尚、タグにもありますが、本作品は真・恋姫無双とハイスクールD×Dのクロスオーバー作品です。あと原作キャラが凄惨な目にあったりします。一刀君キャラ変わってます。それでも”大丈夫だぁ”な方は本文をどうぞ、お楽しみください。
目覚め
目覚めると、オレの目の前には荒野が広がっていた。ありえない事実を前にオレは一度目を閉じ、再び目を開ける。周囲を見渡す。驚いた。本当に何もない。どこを見ても周囲にある物は土、土、土。何一つとして変わっていなかった。どうやら、知らぬ間に何処其処の平地に迷い込んだらしい。驚きながらもオレはこの事実を受け止めていた。最初こそ驚いたが、現状を冷静に分析、把握できれば対処は容易い。いつまでもこの荒野にいては飢え死んでしまう。まずは街を探そう。そうすれば十分な食事も可能だろう。そう考えた後、オレは立ち上がり、土を払い落とした。そしていざ行かん、と歩みだしたその時、背後から聞こえてきた言葉にオレは足を止めた。
「おい兄ちゃん、ちょっと待ちな。」
それと共にオレへ向けられたものは、3人分の殺意と下卑た視線。振り向くとそこにいたのは、短身の男と太った大柄の男、そして言葉を放ったと思われる長身痩躯の男。いずれも頭には黄色い布を巻いている。そしてその手にある物は――剣。
無骨な剣を持つ3人の男の顔には笑みが浮かんでいた。嫌らしい、悦に入った笑みである。
剣の切っ先をオレに向け、その長身の男はこう言い放った。
「有り金全部、置いていきな。その煌めく服もだ。渡さなかったらどうなるか、解るよな?」
その言葉を皮切りに2人の男がオレを取り囲む。向けられた3つの刃先はギラギラと輝きを放っている。そして、男は言葉を続ける。
「早くしろよ? じゃねえと、間違って殺しちまうかもしれねえからなぁ?」
同時に下品な笑い声が木霊す。それを聞いたオレは溜め息を吐いた。
(……この程度の人間たちが、このオレを喰らおうというのか。)
彼らはハイエナだ。龍を知らない弱者によく有りがちな、一度きりの失敗を犯す愚者たち。本来ならば、この時点で八つ裂きにする所だが、今此処で暴れることはあまり得策ではない。――見られているからだ。目前の男たちでは比にならないほどの力を持った何者かに。まるでオレを試すかのように向けられるその視線は、遠く離れていても重い圧を感じる。気を抜けば、殺される。
オレの緊張は増していく。そして、一度の慈悲を与えた。強者との衝突を避けるために。
「……今のうちだ。」
男の表情に浮かんだのは、疑惑。言葉の意味が解っていないのか、2人の男も怪訝そうな表情を浮かべる。オレは続けて、言葉を紡ぐ。
「逃げるなら、今のうちだ。」
間が空き、その次の瞬間、周囲から嘲笑が上がった。慢侮の表情を浮かべながらも男たちは笑い続ける。侮蔑の表情とともに男が放った音は決めた。
――敗者として終わる、残酷な運命を。
「逃げる、か。生憎だが逃げるのは兄ちゃん、あんただ。」
その言葉に呼応し短身の男は述べる。
「まぁ、逃がしやしませんけどねぇ?」
大柄の男は続ける。
「おめぇはここで死ぬ、ンだな。」
そして止めとばかりに男は呟いた。
「そういうことだ、兄ちゃん。それじゃあ、死んでくれ。」
直後、3つの刃はオレを目掛け、押し迫った。その3つの刃は寸分違わず、オレを切り裂いた……筈だった。
男は疑問を抱いた。眼前にいた獲物は確かに殺った筈なのだ。だのに手応えが無いのだ。
この瞬間、男の疑問は確信に変わる。
(殺したのならば……なぜ死体がない?)
男が到った結論はまさにそれだった。殺害に成功したのならば、たとえ惨かろうが、グロテスクだろうが、屍ができるのは当然のことだ。しかし、どうしたことだろう。目の前に肉塊となって現われる筈の男の死体は見当たらない。いや、正確には何もないのだ。
肉も血も。人と思われるモノは一つとして無かった。男は戦慄した。目前にいた平和ボケした顔の男はいったい何処に行ったのだろうか。思考の渦に沈んだ男の耳が捉えたのは、悲鳴だった。そちらに振り返った男が視たものは、“死”。逃れようもなく、避けようもない、運命。取り巻きの2人の姿はそこには確認できない。しかし、朧げながらも男は理解していた。土の上に転がる腕が、足が。変わり果てた姿で物言わぬ骸となっているそれらが、彼らの辿った末路なのだと。そして気づいた。散乱した死体の中央に極めて異彩を放つ、ナニかがいることに。体中を深紅に染め、腕からは赤黒い血が零れ落ちている。振り返った化け物の瞳は怒りを表す赫灼。力無き鬣犬に逆鱗を触れられた龍は獲物を喰らうまで止まらない。妨げてはならなかった。龍を目覚めさせたのは他でもない、自分たち。
男は後悔した。そして悟った。これが己の終わりなのだと。しかしもう遅かった。
龍は歩み寄る。一歩、また一歩、絶望を告げるために。
そして――蹂躙が始まった。
さて、1話目にも関わらず、臓器やらなんやらでグロテスクな表現が飛び交いました。おそらく、ドン引きされた方もいらっしゃることでしょう。ええ、そうですこんなノリです。次もその次もこんな感じなんです。それではまた次回お会いしましょう。