突如飛来した謎の敵、マサト達はアンジュとタスク、モモカ、セルジオが乗っているブラッドハウンドを死守する。
マサトはレオスのヴァリアブルライフルでクロノスを追撃すると横からテスタメントガンダムのディバインストライカーが襲い掛かかってきた。
「グッ!」
「アンタの相手は.......私よ!マサト!」
ジョーカーはそう言うと、トリケロス改に収納されているハンドガンを取り出し、レオスに向けて発砲する。マサトもレオスのヴァリアブルライフルで応戦する。ビームの弾丸がぶつかり弾け、両者は華麗なアクロバティックな戦法を同じ動きで戦ったり、回避していた。
「コイツ、強い!俺の動きと全く同じ動きで相手している!」
マサトは次に二刀流のビームサーベルを抜刀し、ジョーカーも二刀流のビームサーベルを抜刀する。
「マジかよ!!」
両者はビームサーベル同士でぶつかり合う。するとテスタメントガンダムがディバインストライカーを動かしてきた。
「!!」
マサトは急いで回避すると、シールドがディバインストライカーによって、凹んだ。そしてテスタメントガンダムがディバインストライカーを使って、招き猫の様に挑発する。
「っ!?何だろう......あの挑発の仕方.......初めてあった気がしない........何でだ!?」
一方、マティスとエルマ、セリカはクロノスとガデッサに苦戦していた。セリカがレーザー重斬刀でクロノスに斬りかかるが、クロノスは平手からビームサーベルを放出し、防御する。マティスもブレイズウィザードで追尾ミサイルを発射するが、ガデッサは腕部GNバルカンで迫り来るミサイルを撃破していく。エルマとパトリックはガナーウィザードのビームランチャーで応戦するが、クロノスはセリカを払い除け、クロノスキャノンで防ぐ。
「当たらない、しかもどうして私たちの攻撃を正確に当てているの?」
エルマはクロノスを見て、攻撃が丸分かりになっていることに驚いていると、クロノスに乗っているデシルは言う。
「何をしようとお前らの行動は解っているぞ!」
デシルはそう言うと、クロノスライフルの銃口からビームサーベルを放出し、セリカに襲い掛かかる。
その頃、ブラッドハウンドに乗っているタスクはマサト達の戦闘を見る。
「マサト.......今、助けに行く!」
「タスク?」
アンジュがタスクに問うと、タスクは大声で叫ぶ。
「来い!フェニックスゼロ!!」
天空の彼方から、フェニックス・ゼロが飛来した。
「貴方、その機体!?」
「行くぞ!フェニックス・ゼロ!」
タスクはフェニックス・ゼロを動かし、マサトの元へ駆け付ける。
マサトとジョーカー、二刀流のビームサーベルの刃がぶつかり合い、両者は互いの機体を睨み付ける。
「俺はコイツを知っている!......だけど、こんなに強くなかった!?誰だ!?.........誰なんだ!?」
マサトはそう考えていると、ジョーカーはレオスとの接触回線を開いた。
『やっぱり、忘れちゃったんだ.........私の事。』
「っ!?」
テスタメントガンダムがレオスを蹴り飛ばすと、コックピットから、マサトと同じ赤いスーツを着用した女性が出てきて、マスクを外した。その少女は赤く美しい髪で顔に大きな傷がついていた。(イメージ姿は紅月カレンです。)マサトはジョーカーの顔の傷を見て、思い出す。
「っ!!」
マサトは思い出す。幼い頃、一緒に遊んでいた女の子.........彼女の名は、
「ジョアンナ?.......ジョアンナだろ!?」
「........やっと思い出してくれたのね、マサト.......」
「ジョアンナ.......何で、お前が?」
「決まっているでしょ?.........私たち"dealer【ディーラ】"の為でもあるからよ......」
「"dealer"?」
「話はここまで.......勝負よ!」
ジョアンナはコックピットに戻り、テスタメントガンダムを起動する。
「待ってくれ、ジョアンナ!!」
ジョアンナはマサトの話を聞かず、マサトに襲い掛かかる。
「ジョアンナ!聞いてくれ!何で俺と戦わなければならないんだ!?意味が分からない!ディーラって何だよ!?」
「アンタには関係ない.....これもパパの為でもあるから......」
「お父さん?ジョアンナのお父さんからなのか!?」
「そうよ、そしてパパは言ったの.......この世界には害虫達がいる。世界の平和を乱している。それを阻止するのがディーラ..........『正義の味方』なのよ!!」
ジョアンナは二丁のハンドガンでレオスを追い詰める。
「グッ!」
レオスはシールドがない代わりに、ゼノンフェース形態へとなり、腕部のビームソードを展開し、格闘技でジョアンナを返り討ちにする。
「オラァッ!どうした!?掛かってこい!!」
マサトはファイティングポーズを取り、ジェスチャーでジョアンナを挑発する。ジョアンナは舌打ちをし、ディバインストライカーを展開する。
「これでも喰らいな!」
ディバインストライカーからビームの爪が放出され、マサトに襲い掛かかった直後、別の方向からビームが飛んできた。
「「っ!?」」
二人はその方向を見ると、いたのはフェニックスガンダムに似た機体『フェニックス・ゼロ』が四門のビーム砲を構えていた。
「あれは!?」
「マサト!大丈夫か!?」
「タスク!?お前、その機体は!?」
「話は後だ!俺も戦う!」
タスクはビームサーベルを抜刀し、マサトもファイティングポーズを構える。
「二人揃って........纏めて相手してやるよ!!」
するとテスタメントガンダムのアンテナが黄色く発光し出すと、レオスとフェニックス・ゼロの画面が見えなくなる。
「何だ!?」
『ウィルス!ウィルス!』
ハロの言葉にマサトとタスクは驚く。
「ウィルスだと!?」
二人が混乱している間に、ジョアンナはディバインストライカーを構えていた。
「さよならマサト........私の友よ....!!」
ジョアンナがディバインストライカーを降り下ろそうとした直後、レオスの装甲が黄金に輝く。
『射撃進化状態!"エクリプス・フェース"!!』
マサトの髪がまた白く変色し、レオスの肩や腰にユニットが追加されており、両手にヴァリアブルライフルの進化『ヴァリアブル・サイコ・ライフル』を持っていた。そしてマサトは冷静な言葉でジョアンナを睨む。
「射撃進化....エクリプスに、墜とせぬ敵はない....」
マサトはそう言うと、ヴァリアブル・サイコ・ライフルを撃ち、ディバインストライカーを破壊した。
「何っ!?」
爆煙からレオスが現れ、テスタメントガンダムに体当たりしてきた。
「っ!!」
「これ以上戦っても.......何も得られないぞ....」
「急にどうしちゃったのよ!?そんな冷静で冷酷な性格になって!?」
「自分が何をしているのが、分かっているのか?と言うか、お前はいつもまともな武器を持っていない。そんなのでは味方の足を引っ張って貰えないぞ」
「うるせぇ!!」
ジョアンナが怒り、トリケロス改を突き刺そうとしたが、レオスの肩部のブラスター・カノンによって、右腕ごと破壊した。
「こんな筈では!?」
そしてマサトはジョアンナのテスタメントガンダム、デシルのクロノスマークII、ダイヤのガデッサにロックオンする。
「ターゲット確認......目標を駆逐する。」
マサトがトリガーを引き、レオスから単弾頭ミサイル が一斉に発射された。デシルとダイヤ、ジョアンナはバルカンを使って、ミサイルを駆逐していくが、マサトはその隙に、肩部の兵装『"規格外拠点攻撃兵装" カルネージ・ストライカー』と『"空間制圧兵装" エクリプス・クラスター』を展開、そしてヴァリアブル・サイコ・ライフルをクロスバスターモードへとへと移行した。
マサトはトリガーを引くと、カルネージ・ストライカーからメガ粒子ビームが放たれ、エクリプス・クラスターのコンテナ側面が開き、設置された無数の小型ミサイルを空中でばら撒いた。ジョアンナとデシル、ダイヤはレオスの攻撃を浴び、機体の破損が酷くなった。
「あんな兵器ありかよ!!?......っ!!」
デシルがレオスの方を向くと、すでにヴァリアブル・サイコ・ライフル【クロスバスターモード】を発射しようとしていた。
「チェックメイト」
マサトがトリガーを引こうとした直後、フェニックスガンダムの手がヴァリアブル・サイコ・ライフルの銃口を反らした。
「?」
フェニックスガンダムに乗っているコマンダー・フェニックスがマサトに言う。
「もう、そのぐらいにしておけ........目的はあの皇女様の救出だろ?」
マサトはブラッドハウンドやマティス達を見る。
「確かに、そうであった........それと、」
レオスのヴァリアブル・サイコ・ライフルとフェニックスガンダムのビームライフルが両機体に突き付ける。
「また会えたな、コマンダー・フェニックス......」
「マサト・ラスタル......今度、余計な行動を取れば、お前を撃ち落とす.......良いな?」
「.......分かった。」
二人は武器を下ろすと、レオスが元の姿へと戻る。そしてコマンダー・フェニックスの元に、タスクが来る。
「師匠!」
「師匠!?」
マサトは驚くと、タスクは説明する。
「俺を強くしてくれたレジスタンスの者なんだ.....」
「レジスタンスの者!?」
「そうだ.....タスク。」
「はい」
「私は本部に戻る........セルジオを届け、七大名門貴族の者達やアルケミスト学院の者達に伝えてやってくれ........『【ディーラ】が動き出した』と.......」
「分かりました。」
タスクはそう言うと、マサト達と共に、アルゼナルへと戻っていった。そして、海面に浮かぶテスタメントガンダム、クロノス、ガデッサのコックピットからジョアンナ、デシル、ダイヤが出てくる。
「クソッ!!またやられた!」
「.........まさか、レオスがまた進化するなんて........どうする?ジョーカー.......」
ダイヤは泣き崩れるジョーカーに言う。
「覚えていろよ......."魔女の子 マサト"!!」
彼女の上から、謎の戦艦が雲を裂いて現れ、ジョアンナ達を回収した。
アルゼナルに到着したマサト達は、アンジュ達を裏の浜辺に下ろす。
「ここでお別れだね」
「行くの?」
「ああ、まだやり残したことや、七大名門に知らせないとね」
タスクはそう言うと、フェニックス・ゼロに乗る。
「それじゃあ♪」
「ありがと、」
「え?」
「貴方が来てくれなかったら、私........「奮えたよ」え?」
「アンジュの歌........あんな綺麗な歌を聴いたのは、初めてだけど、何故か、懐かしくて、落ち着けるんだ.........また聴かせてね♪」
「えぇ♪」
アンジュは約束し、タスクはセルジオとコマンダー・フェニックスと共にアルゼナルから去っていった。
「アンジュリーゼ様を助けて頂いて、ありがとうございました!」
モモカはタスク達に感謝の礼をすると、ジルが現れた。
「全く、脱走犯としては、よく生きて戻ってこれたな、良くやったぞ....マサト、マティス、エルマ、パトリック、セリカ♪」
マサト達はジルに褒められると、アンジュがタスクの事を言う。
「司令、聞きたいことがあるの」
「そうか、ここじゃなく」
ジルが義手で腹を殴り、その場で倒れ、気絶した。
「アンジュリーゼ様!?」
「反省房で聞くがいい.....」
マサトはアンジュを抱き抱え、反省房のある地下1階に下りると、牢屋の中に全身殴れた痕や、目元に酷い痣が残っているヒルダがいた。
「ヒルダ?」
「.....マサトか」
マサトは牢屋のドアを開け、アンジュを下ろす。
「アンジュを頼む。」
「へいへ~い」
マサトは反省房から出ると、義手を見る。
「(この義手の事......マギーに報告しないとな。)」
マサトはそう思い、医療室へと向かった。
一方、マサト達が知らない世界........ある格納庫で、羽と尻尾が生えた美しい少女と二人のお付きの者が白衣を着た男性と女性に話していた。
「これが.....私の龍神器......」
「はい、姫様.......我々の技術で、対ラグナメイル殲滅兵器"焔龍號"と"蒼龍號"、"碧龍號"です。」
「宜しいのですか?この機体は元々、貴方の機体のデータを元に造られた機体なのですよ?」
「良いのです.......それと姫様、彼方の世界でコマンダー・フェニックス.....いいえ、息子が報告してきたのです。『【ディーラ】が動き出した』と........」
「【ディーラ】......正義の言葉を偽った組織..........何故彼等は、貴殿方を?」
「.......事情がありまして、息子からの次の報告を待っております。それと姫様もアストラに顔を出してくださいね。」
「えぇ、そうしますわ、オルト・ラスタル、マナミアラスタル..........いいえ、お義父様、お義母様♪」
少女は嬉しそうに、マサト、リナ、アストラの両親 オルト・ラスタルとマナミア・ラスタルに微笑む。
すいません!サラマンディーネ様の設定を少し変えました!義理の姉がいることを知らないマサトとリナはどう反応するのでしょうか?
次回はサラマンディーネ様が出るまでの間のそれぞれの話を投稿しようと思います!