「「おはよう、翔夢」」
俺は突然のモーニングコールによって眠りから目覚めた。いつもは絵里姉だけなんだけど、何故か隣には鈴兄がいた。
「なんで鈴兄までいんの?」
「まぁ、いいじゃねぇか。てか、昨日絵里から聞いたんだろ?」
「聞いたよ。でも、なんで朝早くからうちにいるのと聞いてる」
「それは昨日絵里から泊まってけって言われたからだ」
「ふぅん。絵里姉~?」
「な、なによ」
「はぁ、もう二人とも結婚しなよ。そうすれば一緒にいれるじゃん」
「それが出来たら苦労はしねぇよ。こちらとら仕事で世界中飛び回ってんの。まぁ、翔夢が一人暮らしし始めたら絵里も連れてくかな」
「鈴哉……//」
なんか2人だけの世界にいってしまっているようだ。
「はいはい、イチャつくなら他所でやってよ。見ててイライラしてくる」
「お、なんだ嫉妬か」
「きゃあ、翔夢こわーい♪」
「腹立つ、このカップル」
マジで結婚しろよ。切実に
「それより引っ越しの準備手伝ってくれるんでしょ?なら早くしようよ」
「それもそうだな。うし!んじゃ、始めますか!」
「そうね!」
「おーう」
◆
あれから数時間後、引っ越しの準備は終わった。
「まぁ、こんなところだろ」
「そうね。ありがとうね、鈴哉」
「どういたしまして。絵里の頼みなら断る訳ないしな」
「鈴哉//」
って、また2人の世界にいきかけてるし。てか、絵里姉チョロ過ぎ。
「はいはい、イチャつくのはそこまでにして」
「お、なんだ嫉妬か?」
「それさっきも聞いた。それより、早く新しい部屋に行こうよ」
「なんかやけにはしゃいでんな。もしかして、あの3人に早く会いたいのかぁ?」
「うるさい。いいから早く行こう」
「分かった分かった。だから怒んなって」
なら、俺を弄るのをやめてほしい。
「じゃあ、翔夢もこう言ってる事だし、昼ごはん食べたら、向かいましょ」
「了解。じゃあ、また美味い飯期待しとくな」
「任せといて♪」
そう言って絵里姉はキッチンにいった。そして、今鈴兄と二人っきりである。
「なぁ」
「なに?」
「お前、あの3人のこと好きなんだろう?」
「なっ!?」
突然の発言に俺は絶句した。
「なんで、そんなこと知っ……ていうか、誰から聞いたんだよ!?」
「あ?んー、勘?」
「いや、疑問形で聞かれても」
「まぁ、当たってたみたいだしいいじゃねぇか」
「俺は今、超動揺してるんだけど」
「まぁまぁ。で、どうなんだよ、お前は」
「どうって。そりゃあ、あいつらのことは大切に思ってるよ。でも、これが恋愛感情なのかはまだ分からない」
「そっか。まぁ、いいんじゃねぇの?これからゆっくり答えを出していけば」
「うん」
「ご飯出来たわよー!」
「「はーい」」
キッチンから絵里姉の声がしたので、俺と鈴兄はリビングへと向かった。
「お、美味そうな匂いじゃねぇか」
「えぇ!鈴哉の大好きな和風パスタを作ってみたの」
「マジか!?こりゃあ、一生懸命働いた甲斐があったぜ!」
「ふふっ♪翔夢もいいでしょう?」
「ん。絵里姉の料理、美味しいしね」
「じゃあ、食べましょうか!」
「あぁ!じゃあ、」
「「「いただきます!」」」
◆
「ふぅ、美味かったなぁ!ごちそうさま!」
「ふふっ、お粗末さまでした♪」
「じゃあ、ちょっと休んでから行こうよ。それでいいよね、鈴兄」
「あぁ、そうしてくれると助かる」
まぁ、おかわりで3人前くらいは食べてたしね。流石にキツイだろな。
それから30分後、俺達は向かう準備が整い、鈴兄が乗ってきたワゴン車に乗った。
あいつらだったら、嬉しい、な。
◆
自宅から出て数十分後、俺がこれから住むマンションに着いた。
「うし!んじゃあ、俺と絵里で荷物下ろしとくから、お前は一回部屋の方にいってみろよ」
「え?いいよ、俺も手伝うよ」
「いいから。早く行ってみろって」
「で、でも」
「いいから行ってみろって!」
「う、うん。分かった」
そう鈴兄に促され、俺は先に部屋に向かった。
そして、エレベーターで自分の部屋がある階まで行き、今、扉の前にいる。何度も開けようとするけど、やっぱり緊張しているのか、手が震えていて、一向に動こうとしてくれない。
だが、部屋の中からある人物の声が聞こえてきた。
『千歌ちゃん!!まだ片付け終わってないんだから、手伝ってよ!!』
『ええ!!もう疲れたよ、梨子ちゃん!!』
『あはは………ほら、早く終わらせて3人でどっか出掛けよ?』
『えぇ、曜ちゃんまでぇ!!うぅ……分かったよぅ』
確かに聞こえた。千歌……曜……梨子。そう思った刹那、俺は扉を思いっきり開いた。すると、
「うわっ!びっくりしたぁ、ってえ?」
「「え?」」
さっきまで楽しそうに話していた3人は俺を見ると硬直した。
「やっと会えた。千歌。曜。梨子」
「翔夢くん、なの?」
「あぁ、そうだよ」
「嘘じゃない、よね?これ夢じゃないよね?」
「あぁ、嘘じゃないし、夢じゃないよ」
そう言うと、3人は俺だと確信したのか
「「「翔夢(くん、君)」」」
と抱きついてきた。そして、3人とも泣いているみたいだ。俺も言えたことじゃないけど。
「ずっと会いたかったよ、翔夢くん!」
「あぁ、俺もだ」
「あの時、なんでいなくなったの!!ずっと寂しかったんだよ!!」
「すまない。でも、これからは一緒だ。もうどこにも行かないから」
「本当に?約束だよ?」
「あぁ、約束する。だから、泣いてないで、笑ってくれ」
「「「うん!!」」」
俺がそう言うと、3人は期待以上の眩しい笑顔をしてくれた。やっぱりこいつらには笑顔が一番似合うな。というか、3人ともめっちゃ美人になったな、今更だけど。
「おうおう、随分とイチャついてんなぁ、お前ら」
俺達が感動の再開をしていると、後ろから荷物を持った鈴兄がニヤニヤしながらこっちを見ていた。しかも、俺たちの今の状態は千歌、曜、梨子が俺を押し倒している。
「なっ、べ、別にイチャついてなんかないし!」
「そ、そうですよ!ただ、私は嬉しさのあまり飛びついちゃっただけで!」
「おい、バカ千歌!!」
「はっ……!」
「「あ、アハハ」」
「お願いだから、笑ってないで、フォローして!!」
このバカ千歌の失言によって、鈴兄はより一層顔がニヤついていた。クッソ、腹立つーー!!しかも、あとの2人も愛想笑いしちゃってるし!!
「いやー、青春してるねぇ、若者よ!」
「今すぐ、その口をホッチキスで止めてやろうか」
「やめろよ!?笑い事じゃすまねぇからな!」
「もう、何してるのよ、2人とも。早く荷物運ぶの手伝ってくれる」
「あ、絵里姉!!久しぶり!」
「えぇ、久しぶり!曜ちゃんも梨子ちゃんも!」
「「お久しぶりです!」」
「これから翔夢のこと、よろしく頼むわね♪」
「「「うん(はい)!!」」」
「それじゃあ、荷物は全部お前の部屋に持っていったからな?元気にやるんだぞ」
「ん、分かった。ありがとう」
「あの翔夢が俺にお礼だと!?こりゃあ、明日は豪雨だな!」
「マジでホッチキスで口止めるよ?」
「だから、それは洒落になんねぇって!!」
と、鈴兄達が帰ろうとすると千歌がいきなり
「あ、せっかく再会したんだし、今からどっか行かない?」
と提案してきた。すると、鈴兄が
「お、いいねぇ!そんじゃあ、どこに行くよ?」
と便乗してきた。そして、絵里姉も便乗するかのように
「ならカラオケとかどうかしら?」
と提案してきた。カラオケか。
「俺は別にいいよ。千歌達さえよければ」
「カラオケかぁ。うん!いいね!カラオケに行こうよ!」
「私もカラオケでいいよ」
「私も行きます」
「うし!じゃあ、決まりだな!」
そして、無事行き先はカラオケに決まった。久しぶりに行くなぁ。
それから、俺達は出かける支度をしてから、鈴兄の車に乗り込んだ、まではいいんだが
「何故俺が後ろなんだよ」
そう何を隠そう俺は乗り物に弱いのである。しかも車とかバス限定である。
「いいじゃねぇか。それともなんだ、美人より野郎二人の方がいいってか」
「いや、そういうわけじゃないけどさ。はぁ、分かったよ」
「分かればいい。じゃあ、助手席は絵里が来てくれ」
「えぇ、分かったわ」
こうして虚しく俺は後部座席に座られた。席順は前から鈴兄、絵里姉、梨子、俺、千歌、曜の順になった。てか、いつ席順決めたんだよ、お前ら。
「それじゃあ、しゅっぱーつ!」
「「「「おー!」」」」
「お、おー」
そして、やっと目的地に向けて走り出した。
「そういえばさ、お前らいつ知り合ったんだよ。千歌と曜はまだしも、梨子は違うだろ」
「あー、それはね。梨子ちゃんとは高校2年の時に私達の通ってた学校に転校してきたからだよ。しかも同じクラス」
「へぇ、そうなのか。でもさ、同じクラスだからってここまで仲良くならないだろ。なんかしてたのか?」
「うん、私達ね、スクールアイドルしてたんだ」
「へぇ………って、え?」
また今期最大の衝撃事実を知らされた。
「マジで?」
「うん。Aqoursって言うんだけど。知らない?」
「Aqours……Aqours……アク……あ!思い出した!第6回ラブライブ!で優勝した!」
「そうそう!そのグループのメンバーだったんだー!」
「そうだったのかぁ。てことは、作曲は梨子がしてたのか?」
「うん、そうだよ」
「やっぱりか。梨子の弾くピアノはいいからなぁ」
「そ、そうかな?」
「あぁ。もっといえば真姫姉にも負けてないぜ」
「そ、そんな事ないよ!流石に西木野先輩のピアノには負けるよー」
「そんな事ないって。俺は梨子のピアノの方が好きだよ」
「あ、ありがとう」
と梨子は顔を真っ赤にしながらそう言った。すると、千歌が何かに気づいたかのように
「ねぇ、翔夢くん。もしかして、μ'sの人達と知り合いだったりする?」
と聞いてきた。
「あぁ。まぁ、絵里姉経由だけどね」
「じゃあさ、穂乃果さんってどんな感じだったの?」
「うーん、まあ、すごい人だったよ。なんというかある意味で天才だった」
「へぇ、やっぱり凄い人だったんだぁ!私ね、μ'sのライブを見てからスクールアイドルになりたいと思ったんだ!」
「あら、そうなの?」
「うん!どこにでもいる普通の子が集まって、一つの夢に向かって全力で取り組むって素敵だなぁって」
「ふふっ、ありがとう!そう言って貰えると、私達も嬉しいわ!」
「だな!」
「いや、鈴兄はただ、裏でサポートしてただけでしょ」
「おま、馬鹿!サポートがどれだけ大変か分かってねぇな」
「だって、俺やったことないからね。口だけならどうとも言えるさ」
「さいですか」
と鈴兄は項垂れながらそう言った。ちょ、前見て前。そう考えていると、もう酔いが来てしまったようだ。
「やばっ、酔ってきたかも」
「え、もう?ほんと仕方ないんだから。梨子ちゃん、翔夢に膝枕してあげて」
「ふぇっ!?ひ、膝枕!?」
絵里姉が呆れながら、梨子にそう提案すると、案の定、顔を真っ赤にしてとても驚いていた。ま、そうだよなぁ。幼なじみとはいえ、流石に抵抗あるよな。
「梨子、無理なら無理でもいいよ?窓にもたれかかっとけば治ると思うし」
「い、いや、全然無理じゃないから!!ただ、いきなり言ってきたからびっくりしただけで!」
「嘘つけ。顔真っ赤じゃん」
「そ、それはあんな事急に言われたら、当然な反応なの!」
「当然、なのか?」
「当然なの!」
当然な反応らしい。ふーむ、乙女心とは分からないものだ。
「でも、本当にいいのか?後悔しないか?」
「いいって言ってるでしょ!やるなら早くしてよ!」
「お、おう!じゃあ、失礼して」
俺がもう一回聞き返すと、梨子がさっきより顔を真っ赤にしながら言ったので、渋々従うことにした。
そして、俺は梨子の太ももに頭を乗せた。とても柔らかくて暖かい感触だった。なんというかとても寝心地が良かった。
その優しい感触が気持ち良く、俺はすぐに眠りについてしまった。
(梨子視点)
私が翔夢くんに膝枕をして上げてから数秒、翔夢くんからとても気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。私は気になって顔を覗いてみると、とても気持ちよさそうな寝顔をしていて、自然と笑顔になってしまった。だってこんな気持ちよさそうな顔をされたら、さっきまで恥ずかしいと思ってた自分が馬鹿みたいに思ってくるじゃない。
「あら、もう寝ちゃったの?珍しい」
「え、そうなんですか?」
「えぇ。でも、こんなに気持ちよさそうな寝顔をしているってことは、やっぱり梨子ちゃんが膝枕をしてあげたから、じゃないかしら♪」
「そう、ですかね?」
「えぇ♪」
そっかぁ、うふふ♪なら、嬉しいな!
「むぅ…」
「……」
さっきから後ろからの視線が痛いんだけど。後ろを振り向いてみると、千歌ちゃんが頬をパンパンに膨らませ唸りながらこっちを羨ましそうに見ていて、曜ちゃんはジト目をしながらこちらをずっと見ていた。
「な、何かな2人とも」
「「別にー」」
「うっ」
「翔夢くんに膝枕してていいなあなんて思ってないしー」
「だ、だって翔夢くんの隣は私だし、しかも絵里姉さんから頼まれたんだから仕方ないじゃない!」
「へぇ、そうやって言い逃れようとするんだ、へぇ」
「いや、だから、その、うぅ、絵里姉さぁん」
「はいはい、2人ともそこまでにしてあげて。梨子ちゃんも困ってるでしょ」
「「はーい」」
絵里姉さんが2人に注意をすると、2人とも渋々と従ってくれた。
「ありがとうございます、絵里姉さん」
「まぁ、頼んだのは私だしね、それくらいならお安い御用よ!」
「お、もう、着いたぞ!梨子、翔夢を起こしてくれ」
「あ、はい。翔夢くん、起きて」
「うーん、もう着いたの?」
「そうだよ」
「ん、分かった。ふぁぁ…」
(な、なんだろう。寝起きの翔夢くんって、子供みたいでちょっと可愛い、かも//)
「?どうした、梨子?」
「う、ううん!何でもない!」
「そ、そうか」
ふぅ、危なかった。寝起きの翔夢くんに見とれてたなんて言えるわけないよぉ。
「そんじゃあ、全員降りたなー。鍵閉めるぞー」
『はーい』
そう言って、鈴哉さんは車に鍵をかけた。そして、私達はカラオケ店の中に入りました。なんか、鈴哉さんと絵里姉さんが相談事してるけど、どうしたんだろう?まぁ、私達には関係ないかな。
でも、まさかあの人達に出会えるなんてこの時の私達には思いもしなかったのです。
どうだったでしょうか!自分的には2年生組を出せて、本当に満足しています!←どうでもいい
終わりがつたない感じになりましたが、それは次回のカラオケ編で明らかになります!