サブキャラ転生〜金色は闇で輝く〜   作:Rosen 13

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第30話

 フランス ブルゴーニュ

 

 のどかな田舎の一角にある人里から少し離れたところに黒ずくめの装甲車が不自然に置かれていた。その装甲車の中でカタギとは思えない雰囲気の女たちが依頼主の愚痴をこぼしている。

 

 

「例の女がいるというのがあの家ね。なんとも田舎臭いところにすんでいるのね」

 

「社長夫人も面倒なことを言ってくれるわ。夫の元恋人を子供ごと消すとかさ。大人しくしてるんならほっとけばいいのに」

 

「でも社長が秘密裏に支援してたんでしょ? あの独占力の強い夫人からしたら十分抹殺対象よ」

 

「夫人も気の毒というか自業自得というか。デュノア社長夫人の肩書ほしさに権力で無理矢理夫人の座に昇りつめたのに、社長本人は自分より無理矢理別れさせられた元恋人に情を移している。自分が周囲を利用して別れさせたから余計にプライドが許さなかったのでしょうね。ところで家の様子はどうなってる?」

 

 

 女の問いに家を監視していたひとりが返事する。

 

 

「異常なし。外に出た様子もないし、変な物音もし……。ちょっとまって、おかしい」

 

「何がおかしいのよ」

 

「物音がしなさすぎる。生活音すらしない……」

 

 

 事態を察知した女たちは急いで装甲車の外を出て武装を固めながら家の様子をうかがう。そして気づいた。

 

 

「してやられた! 中はもぬけの殻だ」

 

 

 銃を片手にドアを蹴破り中に侵入すると家の中は電気がついているものの人の気配はしなかった。女達はシャルロット母娘が家に入る瞬間を目撃し、そのまま監視していたから二人は突然家から蒸発したことになる。

 

 

「家の中を探せ。どこかに外に通じる道か地下空間があるかもしれん」

 

 

 リーダー格の女の命令で家の中を細かく捜索すると床下の一部から地下に通じるであろう階段の存在を発見した。一見普通の住宅なのに明らかに不自然な階段の存在に警戒を強める。

 

 

「こんなところに階段があったなんて。しかもまだ真新しい……」

 

「おそらくここから逃げたに違いないわ。追いましょう」

 

「けどこの狭さじゃISは展開できなさそうね。厄介だわ」

 

 

 それでも女たちは意を決して階段を下りて先へ進む。どうやら物置というわけではなさそうで、階段の先は細い通路になっていて、それはかなり長い距離がありそうだった。

 レンガ積みでできたアーチ状の通路は地下特有のカビ臭さがあり女達は顔をしかめる。

 

 

「この道で逃げたとなればかなりまずいわね。どこに続いているか知らないけど外につながってるかもしれないわ。急ぎましょう」

 

 

 女達はこういうことになるならば、さっさと依頼人の指示を待たずにすぐに殺害を実行すべきだったと後悔したが過ぎたことを嘆いても仕方がない。

 ISを使えば一瞬の距離を女達は自らの足で進むしかない。常人より体力はあるが普段ISに乗り慣れた者にとって通路の距離は長く感じた。

 しかし頑張った成果もあり次第に通路の先から足音らしき音が聞こえていた。徐々にその足音との距離が縮んでくる。

 ようやく追いつける。そんなときだった。

 突然先頭にいたひとりが頭部に強い衝撃を受けて後ろにのけぞった。命の危機だったのか頭部にISが緊急展開をしていた。ふと地面を見ると一発の弾丸が転がっていた。つまり先頭にいた女は通路の先から狙撃されたのだ。すぐに女達はターゲット以外の敵の存在に気づきISを部分展開する。

 通路の先に武装した誰かがいる。狭い通路で動きを制限されてISも満足に展開できない状況に女達がとれる方法はふたつ。ひとつは来た道をそのまま戻ってシャルロット母娘の追跡を断念するということ。そしてもうひとつは多少の犠牲を覚悟してでも先に進み通路の先に出るということ。

 一瞬悩んだが女達は任務を遂行するために後者を選んだ。

 

 

「撃て撃て撃て撃て、撃ちながら進むんだ」

 

 

 ISを部分展開しながら見えない敵に銃を乱射し突き進む。そのおかげか向こうからの銃撃は減り、多少の被弾を食らいながらもようやく通路の出口近くに辿り着く。通路の出口は外ではなく広い空間になっているらしく、この広さだったらISを展開できそうな感じだった。ようやく出口に出れることに安堵した女達だったが、通路を抜けた直後、出口の真横──彼女らの死角になる場所に妙な武器を構えた一体のモノアイの悪魔が彼女らの視界に映る。

 次の瞬間、超至近距離で放たれた一撃でISが破壊された音と共に鮮血が飛び散った。

 

 

「ああああああああああああああああああ!?」

 

 

 直撃を食らった先頭にいた女のISのSEは一気に削れてあっという間にゼロになってしまい、ISが防ぎきれなかった分のダメージが女の身体に襲い掛かった。その結果、敵の武器から飛び出した棒状のなにかが女の身体を貫通していた。女は自分に何が起こったのか正確に理解できないまま意識を暗転させた。

 

 

 

 

 

 

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