クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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今回の話で、状況が一変します!


第45話:動き出す勢力

 

そしてマサト達の通話を終えたネロスは受話器を戻して、窓を見る。

 

「やれやれ.....野蛮な小娘だ、それに真人め....天使である私に勝てるとでも思っているのか」

 

そう言い残してネロスは小説を読み始めた。するとそこに思いつめたエルシャが子供たちの服を持って来てやって来る。

 

「ネロスさん」

 

「おや、どうしたのかねエルシャ?」

 

ネロスに聞かれたエルシャは思いつめた事を問う。

 

「幼年部の子供たちが....、あの子達を…また生き返らせて下さい」

 

エルシャは再び子供たちを蘇らせてほしいとネロスに頼んだのだが、ネロスはそれをため息をつかせながら言う。

 

「はぁ....それは出来ない」

 

「え....?」

 

「新しい世界は新しい人類の物、あの娘たちは連れてはいけないのだ」

 

っとネロスの言葉にエルシャは思わず戸惑ってしまう。

 

「....そんな」

 

「君には新たな世界で、新たな人類の母になって貰いたい....分かって貰えるな?エルシャ」

 

ネロスが言った瞬間、エルシャが持っている子供たちの服を落としてしまい、それにエルシャが混乱してしまう。

 

「....嫌、…嫌!!」

 

エルシャは混乱した状態でネロスに近づいて、必死に頼み込んだ。

 

「あの子たちは!あの子たちは私の全てなんです!! 私はどうなっても構いませんから!!どうか!!」

 

涙を流しながらネロスに頼み込むエルシャ、しかしネロスはため息を付いた後に手を翳す。

それにエルシャは首に何かを掴まれた状態で浮かび、苦しみながらもがく。

 

ネロスは細目でつぶやく。

 

「もう少し物わかりの良い娘だと思っていたんが.....」

 

そしてネロスはエルシャを離して、倒れたエルシャに冷たい言葉を放つ。

 

「これ以上手を掛けさせないでくれ、私は忙しいのだからな♪.....ハハハハハハ!」

 

っとそう言ってネロスは笑いながら何処かに行ってしまう。残されたエルシャは絶望に叩き落とされて泣き崩れていった。

 

 

その頃、インフィニティ達は格納庫で、モビルアーマーに対抗できる兵器を開発していた。それはモビルアーマー用に開発された超短波兵器であった。

 

「本当にこれで倒せるのか?」

 

「間違いない、マサトが言っていたもん!」

 

メイが張り切りながら、パトリックやメリーに言う。

 

「でも、それだったら僕の音楽を流せば.....」

 

「無理だよ」

 

そこにマサトがやって来た。

 

「モビルアーマーはパトリックのような綺麗な音楽だと、簡単に無視されてしまう。だから、酷い音楽、そしてうるさくて気が散る爆音を流して、プルーマ、バグ、ピレスドロイドの通信連携を乱すんだ。例え勝ち目が無くても、状況を覆せば良いんだ♪」

 

「「.........」」

 

二人はマサトの意味に呆れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海が見える場所、ロザリーはそこでただ海を見ていて、そこにマティスがやって来る。

 

「ロザリー、どうしたんだよこんな所で.....」

 

「....何でもねぇよ」

 

「何でもねぇって....結構思いつめた表情になってるぞ?」

 

マティスがロザリーの思いつめた事に聞き、それにロザリーはようやく話す。

 

「...マティス、マジでアンジュと....タスクを待つのかよ?世界がやばいって言うのにさ」

 

「待つしかねぇよ、今は下手に動く事は出来ねぇしよ」

 

そうマティスはロザリーの隣に立ち、一緒に海を見る、するとロザリーがある事を言いだす。

 

「......アタシ、ドラゴンと一緒に行く」

 

「え?」

 

マティスはロザリーの言葉に振り向き、ロザリーはかなり思いつめた表情で言う。

 

「何だってやるよ....クリスをぶっ殺せるなら」

 

「っ....」

 

するとロザリーに目に涙が溢れ、流して行く表情に変わる。

 

「何で...、何でこんな事になっちまったんだろうな…?」

 

「ロザリー....」

 

そしてロザリーはマティスの方を向いて、思わずマティスに抱き付き、それにマティスは驚く。

 

「ろ!ロザリー!?」

 

「今....こうさせてくれマティス....、なあマティス...教えてくれよ....私馬鹿だから分かんねぇよ....! クリスの事をずっと友達と思っていたにさ....!」

 

ロザリーはマティスに抱き付きながら泣きついて仕舞い、それにマティスは戸惑いながらもロザリーをそっと優しく抱きしめるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてリクトはトレーニングルームで木刀で素振りをしていた。

 

「フンッ!...フンッ!...フンッ!」

 

「リクト...」

 

するとそこにヒルダがやって来た。

 

「何やってんだ?」

 

「......決戦前に、ちょっとトレーニングしようかな~っと......」

 

「そうなんだ......」

 

ヒルダはそう言うと、近くの椅子に座り込む。リクトは素振り120回終えると、タオルで汗を吹き、ヒルダの横に座り込むと、ヒルダがある事を言いだす。

 

「ねぇ、覚えてる?」

 

「ん?」

 

「......私とリクトが4才だった頃......私がもっと大きくなったら、.....アンタにアップルパイを食べさせてあげるって......」

 

「?.......そんな事も言っていたなぁ、食べて見たいよ♪ヒルダの手作りのアップルパイを♪」

 

リクトはそう言うと、横に置いてある水を飲んでいると、

 

「そう言う、意味もあるけど.........アンタの....お嫁さんになりたいと....」

 

ヒルダからの思わぬ爆弾発言に、リクトは驚き、飲んでいた水を吹く。

 

「っ!?」

 

ヒルダは驚くと、リクトは喉に大量の水が入り込んだせいか、咳き込む、

 

「ゴホッ!ゴホッ!......ゴホッ!」

 

リクトは咳きで苦しみ、ヒルダがリクトの背中を擦り、落ち着かせる、

 

「おい、大丈夫か!?」

 

「ゴホッ!..........ご、ごめん!......あまりの爆弾発言に....」

 

「そんなに?」

 

「そんなに.....ゴホッ!」

 

リクトが落ち着きを取り戻していると、ヒルダがリクトの背中に抱き付く。

 

「?」

 

「ねぇ、世界ぶっ壊した後......リクトは何処に行くんだ?」

 

「.......温泉を探しに、旅に出る♪そこに温泉郷を築き上げて、そこでのんびり暮らそうと思う」

 

「.......連れてって」

 

「え?」

 

「......私も、アンタと一緒に旅がしたい.......もう、一人は寂しいんだよ.....」

 

「ヒルダ.....」

 

リクトはヒルダの頭を優しく撫でのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてミスルギ皇国ではエルシャが子供たちの墓を掘っていた。

エルシャはようやく気づいた。ネロスが言った言葉の嘘に...。

 

「全部....嘘だったのね、平和な世界も....余分な暮らしも…何もかも」

 

絶望に落とされたエルシャは涙を流しながら悔やんだ、自分の事を...子供たちの事を...。

 

「ゴメンね....皆、本当に....!」

 

エルシャは再び涙を流す。

その様子をバルコニーで見ていたジョアンヌが不思議に思う。

 

「(生き返っていない?......断られたのかな.......)」

 

ジョアンヌがそう考えていると、マサトの言葉を思い出す。

 

「あれって.....どういう意味なんだろう?.....それに、こんな時になってもお父さんがいないって.......これは、何か裏がありそうだわ!」

 

ジョアンヌは真実を知るために、アケノミハシラへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてアンジュを乗せた小型挺はタスクと出会った島に到着した、到着した直後にアンジュの手錠が外れる。

アンジュは手錠が外れたのを見て、そして目の前にある洞窟が見えた。アンジュはそこに向かうとタスクが住んでいた洞窟が出会って別れた日のまま放置されていた。

 

「...あの日の....まま?」

 

呟くアンジュはそのまま洞窟に入ろうとした時にポケットから一部血の付いたタスクのネックレスが落ちて、それにアンジュは見る。

 

「(帰る時は....いつもあなたが居た、帰る場所には...またあなたが....)」

 

アンジュの心にはタスクとの思い出が頭の中に浮かんで、そしてアンジュはタスクのネックレスを拾う。

 

「なのに...なのに...!うっ!うわああああああ!!!」

 

アンジュはその場に泣き崩れる。アンジュの心にはタスクとモモカ、そしてマサトを失った傷が癒えてなかった。

しかしマサト達は死んでいない事にアンジュはまだ知りよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

移民艦ノアの住居区、モニカとセリカ、アイカ、ニコラス、エルマ、ガイはハデス隊員や貴族連合衛生士達と共に生き残ったローゼンブルム王国の民のボランティア活動していた。ガイとアイカは皆に暖かい食事を作り、モニカは格納庫に収納してあったホスピタルザクウォーリアの背部に背負っていた病院施設で核の放射線を浴びていた赤子や子供達を治療していた。

 

「酷いわ......何も罪もないこの子達も、1000年以上前の兵器で焼き尽くすなんて.......」

 

モニカが思っていることを言う。姉のセリカが寝ている子供の頭を撫でる。するとドアが開き、アイカが二人の為に手作りシチューを持ってきてくれた。

 

「温かい内に食べてね♪」

 

「「いただきます♪」」

 

二人はアイカのシチューを食べる。セリカがアイカに言う。

 

「ローゼンブルム王国の民達はどうなっている?」

 

「.....傷は癒えても、心がまだ......」

 

アイカが落ち込むが、まだ話す。

 

「でも、あの人達は泣いていた.......今まで、ノーマに酷いことをしてきたのに、こんなに優しく接して来ることに.......」

 

「皆も....気付き始めてきたんだ......本当の優しさと、ノーマの意識に......」

 

「えぇ、その為にも....この世界をあんな変態野郎から守らないと♪」

 

「「うん!」」

 

三人は決意を胸に、覚悟を決めた直後、外から悲鳴が聞こえた。

 

「「「!?」」」

 

アイカ、セリカ、モニカは外を確認すると、ローゼンブルム王国の民達がマナの光を出そうとしたが、使えなくなっていた。

 

「まさか!?」

 

アイカやガイ、そしてマティス達もマナの光を確かめるが、発動できなかった。

 

「どうなってるの!?」

 

「私達......マナの光が....」

 

アイカ達はマナの光が消えていることに、驚きを隠せなかった。

そしてアウローラの医務室でリィザとエマはベットに寝かされえて点滴を受け、マギーはリィザのドラゴンの特徴を聞いた。

 

「ドラゴンの声はマナに干渉し人間を狂わせる…、だからマナを持たないノーマしか戦えなかったと言う訳か」

 

「そんな事何処に載っていません!」

 

エマはマナで資料をよく探しても見つからず、リィザの事実に驚きを隠せなかった。

 

「はぁ…、この世界は嘘で塗り固められいる。だけどマナを破壊するノーマは…その嘘を全て暴いてしまう」

 

「だから差別され、隔離された?」

 

マギーの問いにリィザは頷いて、再び話を続ける。

 

「人間達に…本能的にノーマを憎む様プログラムを与えて──」

 

「そんじゃ!! ただの操り人形じゃない!!私達!!」

 

っとエマが怒鳴りながらそう言った瞬間マナの端末が急に割れて散り、それにマギーとリィザが慌てて見る。

 

 

そしてアウローラだけではなく、世界中に起き始めていた。

 

 

マナを失った各国は混乱し慌て始め、どうするかパニックを起こしていた。

そして各国の首相達が集まる場所に皆が集まり、世界に付いて話し合った。

 

「始まりましたな。世界の破壊と再生が....」

 

「して...、我々は如何にして新世界に向かえば宜しいのですかな?」

 

「早く脱出しなければ、時空融合に巻き込まれてしまいますわ」

 

各国の首相達は自分達だけ脱出しようとネロスに頼んでいた、しかしネロスは....。

 

「誰がお前たちを連れて行くと言ったかね?」

 

《えっ!?》

 

首相達はネロスが言った言葉に思わず振り向き、ネロスは気にしないまま言い続ける。

 

「新たな世界は賢いイヴ達が作る。出来損ない君達の様なゴミ共は世界を混沌にした責任を取るが良い.....君達には、人類でも何でもない.........君達こそ、真の"化け物"だ......」

 

それに首相達は驚きながら言葉を失くし、そしてマナが消失してその場から徐々に消えていく。

 

「「ね!ネロス様!?」」

 

「我々を見捨てるつもりですか!?」

 

そう言い残して首相達は消えていき、残されたネロスは何にも気にせずに立っていた。するとそこに、デシルが現れる。

 

「やれやれ、ネロスは本当に俺以上に恐ろしい奴だぜ♪」

 

「デシルか」

 

「俺も良い事を思い付いたんだ....♪」

 

するとデシルはネロスの耳元で何かを話す。

 

「ほぉ~、君も相当な悪だな....良かろう♪」

 

「ありがとよ.....俺のマスターよ♪」

 

デシルはネロスに御辞儀し、消えた。

 

 

 

 

 

世界ではマナの光が絶たれた事に大混乱になっていると、一人の男性に異変が起きた。

 

「あれ?」

 

男性の体にマナの光が発動する。

 

「どっなってるんだ!?」

 

「マナの光!?」

 

男性の手からマナの光で斧を生み出した。

 

「何でだ!?何も浮かべていないのに!!?」

 

すると斧を持った手が、マナの光で動く。

 

「て、手が.....勝手に!?」

 

そして上げた手が女性の頭上に振り下ろされた。斧が女性の頭を突き刺し、周りにいた人々が悲鳴を上げる。そして他の人々にも、男性と同じような現象が起きた。側にいたものや、愛するもの、罪もないものを次々と殺していく。

 

《止めてくれーーー!!!!》

 

「お願いだーーーー!!!」

 

「やっと分かった!........俺達が当たり前のように使っていたマナは!!.......平和をもたらす光じゃない!.......俺達を人形の様に使う闇だったんだーーーー!!!」

 

世界中の人々が、マナの正体に気付き始めるが、自分達は操られ、何も出来ない状況で虐殺していくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ケルベロスのブリーフィングルームに集められたマサト達は、オルトに問う。

 

「父さん!」

 

「分かっていると思うが......私達は.....マナの光が使えなくなった.......さらに、偵察隊からの情報だ.......ネロスがマナの光で人々を操って、殺し合っているとの報告が入った。」

 

《何だって!!?》

 

マサト達は驚くと、一緒にいたジュライが頭を抱え、不安へ貶められる。

 

「止めろ!........ネロス!」

 

ジュライが怯える中、オルトが話の続きをする。

 

「多分、ネロスが行う世界の破壊と再生が始まったのだろう......」

 

「おいおい!まずいんじゃねえのか!?」

 

オルト言葉にマサトは孤島にいるタスクとアンジュの事を考えるのだった。

 

「(タスク、アンジュ......早く戻って来い)」

 

っとそう願うしかないマサトであった。

 




今のネロス......ドフラミンゴ見たい!

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