次回の投稿までだいぶ時間が空くかもしれませんがご了承ください。
ここは江戸、かぶき町。
天人の襲来から20年後、現在幕府はヒトを喰らう怪人"喰種"による危機に直面していた。
しかし、こんな激動の時代に逆らいながら生きる一匹狼のサムライがいた。
例えばこの男。
権威を嫌い、群れを嫌い、束縛を嫌う。鋼の魂と叩き上げの剣術だけを武器に闘う。
その名は『万事屋銀ちゃん』社長 坂田 銀時。
又の名を"白夜叉"
「ちょっと待てぇいぃぃぃ‼︎」
威勢のいいツッコミがキメ顔の銀時に炸裂する。
「あんたSS小説だからって何カッコつけてんの⁉︎」
「そうアル、この超絶美少女神楽ちゃんを忘れてるアル」
「朝っぱらからうるせ〜な せっかく作者がいい感じにナレーションしてくれてたのによ」
「作者とか言わないでくれます⁉︎」
「一回やって見たかったんだよ、ド〇ターX的な入り方カッケェだろ?」
「どこがド○ターXなんだよ‼︎」
「それよりも今朝のニュース見ましたか?また喰種が出たらしいですよ」
「喰種?こんなの漫画の世界の話だろ、どうせ寝ぼけた人が見間違えただけだって」
そう言い、銀時達は新八をよそ目に朝食を取り始める。
「喰種ならこんなにガツガツメシも食えねぇんだろ?可哀想な話だぜ」
銀時は茶碗一杯によそられた白米をガツガツとかき込む。
「ゴボロロビッシャアアアアア‼︎‼︎」
銀時の口から大量の吐瀉物が吹き出る。
「な……なんだこれ、クソマジいぞ」
「そんな事ないアル、ほらこんなにおいし……」
「ゴボロロビシャアアアア‼︎‼︎」
神楽も銀時と同じ反応を見せる。
「だ…大丈夫ですか⁉︎」
新八は二人を介抱しようと近づくとある異変に気付いた。
二人の片目が赫く染まっていた。
「っ‼︎ その眼、どうしたんですか⁉︎」
新八はこの眼に見覚えがあった。
それは喰種が持つと言われる赫い眼"赫眼"である。
しかし新八は疑問に思う。何故銀時が喰種の身体を持っているのかという事だ。
銀時は大の甘党である。現に新八は銀時が甘味を大量摂取しているのを何度も見ていた。
「これか?何故こんな体になったのかには深〜い理由があるんだよ」
そう言って銀時は回想に入る。
「あれは昨日のことだった」
「酔い冷ましに外をふらついているとナイスバディな美女が声かけて来てよ…………」
*
「あの〜すいません」
銀時にメガネを掛けた女性が話しかける。
「なんスか?」
「坂田 銀時さんですか?……少しお話宜しいですか?」
すると銀時は満更でもないという様子で女の肩に手を回す。
「やっぱ見る目のある女は違いますね〜この俺のフェロモンを嗅ぎ取っちゃぁ〜仕方ない」
「ちょっ……やめて下さい!」
女のビンタが銀時の顔に痛々しい痕をつける。
「わたし、神代 リゼって言います」
「ちょっとした依頼を……」
「ほう、どんな依頼だい?」
「最近喰種の事件が起こった場所の近くに住んでいて、怖くて夜も寝付けないんです」
「だから家まで送ってもらえませんか?お金ならいくらでも出します」
銀時はふうんと頷き
「お代は結構。こんなべっぴんさんほっとくわけにはいけねえからな」
と、かすかなピンク色の期待を持ち依頼を承った。
その後、銀時とリゼはガランとしたかぶき町を歩く。
「ここの路地裏を抜けたらわたしの家です」
そして路地裏に入ったところでリゼが急に銀時の胸にもたれ掛かる。
「わたし、ずっと貴方を見ていたの」
「え、ちょっとここでは……続きは向こうのホテルで……」
「もう我慢できない、だって…………こんなに美味しそうなんだもの‼︎」
リゼが銀時の肩にかぶりつく。
「ッ‼︎⁉︎」
「ねぇ、坂田さん わたしがい〜ちばん好きなことが何かわかります?」
「逃げ惑うヒトの臓物をぜ〜んぶ引き出しちゃう事なの……ゾクゾクしちゃう」
「だから坂田さん、
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
銀時はとてつもない形相でリゼから逃げる。
しかしリゼの赫子が彼の横腹をえぐる。
「あら…もう終わり?」
ぐったりとして動かない銀時にリゼが歩いていく。
「坂田さんは筋肉質で固そうだけどその分旨味が詰まってそうだわぁ」
リゼが赫子を銀時に伸ばした時、
「………あら?」
『ドゴゴゴ』
大量の鉄骨がリゼの上に落ちて来た。
「なんで…あ………たッ……が……」
*
「で…なんやかんやあって今に至る」
「おいいいい‼︎‼︎何カネキくんの未来変えちゃってんの‼︎⁉︎」
「このままだとあんたペンチで指捩じ切られたり耳にムカデを入れられたりしますよ‼︎」
「新八、大丈夫アル、髪はもともとこんな色だから白になっても大差ないネ」
「よ〜し新八、今から喰種がやってそうな喫茶店探してこい」
「ちょっと待って下さい、神楽ちゃんが喰種化した原因がまだ………」
「大した事じゃないネ、鉄骨落下現場に赤いタコ足が散らばってたから食っただけアル」
「それ多分リゼさんの赫子‼︎‼︎」
「どうりでマズかったわけアル」
「二人とも食事はどうするんですか?」
「そんなのどうにかなるだろ」
*
数時間後万事屋一行は喫茶店探しをしていた。
「銀さん、喰種がしてる喫茶店なんて見つかるわけないですよ」
「うるせ〜なつべこべ言わず探せ!もしかしたら肉を提供してくれるかもしれねえだろ」
「銀ちゃ〜んこことか怪しいアルよ」
神楽の指差す先には"あんていく"と書かれた看板があった。
〜カランカランカラン
銀時達は店の扉を開ける。
「いらっしゃい」
そこには顔に深いシワが刻まれた老人がカップを吹いていた。
「君たちはどっちかな?」
「どっち?てどういう意味ですか?」
「君たち恐らく喰種だろ?」
銀時達はハッとする。
ついに希の喫茶店を見つけれたからだ。
「ジイさん、聞きてぇことがあるんだが人が喰種に変わっちまうてことはあるのかい?」
「実はこの二人はとあることが原因で喰種の身体になってしまったんです」
新八が銀時の言葉に補足を加える。
「前例がないからなんとも言えないがもし、喰種の身体の一部が体内にあるなら可能性はあるかもね」
「ちょっと話したいことがある 奥に来てくれ」
銀時達はそう言われるがまま奥の部屋に案内された。
「キミたちは喰種についてどれくらい知っているかな」
3人は喰種についてや食料を提供してくれることなど銀時達がこの身体でも生きていけるような知恵を教えられた。
「でも人肉を食べるのは気が進まねえな」
「しかし、飢えには耐えられないだろう?」
そう言い芳村は小包を銀時の前に差し出す。
「これってもしかして……」
「ああ、新八くんの思う通り人肉だ」
「銀ちゃん、コレ超美味いアル、店長〜おかわり」
「この小娘躊躇いなく食いやがった……」
新八は呆れてお得意のツッコミも出ない。
「ホントだ超美味いぞ、コレ」
「きみの仲間変わってるね」
予想していた反応と違うのか芳村も少し驚いているようだ。
その後、銀時は数日分の食料を貰い、店を後にした。
「新八!神楽!今から作戦会議だ‼︎」
銀時の声が家中に響いた。
世界観的には銀魂の世界に喰種がいる感じです。
東京喰種キャラも同一世界観にいると思っていて下さい。
銀さん=カネキくんの立ち位置です。