クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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前の活動報告通り、この小説のラスボスが出ます。決してエンブリヲではありません!


第21話:外界の真実

 

とある一方、無数の島が浮いていて、中央には社交場の様な丸くて大きなテーブルが置いてあった。世界各国の王族や政治家などが揃っていた。そしてその中には『ジュリオ』もいた。マサトによって左目を失い、頬に傷をつけた顔ながらも、各国のトップに劣らぬような佇まいでいた。

 

そして彼らの頭上に、数日前のアルゼナルにおけるドラゴンの襲撃の映像であった。

 

「ドラゴンから攻め込んでくるとは.....」

 

「このパラメイル.....ドラゴンの?」

 

ガリア帝国皇帝とミスティ・ローゼンブルムの父親であるローゼンブルム王国国王がアルゼナルを襲撃しているドラゴンとドラゴンを率いていた紅い機体の映像を見て、不安な面持ちになっていた。

 

「シンギュラーの管理はミスルギ後継のお役目、ジュリオ殿下、いえ陛下ご説明を.......」

 

ヴェルダ王朝女王がジュリオに問う。

 

「それが、アケノミハシラには起動した形跡が全くないのです」

 

ジュリオの言葉にマーメリア共和国書記長がジュリオの説明に納得が行かない事に拳をテーブルに叩き付ける。

 

「バカな!?有り得ん!」

 

「直ちにアルゼナルを再建し、力を増強せねば」

 

ローゼンブルム王国国王がアルゼナルの再建を申し出すと、

 

「だが、そうもいかんのだ」

 

ガリア帝国皇帝が出したのは、次元兵器を発射しているヴィルキスとレオスの映像であった。

 

「この機体....まさか!」

 

エンデラント連合大統領がヴィルキスを見て、驚く。

 

「ヴィルキスとガンダムレオスだ」

 

《....!!》

 

「10年前のあの反乱の時に破壊された筈では?」

 

「アルゼナルの管理はローゼンブルム王家の役目。何故放置していた?」

 

「監察官からは異常なしと報告を受けていた....」

 

「まんまとノーマにあしらわれていたと言う事か、無能め!これでは一刻の王女がノーマごときに誘拐されるのを無理はない。増してや、七大名門貴族のボードウィン家の次男坊に恥を掻かせる様ではないか?」

 

「ミスティとセルジランド・ボードウィンの事を愚弄するならば機構とて容赦せぬぞ!」

 

マーメリア共和国書記長とローゼンブルム王国国王の喧嘩にジュリオが止める。

 

「御二人とも落ち着いて」

 

「黙れ、小僧!私の娘をタブらかしたのは貴様の妹ではないか!?」

 

「あれはもう、妹ではありませぬ」

 

「そんな言い訳が通じるか!この罪人の一族が!」

 

「お辞めなさい!今は世界をどう守って行くか話し合うべき時」

 

ヴェルダ王朝女王が皆にそう言い聞かせ、エンデラント連合大統領は言う。

 

「ノーマが使えない以上、私たち人類が戦うしかないのででしょうか?」

 

その事に各国の首相達は思わず戸惑いの声が上がる。木の裏で聞いていた一人の男性が立ち上がる。

 

「......やれやれ、どうしようもない......」

 

「ね、ネロス様」

 

思わず言う。世界最高指導者であるネロスは皆の所に行く。

 

「本当にどうしようもないな.....」

 

「し、しかし、ネロス様!ヴィルキスやレオスがある以上、アルゼナルを再建させるには.....」

 

「......選択肢は二つある.......一つ『ドラゴンに全面降伏する』.......」

 

「「「っ!!?」」」

 

それには思わず息を飲む首相達、ネロスは構わず言う。

 

「二つ『ドラゴンを全滅させる』」

 

「そ、そんな!.....」

 

「そうと思って、三つ『世界を新しく作り直す』」

 

っと最後の選択肢にそれにはジュリオが反応する。

 

「全部壊してリセットする、害虫を殺し土を入れ替える。正常な世界に」

 

ネロスは肩にのって来た小鳥をなでながら言う。

 

「壊して作り直す...、そんな事が可能なのですか?」

 

それにネロスは笑みを浮かばせながら言う。

 

「すべての『ラグナメイル』とメイルライダー及び、レオスとレオスのパイロットが揃えば。」

 

するとネロスはジュリオにカードキーを渡す。

 

「これは私の庭にあるコレクションだ。共に作り直すのだろう?期待しているよ♪」

 

ネロスは満面な笑顔で、ジュリオに言う。

 

「は、はっ!!お任せ下さい!ネロス様!!」

 

ジュリオはそう言い、ネロスと各国の首相達は消えていき、そしてジュリオはマナを解いてミスルギの部屋へと戻っていた。

リィザと共に出るジュリオ、しかしその机の下のある盗聴器が仕掛けてあって、別の場所で聞いていたタスクがいた。

 

「随分乱暴な手に出てきたもんだな.......世界を全部壊して作り直す、か.......急がなきゃ」

 

タスクはそう言うと、フェニックス・ゼロの出力を最大に上げ、アルゼナルへと向かった。

 

 

 

 

 

 

一方、真夜中のローゼンブルム王国皇居 戻ってからの数日後、ほとんど皇居でミスティは先の件 アンジュに誘拐されたことに謹慎中していた。ミスティは眠っていると、窓の方から何かをぶつける音がした。

 

「.......?」

 

ミスティは起き上がり、窓の方に近付き、覗き込むと、コンバットスーツを着たミスティの婚約者『セルジランド・ボードウィン』がいた。

 

「セルジオ様.....!?」

 

すると窓の外にいるセルジオがヂェスチャーで窓から離れるように伝える。ミスティはそれに従い、窓から離れる。

セルジオはワイヤーガンを撃ち込み、ミスティのいる部屋へ向かう。ミスティは窓を開け、セルジオを部屋の中に入れる。

 

「ハァ、何とか来れた.....!」

 

「どうしたのですか......!?そのお姿は?」

 

ミスティがセルジオのコンバットスーツを見て言う。

 

「これ?これはトリスタン連邦のコンバットスーツだよ、」

 

「トリスタン連邦?」

 

「まぁ、その国は後にして.......兄さんがお呼びなんだ。」

 

「アルバレア公爵様が?」

 

「うん、訳は兄さんの元で話す。行こ.....」

 

「え、何処にですか?」

 

ミスティはセルジオに問うと、

 

「........世界を守るために.....本部に戻るんだ。君を連れて......嫌、この世界の真実を知る権利があるから......」

 

ミスティは戸惑いながらも、両親への手紙を書き残す。

 

「終わりました!」

 

「うん、行こうか.....」

 

セルジオがベルトにワイヤーガンを取りつけ、ミスティをお姫様抱っこをしたまま下ろす。ワイヤーガンを収納すると、林の中にあるシュヴァルベグレイズを出す。

 

「これは?」

 

「これは前の兄さんが使っていたシュヴァルベグレイズだ.....これに乗って、待機している領邦軍と合流する。」

 

セルジオはシュヴァルベグレイズを起動する。

 

「ミスティ」

 

セルジオはシュヴァルベグレイズの手のひらに、ミスティを乗せ、コックピットに乗り移らせ、待機している領邦軍の所まで向かう。それを上空から見ていたディーラの幹部"スペード"が見ていた。

 

「貴族連合が.......ミスティ・ローゼンブルムの姫に世界の真実を見せるか.........愚かなことを!!」

 

スペードの機体 鳳凰をモチーフにしたモビルアーマー"フェニキア"が鳴き声を発し、セルジオを追いかける。

 

そしてシュヴァルベグレイズのコックピット内部に警告音が鳴り響く。

 

「「っ!!?」」

 

セルジオは頭上のカメラを見ると、フェニキアの脚部大型ヒートクローを突き付けてきた。セルジオは急いで回避し、GR-W01 120mmライフルで応戦するが、やはりモビルアーマーの装甲ではライフルの弾は通用しなかった。

 

「チッ!やっぱり無理か!」

 

するとフェニキアの頭部が展開され、大型ビーム砲を発射した。セルジオはシュヴァルベグレイズのナノラミネート装甲のお陰で、無傷で済んだ。

 

「駄目だ!振りきれない!しっかり捕まって!!」

 

「はい!」

 

ミスティはしっかりとセルジオに抱き付いて捕まる。スペードは舌打ちし、頭部ビームバルカンでセルジオを追撃する。すると別の方向から砲弾が飛んできて、フェニキアに直撃する。

 

「?」

 

スペードは砲弾が飛んできた方角を見ると、シールドにボードウィン家の家紋が描かれたジムⅢ部隊がロケットランチャーを構えていた。そしてジムⅢ部隊がビームライフルでフェニキアに乱射する。

 

『セルジオ様!』

 

「お前達!」

 

そう、それは待機していた領邦軍のモビルスーツであった。

 

「ここは我等が食い止めます!その間に我々が通ってきた特異点で脱出してください!」

 

「ダメだ!お前たちを置いては!」

 

「早くっ!!」

 

「っ!」

 

セルジオは部下を置いて、逃げていく事に罪悪感を感じ、涙目で噛み締める。

 

「皆........スマナイ!!」

 

セルジオは部下の死を無駄にしないために、出力を上げ、特異点へと向かう。領邦軍は必死にフェニキアの追撃を妨害する。

 

「貴様らのような正義の名を語った組織に!我等は敗北しない!!」

 

次々と仲間がスペードに殺されていき、隊長機がビームと肩部のミサイルランチャーを放つ。

 

「化物がぁぁぁぁっ!!!」

 

しかし、フェニキアの翼のプレートが展開され、そこから拡散レーザーが発射され、ミサイルが撃破されてしまう。そしてフェニキアのヒートクローが隊長機を掴み絞める。

 

コックピット内部で潰れたコンソールに挟まれ、血だらけの隊長は最後の力を振り絞り、スペードに接触回線を開く。

 

『貴様...等みたいな.........外道に.....我等、貴様連合と....."ハデス"は.....勝利する.....最後に笑うのは!.......俺達だ!!』

 

すると頭部が周り、もう片方の肩部ミサイルランチャーに向けて、バルカンを発射する。

 

「っ!!」

 

ミサイルが爆発し、機体のエンジンに引火、隊長機は自爆した。爆炎の中から自爆で左足を亡くしたフェニキアが出てきた。

 

「......愚かな」

 

スペードはそう言うと、通信が入る。

 

「こちらスペード......はい......はい............ローゼンブルムに"あれ"を?」

 

スペードは相手と何かを話していた。

 

「はい......分かりました。全てはディーラの名誉と栄光の為に........」

 

スペードは相手の通信を終えると、本部へと戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラゴンの襲撃から一夜明けたアルゼナルでは、被害の全貌の確認を急いでいた。

基地半分の施設が陥落し、多くの同胞が紅い機体の次元兵器により、埋葬もできない状態であった。メイとパトリック、メリー急いで生き残ったメイルライダーやマティス達の修理や整備、モニカも全力で負傷した人員の治療や救護、そんな中、ようやく目が覚めたゾーラがジルと一緒に、第三中隊のベティ隊の生き残り、ターニャ、イルマ、ナンシー、シャノン、カミラと第一中隊、第四中隊を集めていた。

 

「生き残ったのはこれだけか......指揮経験者は?」

 

ジルが言うと、ヒルダが手を上げる。

 

「全パラメイル隊は統合・再編成する。暫定隊長はヒルダ....補佐にエルシャ、ガイが付け。」

 

その指名にロザリーとクリスが驚きと困惑の声を上げる。

 

「こいつは脱走犯ですよ!そんな奴が隊長だなんて.....!?」

 

「サリアでいいじゃない!」

 

あいつなら今は反省房の中だ。先の戦闘で命令違反を犯した」

 

その言葉にロザリーとクリスは驚愕の表情を見せた。エルシャもどこか困惑している。彼女達も優等生であるサリアがそのようなことをするとは思っていなかったらしい。

 

「だったら、ゾーラお姉様がやってくれればいいじゃない!」

 

それでもまだ納得がいかないのか、クリスがそう叫ぶ。元々の第一中隊の隊長は彼女だったのだ。そう帰結するのも当然なのだが、当のゾーラは困ったように笑う。

 

「おいおいクリス、持ち上げてくれるのは嬉しいが病み上がりの私に無理を言うな」

 

ジルとしてもゾーラに指揮を任せたいところだが、さすがにそれは断念した。不満顔で口を噤むクリスに肩を竦め、ゾーラは後押しするように話す。

 

「ヒルダには一応ある程度の指導はしてあります。問題はないでしょう」

 

隊長時代に今後の部隊の運用をする上で、サリアとヒルダには小隊を編成させて指揮させるつもりだったので、ヒルダにも指揮官としての指導と訓練は施していた。ゾーラの負傷でその案は無駄になったが、それでもこの状況では仕方あるまい。

 

「けど.....!」

 

未だ納得がいかないロザリーが言い募ろうとするが、ヒルダが憮然と口を挟んだ。

 

「文句があるなら、アンタがやれば?」

 

どこか睨みながら棘のある口調で返すと、ロザリーは返答に窮した。

 

「しっ、司令やお姉さまの命令だし、仕方ないから認めてやるよ!な、クリス!」

 

「う、うん!」

 

そんなやり取りをどこか呆れた面持ちで一瞥すると、ジルは命令を下す。

 

「パラメイル隊は部隊の再編制を行った後、周辺警戒に当たれ。以上だ」

 

『イエス・マム!』

 

全ライダーが敬礼し、其々持ち場に付くべく格納庫に向かって走って行く。

 

「ゾーラ、お前はオブザーバーとして見てやれ。それと、メイと一緒に機体の調整をしておけ」

 

「イエス・マム!」

 

ゾーラが杖をつきながらフラフラと歩いていくのを見送ると、ジルは徐に煙草を取り出し、一服すると、マサトがジルに問う。

 

「司令......」

 

「?」

 

「聞きたいことがあるんです。」

 

「フ、そう来ると思ったよ.......知りたければ、コイツと話せ。」

 

すると陰からコマンダー・フェニックスが現れた。

 

「コマンダー・フェニックス!?」

 

「初めまして諸君.......私は決して、怪しい者ではない......」

 

コマンダー・フェニックスはそう言うと、仮面を外した。

 

「っ!?アストラ兄さん!?」

 

コマンダー・フェニックスの正体が兄であることに、マサト達は驚く。

 

「コマンダー・フェニックスが.......アストラ兄様!?」

 

リナも驚くと、アストラはシアに言う。

 

「お帰りなさいませ、アストラ様」

 

「.....兄さん、これは一体どう言うことなんだ!?」

 

「......知りたければ、付いてこい.....」

 

マサト達はアストラの言う通りに従う。マサト達が連れてこられた場所は、地下の格納庫であった。

 

「兄さん.....こんなところに連れてきて、何を?」

 

するとアストラは電気のスイッチを付ける。上が明るくなり、目の前に三機のモビルアーマーが収納されていた。

 

「これって.....モビルアーマー!!?」

 

「そう......我々、解放組織『ハデス』によって作られたレオスの支援機『ガテラーザ』だ。」

 

「ハデス.......?」

 

「さて、先ずはマサトの話そうとした事を話そう♪......この世界の真実、ヴィルキス、彼女、ドラゴン、そして家の弟子であるタスクの事やお前の義手の事も........♪」

 

マサト達はアストラの話を聞くようにする。

 

「昔々、あるところに神様がいました......」

 

「え?兄さん.....話すことってそれ?」

 

「真実を絵本のようにしているんだよ。」

 

アストラはそう言うと、話を続ける。

 

「繰り返される戦争と、ボロボロになった地球に神様はウンザリしていました。平和、友愛、平等――口先では美辞麗句を謳いながら、人間の歴史は戦争、憎悪、差別の繰り返しです。それが人間の『本質』――なんとかしなければ、人類はいずれ滅んでしまいます。そこで神様は新しく『創る』ことにしたのです。争いを好まない、穏やかで賢い新しい人間を。あらゆるモノを思考で自在に操作できる高度情報化テクノロジー『マナ』を使える人類を.......あらゆる争いが消え、あらゆる望みが叶い、あらゆるものを手にすることができる理想郷が完成したのです。あとは、新たな人類の発展を見守るだけ――のはずでしたが、生まれてくるのです……神様が何度操作しても、何度創り直しても、何度システムを変えようとも、マナを使えない女性の赤ん坊が――古い遺伝子を持った突然変異が現れた。」

 

「それが『ノーマ』か......」

 

「あぁ、そうだ.......突然変異の発生は、人々を不安に駆り立てました。ですが神様は、この突然変異を逆に利用することにしたのです。彼女達は世界を拒絶し、破壊しようとする反社会的な化け物である『ノーマ』だと、人々に植え付けたのです。マナを持つ人々は、差別できる存在がいることに安堵し、彼らの社会は安定しました.....」

 

「安定?違うな......何も変わっていない........アイツ等は人間の皮を被った豚共だ......」

 

「ま、そうだろうなぁ.....お前達はマサトと一緒にいて、本当の人間に成りつつある♪」

 

マティス達は決意を胸に覚悟を決めていた。

 

「それと........何時まで隠れているんだ?ナオミ、ココ、ミランダ!」

 

アストラが言うと、陰からナオミとココ、ミランダが流れ込んできた。

 

「お前達......何処から聞いた?」

 

「え~っと、安定の所です......」

 

「......なら、お前達も聞いておけ.......このアルゼナルにいる者達は真実を知る権利がある.......」

 

ナオミやココ、ミランダはマサト達と一緒に話を聞く。

 

「こうしてマナの世界は安定し、今度こそ人類の繁栄の歴史が始まるはずでした.....しかし、それを赦さない者達がいました。『古の民』と呼ばれる者達です。彼らは突然世界から追放された『マナ』が使えない古い人類の生き残りの事です......彼らは何度も反乱を起こした。自分達の居場所を取り戻すために......何度も神様に挑み、その度に神様の怒りに触れてしまい、古の民は虫けらのように殺されました。それでも彼らは諦めることなく、仲間達の死を乗り越え、永きに渡る戦いの末、遂に手に入れたのです。破壊と創造を司る機械の天使......『ラグナメイル』を。」

 

「『ラグナメイル』?」

 

「マサト達は知っている筈だ.......アンジュのヴィルキス......それはラグナメイルだ......」

 

「アンジュが乗っているヴィルキス......あれがラグナメイル!?」

 

「そう、」

 

「これで神様と対等に戦える.....古の民はそう喜び、ヴィルキスに乗り込んだ。だが、彼らにはヴィルキスは使いこなせなかった。『鍵』がかかっていたのさ.....虫けらごときが使えないようにな、古の民は絶望し、ヴィルキスを封印した。残された仲間もあと僅か――このまま滅びようとしていたまさにその時、世界の果てに送られたノーマがパラメイルに乗ってドラゴンと戦わされているという事実を知った。そしてそこに彼等も現れた......」

 

「彼等?」

 

「300年前、神様の怒りを買い、大陸諸とも滅ぼされたトリスタン連邦の残党........それが我等......解放組織『ハデス』だ。」

 

「兄さんや、俺もリナもトリスタン連邦の残党なのか!?」

 

「......そうだ.....親父もお袋も、貴族連合もそうだ.....」

 

「マジかよ.....!?」

 

「彼等もまた、古の民と同じ宿命を持っていた。打倒すべき神に対抗するために、僅かなレイヴニウムを武器にした。その武器が、お前達アルケミスト学院に渡されたキューブだ」

 

「僕達が使っているこの杖や......」

 

「このショットガン......」

 

「全部......レイヴニウム.....」

 

「そう、レイヴニウムは「待って、兄さん.....レイヴニウムについては俺も知っている。」......任せた。」

 

アストラは説明しようとしたが、マサトが代わりに説明する。

 

「レイヴニウムは、かつて連邦が使っていた奇妙な鉱石なんだ。その力は人をノーマ、ノーマを人に変える力を持っているんだ。実際.....俺の義手には人から奪ったマナの光があって、一回ナオミにマナの光を与えたんだ。」

 

「最初はどう言うものなのか分からなかったけど、マナの光は、本当に役に立つシステムだと.......」

 

ナオミが手のひらからマナの光の球体を出す。そしてマナの光をマサトの義手に触れて、マナの光が義手に吸収されていく。

 

「でも、私は私で良いと思う♪」

 

ナオミは笑顔でマサトを見る

 

「........あぁ、そろそろ良いか?」

 

アストラがマサトとナオミのムードを退けさせる。

 

「話に戻る......最も気になっていたドラゴンと彼女は俺の」

 

その直後、アルゼナル内部に警報が鳴り響く。

 

『総員!第一種戦闘態勢!ドラゴンです!基地内にドラゴンの生き残りです!!』

 

「ドラゴン!?」

 

「あの戦場で生き残っていたのか!」

 

マサト達は急いで、ドラゴンの討伐へと向かう。

 




因みに、ネロスの声は子安武人さんです♪

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