Gratis Draak   作:渦牛

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おはこんばんにちわ。この作品をいつ見てくださっているかわからないので、それぞれに対応したあいさつで始めました。さぁ、恒例のグロシーン第2弾です。待っていて下さった皆様はお待たせいたしました。どうぞ本編をお楽しみください。


蒼き蝶

龍は全てを喰らいつくした。神も恐れる勢いで惨たらしい光景を作り上げた悪鬼は、背

後の強者へとその殺意を向けた。

 

「いつまでそこに居るつもりだ。」

 

気配が乱れる。鋭い殺気と共に姿を現したそれは、蒼白の龍だった。鎖骨あたりにかかり、後ろで纏めている青い髪はたてがみのように風に靡き、その白い肌と相まって、一種の美しさを編み出している。その女が身に纏う、純白の着物の中に散りばめられた輝く黄金の蝶は、魔性の妖艶さの中に隠しきれない純情を感じさせ、踊るようにひらひらと舞う。そして、純白には似合わない、獣の如き紅い瞳と神秘的な紅い槍を携えたその女傑、趙子龍は運命に刃を向けた。

 

「……相当な強者とお見受けする。貴殿に問いたい。」

 

一刀は答える。

 

「構わん。オレに何を求める?」

 

凛々しい表情を崩さぬまま、華蝶は問いかける。

 

「随分と派手な殺し方ではないか。――何故か」

 

その問いに、一刀は俯く。そして、

 

「くくく……くははははははッッッ」

 

嗤い出した。額に手を当て、可笑しそうに嗤い続ける。

そして、さも当然かのように言い放った。

 

「邪魔な罪人を殺しただけだぞ。義憤に駆られたか、裁定者(どうぞく)

お前も変わらんぞ。罪人を裁く者は皆、すべて手を血で汚した者だろうに。」

 

冷静に、されど激情の込もった声で子龍は一刀に述べる。

 

「……いくら罪深き賊とはいえ、その残虐さが罷り通るとでも?」

 

短く、息を吐くように、一刀は答えた。

 

「ああ。思っているとも。」

 

その答えを聞き、子龍は手に持つ槍を構える。まるで話は終わりとばかりに。

明確な殺意とともに、感情をのせ、紡ぐ。

 

「ならばその残虐、私が狩ろう。」

 

「……ほう?」

 

子龍は語る。

 

「野放しには出来ぬ。いずれ訪れる、大陸の平穏の為にも。」

 

蒼龍は怪物に告げる。選ばれし者だけが降すことの出来る、英雄の裁きを。

 

「――消えてもらうぞ。」

 

神に愛された天才の凄まじい強大な圧が、一刀を襲う。

確実に殺すためだけに形作られた巨大な暴力。

相手が並みの者ならば、子龍の勝利は揺るがなかっただろう。

しかし、相手が悪かった。白銀は、一刀はそれだけでは越えられない。

 

「面白い。この残虐を狩る、か。」

 

薄い笑みを浮かべ、一刀は殺気を放つ。

認めたのだ。目前の女が、自分が殺すに相応しい女傑であると。

 

「舞うだけの弱き蝶だと思っていたが……実に愉快だ。」

 

一刀から笑みが消える。

 

「やれるものならばやってみろ、小娘。」

 

刹那、音が消えた。甲高い金属の衝突音が鳴り響く。砂塵が巻き起こり、両者の視界を覆う。やがて、砂煙が晴れたその時、そこにあった光景に子龍は驚愕した。

 

「なッ!?」

 

自らが絶対の自信を持つ、神速の突き。人の身では決して止められない愛槍の一撃を目の前の残虐は止めた。見たこともない、奇怪な槍で。

心底つまらなそうに瞑目し、残虐は言った。

 

「どうした、その程度か?」

 

その言葉とともに子龍の身体は宙を舞っていた。

 

「ッ……!!」

 

腹部の痛みを認識した瞬間、抑えきれなかった血が咽喉を駆け上がる。塊となって零れたそれは、純白を真っ赤に染めていく。肺から逃げようとする空気を押し留め、子龍は現状の把握を図る。

 

(……肋を何本かやられた。殴られたのか。視界が定まらない……残虐め。)

 

槍で身体を支える。重傷を負い、力の差を理解しても尚、子龍のその眼は希望を捨ててはいなかった。

お返しとばかりに子龍は再び神速の速さで間合いを詰める。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

1つ1つが洗練された、必殺の猛攻が一刀を襲う。

しかし、それでも一刀には敵わない。

彼の持つ槍が神速の一撃一撃を打ち落としていく。

そして、絶望の突きが子龍を貫いた。

 

「ガッ……!!」

 

勢いのまま、後方へ吹き飛ばされる。無様な姿で転がり、あらゆる場所から血が流れる。

それでも、子龍は立つことをやめなかった。

 

「ほぅ……。まだ立つのか。」

 

一刀は感嘆の息を漏らす。子龍は皮肉げに笑い、言った。

 

「……今の私ではお前には勝てないだろう。挑むだけ無駄だとわかっている。」

 

英雄は立ち上がる。真の武の境地へと至るために。武に生きる者の宿命を示すかのように。

 

「それでも、私は武人だ。」

 

一刀は笑った。

 

「見事だ。蒼き蝶よ、名を何という。」

 

「趙子龍。常山の昇り龍とは我のことなり。」

 

子龍は問う。

 

「残虐。貴様は何という。」

 

「北郷一刀。白き龍皇を継ぎし者。」

伝説が始まる。白銀と蒼白。二頭の龍は殺し合う。力を示すために。己の正義を貫くために。

 

「昇り龍よ。その生き様、見事である。」

 

白銀は告げる。残酷な終わりを。

 

「故に、オレ自らが手を下そう。」

 

一刀の手にある奇怪な槍から、風が生まれる。それは二頭を包み込む。荒れ狂う砂嵐の中を目にもとまらぬ速度で迫り来る一刀を見て、子龍は悟った。

 

(死は避けられない、か。)

 

刻一刻と死は近づく。近づくにつれて、子龍に流れる武人の血が騒ぎだす。

(ここで、終わっていいのか?)

弱った心を励ます。己は天下の昇り龍。誇り高き一騎当千の武人だ。

 

「グッ……」

 

最後の力を振り絞り、英雄は駆ける。

腹の痛みを堪え、走る。目前に迫った白銀へ最速の突きを放つ。この一撃が、己の魂が籠もったこの一撃が必ず一刀を貫くと信じて。

 

「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

雄叫びとともに、繰り出されたそれは――届くことは無かった。

異音が鳴り響く。肉を抉るような音が己の胸から聞こえる。

口の中に鉄の味が広がる。閉じきれない口の端から鮮血が落ちる。見下ろすと、自分の胸をナニかが貫通していた。先程まで一刀が握っていたあの奇怪な槍だった。

 

(これが、私の終わりか……。存外、短かったものだ。)

 

蒼が赤に染まる。得物は手から離れ、躰は支える力を失い、崩れ落ちる。

そして、その息は止まった。最後まで武人であろうとした誇り高き昇り龍は、ここにその短い生を終えた。

 




うん、色々とまずいね。私、星のファンから殺されそうでガクブルです。でも、ちゃんと”原作キャラ死亡”って書いてあるから(震え声)
次に犠牲になる方はどなたでしょうねぇ(ゲス顔)
まぁ、美少女がこのまま死んだままになるか、と言われたらNoと答えます。
星についてはまた次回をお楽しみに。ではまたお会いしましょう。
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