クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第44話:ラプラスの瞳

 

マサトはレオスでモモカとタスクをアンジュのいる孤島へ向かっていた。目を覚ましたモモカはあの時、持っていたフライパンを胸の中に閉まっておいたと言う。その証拠にフライパンに銃弾がそのまま止まっていたと、

するとタスクがマサトに問う。

 

「なぁ、マサト.....さっきから思ったんだけど、ネロス....."桐山 次郎"って誰なんだ?」

 

「.......1100年前の人間だ」

 

マサトの言葉に、タスクとモモカは驚きを隠せなかった。

 

「アイツは......目的の為なら手段も問わん........なりふり構わずアンジュを探していると思う....」

 

「そうだな、」

 

二人は話し合っていると、アンジュとタスクが出会った孤島に到着した。

 

「それじゃ、俺はインフィニティに戻る......それと、俺のコアファイター返せよ」

 

マサトはすぐさまインフィニティへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

そして数時間後、ミスルギ皇国ではエンブリヲが計画の最終段階へと移そうとしていた。

 

「ラグナメイルコネクターパージ」

 

パシュ!

 

「くっ!?」

 

そこには何故か少しばかり頬を赤くし恥ずかしそうにしているサリアが居た。

 

「耐圧角展開、ドラグニウムリアクターエンゲージ、リーブレン共振器接続、全出力供給開始」

 

するとアケノミハシラに保管されているラグナメイルが連動して光始め、エネルギーとしてアケノミハシラの頂上に向かいそして散布される。

その様子を映像で確認したネロス。

 

「準備は整った...だが、」

 

パシュ!!

 

「ぐっ!?」

 

ネロスは膝に居るサリアの尻を叩いていた、しかも下着を脱がせてまで...。

 

「アンジュが居ないとは...何故逃がした? 」

 

「っ.....!」

 

その事にサリアは黙り込む。

 

「フン....嫉妬か」

 

パシュ!!

 

「うっ!どうしてアンジュが必要なんですか!?私はずっと....ネロス様に忠誠を誓ってきました...、ネロス様の為に戦ってきました...!

なのに...またアンジュなんですか!?私はもう...用済み何ですか!?」

 

サリアの思いを聞いたネロスはその心には何にも感じないまま話す。

 

「私の新世界を作るのは強く賢い女たちだ、だから君達を選んだ....。アンジュも同じ理由だ...愚かな女に用はない」

 

「!?」

 

ネロスの言葉を聞いたサリアは思わず絶句し、ドレギアスはただ黙って聞いていた。

 

そしてネロスはサリアを下ろし、サリアを見下ろして言う。

 

「アンジュは必ず此処に来るだろう、私を殺す為に。サリア.....君が本当に賢く強いなら、やるべき事は分かるな?」

 

聞かされたサリアは急いで下着をつけ直して、急いで敬礼をして言う。

 

「アンジュを捕え、服従させます」

 

「期待しているよ、私のサリア.....」

 

っとそれにサリアは唇を噛みしめて何やら思いつめるのだった。

 

 

そしてインフィニティとアウローラにケルベロス、鬼刃、貴族連合達は艦隊編成で並び態勢を整えていた。

ケルベロスの格納庫ではアウローラにあるパラメイル隊もインフィニティの格納庫で現在修理を行っていた。

 

その中で整備班達はメイの指示の下で動いていた。流石にメイも大人たちを命令するのは初めてだったが自分の役目をしっかりと果たしていた。

 

「レイザーは破損部の装甲を換装!ロザリー機は補給を最優先!ヒルダ機はダメージチェックをお願い!!」

 

《了解!!!》

 

そしてココ達は無事だったマリカにメアリーとノンナが抱き合っていた。

 

「良かった~.....!マリカ! もう勝手に動かないでね!?」

 

「御免なさい.....!」

 

そしてココ達は優しく見ている所でリィザとマティス達の元に集まっているオルト達を見る。

 

「二つの地球を融合だと!!?」

 

マティスが驚いた事実にリィザは頷く。

 

「制御装置であるラグナメイルとエネルギーであるアウラ、ネロスは二つの地球を時空ごと融合させ…新しい地球をゲホッ!!ゲホッ.....!」

 

するとリィザは突如せき込んでしまい、体力的に無理と判断したマギーが止める。

 

「これ以上は無理だ。休ませるよ?」

 

それにオルトとマナミアは頷き、マギーがリィザを医務室へと連れて行った。

そして場所を移動し、オルト達は待機室で話し合っていた。

 

「ネロスが...二つの地球を融合だと....!?」

 

「そんな事を....、本当なのですか!?」

 

オルトとマナミアは驚く。かつてのリベルタスでイシュトバーン達を葬り去ったあの異空間が全てを襲うことに、オルトとマナミアは互いに見合っているとサラは言う。

 

「二つの世界が混ざり合えば…全ての物は破壊されるでしょう.....。急がねば」

 

するとサラはヒルダの方を向いてある事を問いかける。

 

「貴女の名は?」

 

「あ?ヒルダだけど」

 

「メイルライダーヒルダ殿、我々アウラの民はノーマとの同盟締結を求めます」

 

「同盟....?」

 

ヒルダはその事を聞いてサラ達を見る。

 

「我々の龍神器だけではエンブリヲの防衛網を突破する事は困難、はあなた方も同じはず」

 

サラの言葉にヒルダは思わず考え込む。

 

「…確かにアタシ等だけじゃあラグナメイルもあのローガストメイルにも手も足も出ない…、良いよ…同盟結んでも」

 

その事にヴィヴィアンは思わず喜んでジュン達とハイタッチをしまくる。

 

「ただし!アンジュを連れ帰ってからだ…!」

 

「ヒルダちゃん....」

 

「その余裕があると思っているのか?」

 

っとオルトの言葉にヒルダが思わず睨みつける。

 

「何!?」

 

「恐らくネロスは、アンジュを必ず探している筈だ。必ず....」

 

その言葉にヒルダは黙り込んでしまった時だった。

待機室の扉が開いて、誰かが入って来た。

 

『おや?アンジュは戻っていないのか?』

 

っと皆は扉の方を向くとエマ監察官がやって来た、しかしバルカンは何故か警戒して唸りはじめ、そしてエマの様子がいつもと違う事にマティス達とオルトとま、そしてマティス達が気づく。

 

『やれやら.....何処に行ってしまったのやら、我が妻は....』

 

「監察官さん?」

 

ヴィヴィアンがそれに問うとサラがそれを否定する。

 

「違います、あれは.....」

 

するとエマがマナの通信画面を開くと、そこにネロスの画面が映る。

 

「ネロスです!」

 

マティス達は武器を構える。

 

「ネロスだって!?」

 

ジャスミンも立ち上がると、バルカンが思わず向かってしまい、それをエマが叩き落としてしまう。

 

バルカンはそれに悲鳴をあげ、ジャスミンが見る。

 

「バルカン!!」

 

「どち狂ったか!てめぇ!!」

 

ヒルダが銃を構えた瞬間、サラがヒルダの銃の射線を刀で塞ぎ、それにヒルダがサラの方を見る。

 

「彼女は操られてるだけです」

 

「え?!」

 

サラの言葉にヒルダが驚く。

 

「逃げた女に追いすがるなど....不様ですわね、天使殿」

 

『フン、ドラゴンの姫か』

 

ネロスはサラを見て鼻で笑い、サラは剣をネロスに向けて言う。

 

「焦らずとも、すぐにアンジュと共に伺いますわその首を貰い受けに....そしてマサト殿にじっくりと怯える事ですわね」

 

『ほう…、それはできるのかな?』

 

「倒せるさ!」

 

っと別の声が聞こえた事に皆は後ろを見ると、先ほどインフィニティへと帰投したマサトがやって来て、マティス達はマサトが戻った事に喜ぶ。

 

「今度こそ.....決着着けて殺るぞ.....天使ネロス.......嫌、マッドサイエンティスト"桐山 次郎"!!」

 

っとその事を聞いたサラ達は思わず驚き、それにはオルトとマナミアは戸惑いを隠せなかった。

 

「それに、俺には仲間や愛する者もいる......お前みたいな外道には負けんぞ!」

 

『ほう?』

 

するとマサトがサラの方を見て、それに頷いてサラは叫ぶ。

 

「ラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

サラが叫んだ声によりエマのマナが不安定となって破壊され、エマは正気を取り戻して気を失う。

 

「監察官さん!?」

 

ヴィヴィアンが問いかけ、すぐさまマティス達が見る。

 

「…大丈夫だ、気を失っているだけだ」

 

そう言った事に皆は安心をする。

そしてサラはヒルダの方を向いて問う。

 

「ヒルダ殿、ネロスはなりふり構わずにアンジュを探している様子です。ネロスの眼をかわしアンジュを助け出す事が出来ますか?貴女に....」

 

「っ...」

 

サラの言葉にヒルダは言葉を詰まらせる、ネロスの目をかわす事などヒルダには出来ない事だった。

それにサラは笑みを浮かばせる。

 

「アンジュは帰って来ます....タスク殿が必ず連れて帰ってきます」

 

「はっ!何であいつが!?」

 

「理由は簡単だ」

 

っとマサトの問いに皆は振り向き、マサトは当たり前の事を言う。

 

「あいつはアンジュの騎士で、サラ姉さんの」

 

「友ですから♪」

 

その事にヒルダは言葉を止まってしまう。

そして今思えばアンジュとタスクは共に行動している事を考えると、あのタスクがアンジュの騎士様っと考えると渋々納得するしかないと考える。

 

ヒルダがそう納得した時に、マティスがマサトに問い掛ける。

 

「なぁ、マサト......桐山 次郎って誰なんだ?」

 

するとマサトはオルトに近付き、質問する。

 

「知っていたんだな、俺が前に助けたあの子供......あれが今のあなたで......実の父さんと共にエクストリーマー計画に賛同してくれてたのは........そしてその中にネロスである桐山 次郎の事も......」

 

するとオルトの目が厳しくなる。

 

「親父?」

 

アストラが声を掛けると、オルトは言う。

 

「その通りだ.......大門寺 真人よ♪」

 

《っ!!?》

 

「親父!どう言うことなんだ!?」

 

「意味の通りだ........私とマナミア、ユリウスとイリス......嫌、『諒』と『華怜』と桐山は....1100年前の人間だ」

 

《1100年前!!?》

 

「アストラ......確か、ナチュラルのブラックボックスが必要と言ったな?」

 

「え?」

 

「そのブラックボックスは.......もう、ここにある」

 

オルトが取り出したのは、黒いメモリチップであった。

 

「これが!!?」

 

そしてアストラは早速、黒いメモリチップを機械に差し込み、読み取る。

 

「年日を選んで、その中に......君の探したかったデータ『2017年:6月20日 土曜日』にナチュラルで起こった悲劇が撮されている。」

 

オルトがそう言うと、録られた映像が起動した。そこはナチュラルの内部のであった。

 

「本当にアルゼナル見たいだなぁ」

 

すると通路に傷だらけの兵士が走ってくるのが見えた。

 

「あ、兵士だ......」

 

すると向こうから無数の一体のゾンビが追い掛けてきた。アストラは先回りして、別の監視カメラの映像に切り替える。

 

「どうやら、ここは食堂だなぁ」

 

すると食堂にマサトが現れた。

 

「あ......俺だ」

 

そして兵士が現れ、マサトが銃を構えた直後にゾンビに襲われた。そしてマサトはゾンビを倒したが、襲われた兵士がゾンビになり、襲い掛かって来たが、返り討ちにした。その後、ジャスミンモールに無数のゾンビ達がいたが、マサトはフォークリフトカーで駆逐していく。その映像を見ていた皆がマサトの行動に引いた。

 

「お前......相変わらず惨い事をするなぁ.....」

 

「わ!悪かったな!こんな俺で!」

 

ゾンビを駆逐し終えたマサトは第二研究室へと入り、そこで改造されたナオミを相手していた。

 

「これ、私!?」

 

「......そうだよ」

 

すると、出入口から黒い豹が襲い掛かってきた。

 

「たぶん......ブリッツの先祖だと思うなぁ」

 

アストラは横にいるブリッツの頭を撫でる。そしてナオミを救うと、マサトは桐山の首を斬り、首が跳ね飛んだ。

 

「うわぁ....首を、跳ね飛ばしやがった.....」

 

「これは幼年部には見せられない映像だ......」

 

アストラやオルトは青ざめると、映像が途切れた。

 

「あれ?」

 

アストラ達が首を傾げると、映像が戻る。

 

「戻った.....赤外線と言うことは、夜って事か....」

 

すると桐山の死体に異変が起きた。死体が突然痙攣を起こし始めた。一同は落ち着いてみる。そして死体は起き上がり、転がっていた首を見つけ、元に戻る。そして第二研究室から出ようとすると、桐山がカメラを見る。

 

「コイツ.....一体、何を見ているんだ?」

 

すると桐山が指をクイっと動かす。アストラはそれに、応じ、退ける。そしてまた桐山が指をクイっと動かし、今度はセリカを退かす。そして今度はヒルダやガイを退いていくと、桐山が一体、何を見ているのか判明した。それは最後に残ったマサトであった。マサトは桐山を睨むと、桐山の表情が無気味な笑顔になり、親指を立て、喉を切り裂くようにヂェスチャーする。それを見たマサトは怒りを込み上げる。

 

「............掛かってこい.....喧嘩上等だ....」

 

するとマサトは桐山に向かって中指を立て、喧嘩を売る。すると画面にノイズが現れ、映像はここまでであった。

 

「これが.....ナチュラルの悲劇.....」

 

「そう.....ナチュラルはその跡は分からないが........多分、廃虚化していると思う。」

 

「それと、分かったことが一つ......ネロスじゃなく、桐山 次郎は最初から不老不死の力を手にしていた事だ......」

 

「だけど、そんな不老不死の力がこの世に存在するんか?」

 

「分からない......何故、彼がどうやってあの不老不死の力と天草四郎の呪術を知っているのか.......調べないとなぁ.....」

 

マサト達はそう言い、それぞれの持ち場に戻るのであった。

 


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