デート・ア・ライブ 破壊者が精霊を救う   作:TBの狙撃手

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せめて、テレビ版 デアラ1期は終わらせたいと思っています
それでは、続きをどうぞ


第6話 ファーストコンタクト

〈side 影騎〉

 

 

いやはや、フラクシナス……いや顕現装置(リアライザ)か?

とんでもねぇ技術だよな、科学で作られたライダーシステムもぶっ飛んでると思うが、こっちも中々だ

障害物さえなければ、一瞬で地上に転送から回収までこなすんだからよ

で、俺が今いる場所 裸禅高校 その跡地と言えるような破壊具合だった

凄いね、俺らが数時間前 ここで授業とか色々してたんだぜ?

 

「こちら影騎、監視ポイントに着いた」

 

「こちら焔、同じく監視ポイントに着いたわ それと暫く通信出来なくなるわ、じゃあ」

 

そう言うと焔は、窓ガラスへと姿を消して ミラーワールドへと入っていった

そして、俺は先に開発した双眼鏡型アタッチメント カイザポインターを取り出して プリンセスが居ると思しき教室跡を覗いた

 

 

〈side 士道〉

 

目の前にある校舎の壁が、冗談のようにゴッソリと削り取られており、内部の鉄筋などが覗かせていた

 

「実際に見るととんでもねぇな……」

 

『まあ、ちょうどいいからそこから入っちゃいなさい』

 

右耳に詰めたインカムから、琴里の声が聞こえてくる

「……了解」と頬をかきながら呟くと、校舎の中二入っていく

あまり、のんびりしていては精霊が外に出てしまうかもしれないし、それ以前に俺がASTに見つかって保護されかねない

 

『さあ、急ぎましょ。ナビするわ。精霊の反応はそこから階段を上がって3階、手前から4番目の教室よ』

 

「了解……っ」

 

一度深呼吸してから 近くの階段から駆け上がっていき 1分とかからずに指定された教室の前まで辿り着いた

扉は開いておらず、中の様子は窺えなかったが この中に精霊がいると思うと自然と心臓は早鐘のように鳴った

 

「て、ここ2年4組。俺のクラスじゃねぇか」

 

『あら、そうなの?好都合じゃない、地の利とまでは言わないけど まったく知らない場所より良かったでしょ』

 

琴里が言う通りだが、まだ進級してそう日が経っていないので、そこまで知っているという訳ではないんだが

とにかく、精霊が気まぐれを起こす前に接触せねばならない、そして覚悟を決め 教室の扉を開けた

すると、前から4番目 窓際から2列目 ちょうど士道の机の上に 紫を基調としたドレスを身に纏った黒髪の少女が片膝を立てるようにして座っていた

 

『あの時はグロンギでゆっくり見れなかったが、結構綺麗な色合いの鎧?ドレス?だな。紫と黒、金?の装飾がいい具合に調和してる』

 

幻想的な輝きを放つ目を物憂げな半眼にし、ぼうっと黒板を眺めている

半身を夕日に照らされた少女は、見る者の思考能力を一瞬で奪ってしまうほどに神秘的だった

 

「・・・・・ぬ?」

 

少女が士道の侵入に気づき、目を完全に開いてこちらを見てくる。

 

「……っ!や、やあ」

 

心を落ち着けながら手を上げようとした瞬間、少女が無造作に手を振るったかと思うと、俺の頬を掠めながら一条の黒い光線が通り抜けていき、後ろの教室の扉とその後ろにある廊下の窓ガラスが盛大な音を立てて砕け散った

 

「ぃ……ッ!?」

 

『士道!』

 

『気を付けろよ、士道 生身で喰らえば一撃であの世行きだぞ』

 

少女は鬱々とした表情を作りながら、腕を大きく振り上げていた

手のひらの上には、丸く形作られた光の塊のようなものが黒い輝きを放っていた

 

「ちょ……っ!?」

 

叫ぶ前に転げるように壁の後ろへと身を隠した

一瞬あと、先程まで俺がいた位置を光の奔流が通り抜け、校舎の外壁を容易く突き破って外へと伸びていった

その後も何度も連続して黒い光が連射していた

 

『アレは・・・・変身していても受けたくないな』

 

影騎の感想も耳に入ってこない

 

「ま、待ってくれ!俺は敵じゃない!」

 

随分と風通しがよくなってしまった廊下から声を上げる

すると、士道の叫びが届いたのか、それっきり光線を放たれなくなった

 

「は、入って大丈夫なのか……?」

 

『んー、こっちからは難しいな 煙が舞ってて 見えん。琴里、そっちからは見えるか?』

 

『ええ、見たところ 迎撃準備してないわね。やろうと思えば、壁ごと士道を吹き飛ばすなんて容易い筈だし。逆に時間を空けて機嫌を損ねてもよくないわ。行きましょう』

 

独り言のような士道の呟きに、影騎と琴里が答えてくる

恐らくカメラはもう教室に入っているのだろう

ゆっくりと扉のなくなった教室の入り口の前に立った

そんな俺の様子を少女はじとーっとした目を向けていた

一応攻撃はしてこないものの、その視線には猜疑と警戒が満ちている

 

「と、取り敢えず落ち着い」

 

「止まれ」

 

少女が凛とした声音を響かせると同時に、バシュッと士道の足元の床を光線が灼く

 

「……っ」

 

少女が、士道の頭頂からつま先までを舐めるように睨め回し、口を開く

 

「お前は何者だ?」

 

「っ……あぁ、俺は」

 

『待ちなさい』

 

 

〈side 琴里〉

 

 

〈フラクシナス〉艦橋のスクリーンには今、光のドレスを纏った精霊の少女が、バストアップで映し出されていた

愛らしい貌を刺々しい視線で飾りながら、カメラの右側 士道の方を睨みつけている

そして、その周りには『好感度』をはじめとした各種パラメータが表示されていた

令音が、顕現装置で解析・数値化した、精霊の精神状態が表示されているのだ

 

「こ、これは」

 

クルーの誰かが狼狽に満ちた声を上げる中、画面中央にウィンドウが現れて

 

①「俺は五河士道。君を救いに来た!」

②「通りすがりの一般人です!やめて殺さないでくれ!」

③「人の名を尋ねる時は自分から名乗れ!」

 

「選択肢……っ」

 

〈フラクシナス〉のAIが、精霊の心拍や微弱な脳波等の変化を観測し、瞬時に対応パターンを画面に表示したのだ

つまり、正しい対応をすれば、精霊に取り入れる事が出来るのだ

琴里は、返事をしかけた士道を制止させる

 

「全員!これだと思う選択肢を選びなさい!5秒以内!」

 

クルー達が一斉に手元のコンソールを操作し、結果が琴里の手元のディスプレイに表示される

最も多かったのが、③番

 

「みんな、私と同意見みたいね」

 

「①は一見王道に見えますが、向こうがこちらを敵と疑っているこの場出言っても胡散臭いだけでしょう。それに少々鼻につく」

 

直立不動のまま、神無月が発言し

 

「……②は論外だね、万が一この場を逃れる事が出来たとしても、それで終わりだ」

 

続いて、艦橋下段から令音も発言した

 

「そうね、その点③は理にかなってるし、上手くすれば会話の主導権を握る事も出来るかもしれないわ」

 

『・・・・・ん?』(アレ?初対面の時 あの子は確か……)

 

 

〈side 士道〉

 

『士道、こう言いなさい 人に名を尋ねる時は自分から名乗れ』

 

「人に名を尋ねる時は自分から名乗れ。……って、な、何を言わせてんだよ……っ!」

 

士道の言葉を聞いた少女は途端に表情を不機嫌そうに歪め、今度は両手を振り上げて 光の球を作り出してて

 

「ぃ……ッ」

 

慌てて床を蹴り、右方に転がる 一瞬あと、士道の立っていた場所に黒い光球が投げつけられ 床に 2階、1階まで貫通していき 大穴が広がっていた

 

『あれ?おかしいな』

 

「おかしいなじゃねぇ……ッ!殺す気かよ……ッ!」

 

『士道!大丈夫か!?てか、なんであんな事を言った!?あの子、名前は無いって言ってたろ!?』

 

「コレが、最後だ。答える気がないのなら、敵と判断する」

 

「お、俺は五河士道!ここの生徒だ!敵対する意思はない!」

 

「………」

 

両手を上げながら、言うと少女は訝しげな目を作りながら士道の机から降りた

 

「そのままでいろ、お前は今、私の攻撃可能圏内にいる」

 

「……っ」

 

少女がゆっくりとした足取りで士道の方に寄っていき

 

「……ん?」

 

そして軽く腰を折り、暫しの間 士道の顔を凝視してから「ぬ?」と眉を上げた

 

「お前、前に一度会った事があるな……?」

 

「あ……っ、あぁ、今月の……確か、10日に、街中で」

 

「おぉ」

 

少女は得心がいったように小さく手を打つと、姿勢を元に戻した

 

「思い出したぞ、何やらおかしな事を言っていた奴だ」

 

少女の目から、微かに険しさが消えるのを見取って、一瞬 緊張が緩んだ

次の瞬間、前髪を掴まれ 顔を上向きにさせられ

 

「ぎっ……ッ!?」

少女が、士道の目を覗き込むように顔を斜めにしながら視線を放って

 

「……確か、私を殺すつもりは無いと言っていたか?ふん、見え透いた手を。言え、何が狙いだ。油断させておいて後ろから襲うつもりか?」

 

「………ッ、人間は……ッ。お前を殺そうとするやつらばかりじゃ……ないんだッ!」

 

「………」

 

少女が目を丸くして、士道の髪から手を離す

 

「そうなのか?」

 

「あぁ、そうだとも」

 

「私が会った人間たちは、皆私は死なねばならないと言っていたぞ」

 

「そんなわけ……ないだろッ」

 

「………」

 

『すまねぇ、ちょっと野暮用が出来た……』

 

 

〈side 影騎〉

 

ひとつの視線が背後からこちらに向いていることを影騎は察知する。

野生の勘とも言えようか、いま確実に視線を感じたのだ。

 

 一般市民は全員避難シェルターに避難しているはず。

 

 ならば、

 

 ――もしかすると……。

 

 恐る恐る振り向いてみるとすでに後ろ姿を見せながら遠ざかっている人影が目視できた。

 

 薄い青紫色をした薄手のガウンを身に着け、ジーンズにブーツを履いている。

装黒く艶やかに腰まで伸びたの長髪が目を引く

「お前・・・・・まさか」

 

その背中に影騎が話しかけてみると歩みを進めていた少女はふと止まり、振り向かずに答える

 

「この前、私は言ったはずよ。

また会うことがないように、と。

なのにどうしてあなたはまたこんなところにいるのかしら。

おとなしく避難しておけばいいのに酔狂で馬鹿な男ね」

 

彼女の口振りには全体的に刺が見られる。

 

「いや、ソッチこそわざわざ自分の身を顧みずに他の精霊を助けようとすなんて酔狂で賢明な女だと思うぞ

俺達と同じタイプの人種だな?」

 

逆に影騎は嬉々として相手を褒める

その声はいままでの誰との会話よりも心が躍動しており、いまの精神状態をモニタリングすれば数値がカンストしていることだろう

相手の声からしても間違いなく〈フォートレス〉だ。

彼女はレアと琴里が称していたが影騎や神無月の仮説が証明されたことにより、それは否定される。

〈フォートレス〉はずっと静粛現界をして他の精霊を見守っていたのだ。空間震を引き起こしての現界の方が稀だったのだ。

今回はASTが戦闘行為を行なっていないので様子見といったところか戦意は感じられない。

 

「精霊……確か人間あなたたちが私たちを総称していっていたものね。

でも二度も会うなんてさすがに偶然とは思えないわ。

あなたは一体何者? 私に近づいてどうする気なの?」

 

「ふっ、なんだその質問……」

 

悲観的な彼女の態度に影騎は唐突に鼻で笑う

 

「俺の名前は久留洲崎 影騎、前にも言った筈だ。

通りすがりの仮面ライダーさ。

人々の平和と幸せを守る為に戦っている

前はそれどころじゃなかったが、今回はソッチの名を聞かせてもらおう

というか、いい加減にコッチに向け、礼儀ってのがあるだろ?」

 

「私の名前は澪奈(れいな)。

この世界に現界してから自分の名前がないのは不自然だと思ってつけたの」

 

「澪奈、イイ名前だ。改めてよろしくな、澪奈」

(やはり、聞いた事も無い名前だ、完全に未知の精霊か……)

 

「ええ、短い付き合いになるだろうけどこちらからもお願いするわ。それよりもまだ質問に答えてもらってないわ」

 

「澪奈に近づいてどうする気、だったな。

そりゃあまずは『トモダチ』になるのが目的だ、そのあとにはお前を助ける為に」

 

「そう」

 

澪奈はその言葉を聞くと一度は肯定し、自らの言葉を続ける。

 

「あなたは精霊が人間にとってどんな被害を齎すのかわかって言ってるの?」

 

「ある程度は知ってる、それでも俺は精霊を助けたい。

空間震で建物が潰されたってあとで簡単に直せる。

だから気にする必要は無い」

 

「どうしてそこまで精霊の存在を肯定するの?

人間にとって精霊わたしたちは害悪そのもの。

ASTのように明確な敵意を持っていても不思議じゃないわ」

 

「あんまり自分を卑下するのは良くないな

後ろ姿しか分からんが、絶世の美少女だろうな。

強く気高く美しいとも思う」

 

「……外見なんて私には不要よ。

精霊のために力を振るい、精霊を守るためだけに存在する。それが私なの。これが存在意義なの。だから私はあなたに顔を見せないわ、絶対に」

 

 自らの存在意義を決め付ける少女の後ろ姿は確かに凛々しい。

 

 だが、

 

「なんだ、その上っ面みたいな使命は?それはお前の考えか?それとも誰かにそうするよう考えさせられたか?」

 

「それって、どういう意味?」

 

影騎の言葉に、澪奈は質問する

 

「じゃあ、その辛そうな悲しい声はなんだ??

俺は感情があるお前と話をするためにここにいるんだ」

 

だったら何故、そんなに悲しい顔をしているのだろうか

いや、影騎の位置からは彼女の表情は見ることができない。それでもわかるのだ、声音で

声には出さないが澪奈が悲しんでいる事に

 

『俺は……ッ、おまえと話をするために……ここにきたッ』

 

インカム越しで士道の声が聞こえてくる。幸いこちらの声は通信状態にしていないので音漏れの心配はない。

〈プリンセス〉、〈フォートレス〉の二人は士道、夕騎の言葉を怪訝そうに聞くと意味がわからないといった様子で眉をひそめる。

 

 「……あなたの言いたいことがわからないわ」

 

 『……どういう意味だ?』

 

影騎は一度深く息を吸い、

 

「早い話、感情を不要と言ったのを……」

 

一拍空け、いままで誰にも手を伸ばしてもらえなかったであろう孤独の道を歩んできた少女たちに二人の少年は言うしかない。

 

「俺は――お前を、否定する」

 

『俺は――おまえを、否定しない』

 

んんん? ああ、士道の方は肯定してるのか。

まあ〈プリンセス〉の方は肯定した方がイイ空気だし、通信切らないと話がややこしくなる危険性があるな。

耳元のインカムの盗聴モードをオフにしていると、しばしの間沈黙が場を支配する。

そして零弥はそのあとでそっと口を開く。

 

「影騎、と名乗ってたわね。どうして……あなたは否定するの?」

 

「つまらねえからに決まってるだろう、簡単な話だ。『感情で行動するのは正しい人間の生き方だ』って言葉もあるくらいだ

本当に無感情なら間違いなくあの子を見捨てていたはずだぞ、あっさりと。」

 

「別に優しくないわ。それに精霊を助けるのは私の使命よ」

 

「例え使命でもな、他のヤツだった場合もお前は助けてた筈だろう。

ただの人間である俺の話を聞いてくれているだけで優しいんだよ」

 

「貴方は……人間なの?」

 

「そうだな、俺は人々を守る力を持った人間だな

最初に澪奈が優しいヤツだと思ったのはお前が他の精霊を守るために現界して戦うってのを知った時からだ。苦しんでるお前を俺は見逃せない」

 

苦しんでいるお前を見逃せない、そう聞いた澪奈の肩がビクッと大きく震える。

彼女の中で何らかの変化が起きたのだろうか。澪奈はあることを問いかけてくる。

 

「もし、普通の人間が本当に困っていたとしたらあなたはどうする?」

 

「言ったろ?仮面ライダーは、弱い人々を守る為の剣でもあるんだ」

 

試すように問いかける澪奈に影騎はいともあっさり答えた。

 

「仮面ライダー……」

 

「けどな、助けを求めるのが人間だろうが精霊だろうが、手を伸ばすのなら、俺はその手を掴む。」

 

「だったら私は助力を必要としていないと言うわ。あなたの力がなくても私は進んでいける」

 

なおも拒絶する澪奈に影騎はもう一歩踏み出す。

 

「それならなんでASTに砲撃する時も虚しそうな顔している?」

 

「……ッ!」

 

見抜かれた、そう言わんばかりな反応に影騎は言葉を続ける。

 

「それくらいは見えなくても何となくわかった」

 

「私のことを理解した風に言わないで」

 

「ああ、理解してねえよ。まだな、、、」

 

含みのある言い方にさらなる疑問が高まる澪奈だったが突如、校舎を凄まじい爆音と震動が襲った。

けたたましい音とともにASTから校舎に向けて放たれた銃弾が窓ガラスを砕いていく。

この様子からして間違いなく許可が出てしまったようだ。

ここで困るのは……

 

『影騎くん! 彼女を止めてください!』

 

インカムから突然 神無月の指示が伝えられる。

すぐさま校舎から澪奈の方を見れば彼女はすでに校舎に向かって駆け出そうとしていた。

影騎は神無月の意図はわからないが彼の指示のもと背後から澪奈を抱きしめ、地面に靴の踵をめり込ませては勢いを殺していく。

 

「は、放しなさい!」

 

「今は行くな!!取り込み中なんだからよ!!」

(焔!士道達のカバーだ!ASTを引きつけろ!!)

 

『了解!任せなさい!!』

 

「だったら……ッ!」

 

さらに力を込めて突き進もうとする彼女に持ち前の馬鹿力で耐えるがさすがは精霊といったところか少しずつだが押し返されている。

 

『いま士道くんたちが良い雰囲気で話が進められているのです。ここでASTと〈フォートレス〉の戦闘になれば〈プリンセス〉を刺激してしまうかもしれません。もう少し耐えてください、もしくは彼女の興味を影騎くん自身に切り替えてください』

 

――上は無茶難題をおっしゃる!!

 

このままでは澪奈に振り切られてしまう。

そこで影騎はひとつの行動に出る。

右足を澪奈の片足に絡め腕の移動時間をまずは稼ぎ、その間に両腕を相手の脇から通して首の裏でロックして残りは足を腰辺りに絡ませて後ろに倒れる。これはチョークスリーパーのウィザード仕様、劇中でもウォーターでよく使っていた、筈

多少の衝撃はあったものの澪奈の軽さもあってか「げふ!」と息を漏らすだけで他に異常はない。

 

「このッ」

 

零弥はジタバタと暴れるがこれがなかなか外れない。他人目からみれば物凄くシュールな光景なのだが本人たちは一瞬も力が抜けない真剣な状態なのだ。

 

「いま介入したらややこしくなる!

奴らが今撃ってるのは、精霊をいぶり出すために使われる対精霊用じゃないガトリングのはずだぞ!

澪奈も精霊だからわかるだろ、そんなもので精霊は傷つけられないって知ってるだろうが落ち着け このお転婆娘!」

 

「だからと言って放ってはおけないわ。早く放しなさい!」

 

「そんなに放して欲しけりゃコッチが提示する『条件』を一つ叶えろ!」

 

「……は?」

 

影騎の提案に絞め技を現在進行形で喰らって動きを妨げられている澪奈は不審そうに声を上げる。

それもそうだ、いきなりウォータースリーパー(澪奈は名称を知らない)をされて放す交換条件が願いを叶えろと言われれば誰でも反応を躊躇う。

だがしかし、この状況では従わざるを得ないかもしれない。

下手にいま霊装を纏えば 生身の影騎が衝撃に巻き込まれて怪我をしてしまう。こんな時でも他人の心配をする澪奈は、本人は認めないものの本当に優しいのだ。

 

「その条件ってのを言いなさい。何でもじゃないけど聞いてあげるわ」

 

暴れるのをやめ、相手の言葉に耳を傾ける。

 

「・・・・・本当か?」

 

「あなたが言い出したんだから早く言いなさい。気が変わる前にね」

 

この時影騎が顔を見せろ、と言えば澪奈は間違いなく断っただろう。

 

「おまえは精霊を守ることだけが自分のやりたいこととか言ってたな。

でもさ、俺的にはそれ以外にも澪奈がやりたいことを見つけて欲しいと思うんだ、この世界は捨てたものじゃない、と」

 

「……、」

 

「だからさ――」

 

俺の表情は澪奈からは見えない。また逆も然り。

 

 

 

 「――俺とデートしてくれ、澪奈」

 

 

 

 「……は?」

 

先ほどと同じような反応をしてしまった自分に澪奈は少し赤面する。デートという単語は知っているのだが、どうしてそれが自分のやりたいことにどう繋がるのか。

人間の心情はつくづく理解できない。それでもこちらには急ぎの用がある。

 

「わかったわ。でも一つだけこちらにも条件があるわ」

 

「え、マジでデートしてくるのか?」

 

 ――自分から言っておいて何なのかしら本当……。

 

心底呆れるようなため息を吐いてしまったが澪奈は自分の思う条件を言う。

 

「私の顔を見ないって約束するのなら構わないわ」

 

「分かった、努力はしよう。人生初デートが精霊とはな、人生捨てたものじゃない」

 

「話を聞いてるのかしら……? まあいいわ。私が次にこの世界に来るのは明後日。時間は昼過ぎ、ここの近くを歩いてくれればこちらが見つけるわ」

 

「ん、了解。白と黒のデカいバイクに乗ってるからそれを目印にしてくれ」

 

「ええ、それじゃあ明後日に」

 

「あぁ!それと、俺もあの戦い、参加するぜ?」

 

「いいの?同じ人間よ?」

 

「理不尽な暴力からも助けなくちゃいけないのが仮面ライダーの辛いところなんだよ」

 

パッと澪奈の体を放すとすぐに彼女と共にASTとの攻撃へと向かう

 

「これ以上、誰かの悲しむ顔なんて、見たくもねぇんだよ………変身!」

 

澪奈と走りながら、ディケイドライバーで仮面ライダーディケイドへと変身し、プリンセスを守る為 ASTへ攻撃し始める




どうでしたか、結構 自分的にはチグハグしてるような気もするのですが
それと、少し 〈side〉を抜こうかどうか悩んでいます

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