クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第48話:ラストリベルタス(中編)

 

決戦の準備が進められる中、マティス達はマサトやナオミと同じパイロットスーツに着替えた。そしてアストラに新たな機体が託された。

 

「親父!これは!?」

 

「そう、ロバートがお前の為に開発した最強の不死鳥......『マスターフェニックス』だ」

 

その機体は前のフェニックスと違い、深紅で染まっており、背部のバインダーに装着された実体剣『クロスバインダーソード』が2本も装備されていた。

 

「マスターフェニックス.....」

 

「それと.....」

 

オルトが渡したのは、不死鳥をモチーフとしたパイロットスーツであった。

 

「ロバートがこれを....お前に託すと...」

 

「(騎士団長......)........分かった」

 

アストラは決意し、不死鳥のパイロットスーツを着用し、コマンダー・フェニックスからコード:【フェニックス】と名乗った。そしてマサトはレオスとエクセリアが収納されているGコンドルに乗り込もうとすると、アンジュが来た。

 

「マサト!」

 

「ん?」

 

アンジュがそれをマサトへ投げ、マサトはそれをキャッチする。

 

「これって!?」

 

それは、アンジュと同じ指輪をしたもう一つの指輪"アレクトラの指輪"であった。

 

「それ.....エースが預かっていたのよ......マサトの為に....」

 

「......エースが?」

 

「あの人.....何でその指輪を持っていたのかは分からなかったわ.......けど、マサトの為って.....」

 

「.....分かった」

 

マサトはそう言い、Gコンドルに乗り込む。既に前部座席にナオミが座っており、システムチェックとハロを撫でていた。マサトはアンジュから貰ったアレクトラの指輪を中指にはめる。

 

「ピッタリだ......」

 

「どうしたの?」

 

前部座席に座っているナオミが問う。

 

「ん?嫌♪」

 

マサトは指輪を隠し、ナオミはキョトンする。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして決戦の時、パメラが海面にいる敵艦隊を補足し、報告する。アウローラの指揮権がマサトになり、アンジュは皆に宣伝する。

 

「皆…聞こえるか、総司令のマサトだ。俺達はこれからミスルギに突入しアケノミハシラに向かい、時空融合を停止させる。ネロスが創り出す勝手すぎる世界など一体誰が想像するか? ただ自分の想像する世界なんて、そんなの願い下げだ。

それに世界は....誰かが導かなきゃ幸福にはなれないって誰が決めた? 誰も決めていない...自分達の未来は自分達で見つけて歩まなければならない、ノーマやアウラの民に古の民、そしてネロスの世界を拒絶し共に戦ってくれているハデスと貴族連合に鬼の民の皆、それに何よりネロスから自ら離れ戦ってくれる反ディーラ派。スゲェよ!お前達は....。

ネロス...嫌、桐山 次郎から世界を護る為に今こそ、立ち上がる時が来た! 作戦名は....『ラスト・リベルタス』!天使が作った世界は俺達で壊す! 皆で共に戦い!生きて帰ろう!未来へと歩むために!」

 

《おおお!!!!》

 

マサトの宣伝に皆は賛同するかのように声をあげて、アンジュは通信回線をマサトに繋ぐ。

 

「結構いい言葉じゃない、上の立場の事。理解してるじゃない」

 

「指導者であった父さんと同じ様な事をしただけさ.....それに、一応俺はトリスタン連邦の皇子だからな♪」

 

 

 

 

 

 

 

そして海面上、ミスルギ艦隊の船がミサイルを発射し、インフィニティ達へ向かわせるように放つ。

それにインフィニティのブリッジで、オペレーターがレーダーにミサイルを確認する。

 

「敵艦隊よりミサイルの発射を確認!数多数!!」

 

艦長席に座るオルトがすぐに指示を出す。

 

「迎撃態勢!!対空パルスレーザー砲を起動せよ!敵のミサイルをノアへ一歩も通すな!」

 

ケルベロスの船体から対空パルスレーザー砲が出て来て、貴族連合艦隊と共に接近してくるミサイルを迎撃していく。ミサイルが撃破すると、アウローラが前に出る。アウローラのブリッジに元司令官であるジャスミンが指示をする。

 

「ハデスと貴族連合に遅れを取るなよ!全弾発射!」

 

「了解!全弾発射!」

 

エルシャがアウローラの駆逐システムを起動する。アウローラの船体のハッチが開き、ミサイルが発射され、次々とミスルギ皇国艦隊を撃沈していく。

 

「これより全艦隊はアケノミハシラへ進軍する!」

 

貴族連合移民艦ノアのブリッジでジュライが指揮し、貴族連合やハデス、鬼刃、アウローラが浮上すると、ケルベロスを先頭にインフィニティ、アウローラ、鬼刃、ノア、貴族連合艦隊が空中へと舞い上がり、ミスルギ皇国へと向かう。

 

その様子をミスルギ皇国に居るネロス、そしてデシルとスペードとゼノビア、ダイヤモンドローズ騎士団が大きな地図の上で自らの艦隊が全滅したの確認してネロスが目線を送る。

 

「強行突破か.....無意味な事を♪」

 

ネロスが駒を彼方此方にばら撒く。

 

 

それと同時にアケノミハシラからモビルアーマーとピレスロイドが無数に動き出して、向かって来るケルベロス達の元に向かう。

 

無論ケルベロスのオペレーターがレーダーでそれを感知する。

 

「ミスルギ皇国よりモビルアーマーを多数確認!!こちらに向かってきます!!」

 

それを聞いたオルトは厳しい表情をしながら無人兵器を睨む。

 

「来たか....厄災の天使達め!」

 

『父さん!俺とナオミを先頭に出して!あれを使う!』

 

「分かった!アストラ!聞いての通りだ!マサトがあれを使うぞ!」

 

『分かった!』

 

オルトはアストラに通信を終えると、インフィニティのカタパルトからレオスとエクセリアの収納しているGコンドルが出てきた。Gコンドルの左右に対モビルアーマー殲滅兵器『デュランダル』を装備していた。

 

「ナオミ!何の曲を選んだ?」

 

「あの叫び声!」

 

ナオミが準備すると同時に、オルト達は、鼓膜が破れないよう防音のヘッドフォンを着ける。

マサトとナオミの矢先に、モビルアーマーの大群が大波の様に押し寄せてくる。そしてモビルアーマーの大群が後、数十メートル近付くと、マサトはナオミに言う。

 

 

 

「60メガヘルツの爆音で、奴等の鼓膜を破ってやれ!」

 

 

 

ナオミがデュランダルを起動すると、デュランダルのスピーカーから激しい爆音と叫び声がミスルギ皇国全体に響き渡る。防音ヘッドフォンでちょっとだけ聞こえており、マサトはノリノリでナオミに言う。

 

「"SATUGI".....悪魔に相応しい曲だ♪ 」

 

マサト達にとってヘビーメタル曲でもあるが、モビルアーマーにとって、うるさくて気が散る爆音であり、プルーマやバグ、ピレスドロイドの通信が妨害され、連鎖反応でモビルアーマー同士ぶつかり合い、爆発していく。大波の様にモビルアーマーやピレスドロイドが撃破されていき、ミスルギ皇国の街へ火を吹きながら墜ちていく。それを見ていたネロスが驚く。

 

「ば...馬鹿な...!?」

 

数分も経たない内にマサト達の元に向かっていたモビルアーマーが全滅し、残っているのはディーラ艦隊であった。

 

「マサト!来たよ!」

 

「パラメイル隊!モビルスーツ隊!全機出撃!!」

 

各自発進体制へと入り、最初にインフィニティやケルベロス、貴族連合艦隊のカタパルトデッキが開く。タスクが乗っているのはアストラから受け継いだフェニックスガンダムがカタパルトから射出され、それに続き、マティス達やジョアンヌも出撃した。アウローラからアンジュ達が発進し、ディーラ艦隊とモビルスーツを相手していく。貴族連合艦隊もレギンレイズ、グレイズ、グレイズリッターが発進され、アルバレアのキマリスヴィダールも領邦兵と共にオルガノスと殲滅機を撃破していく。

 

ミスルギ皇国では、ヴィルキスの登場にネロスは目を細める。

 

「アンジュ....」

 

ネロスは笑みを浮かばし、ダイアモンドローズ騎士団に命令する。

 

「僕達も出ようとしようではないか!」

 

《イエス!マスター!》

 

サリア達は敬礼をし、皆はラグナメイルの元へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アケノミハシラ、間もなく射程圏内に入ります」

 

ヒカルの報告を受け、ジャスミンはエルシャに命令する。

 

「冷製砲!エネルギー充填!発射準備!」

 

「了解!冷製砲発射準備!」

 

アウローラの底部に装備されている絶対零度兵器"N式冷製砲"が展開されて、アケノミハシラに照準を合わせる。それを見ていたアストラも秘密兵器を出す。

 

「なら、こちらも用意するか......シア!特装攻城砲の用意!」

 

「かしこまりました」

 

インフィニティの先端部に装備されている"H式特装攻城砲"が展開され、アウローラと共にアケノミハシラに照準を会わせると、インフィニティのオペレーターがすぐさま報告する。

 

「アケノミハシラ付近に複数の飛行物体を確認!」

 

アケノミハシラにモニターを向けると、そこにはネロスのラグナメイル【ヒステリカ】、ゼノビアのシャンブロ、スペードのディザスター、デシルのガンダムメフィストとダイヤモンドローズ騎士団がアケノミハシラに待ち構えていた。

 

「ネロス...!」

 

アストラはネロス達を見て睨む。

ネロスは笑みを浮かばせながらインフィニティ達を見る。

 

「沈みたまえ....古き世界と共に!」

 

するとネロスは永遠語りを歌い出し、それに戦っているマサト達はその歌を聞く。

 

「この歌は!!?」

 

ネロスが歌のを聞いたジェームズはすぐに気づく。

 

「なるほどな、狙いはインフィニティ達か。エネルギー充填は?」

 

「まもなく82%です!」

 

そうアストラに報告するシア。

しかしその前にネロスの歌が終え、ヒステリカから光学兵器『ディスコード・フェイザー』が発射される。

 

っがインフィニティ達の前にアンジュのヴィルキスが現れて、機体が金のボディへと変化し、ディスコード・フェイザーを発射し、ネロスのディスコード・フェザーを消し飛び、そのまま直進して行く。

 

ネロスのディスコード・フェザーを消したのを確認したジャスミンはアンジュのヴィルキスを見る。

 

「アンジュかい!?」

 

「エネルギー充填!98%!」

 

それを聞いたジャスミンはその様子をチャンスと見てすぐさま言う。そしてアストラもエネルギー充填が100%達し、ジャスミンと共に言う。

 

「"N式冷製砲"【アブソリュート・ゼロ】射てぇ!!」

 

「"H式特装攻城砲"【フォトンブラスター】発射!!」

 

「N式冷製砲!射ちます!」

 

「H式特装攻城砲!発射します!」

 

ジャスミンとアストラの命令と同時にエルシャとシアが同時にトリガーを引き、アブソリュート・ゼロとフォトンブラスターが放たれた。二つの極大のビームがディーラ艦隊やモビルスーツを凍り付かせたり、焼き付くし、二つの極大のビームは螺旋状に回転し始め、アケノミハシラに直撃した。アブソリュート・ゼロの凍てつく絶対零度とフォトンブラスターの焼き尽くすハイメガ粒子が合わさり、アケノミハシラにはあたりを爆発させて崩れて倒れて行く。

そして倒れたアケノミハシラの中に大きなシャフトが見えた。

 

それを見たアウローラに居るリィザが皆に通信を入れて言う。

 

「あれがアウラへ続くメインシャフトです!!」

 

リィザの通信を聞いたマサトはそれに頷いて皆に言う。

 

「よし!ココとミランダ!メアリーとマリカとノンナは残ってインフィニティ達を護れ!! 残りは俺に続け!!!ネロスの首を取れ!」

 

マサトを先頭にしてタスク達がアケノミハシラに向かう、が残りのディーラ艦隊がアウローラとインフィニティ、に襲い掛かる。それを見ていたヴィヴィアンとメリーとアイカ、ガイが慌てて引き返す。

 

 

 

 

 

 

 

ネロスはアウローラとインフィニティのアブソリュート・ゼロとフォトンブラスターを見て、呟く。

 

「いつの間にあんな物を.....」

 

っとクリスが言ったの聞いて前を見る。

するとマサト達がそのままやって来て、それにネロスは皆に命令する。

 

「諸君!迎撃を♪」

 

《イエス!マスター!》

 

デシル、スペード、ゼノビア、ダイアモンドローズ騎士団達が次々とマサトへ向かっていく。そしてエンブリヲはサリアに言う。

 

「サリア、分かっているね?」

 

「...はい」

 

そう言ってサリアは向かって行った。

するとネロスは破壊されたアケノミハシラを見る。

 

「さて、そろそろ『女王蟻』を起こすか♪」

 

 

 

 

 

 

そしてマサト達の前にディーラ三幹部とダイアモンドローズ騎士団達が立ち塞がる。デシルはメフィストビットを展開する。

 

「殺れぇ!ビット!!」

 

無数のビットが一斉射出されるが、パトリックがシールドビットを展開する。マティスもGNバズーカⅡを二丁で持ち、ガンダムメフィスト目掛けて射つ。しかし、

 

「無駄無駄!」

 

デシルはXラウンダーを発動させ、マティスの攻撃の軌道を予測し、回避する。

 

「当たらない!?この距離で!?」

 

エルマが驚いている一方、ゼノビアのシャンブロを相手に、セリカ、ニコラス、リクトは苦戦していた。シャンブロのサイコミュ・システムがあらゆるビームを吸収・無効化されてしまう。

 

 

 

 

 

そしてヒルダにロザリーは低空飛行で飛んでいると、クリスのテオドーラがビームライフルを撃ってやって来る。

 

「あんた達、また来たの?」

 

クリスはビームライフルを構える。ヒルダとロザリーは駆逐形態へと変型し、クリスに攻撃する。

 

「クリス!」

 

 

 

 

一方でアケノミハシラに向かっているマサト達、そこにヒステリカがマサト達の前にやって来る。

 

「お帰り、アンジュ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

マサト達はヒステリカに乗るネロスを見る。

 

「やはり私達は再会する運命だったんだ♪」

 

「ネロス....!」

 

アンジュがネロスを睨んでいると。タスクのフェニックスが前に出る。

 

「行け!アンジュ!アウラの元に!」

 

「分かったわ!」

 

「俺も行くぞ!マサト!」

 

「私も!」

 

マサトやナオミ、そしてジョアンヌもネロスを相手する。

 

「おや、おや、おや?ジョアンヌ....折角お母さんを生き返らせてあげたのに.....どうしてそんな愚か者達に味方するのかな~?」

 

「五月蝿い!!お父さんを殺して....何が生き返らせてあげるだ!!」

 

「やれやれ...これだから猿は♪」

 

するとヒステリカの頭上に何かが降りてきた。それは巨大なガンダムの頭部になっているモビルアーマーであった。

 

「何だあれは!!?」

 

そしてヒステリカがそのモビルアーマーの中へ収納されると、音声が鳴る。。

 

『極限殲滅形態 ディストピア・フェイズ!!』

 

「「「!!?」」」

 

『そう!....このディストピア・フェイズは....その双極の悪魔と同じ.......ガンダムなのだからなぁ!!』

 

それと同時に、アケノミハシラの周囲にある森林が揺れる。

 

「何だ!?」

 

「大門寺 真人!お前が探しているモビルアーマーの女王蟻を......見せてやろうではないか!!」

 

すると地面から巨大な脚部が現れ、合計4つの脚部ユニットがアケノミハシラ中央としていた。そして後から約630メートルもある超硬ビームワイヤーブレードが出てくる。

アケノミハシラが段々と上がっていき、地中から現れたのは全長約800メートルもあり、ドラゴンの様な頭部が出てくる。それは全てのモビルアーマーを指揮することが出来るモビルアーマー『巨大要塞型モビルアーマー"ゾロアスター"』であり、ディーラの本拠地でもあった。

 

「デ!デカッ!!?」

 

「巨大な....亀!?」

 

ガァァァァァァァァァァァッ!!』

 

《ッ!!》

 

ゾロアスターが装甲と装甲をぶつけ合い、吼える。そしてネロスが乗っているディストピア・フェイズがゾロアスターの頭部と連結し、合体すると、ゾロアスターの装甲が黒紫になり、紫の発光を輝かせる。

 

「合体しやがった!!」

 

するとゾロアスターの口内から高出力プラズマビーム砲が放たれる。

 

「まずい!」

 

マサトが急いで艦隊の前へ向かい、起動防盾をスライドさせ、最大出力の次元バリアを展開した。プラズマビームが次元バリアによって吸収・分解させるが起動防盾がプラズマビームで赤くなっていく。

 

「嘘だろ!?起動防盾が融解されている!?」

 

アウローラやインフィニティ、ケルベロス、鬼刃、貴族連合艦隊は何とかゾロアスターのプラズマビームを回避する。そしてプラズマビームの膨大な光熱が海を裂いた。領邦兵士やハデス兵士が驚く。そしてオルトがゾロアスターが放ったビームを見て、思い出す。

 

「何なんだ今のは!?」

 

「【プラズマビーム兵器】だ!!」

 

「何だそれ!?」

 

 

【プラズマビーム】

 

非常に高い威力、射程、照射時間を誇るビーム兵器。複数の攻撃対象を貫通するビームと、荷電粒子を活性化させた超高温のビームの2種類を放つ事ができる。次元バリアの起動防盾やナノラミネートアーマーを融解や溶接することも可能。

 

「何だそのチートな武器!?」

 

「あの時のビーム....そしてあの唸り声.....間違いない!奴が...ヤツがトリスタン連邦の文明や大陸を滅ぼしたモビルアーマーだ!!」

 

オルトの言葉にマサト達が驚く。

 

《何だって!!?》

 

するとゾロアスターの脚部の底部から大出力の炎が吹くと、それを前の方へ動かしながら歩く。

 

「あの巨体が歩いている!?何とも....恐ろしい天使だ!」

 

「感心している場合じゃありませんよ!!」

 

感心しているジュライにアルバーンが怒る。

 

「そうであった!あれを何とかしなければ!」

 

貴族連合艦隊のカタパルトからダインスレイヴ搭載のレールガン部隊が出てきた。

 

「ダインスレイヴ!用意!」

 

グレイズ隊がダインスレイヴを搭載しているレールガンをゾロアスターに向ける。

 

「ダインスレイヴ!射てぇ!!」

 

レールガンから特殊弾頭【ダインスレイヴ】が放たれた。ダインスレイヴは一気にディーラ艦隊に直撃し、撃沈していく。そして残りのダインスレイヴがゾロアスターへ向かっていった。

 

「決まった!」

 

誰もが喜んだ直後に起こった。ダインスレイヴの弾頭先端がゾロアスターの装甲を貫くと思いきや、弾頭先端が潰れた。

 

「何っ!?」

 

ナノラミネートアーマーをも貫くとされているダインスレイヴがあっさりと潰されたことに、七大名門達は驚きを隠せなかった。

 

「何故だ?.....何故、ダインスレイヴが効かないんだ?」

 

ジュライは呟くと、ネロスが通信に入り込み、説明する。

 

「何をしようとしても無駄だよ♪このゾロアスターこそディーラ最大の城壁!どんな光学兵器や物理兵器も全てを超越している!」

 

そしてゾロアスターの背部に搭載されている旋回砲塔【ケラヴノス】の砲口からビームが放たれる。さらにゾロアスターに近付けさせないようにゾロアスターの脚部や腹部からピレスドロイドが出てきた。それを見ていたマサトは舌打ちする。

 

「チッ!動く工場かよ!アイツは!」

 

マサトはそう言うと、ブレードビットを持ち、ゾロアスターへ向かっていく。

 

「「「「マサト!」」」」

 

ナオミ、ジョアンヌ、アンジュ、タスクがマサトを止めようとすると、ゾロアスターの頭部と合体していたディストピア・フェイズが現れる。

 

「フフフ♪」

 

「「「「ネロス!」」」」

 

するとタスクはフェザーファンネルを展開し、迎撃する。

 

「アンジュ!」

 

「分かったわ!」

 

アンジュは急いでアウラに続くメイシャフト.....ゾロアスターの背部へ向かう。

 

「全く!無駄な事をするよ!世界の破壊はもう止められない!」

 

「止めて見せる!」

 

「あぁ!そうだ!」

 

タスクとジョアンヌは同時にビームサーベルを抜刀し、ネロスに攻撃するが、ネロスはスフィアビットで応戦する。

 

 

 

 

 

 

 

一方、サラは先にアウラに続くメイシャフトを降りていると、下から大量のピレスドロイドが向かってきて、サラが

バスターランチャーを構える。

 

 

 

その頃、スペードは次々とグレイズやレギンレイズを破壊していく。

 

「貴族連合が....不甲斐ない」

 

「スペード!!」

 

「っ!?」

 

スペードは振り向くと、上空からアストラの新たな機体『マスターフェニックス』がバインダーからクロスバインダーソードを抜刀し、斬り掛かった。スペードは回避し、アストラを睨み、アストラも回避したスペードを睨み付ける。

 

「アストラ!!」

 

「スペード!!」

 

黒いビームサーベルとクロスバインダーソードの刃がぶつかり合う中、ゾロアスターを動かしているダイヤが此方に向かってくるレオスとヴィルキスを睨む。

 

「愚かな者達が!!」

 

ガァァァァァァァァァァァッ!!』

 

ゾロアスターが咆哮を上げると、マサトがアンジュに言う。

 

「ここは俺に任せろ!」

 

「マサトは!?」

 

「コイツを使う!!"HADES"!!」

 

 

  

       【HADES】!

  (Hyper Animosity Detect Estimate System)  

ウィィィィィィィン!!!!ボ バ バ バ バ ババ バ!!!

 

 

システム音と共に、レオスの頭部カメラが赤く変色し、ゾロアスターへ向かっていく。その時、アンジュの元にサリアが乗るクレオパトラが立ち塞がる。

 

「待っていたわ....アンジュ!」

 

「サリア...!」

 

アンジュはサリアと対立して向かう。マサトはHADES発動させ、ゾロアスターの左脚を登っていく。

 

「小賢しい!!」

 

ゾロアスターの頬部にたくさん装備されている対空ビームバルカン砲25台を一斉に乱射してくる。マサトはプロテクトビットで防御する。

 

「喰らえ!!」

 

さらにアリス・ファンネルを展開し、応戦する。ビームがバルカン砲を破壊しながら、登っていくのであった。

 


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