カエルが踏まれた時のような悲鳴が聞こえ、ビクッとしてしまう。

 反射的に視線を向ければ、そこには小さな人影が寝そべっていた。

 本人曰く、変装らしい紺のセーラー服。黒いハイソックスに、胸元を飾るのは赤いリボン。

 顔はバッグで隠れて見えないが、薄茶色の、毛先が緩くウェーブしたロングヘアが、“彼女”の特徴だ。

 

 

「……痛いです」

 

 

 むくりと起き上がり、何故かバッグを保持、顔を隠したまま、眠っていたらしい少女は声に怒りを乗せる。

 

 ご、ごめん。

 居るとは思ってなくて。

 

 

「靴、脱いであったと思うんですが」

 

 

 ……そういえば、あったような気がしないでもないような……。

 

 記憶を振り返ると、玄関の片隅に、小さな革靴が揃えてあった、かも。

 定かでないのは、それが“見慣れた物”であると、疲れた脳が無意識に判断したから、だと思う。

 

 

「せっかく、気持ち良く昼寝してたのに……」

 

 

 だからごめん、悪かったです……いや待った。

 そもそも、どうやって入ったんだ?

 

 

「どうやってって、これですけど」

 

 

 未だに顔を隠す少女が、スカートのポケットから鍵らしき物を取り出す。

 小さくてよく見えないけれど、状況からしてこの家の合鍵に違いない。

 

 そんな物、自分は渡してないぞ。いつか渡すつもりではあったけどさ。

 

 

「だったら問題ないと思います。先に貰っても。

 というか、無用心ですよ。あんな保管じゃ、誰でも盗めちゃうし。

 なので、わたしが先に預かっていたんです。むしろ感謝して欲しいです」

 

 

 盗めるって言っちゃったよ、この子。

 確かに引き出しへポイッと入れといただけだったけど、盗んだ自覚はあるのね、一応。

 “彼女”と知り合って一~二ヶ月ほど。

 最初は大人しい、ごく普通の少女だと思っていたが、それは見た目だけで、中身は意外と図太いというか、なんというか……。

 

 

「それよりも」

 

 

 呆れれば良いのか、叱れば良いのか悩んでいると、“彼女”はすっくとソファから立ち上がり、自分の真ん前に。

 そして、顔を隠していたバッグを、胸に抱きかかえ。

 

 

「おかえりなさい。お仕事、疲れました?」

 

 

 なんとも無愛想に、しかし非常に可愛らしく、小首を傾げた。

 露わになったのは、間違いなく美少女と評して良い顔立ち。

 これで誰にでも愛想が良かったら、アイドルデビュー待った無しの美少女である。

 そんな子が「お帰り」を言ってくれる。

 前の自分でも絶対になかったであろう、望外の幸運に戸惑いつつ、どうにか頷く。

 

 あ、ああ。ただいま。……疲れたよ。本当に。

 

 

「ご飯、すぐ出来ますけど。食べますか」

 

 

 えっ。マジで?

 

 驚いて聞き返すと、“彼女”も「マジです」と頷いた。

 鼻を働かせてみれば、確かに味噌汁の匂いがした。他にも下準備をしてあるのか、自信ありげだ。いやはや、有り難い。

 それなら、後は風呂の用意をすませるだけか。

 

 

「ちなみに、お風呂も掃除してありますから。あとはスイッチを入れるだけです」

 

 

 なんと。

 思考を先読みでもしたかのように、“彼女”は胸を張る。

 これでエプロンでも着けていたなら、完璧な奥様は女子○生である。

 知っている人は居るだろうか。自分は知らない。なんとなくタイトルが思い浮かんだだけなのだ。

 にしても。こんなに恵まれていると、後が怖いと思ってしまうのが、小市民の性な訳で。

 

 一体、どういう風の吹き回し? “君”がそこまでしてくれるなんて。

 

 

「だって、家だと自分じゃ出来ませんし。

 セイバーもキャスターも、世話をしてくれるのは嬉しいんだけど、根が一般人なので。

 やっぱり時々、無性に家事がしたくなるんですよ」

 

 

 “彼女”はあまり表情を動かさず、けれど、ほんの少しだけ眉を動かした。困っているようだ。

 セイバー。キャスター。剣士、魔術師を意味する英語。

 日常生活においては馴染みのない単語だが、これらは、“彼女”の連れ合い(サーヴァント)である二人の女性を指す言葉だった。

 面識がある程度で、全くもって親しいなどとは言えない間柄なので、詳しい事は言えないのだが、そんなに甲斐甲斐しいのだろうか?

 キャスターと呼ばれる青い女性は、まぁそんな感じだったけど、セイバーと呼ばれる赤い少女の方は、どちらかと言えば世話される方的な雰囲気を感じたのに。

 というか、家事をしたいのならそう言えば良いのでは? 疑問が口をついて出る。

 

 でも、直接あの二人に言えば、家事くらい普通にさせてくれるんじゃないか?

 

 

「……言って聞くようだったら、どれだけ幸せか……」

 

 

 あ。なんか地雷を踏んだっぽい。

 呟いた“彼女”の表情は、目に見えて暗く落ち込んでしまった。

 詳しい事情は知らないし、出来ることなら知りたくないが、子育てに疲れた新米ママみたいな顔をされては、流石に気まずい。

 どうにかして話をそらさねば。

 

 あー、えっと。ご、ご飯! ご飯食べよう! 作ってくれたんだろう? もうお腹減りまくりだしさっ。

 

 

「……そう、ですね。うん。すぐ準備します」

 

 

 ちょっとおどけて、大げさに空腹をアピールすると、こちらの意図を汲んでくれたのか、小さく笑ってくれる。その笑顔は堪らなく可愛らしい。

 慣れた手付きで、セーラー服の上に純白のエプロンを重ねる姿は、まさしく対男宝具が如き威力だった。

 抵抗できるのはきっと、赤い魔槍のボルク抜きな方々だけであろう。

 ……宝具とか赤い魔槍とかってなんだろう。知らんけど的確な表現だという自信はあった。

 

 あ。でも、どうしよう。

 これ、無駄になっちゃったな。

 

 

「どうかしました?」

 

 

 適当に何か腹に入れようと思ってたから、コンビニでパン買って来ちゃったんだよ。

 焼きそばパンなんだけど──

 

 

「わたしが食べます」

 

 

 ──え?

 

 食い気味に、“彼女”はそう言い放った。

 視線は、左手にぶら下げっ放しだったビニール袋へと。

 

 

「“貴方”はわたしが作ったご飯を食べる。わたしは“貴方”の買って来た焼きそばパンを食べる。これでなんの問題もありません。パーフェクトアンサーです」

 

 

 いやそんな。某映画の副題っぽく言われても。

 それほど長くない付き合いだけど、何度か外で食事を一緒に摂った時、“彼女”は決まって焼きそばパンを買っていた。

 だから今回、つい自分も焼きそばパンを買ってしまったのだが、ここまでとは。

 

 ……まぁ、“君”がそれで良いのなら、異論は無いけど。本当に良いの?

 

 

「はい、大変結構です。座ってて下さい。お味噌汁、温めますから」

 

 

 鷹揚に頷いて、キッチンへ向かう“彼女”。

 風呂を沸かすスイッチもあっちにあるから、ホント任せきりだ。

 なんというか……。新婚生活を送っているんじゃないかと、勘違いしたくなる光景である。

 普通に考えればあり得ないし、見た目的にもあり得ないのだが。

 SE.RA.PHの守護者と、寄る辺のない漂流者。

 高校生らしき“彼女”と、二十代から三十代らしき“自分”。

 釣り合うはずがない。

 

 そんな事を思ってしまうのだけれど、忙しそうに、スリッパをパタパタ鳴らす後ろ姿をソファで眺めていると、確かな幸福感を覚えてしまって、長続きしなかった。

 ん~。肉の焼ける良い匂いもしてきた。これは味噌漬けだろうか?

 難しい事を考えず、今は“彼女”の手料理を待っていよう。それが良い。

 

 程なく食事の準備は整い、テーブルに着いた自分の前には、豪勢とは行かないまでも、暖かな食事が並んだ。

 味噌漬けにした豚肉とキノコの炒め物。

 大根と人参の味噌汁。

 ほうれん草の胡麻和えに出汁巻き玉子。

 そして白いご飯。

 自然と頬がほころぶ、暖かな食卓だった。

 “彼女”の前にそれがなく、焼きそばパンだけが置いてあるのが、微妙に違和感と罪悪感を覚えさせるけども。

 

 

「いただきます」

 

 

 いただきます。

 

 二人で手を合わせ、日々の食事に感謝を忘れて、自分は箸をとる。

 まずはやっぱり、味噌汁から。

 

 

「美味しい、ですか?」

 

 

 気になるのか、“彼女”がこちらを、上目遣いで覗き込む。

 まるで子犬にも思える姿に、しかし自分はあえて間を作った。

 固唾を呑むような音。それを聞き届けてから、素直な感想を告げる。

 

 うん。美味い。ホッとする味だよ。

 

 

「そうですか。……良かった」

 

 

 ホッと一息つき、焼きそばパンを頬張る少女。

 テーブルの下に隠された左腕が少し揺れたのは、恐らくガッツポーズでもしたからだろう。

 なんだかおかしくて、自分はまた笑っていた。

 誰もが舌鼓を打つ……なんていうレベルではないが、基礎をしっかり踏まえ、食べる人を想って作られた料理は、いとも簡単に心を和ませてくれる。

 ちょっと柔らかくなった味噌汁の大根とか最高だし、炒め物は水っぽくなく、ご飯が進む。

 箸休めの胡麻和えだって美味しいし、ちょっと型崩れした出汁巻き玉子も御愛嬌。

 ああ、幸せだ……。

 

 

「お仕事、順調みたいですね」

 

 

 うん。こき使われるけどね。

 勉強する事ばっかりで、仕事が楽しいと思ったのは初めてだよ。多分。

 

 世間話や仕事の話を交えつつ、食事は進む。

 自分の仕事は、ありていに言えば物流の管理である。

 解放されたばかりらしいSE.RA.PHにも、この手の仕事は必要不可欠。

 必要に応じて仕入れまでやらされるから、ブラックとホワイトの中間みたいな忙しさだけど。

 

 SE.RA.PHとはSERIAL PHANTASMの略称であり、霊子虚構世界の事……のようだ。

 ムーンセル──地球の衛星である月の内部に発見されたという、人類ではない知性体に起源を持つスーパーコンピューターが構築した、いわば仮想空間。

 つまり、ここでこうして食事を摂っている自分も、目の前で焼きそばパンをモッシャモッシャしている“彼女”も。

 地球に存在する生身の人間ではなく、月に居る電脳体なのだという。

 

 他人事のように言っているのは、まるで実感が無いから。

 だって、ここは現実と変わらない。

 地球ではあり得ないことが起きるのも事実なのだけれど、それ以外は全く。

 そうだと教えられなければ、自分はいつまでも、ここが地球のどこかだと思っていた事だろう。

 己の名前すら、思い出せないまま。

 

 

「記憶の方は、どうですか。何か思い出せました?」

 

 

 どこか、腫れ物に触るような口振りで、“彼女”が問い掛ける。

 そう。自分には記憶が無い。

 SE.RA.PHで目覚める以前の、地球においてのプロフィールを、思い出すことが出来ないのだ。

 地球で産まれ、育ち、暮らしていたのは分かる。歴史だってある程度は。

 けれど、マクロからミクロに──国家の歴史という記録から、自分という一個人の記憶になった途端、空っぽになってしまう。名前すらも。

 仕事をする為に奈々篠(ななしの)という仮名は貰ったが、それだって“名無し”から取っただけの記号。

 

 理由も経緯も忘れたまま、自分はここに居る。

 目覚めたばかりの頃の不安を思い出し、知らず黙り込んでしまった。

 

 

「……あの」

 

 

 心苦しいのだろう。

 綺麗に整えられた“彼女”の眉は、八時二十分の角度になる。

 どこまで人が良いのか、この子は。

 偶然出会っただけの、縁も所縁も無い男を気遣い、心を痛めてくれて。

 

 大丈夫だよ。

 

 

「はい?」

 

 

 なんとなく、そんな言葉を口にしていた。

 命の恩人にも等しい少女に、暗い顔をして欲しくない。

 できる事なら、笑っていて欲しい。

 だから、自分は。

 

 仕事が忙しいおかげで、昔の自分の事は気にならないし。

 というか、気にしてる暇ないし。

 それに……。

 

 

「それに?」

 

 

 途切れた言葉の続きを求め、“彼女”が鸚鵡返しする。

 ……どうしよう。

 滅多にない機会だし、ちょっとばかり臭いセリフを言ってみたかったのだが、恥ずかしくなってきた。

 なんでもないと言えば、深く詮索しないだろう。話はここで終わり。

 けど、それで良いのか? 甘えてばかりの関係なんて、きっと長続きしない。

 そうならない為にも、まずは一歩を踏み出すんだ。

 言ったれ、自分!

 

 ……っき、“君”が、居て、くれるし。

 寂しいと思った時は、“君”の事を思い出せば、すぐにそんなの吹っ飛ぶ。

 こう見えても精神的にタフになったんだ。だから、自分は大丈夫なんだす。

 

 

「………………だす?」

 

 

 噛んだ。この大事な場面で、噛んだ。

 大丈夫なんですよ、優しい守護者さん……と続けたかったのに、噛んでしまった。

 どうせ噛むなら、舌を噛み切って死んでしまいたい。

 慣れない事なんてするんじゃなかった!

 

 

「だす……っ。だす、って……っ! キリッとした顔で、大丈夫なんだす……。ふ、くふふ……っ」

 

 

 しばし目を丸くした後、“彼女”は手で口元を隠しつつ、耐え切れないといった風に、テーブルへ額を押し当てた。

 当然、肩は大きく震えている。

 笑うんだったら、いっそ腹を抱えて、指差しながら大笑いして貰えませんか。

 こちとら顔が熱くて仕方ないんですけども。

 

 

「はぁ……。なんだか、今後一ヶ月分くらい笑った気がします」

 

 

 ──とまぁ、こんなやり取りがあって、しばらく。

 食事をなんとか終え、その後片付けも済ませた自分たちは、ソファに並んで座っている。

 正面には中古の薄型テレビ──実際には動画再生プログラムらしい──が置かれ、昼下がりの情報番組が流れているものの、主な話題は先ほどの出来事だ。

 

 そりゃあ良う御座いましたねー。

 格好付けようとしたって、どうせあの程度が関の山なんだすよー。

 

 

「ふぅっく! や、やめて……。謝る、あ、謝ります、から……っ。腹筋が攣っちゃう……!」

 

 

 どうやらツボにはまったようで、不貞腐れながらの“だす”言葉にも、大きな反応があった。

 一緒に食器を洗っている最中も、唇を噛み締めて我慢していた。

 “彼女”の笑顔は、それはもう可愛らしいの一言に尽きるし、笑って貰えた事自体は嬉しいのだが、どうにも素直に喜べない。

 見栄を張るのは止めておけ、という啓示だったと考えて、受け入れるしかないか……。

 

 

「嬉しい、です」

 

 

 ふと、“彼女”が呟く。

 顔を向ければ、穏やかな微笑みがそこにある。

 騒がしさが消え去り、思わず胸が高鳴るほどの、美しい笑みが。

 

 

「“貴方”の支えになれているなら、わたしは嬉しいです。本当に」

 

 

 薄茶色の瞳は、こちらを真っ直ぐに見つめている。

 誤魔化すこと無く。

 飾ること無く。

 あまりに眩しくて、眼を逸らさずには居られなかった。

 見つめ返せない自分が、情けない。

 

 どうして、“君”は。こんなに良くしてくれるんだ。

 

 

「……?」

 

 

 自分は、ただの厄介者だ。

 “君”に迷惑を掛けた事はあっても、助けになった事はない。断言できる。

 でも、“君”はこうして、見ず知らずの男を、支えてくれる。

 “君”は、王様なのに。

 

 

「………………」

 

 

 いつの間にか、自分は“彼女”に問い掛けていた。

 甘えてばかりの関係なんて嫌だと、“彼女”から頼られる存在になりたいと、自分は思っている。だが、それはあくまで、自分の勝手な願いに過ぎない。

 本当はそんな資格、無いんじゃないのか。

 “彼女”に甘える事なんて、本来なら許されず。

 頼られたいなどという願いは、おこがましいのではないのか。

 

 つい数ヶ月前まで、SE.RA.PHは違う形をしていたらしい。

 魔術師(ウィザード)と呼ばれる、魂を電脳体へと変換できる才能を持つA級ハッカーのみがアクセスを許された世界。それがSE.RA.PHだった。

 “彼女”はそこで行われたある戦いを勝ち抜き、最強である事を証明。世界を守るに足る存在として、SE.RA.PHを運営するだけの権限を与えられたという。

 そして今、SE.RA.PHは全人類に向けて開かれ、新たなるフロンティアとして開拓が進められている。

 詳しい事情は知れないけれど、この認識で概ね正しいはず。

 

 つまり、すぐ隣で佇むこの少女は、月の新世界を舞台とした物語の、主人公ともいえる存在なのだ。

 強く抱きしめれば、簡単に折れてしまいそうな儚さを持ちながら、比類なき“力”を宿すヒロイン。最も新しい英雄。

 そんな存在に、モブキャラではなく一個人として認識されているだけで、奇跡に等しい。

 手料理を食べ、冗談を言って笑い合うとか、夢物語にしても出来過ぎだ。

 これ以上を望むだなんて、罰当たりにも程があるのでは?

 

 小市民らしい後ろ向きな考えが、心に色濃い影を落とし始めていた。

 モブならモブらしく、分相応な小さい幸せを噛み締めていれば良いのだ、と。

 しかし──

 

 

「“貴方”を見ていると、実感できるんです」

 

 

 それでも“君”の眼は、尚も輝きを増して、見つめてくれて。

 何を? と重ねて問えば、“彼女”は自らの胸に手を置き、柔らかく微笑む。

 

 

「日常を。わたしの根っこを」

 

 

 わずかに細められた眼が、今度は自分ではなく、遠くを見つめた。

 それは多分、“彼女”が過ごした日々。

 二騎の英霊(サーヴァント)と共に駆け抜けた、戦いの記憶。

 死してなお、輝かしく/呪われながら、人類史に刻まれる英雄達との物語。

 

 

「わたしは、この世界──月で、色々な経験をしました。

 聖杯戦争。遊星との戦い。他にも沢山あった気がするけれど、まぁ、それはさて置き。

 事情を知ってる人の中には、わたしを妙に持ち上げる人も居る。

 ……でも。それでも、わたしは唯の人間だから。

 “貴方”と居ると、魔術師として目覚める前の……。

 聖杯戦争の勝利者でもなく、ムーンセルの王権代行者でもない、普通のわたしに戻れる。

 ホッとするんです。落ち着きます。安心、します」

 

 

 言葉が重ねられる度に、“彼女”と自分の距離は縮まっていく。

 心理的な距離と物理的な距離の、両方が。

 手を伸ばしてもギリギリ届かない距離から、指を絡められる距離。やがて、意図せずとも肩が擦れる距離へ。

 小さな手が、こちらの太腿に乗せられた。

 

 聞こえてしまうのではないかと錯覚するほど、心臓は大きく脈打っている。

 ここまでされて理解できないような、鈍い男ではない。

 遠慮がちに伏せられた顔から。

 微かに上気して見える頬から。

 太腿に伝わる体温と震えから、その想いは読み取れた。

 

 ところが、この土壇場で自分は怖じ気づく。

 情けない事に、“彼女”の手に触れようとした瞬間、“彼女”に付属するお邪魔虫──もとい、付き従うサーヴァント達を、思い出したのだ。

 性別なんて御構い無しに、“彼女”への愛を叫びまくっている二人の姿を。

 

 あの二人……。せ、セイバーさんとか、キャスターさんは?

 えっと、その……。

 

 

「……言いたい事は、分かります。

 セイバーもキャスターも、わたしにとって大切な存在です。

 代わりなんて居ない。わたしだけの、最高の仲間達」

 

 

 言葉足らずになってしまう自分にも、真摯に答えてくれる“彼女”。

 儚げな少女としての一面でなく、不屈の魔術師としての一面でもって、揺るぎない信頼と親愛が語られた。

 しかし、“彼女”は「でも」と続け……。

 

 

「二人の気持ちは嬉しいけど、わたし、同性愛者じゃないので。……いい加減、愛が重くて……」

 

 

 あ~……。

 

 虚数空間の底(地獄の最下層)にまで届くんじゃないかという、深ーい溜め息をついたのだった。

 “彼女”の従者であるはずの二人。自分の知る限りでも、その愛情表現は激しかった。

 片方は無邪気に美しいものを愛し、もう片方は有邪気(うじゃき)(造語)に手段を選ばず。

 例え、どれほど美しく整った容姿を持ち、尊敬に値する人物であったとしても(狐を除く)、同性を愛するというのは難しいだろう。普通は。

 流石に苦労が偲ばれて、自分は“彼女”を励まそうと肩を叩く。

 

 ……大変、だよね。自分には想像するしかないけど、その、なんだ。

 少しでも楽になるなら、いつでもこの部屋に来て良いから。話し相手にもなるし。

 だから、元気出して?

 

 

「ありがとう……。本当に、ありがとうございます……」

 

 

 涙ぐんでいた“彼女”は、まるで縋りつくように、こちらへと体重を預けてくる。

 結果、腕の中で抱き留める形となってしまい、内心大いに慌てたが、突き放すなんて勿体なゲフンゲフン可哀想だ。

 気分が落ち着くまで、と己に言い聞かせ、グズる子供相手にそうするみたく、頭をポンポンと。

 甘い香り。シャンプーだろうか。良い匂いだった。

 というか、計らずも頼りにして貰うという願いが叶ってしまった訳ですけど、釈然としないのはどうしてですか。教えてデメキン先生。

 なんて冗談は捨て置き……。

 

 あの、さ。

 

 

「なんですか」

 

 

 もうそろそろ、離れません?

 くっつき過ぎだと、思うのですが。

 

 すっかり落ち着いた様子の“彼女”に向け、自分は断腸の思いでそう告げる。

 おデコを肩へ擦りつけないで頂きたい。

 太腿へ乗せたままの手をモゾモゾさせないで頂きたい。

 我慢するのにも限界があるのですよ。

 

 

「嫌、ですか」

 

 

 ……限界が、あるというのに。

 寂しそうな声は、抗い難い魔力で理性を絡め取ろうとする。

 嫌じゃない。嫌な訳ない。嫌とか言うヤツ居るはずがない。

 許されるならば、思いっきり抱き締めたい。

 細い体を抱き上げ、そのままベッドでゴールインしたい。

 けど駄目だ。

 いくらSE.RA.PHに警察機構が無くても、青少年保護育成条例が無かろうとも。

 守らなければならない一線というものは、この胸の倫理観に刻み込まれているのだから!

 という訳で早急に、可及的速やかに、物理接触を断ち切──

 

 

「これでも……。勇気を出してるん、です、けど……」

 

 

 上目遣いの瞳が、潤み始める。

 瑞々しい唇は薄く開かれ、震えた吐息を首筋で感じる。

 

 ──プツン、と。

 確かに、断ち切られる音がした。

 何が切れた? 恐らく、理性の糸だろう。

 

 顎に手を添える。

 あ、と漏れる声。

 薄茶色の瞳が、瞼に隠された。

 わずかに上を向く“彼女”の顔。

 ゆっくりと、しかし確実に距離は縮まり。

 

 そして。

 

 

「そうは問屋がぁああっ!」

 

「大雪山降ろしで御座いまぁああすっ!」

 

「おじゃま、しまぁす」

 

 

 ドンガラガッシャーン!

 という古典的な効果音を伴い、赤と青と白。三人の少女が窓から飛び込んで来た。

 砕け散ったガラスはかなりの勢いで、“彼女”がとっさに障壁を張ってくれなければ、大怪我をしていたかも知れない。部屋は手遅れだけど。

 

 ああ。さようなら敷金。こんにちは不動産情報誌。

 ところで、敷金礼金という悪習慣がSE.RA.PHにも残っているのは何故なのか。どうせなら無くなって欲しかったです。

 あと、大雪山降ろしだと降ろしちゃってるから。漢字も違うし。

 

 

「セイバーにキャスター!? どうして、レガリアで痕跡は消してたはずなのに! オマケにアルテラまでっ」

 

「ふ。甘いな奏者よ。余は薔薇の皇帝なのだぞ? そのような安易な妨害工作、通用するはずがないであろう!」

 

「具体的に言うと、物理的な痕跡を追わせて頂きました。

 流石は御主人様。霊子的ヒドゥンは完璧になされていましたが、ほら。(わたくし)狐ですし。

 なんだかんだと言われておりますけれども、本来はイヌ科。匂いを追跡なんてお手の物なんですよ?

 まだまだですねーオホホのホ」

 

「わたしは、面白そうなので着いてきました。こんにちは、ナナシさん」

 

 

 う、うん。こんにちは、アルテラちゃん……。

 

 驚愕するセーラー服少女と、胸を張る金髪の赤い少女、ツインテ淫乱ピンク狐巫女という属性盛り過ぎな青い女性(ここ重要)が睨み合う中、自分は残る白い幼子と挨拶を交わす。

 相変わらず「の」が抜けてるけど。

 

 赤い少女──きっと長いのであろう金髪をシニヨンにした碧眼の子が、セイバー。

 本名……じゃなくて真名は、ネロ・クラウディウス・カエサル……なんたらかんたらゲルマニクス? かの暴君ネロその人だとか。女の子だけど。

 青い女性──先ほど挙げた特徴に狐耳と尻尾を付け加えたのが、キャスター。

 真名、玉藻の前。金毛九尾白面の者とか、その他色々な呼び名を持つ大妖怪? だそうなのだが、どこまで本当なのか。

 最後の白い幼子──褐色の肌と紅玉の瞳、純白の髪を持つ、やたらめったら露出度の高い子が、アルテラちゃん。

 真名もアルテラというらしいのだが、詳しい事は知らない。彼女自身も知らないっぽい。サーヴァントの区分で言うとセイバーのようだ。

 

 サーヴァントは、主に七つのクラスで分けられる。

 剣兵(セイバー)槍兵(ランサー)弓兵(アーチャー)騎兵(ライダー)魔術師(キャスター)暗殺者(アサシン)狂戦士(バーサーカー)

 中でもセイバー、ランサー、アーチャーが……あれ? アーチャーじゃなくてライダーだっけ? とにかく、その三騎士クラスが当たりのサーヴァントで、一番ハズレはキャスターなのだとか。

 もっとも、この区分け──弱点に繋がる真名隠しは、聖杯戦争において必要とされたものであり、今現在SE.RA.PHに存在するソロサーヴァント達の中には、あっさり真名をバラす人も居ると聞いた。

 自分が彼女達の真名を知っているのは、単にそう呼び合うのを聞いた事があるだけで、真名で呼ぶ事はアルテラちゃんにしか許されていない。

 

 ちなみにそのアルテラちゃん、ガラスの破片を「“じゅうりん”だー」とか言いながら、ササーっと掃除してくれてる。

 見た目一桁代なのに、なんてしっかりした子なんだろう。

 爪の垢でも煎じて飲みたい飲ませたい。

 

 

「奏者! これは一体どういうことなのだ!?

 余というものがありながら、真昼間に他所の男と浮気するとは!

 まるで昼ドラのヒロインになったかのようではないか! ちょっとだけwktkするぞ!」

 

「全くで御座います! いえ私はwktkなんてしませんが。

 しかも、このようなモブ男もといダス男をお選びになるだなんて!

 一本しかない堪忍袋の尾が切れました。御主人様どいて? そいつ殺せない」

 

 

 現実逃避している間にも、状況は刻々と変化している模様だ。

 セイバーさんがスカートを翻して熱弁し、追随するキャスターさんはといえば、どこに持っていたのだろう、こちらに包丁を向けてヤンデレる。

 見てたんですか。見てたんですね狐巫女さん。恥ずかしくて刺殺される前に悶死しそうです。

 そんな自分を背中に庇い、“彼女”はジェラシーサーヴァンツの前に立ち塞がってくれていた。

 

 

「前から口を酸っぱくして言ってるけど、わたしの恋愛対象は異性なの。いくら二人でも、恋愛事情にまで口を出されたくありません。それに浮気じゃないし」

 

「あ。わたし、知ってます! 不倫は文化、なんですよね? 昔の“きょくとうちいき”の、ニュース映像で見ました!」

 

「アルテラよ。余は前に、文明に良い悪いなど無いと言ったが、文化については別である! それは悪い文化だ!

 特にっ、余と奏者の間に限っては、“この世全ての悪”並みに極悪な文化なのだっ! そう覚えるが良い!」

 

「生前から放蕩しまくってたセイバーさんが言って良い事とは思えませんけど、この場においては全くもって同意見。大人しくお口チャックするタマモちゃんなのでした。まる」

 

 

 “彼女”の言い分を、アルテラちゃんは無邪気な笑顔で混ぜっ返す。

 う~ん……。こればっかりはセイバーさんに賛同せざるを得ない。

 浮気は確かに駄目だ。密会スキルを最大まで上げても1%の確率で刺されるし。

 しかしである。浮気という事象には恋人関係であるという前提が絶対条件であって、この場合は“彼女”が言った通り、不適切な表現だろう。

 全く黙っていない狐巫女さん? 無視します。

 

 

「そう……。二人共、どうあっても邪魔するんだ……」

 

 

 話が通じないというか、マイペースを崩さないというか。

 暖簾に腕押し、糠に釘を地で行く二人の言葉を聞き、“彼女”は俯く。

 落胆したみたく肩が落ち、しかし、異様なまでに迫力は増して。

 どう声を掛けたものかと悩む自分だったが、答えが出る前に、“彼女”の左手の薬指に嵌められた指輪が、キラリと輝いた。

 

 

「ぬっ!? こ、これは!」

 

「みこんっ! レガリアの拘束術式で御座いますか!?」

 

 

 瞬間、二人のサーヴァントは、光の糸で雁字搦めにされてしまった。

 全身をくまなく覆われ、天井から吊るされるその姿は、まさしく蓑虫である。

 キャスターさんの読み通り、“彼女”がコードキャストを行使したのだろう。

 これが、地球では絶対にあり得ない現象の一つ。

 簡易術式(プログラム)へと魔力(リソース)を割り当て、様々な効果を発揮させる。いわば、電脳空間でのみ使える魔術。魔法とは違うのだそうだ。

 蓑虫状態になっているセイバーさん達も、存在そのものが地上ではあり得ないんだけど、最近はあまり気にならなくなってきた。慣れって凄い。

 

 

「そこで見てなさい。わたしが、どれだけ本気なのかを」

 

 

 吐き捨てるように宣言した“彼女”が、傍観者と化していた自分へ向き直る。

 その眼力の強さに、ついソファから腰を上げ、後退ってしまう。

 ありていに言うと……食われそうで怖かった。

 

 な、なぁ。ちょっと落ち着かないか、“君”? 冷静に話し合いを……。

 

 

「問答無用。覚悟完了。我即行動。術式発動・空気投げ」

 

 

 なんかほぼ漢字で言ってない!? あ、ちょ!?

 

 我ながら冴えたツッコミも虚しく、いきなり自分の体は天地を入れ替えた。

 グルンと一回転し、仰向けに落着したのは、カーペットの上。地味に背中を打って痛い。

 アルテラちゃんが掃除してなかったら、一体どうなっていた事か。グッジョブ、褐色ロリ家政婦さん。後で金平糖あげるからね。

 とか考えているうちに、衝撃で麻痺(スタン)した自分の腹の上へと、心地良い重さを感じた。

 “彼女”が、馬乗りになっている。

 

 

「で、では、行きます……!」

 

 

 ややあって、茹でダコの如く真っ赤な顔が、段々と近づいて来た。

 落ちる髪に、こちらの顔がくすぐられる。

 ヤバい。“彼女”、本気だ……!

 

 駄目だ。そそ、それは、駄目だって。

 あ、アルテラちゃんが見てるし! 情操教育に悪いし!

 いや、二人っきりならむしろ望むところなんだけど!?

 

 

「わぁ……! み、見てない、ですよ? わたしは、見てません。バッチリ、眼を覆ってます、から。……うわぁ……!」

 

 

 うん見てるよね!

 間違いなく指の隙間からガン見してるよね!

 綺麗な赤い瞳とパーペキ眼が合ってるしさぁ!

 

 

「動かないで下さい。わたしを見て。……今は。わたし、だけを」

 

 

 頬に手を添えられ、顔の向きを強引に戻される。

 視界は、文字通り“彼女”で一杯だった。

 まつげの本数だって数えられるし、“彼女”の瞳に映る自分自身すら、確認できる。

 急激に世界が狭まっていくような、奇妙な感覚があった。

 外野の存在を、無視できるようになっていく。

 

 

「待て、待つのだ奏者よ! 余が悪かった。余に至らぬ点があったのなら直す! だから待つのだ奏者よぉおおっ!」

 

「うっそ何これ、マジ固い術式なんですけどぉ!? あ、でもでも、御主人様に緊縛されていると思えばハートの奥がキュンキュンと……とか言ってるうちにMK5(マジでキスする5秒前)じゃないですかーやだー!」

 

 

 みょいん、みょいん、と。

 どこかで光る蓑虫達が、飛び跳ねている気がするけれど。

 褐色ロリ家政婦は見た的に、アルテラちゃんに見つめられている気もするけれど。

 とりあえず、頭の片隅へ放り投げておこう。

 “彼女”という存在を、全身全霊で受け止めるために。

 

 そして、今度こそ。

 

 

「ぁああっ、奏者が、奏者の唇が奪われるー! 余だってまだ一度もした事ないのにー!」

 

「なるほど、NTR。そういうのも……いやいや無ぇですからー!? ぎゃー止めてー!?」

 

「わあぁ……。これが、ちゅー。きす。べーぜ。愛の、文化……」

 

 

 三者三様の阿鼻叫喚の中、唇が重なった。

 自分の覚えている限り、初めてであるはずの口付けは。

 

 ──焼きそばパンの、味がした。

 

 

 

 






 オマケのマテリアル風人物紹介


○主人公
 SE.RA.PHに現れた、今度こそ本当の一般人。奈々篠(仮)。
 ローマ領域と千年京の緩衝地帯に住み、物流に関する仕事をしている。
 外見年齢は二十代から三十代。黒髪黒眼で中肉中背。特技は人混みに紛れること。
 キャスター曰く、道端ですれ違うだけのモブ男レベルなのに、ごく稀に半端なイケメンになる時があるらしい。だからこそムカつくんですよキシャー! だそうな。

 魔術回路を持たず、魔術の事も知らず、平穏な日常を享受していたはずの男。
 ふらっと地球からムーンセルへと移動してしまい、その際に何某かの事故に遭ったか、それともそう望んだ結果か、記憶を失ってしまった。
 ある事件……と呼ぶには、あまりに小さな出来事でザビ子と知り合い、以後、彼女から大きな影響を受けていく。
 本名は好きに決めるがよろしい。ただし衛宮 士郎とか藤丸 立香はお勧めせぬ。

○ザビ子
 Fate/EXTRA、並びにFate/EXTRA CCC、Fate/EXTALLAの女主人公。
 月の聖杯戦争の勝利者であり、桜の先輩であり、王権代行者。平凡詐欺。あるいは、岸波 白野。
 赤きセイバーと青きキャスターを率い、表側の聖杯戦争を勝ち抜いた。この作品ではヒロイン。
 セイバー、キャスター共々、己にとって掛け替えのない存在として認識してはいるものの、性癖が至ってノーマルであるため、彼女らの愛には応えない。肉体的には。
 マイルームのイベントをガン無視して、レベル上げでもしてたんじゃないかな。
 ちなみに、聖杯戦争中に己の同位体とも戦ったようだが、“彼”の従えていたサーヴァントはアーチャーではなかったらしい。そんなフワッとしたオリジナリティを詰めてみる。

 主食は焼きそばパン。たまにマーボーが食べたくなる。年上(っぽい人)には普通に敬語で話します。
 主人公の中に過去の自分を見つけ、なにくれなく気に掛けているうち、自分の中にも新たな一面を発見する。ごく普通の、少女としての顔を。
 アチャ男がサーヴァントなら、とっくの昔に気付いていただろうけれど。
 アルテラの事も、セイバー達と同様に思っているのだが、“彼女”の事を考えると複雑なようだ。
 主人公の事は「“貴方”」か「奈々篠さん」と呼ぶ。


○セイバー(赤)
 Fate/EXTRA、並びにFate/EXTRA CCC、Fate/EXTELLAに登場する、剣兵のサーヴァントにしてヒロイン。
 だがこの作品では噛ませ犬。筆者はビキニアーマーが嫌いなのである。ブライドこそ至高。
 主人公の事は「お主」「そこな平民」「ナナシノ」などと呼ぶ。


○キャスター(狐)
 Fate/EXTRA、並びにFate/EXTRA CCC、Fate/EXTELLAに登場する、魔術師のサーヴァントにしてヒロイン。
 しかしこの作品でも駄狐様。JKコスは激カワでした。でも筆者はアイマス知らんねん。
 主人公の事は「モブ男さん」「ダス男さん」「この泥棒パグ!」などと呼ぶ。名前では決して呼ばない。


○アルテラ(幼)
 Fate/EXTELLAに登場する、剣兵のサーヴァントにしてヒロイン。
 何故こうなったのかはゲーム本編で確認されたし。たぶん半年もしないうちにワゴン行きだから。
 この作品だとマスコット。褐色巨女ナースも最高だったけど、褐色幼女ナースも捨てがたいよね。是非とも看護されたいので、ちょっと虚数空間の様子を見てくる。
 主人公の事は「ナナシさん」と呼ぶ。ナナシノより、なんとなくこっちが良いらしい。


 以上! 別名義で連載を抱えているので続かない!
 ま、反響を沢山頂ければ別ですけど。
 ではまたいつか。


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