アンケートどうしたものか……
このまま、独断で決めちゃった方がいいんですかね?
時刻は17時20分
避難を始めてる生徒達の目を避けながら、士道達と焔に合流 街の上空に浮遊している〈フラクシナス〉に移動した5人は、艦橋スクリーンに表示された様々な情報に視線を送っていた。
軍服に着替えた琴里と令音は、時折 言葉を交わしながら意味ありげに頷いていたが、正直士道達には 画面上の数値が何を示していたのか よく理解出来なかった
唯一分かったのは、画面右側に示されているのが 士道達の高校を中心にした街の地図位であった
「なるほど、ね」
艦長席に座り、チュッパチャプスを舐めながら、クルーと言葉を交わしていた琴里は、小さく唇の端を上げた
「士道」
「なんだ?」
「早速働いてもらうわ、準備なさい」
「・・・・っ」
琴里の言葉に、士道は身体を硬直させた
いや、予想はしていたし、覚悟もしていたはずなのだ
だかやはり、実際その時が来てしまうと緊張を隠せなかった
「もう彼を実戦登用するのですか、司令」
と、艦長席の隣に立っていた神無月が、スクリーンに目をやりながら不意に声を発した
「相手は精霊です。失敗はすなわち死を意味します。訓練は十分なのでしょげふっ!?」
言葉の途中で、神無月の鳩尾に琴里の拳が突き刺さる
「私の判断にケチをつけるなんて、偉くなったものね神無月。罰として今からいいと言うまで豚語で喋りなさい」
「ぶ、ブヒィ」
なんか物凄く手馴れた様子で神無月が返す
その様子を見ていた焔は、まるで死んだ魚を見るような目で神無月を見ていた
「・・・・・・」(こんな風にだけはなりたくないな)
影騎は、目の前で行われてるSMプレイの様子を引きながら見ていた
士道はその光景を見ながら吹き出た汗を拭った
「………いや、琴里、神無月さんの言う事ももっともだと思うんだが……」
「あら、士道ったら豚語が理解出来たの?流石、豚レベルの男ね」
「ぶ……っ、豚を舐めるなよ!豚は意外とすごい動物なんだぞ!」
「知っているわ。綺麗好きだし力も強い。なんでも犬より高度な知能を持っているという説もあるとか。だから有能な部下である神無月や、尊敬する兄である士道に最大限の敬意として豚という呼称を使っているのよ。豚、この豚」
「……ぐぐっ」
「・・・・・・」(確か、豚の頭骨って頑強で頭突きされると危険と言うのはよく聞くがな、と言うか豚呼ばわりは蔑称じゃね?)
正直あまり敬称には聞こえなかった
しかし琴里も、神無月の疑問と士道の不安がもっともであることくらい理解しているようだった
キャンディの棒をピンと上向きにし、スクリーンを示す
「士道、貴方はかなりラッキーよ」
「え………?」
琴里の視線を追うように、スクリーンに目を向けた
やはり、意味不明な数字が躍っていたが、右側の地図に、先程と変わったところが見受けられた
士道の高校に赤いアイコンが1つ、そしてその周囲に小さな黄色いアイコンが幾つも表示されていたのである
「赤いのが精霊、黄色いのがASTよ」
「ふむ……今回は1人だけか?」
「……で、何がラッキーだってんだよ」
「ASTを見て、さっきから動いてないでしょう?」
「あぁ……そうだな」
「精霊が外に出てくるのを待ってるのよ」
「なんでまた、突入しないのか?」
士道が首を傾げると 琴里が大仰に肩をすくめて見せた
「ちょっとは考えてもの言ってよね恥ずかしい。粘菌だってもう少し理知的よ」
「な、なにおう!?」
静観していた影騎が補足した
「ASTが装備している、CR-ユニット?だったか、恐らく屋内による白兵戦を想定していないんだろう
あんなデカブツを背負って戦闘しているんだ、狭い校舎内では動きづらいんだろう、もう少し小型化でもすれば話は別だろうがな」
「………影騎に言いたいことをほぼ言われたけど、そういう事よ
随意領域があっても、機動力は落ちるし視界も遮られるわ」
言いながら、琴里がパチンと指を鳴らす
それに応じるように、スクリーンに表示されていた画像が、実際の高校の映像に変わった
校庭に浅いすり鉢状のくぼみが出来ており、その周りの道路や校舎の一部も綺麗に削り取られていた
まさに先日、士道達が見たのと同じ光景が広がっていた
「校庭に出現後、半壊した校舎内に入り込んだみたいね。こんなラッキー滅多にないわよ?ASTのちょっかい無しで精霊とコンタクトが取れるんだから」
「……なるほどな」
「それで、俺はどうする?護衛か?」
「そうなるわね、ただし 精霊からは見えないように頼むわよ。」
「なるほど、だいたい分かった」
「……なぁ、精霊が普通に外に現れていたらどうやって俺を精霊と接触させるつもりだったんだ?」
「ASTが全滅するのを待つか、ドンパチしてる中 影騎達に護衛させながら放り込むか、ね」
「おい、俺達を捨て駒扱いか??」
「最低な指揮官も居たものね」
「・・・・・・」
影騎と焔は、敵意ある眼差しで琴里を見ていて
士道は先程よりも深ぁーく、今の状況がどれだけ有難いのかを感じていた
「ん、じゃあ早いところ行きましょうか。士道、影騎、インカムは外してないわね?」
「あ、あぁ」
「しっかし、凄いな。イアホンレベルのインカムとかどんな技術してんだ??」
2人は右耳に嵌め込んだインカムに触れながら
「よろしい、カメラも一緒に送るから、困った時はサインとしてインカムを2回小突いてちょうだい」
「ん……了解した。でもなぁ……」
「あ、そだ。士道、お前にコレを貸してやるよ」
影騎がそう言うと、赤・青・緑のディスクと鬼の顔が付いた音叉みたいなを手渡した
「な、なんだこれ?」
「アニマルディスク、使い方は適当にこの音叉で物に軽く叩くだけでいい、最悪自分の体でもいい
後はディスクに撫でるように擦り付けて ディスクを投げる、そしたらディスクが動物の姿に変形して お前を守ってくれる」
「な、なるほどなー」
「ただし、反響してる音叉を絶対に額に持っていくな」
「え、なんで?」
「その変身角 音叉はな、変身アイテムなんだが 身体を極限にまで鍛えた奴じゃないと変身出来ない、変身出来たとしても数分しか維持出来ないし、解除されたらスッパテンコーになるぞ」
「・・・・・最後の意味はなんとなく分かった……」
「話は終わったかしら?所で、そういうアイテムは私達にも提供できるのかしら?」
「残念だが、俺一人で開発してるから正直 量産は難しい」
特にセルメダルを動力にしてるカンロイドとかそのカンドロイドを出してくれるマシン ライドベンダーとかどうしようもないのである
それを言ったら、今開発中のベルトとそれに関連するバイク達とか
「良ければ、私達で設備を提供するわよ?」
「む、いいのか?」
「ええ、勿論よ」
「ただし、開発指示は俺がやるぞ、中には変身したら命を落とすような物あるからな」
「いや、なんでそんなものも作ろうとしてんだよ!?」
「・・・・・・なんでだろうな?」
「なんで考えてないんだよ!!」
取り敢えず、士道は半眼をしながら琴里と艦橋下段で自分の持ち場についている令音に視線を送った
訓練のときの助言を鑑みる限り、正直心細いサポートメンバーだった
士道の表情からおおよその思考を察した琴里は不敵な笑みを浮かべた
「安心なさい士道、影騎。〈フラクシナス〉クルーには頼もしい人材がいっぱいよ」
「そ、そうなのか?」
「・・・・・・・」(不安だ……)
「本当に使えるんでしょうね??」
士道と焔は疑わしげな顔で、影騎は不安げに感じながらも琴里が上着をバサッと翻して立ち上がる
「例えば」
そして艦橋下段のクルーの1人をビシッと指さし
「5度もの結婚を経験した恋愛マスター!〈早過ぎた倦怠期〉川越!」
「いやそれ4回は離婚してるって事だよな!?」
「バツ5とかマジ??」
焔と士道がツッコミを入れ
「夜のお店のフィリピーナに絶大な人気を誇る、〈社長〉幹本!」
「それ完全に金の魅力だろ!?」
「権力って奴か……」(決闘蟹感)
士道がツッコミ、影騎が感想を言い
「恋のライバルに次々と不幸が!午前2時の女、〈藁人形〉椎崎!」
「絶対呪いかけてるだろそれ!」
「え、マジ?急にホラー?」
突然のホラー要素に固まる焔、やってる事に確信持って突っ込む士道
「100人の嫁を持つ男、〈次元を超える者〉中津川!」
「ちゃんとZ軸のある嫁だろうな!?」
「何故だか、親近感湧くな……」
1人のオタクとして共感する影騎
「その愛の深さゆえに、今や法律で愛する彼の半径500メートル以内に近づけなくなった女、〈保護観察処分〉箕輪!」
「ほぼ、犯罪者1歩手前じゃない!!」
「なんでそんな奴らばっかなんだよ!?」
「・・・・・皆、クルーとしての腕は確かなんだ」
「まあ、そっちは宛にさせてもらうぞ」
艦橋下段から、ぼそぼそっとした令音の声が聞こえ、不安を感じながら せめてそっちは期待したいと思う影騎
「そ、そう言われても……」
「安心しろ、士道。俺も怖い……」
「いいから早いところ行ってきなさい。精霊が外に出たらASTが群がってくるわ」
「いざとなったら、俺と焔で蹴散らす」
「影騎もこう言ってんだから、早く行け!」
琴里がボンッと士道の尻を勢いよく蹴り
「ってッ、こ、このやろ……」
「心配しなくても大丈夫よ、士道なら1回死んでも直ぐにニューゲーム出来るわ」
「っざけんな、何処の配管工だそれ」
「もしかすると、不思議な事が起こるかもな」
「マンマミーア、妹の言うことを信じない兄は不幸になるわよ?」
「兄の言うこと聞かない妹に言われたかねぇよ」
「さて、バイクは無理そうだな」
士道と影騎、焔は大人しく艦橋のドアへと歩き出して
「グッドラック」
「おう」
「まあ、何とかするし何とかするのさ」
ビッと親指を立ててくる琴里に軽く手を上げて返す
それから、数十分後
「まさかね……また会うとは」
黒い長髪を風に靡かせる長身の少女
全体的には何の物質か判断がつかないボンテージのようなドレスに片袖しかないもの身につけていて、手や脚には橙色を基調とした籠手、具足を装備しており、具足には推進機ブースターを思わせる円筒状のものが取り付けられていた
この久留洲崎 影騎、原作には居なかった精霊と邂逅を果たすことになった
いかがでしたか、今回は短めにことを進めてみましたが
一応これからやる内容としては、本編の合間にデート・ア・パーティー、デート・ア・アンコールもやろうと思ってます
それではまた