サブキャラ転生〜金色は闇で輝く〜   作:Rosen 13

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第16話

「いやいや! あの、僕はただ親子のスキンシップをね…… 」

 

「はいはい話は尋問室で聞きますからね。ったく……ボス、お嬢にセクハラなんてマジで笑えねえよ」

 

「ガチトーン!? え、ちょ、本当に連行する気かい? 」

 

 

 風呂場に突撃してきた変態は駆けつけてきた警備部隊の隊長によって連れていかれました。

 なんかティナニウムが不足してるから補給しにきたとかほざいてたけど、どんな事情にせよ思春期の娘の裸を見た罪は重い。弁解の余地なしでギルティ。

 メイド達が警備部隊に連行されてく変態を養豚場の豚を見るような冷たい目で見ていた。ざまぁ。

 多分尋問の後、幹部の皆から〆られるだろうな。自分で言うのも何だけど、皆私を娘または孫のように可愛がってくれてるから。

 

 

「んだよ、ギャーギャーと騒がしい。おかげで目が覚めちまったじゃねーか」

 

 

 変態が連行されるのを見届けてると、見るからに寝起きのオータムが目をさすりながら変態が連行されたのと反対の方向から歩いてきた。

 

 

「おはよう、オータム。といっても、もう昼過ぎなんだけどね」

 

「あん、別に今日はオフだったんだから、いつ起きても関係ねーだろ」

 

「まあ、それはオータムの言う通りなんだけどさ。でもその格好で外を歩くのは、ねぇ」

 

 

 オータムは気づいていないみたいだけど、今の彼女の格好は色々とヤバい。

 薄い紫色のネグリジェは明らかに乱れてるし、下着もつけていないのかネグリジェから中身が透けて丸見えになっていた。さらにキスの跡らしきものも身体中についていて、彼女の身体からはむせるような濃厚な雌の匂いが。

 どう見ても事後です本当にありがとうございます。

 

 

「はっ? …………あ」

 

 

 顔を赤らめて目を逸らす私とメイド達の様子を不審に思ったオータムはようやく自分の格好に気がついた。

 

 

「き…… 」

 

「「「き? 」」」

 

「キャアアアアアアアアアアア!!! 」

 

 

 顔を真っ赤にさせて普段からは想像できない女性らしい甲高い悲鳴をあげると同時に、両腕で身体を隠しながらしゃがみこむオータム。だけど下着を着けていないからか彼女の豊かな双丘が自分の腕の中で自在に形を変えていく。めっちゃ眼福です。

 

 

「うううう! み、見るなぁ…… 」

 

 

 あの気が強いオータムの涙目上目遣いでこちらを見ている。これがギャップ萌えというものか。実に素晴らしい。

 

 

「あの、お嬢様…… 鼻血が…… 」

 

「…… そんな目で見ないでよ。これは不可抗力。だって今のオータムの破壊力半端ないもん。仕方ないね」

 

「こ、この野郎……! ムカつくからそのにやけ顔はやめろ! 」

 

「ごめん無理。おっと、そういえば開発部門から呼び出しがあったっけ〜。というわけだから私行くね。あ、メイドさん。オータムに適当に上着か何かを掛けてあげて。このまま放置は可哀想だからさ」

 

 

 ちなみに呼び出しがあったのは事実だったりする。私は床に座りこむオータムをメイドに任せて、開発部門があるハミルトン・インダストリーの研究所へ向かった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 屋敷から車を出させて研究所に到着すると、そこには研究員だけじゃなく開発部門の幹部達の姿があった。私は今回の招集についての詳しい説明がなかったから、てっきり今回もゲイレールのテストかと思って、Tシャツにホットパンツっていう結構ラフな格好なんだけどここにいて本当に大丈夫かな?

 とりあえずいつもゲイレールのデータ収集担当してる主任に話を聞いてみよう。

 

 

「主任、何で今日は開発部門のお偉いさん達が来ているの? 」

 

「ああ、そんなの今日が第二世代のお披露目だからに決まっているじゃないですか」

 

「えっ? それ初耳なんだけど…… 」

 

「えっ? こちらは第二世代のテストに参加してほしいって連絡したのですが」

 

「えっ? 」

 

「えっ? 」

 

 

 なにそれこわい。どうやら互いの認識に齟齬がある模様。

 でも私が受けた連絡は『実験があるので研究所に来てほしい』というもので、第二世代なんて単語は一切なかったし、それを匂わせる文脈もなかった。反対に主任のは『第二世代の機体が完成したので、稼働実験のためにお嬢様(私)にテストパイロットとして参加してほしい』という内容で連絡するよう指示したらしい。

 

 

「ということはつまり」

 

「ええ、お嬢様に連絡した者に話を聞く必要がありますね」

 

 

 この時の主任は笑顔だったが、目は全く笑っていなかった。変なオーラも出してたし、多分キレてたんだと思う。

 それから数分後、私に連絡してきたらしき人物が何故か身体がボロボロの状態で主任に引きずられながらやってきた。主任の顔は引きずってきた疲労だけとは思えないほど非常に疲れている。

 

 

「申し訳ありませんでした。どうやらこのスタッフが敢えて第二世代の事を伏せて連絡したようです」

 

「何でそんな真似を…… まさか企業スパイだったっていうオチじゃないでしょうね」

 

 

 私だけじゃなく私付きのメイド兼護衛達も険しい表情を浮かべている。ファミリーの機密が外部に流出なんてマジで笑えないぞ。

 だが主任は強張った表情で冷や汗を流しながら企業スパイ説を否定した。

 

 

「お嬢様の懸念も尤もなのですが、事実はそうではないのです。実は色々と面倒な事情がございまして…… 」

 

「その面倒な事情って? 主任は気の毒だと思うけど、こっちはちゃんと説明されないと色々納得できないよ」

 

「そうですよね。……実は話は第二世代完成時点に遡ります」

 

 

 躊躇い気味に話しはじめた主任の面倒な事情の内容はこうだった。

 

 開発部門が第二世代を完成された時点で開発スタッフはまずボスや最高幹部にちゃんと報告をしていた。当然ボスや最高幹部は機体の完成を把握していた。ちなみにIS部隊のスコールや私は最高幹部ではなかったのでこの情報は知らなかった。

 普通ならこの後私達通常の幹部に情報が届くはずだったけれど、ボスはこの情報を最高幹部のところで止めていたのだ。理由は呆れるもので、私へのサプライズだったらしい。

 新機体が出来ればデータ収集のために私がテストパイロットを務めるのは組織の中でも周知の事実。そこでボスは私に普通の実験だと思わせてといて、当日で新機体のパイロットをやることを自ら教えようと企んでたというのだ。しかも現場スタッフまで外堀を埋める周到さ。私に連絡してきたこのスタッフもその一人だったようだ。

 

 だけど結果としてこのサプライズは大失敗に終わった。分かってると思うけど、この当日にボスは私の入浴中に乱入したことで警備部隊に連行されたから。速攻連行されたので、当然第二世代完成の報せは私に伝わることはなかったのだ。

 

 それを聞いたとき、私は色々脱力して本当に頭を抱えてその場にしゃがみ込んでしまった。

 

 

「普段は有能なのに、何でボスは私が関わると途端に馬鹿になるのさ…… 」

 

 

 サプライズされても嬉しくないっての。いや第二世代完成は良かったと思っているけどさ。ただサプライズにするなっての。

 

 

「「「……………………………」」」

 

 

 ああ、その心底同情するみたいな憐れみの視線はやめて! 実の娘だからダメージがより大きくなるわ!

 

 

「その、も、申し訳ございませんでした」

 

「いや悪いのはウチのボスだから、あまり気にしないで」

 

 

 連絡したスタッフが謝罪してきたけれど、この人も巻き込まれたようなものだから責める気にはならない。護衛達の目つきも柔らかくなってるからこの人のことを許しているのだろう。

 あ〜、いつまでも嘆いているわけにもいかないな。

 

 

「よし、帰ったら改めて〆るとしますか。主任、早速なんだけど、その例の第二世代のところへ案内してくれる? 」

 

「かしこまりました。でも前半の言葉は聞かなかったことにしますね」

 

 

 そんなビビらなくても大丈夫。ちょっとふざけたサプライズを仕掛けた馬鹿共に説教するだけだから。粛清なんてしないよ。本当だよ?

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