そしてアンジュとサリアはゾロアスターの腹部の所でラツィーエルをぶつけ合いながら睨み合う。
「急いでるのよこっちは!!」
「ねえアンジュ、新しい世界ってどんな物だと思う?」
その事にアンジュは答える。
「は!?」
そしてサリアが怒りがこもった表情で言う。
「あんたが居ない世界よ!!!」
っとサリアはアンジュを吹き飛ばした皇宮へと飛ばされて、そのままぶつかってしまう。
そしてマサトはゾロアスターの背部に登りきると、目の前に多数の主砲と対空砲、そして無数のプルーマ、ピレスドロイド、バグが向かってきた。
「やむ得ない.......ロード・タクティス!」
マサトはメモリアルキーの中からモビルスーツを選び、ガンダムバルバトスルプスレクス、ガンダムバエル、ペイルライダー、ブルーディスティニーを召喚した。
「さぁ、悪魔達よ.....『天使狩り』を始めるぞ!!」
マサトがそう呟くと、バルバトスとバエル、ペイルライダー、ブルーディスティニーに頭部カメラが赤く変色した。そしてレオスを含む5機が一斉にモビルアーマーに襲い掛かる。ペイルライダーとブルーディスティニーのビームサーベルがプルーマを凪ぎ払い、バルバトスがテイルブレードで飛んでくるピレスドロイドとバグを突き刺していく。バエルは二刀流のバエルソードを持ち、回転しながら主砲や対空砲を切り裂いていく。レオスはアリス・ファンネル、プロテクトビット、ブレードビットを展開して、ディーラのモビルスーツを破壊していく。するとマサト達の頭上からゾロアスターの超硬ビームワイヤーブレードが襲い掛かってきた。しかし、マサトはそれを回避し、バルバトスと共にワイヤーブレードを抑え込む。そしてバエルがバエルソードを振り下ろし、ブレードを破壊した。するとゾロアスターの頭部が出てきて、口内プラズマビーム砲を放とうとしたが、バルバトスが持っていた大型メイスを投げ付けた。大型ながゾロアスターの右目に炸裂し、右半分が見えなくなる。
「化け物が!!」
ダイヤはそう言い、プラズマビーム砲を放つ。レオスが4機を守ろうと次元バリアを展開する。
「グッ!!」
するとバルバトスとバエルが一緒に並び、プラズマビームを拡散していく。
「お前達.....」
バルバトスとバエルの装甲が融解すると、後方にいたペイルライダーとブルーディスティニーがゾロアスターの頭部に飛び掛かり、ビームサーベルを突き刺す。そしてバルバトスとバエルが最後の力を振り絞り、青い炎が吹き荒れる。そして二機はゾロアスターの頭部に飛び掛かり、激しく荒ぶる。マサトは他の4機を見て、呟く。
「馬鹿......何カッコつけてんだよ......お前らは!!」
その時、マサトの指に付けていたアレクトラの指輪が光、音声が鳴る。
『"爆熱機構"ゼノン!』
するとレオスの腕部ユニットが強く光出す。
「ロード・タクティス!」
マサトは次にメモリアルキーからガンダムグシオンリベイクフルシティ、ガンダムフラウロス(厄祭戦時代)、イフリート改、ウヴァル、ダンタリオンを召喚した。グシオンとフラウロス、イフリート改、ダンタリオン、ウヴァルの頭部カメラが赤く変色した。
「おらぁッ!!行けぇ!!!」
マサトの掛け声と共に、5機が一斉にゾロアスターに襲い掛かる。
そしてアンジュは何とかヴィルキスを皇宮から抜け出して、再びサリアへと向かい合う。
「随分と遅かったわね?」
「野暮用を済ましただけよ」
アンジュが言った言葉にサリアは納得する。
「じゃあ...心置きなく死ねるわね!!!」
そう言ってサリアがアンジュに向かって行ってラツィーエルを振り下ろす。
っとそこにレイジアがサリアの攻撃を受け止めて、そのまま弾き返す。
アンジュとサリアはその事に驚き見ると、レイジアのコックピットが開いてある者が語り出す。
「ネロスの騎士と言うから、どれ程強くなったと思ったら.....期待外れだな?サリア」
それはライダースーツを着て、レイジアを操るジル事...アレクトラであった。
「ジル!?」
アンジュはジルの方を見て呟き、それにジルはアンジュを一目を見て前を見る。
「久しぶりだな?サリア」
アレクトラ…ジルの登場にサリアは一瞬驚きを隠せない。
自分を騙して置いて、今さら何しに来たんだと思うサリアはコックピットから出てジルと向き合う。
「今さら何しに来たの....」
「何しにって、会いに来たのさ。昔の男に」
その事にサリアは思わず目を開く。
ジルはサリアの様子にすぐさま分かって説明する。
「聞いていなかったのか? 私がネロスの愛人だったんだ」
「えっ?!」
サリアは驚いた。ネロスの元愛人があのジルだった事に驚かない筈がない。
「さあ…退いて貰おうか?アイツに会いに行くんだ…」
「貴女の言葉はもう信じないわ!! 私はネロス様の騎士、ダイヤモンドローズ騎士団の団長サリアよ!あの方への元へは行かせない!」
彼女のとても強い決意を見たジルは少し笑みを浮かべる。
「っだそうだアンジュ」
「はっ?」
アンジュはジルの突然の言葉に思わず頭を傾げる。
それにジルは理由を言う。
「アウラの元へは、言って良いらしい」
「....じゃあ、遠慮なく!」
そう言ってアンジュはヴィルキスをフライトモードにさせてゾロアスターの内部にあるアウラの元に向かう。
「待ちなさいアンジュ!!」
サリアはそれを止めようとビームライフルを構えるが、その前にジルのレイジアが立ちふさがる。
「私の相手をしてくれるんだろう?」
「邪魔をするなら...斬るわ!!」
「ほぉ~、やってみろ!」
そう言ってお互いぶつかって行って、剣を斬り合うのだった。
そして艦隊では多数来るモビルアーマーを迎撃しており、リザーディアが報告する。
「時空融合終焉率83%」
「十字方向、数12」
「了解!」
アウローラはその方向にいる敵をヴィヴィアンと一緒に迎撃する。
「飛んで火に入るカブトムシ!!」
何故かヴィヴィアンは間違っている言葉を言いながらモビルアーマーとディーラ艦隊を撃墜していく。
「続いて二次方向、数5!」
「了解!」
「右舷から大群が来るよ!」
「了解!」
「落としても、落としても切りがないにゃ」
「泣き言を言ってる暇はないよ!この船で皆を乗せて帰るんだからね!しっかり守りな!」
《イエス!マム!》
その頃、ヒルダとロザリーはテオドーラに苦戦していた。
「こっのぉぉぉぉ!!」
ロザリーがキャノンでテオドーラに迎撃するがビームシールドで防御された。
「ハァァァァァァ!!」
ヒルダがアサルトブレードでテオドーラに降り下ろすが、ラツィーエルで防御される。
「フッ!弱っ!」
ロザリーがアサルトライフルで迎え撃つがテオドーラはビームシールドで防御する。
「その程度で殺すとか、笑わせないでよ!」
「マリカを殺そうしたんだ!お前だけは絶対に止める!」
「止める?ふざけないでよ!弱いから、虐げられて、利用されて、バカを見るんだよ!」
サリアとジルはラツィーエルを使い、斬り合いながら互角の戦いを繰り広げていた。
「ラグナメイルと騎士の紋章。それで強くなったつもりか?サリア」
「ネロス様は私に全てを与えたわ、そして強さも…愛も..全て!!!」
その言葉を聞いたジルは一旦下がりながら笑う。
「愛…だって?フッ、奴は誰も愛したりしない。利用する為にエサを与え、可愛がるだけだ。目を覚ませサリア!!」
「言ったでしょう...貴方の言葉は信じないって!! 私を利用していたのは貴女よ!」
サリアはラツィーエルを何度も振りかぶって攻撃して、それをジルは防御して行った。
一方、タスクとナオミ、ジョアンヌはネロスと戦っていた。
「しなやかで野獣の如く!実に飼い慣らしが良い玩具だよ♪」
「「「っ!!」」」
「お前達は知らない...アンジュの生まれたままの姿を♪」
「知ってるよ...」
「?」
「アンジュの....内腿とホクロの数までね!」
「!!」
タスクが言うとネロスが驚く。
「お前は何も知らないんだな!アンジュの事を!アンジュは乱暴で、気まぐれで、良く笑って、すぐ怒って、すぐ泣く!最高に可愛い女の子だよ!彼女を飼い慣らすだって?.....寂しい男だな!お前は!!」
タスクはビームサーベルを降り下ろすが防御される。
「ほぉ、以前の貴様ではないようだな?.......!?、僕の!妃に何をした!?」
「アンジュとしたんだよ!最後まで!!」
「何だと!!?」
タスクの言葉にネロスは驚きを隠せなかった。
「触れて!キスして!抱きまくったんだ!三日三晩!!」
タスクはそう言い、ディストピア・フェイズを蹴り飛ばした。
「あり得ない!お前の下らぬホラ話で我が妃を愚弄するか!」
「真実さ!アンジュは俺の全てを受け止めてくれたんだ!柔らかくて、暖かい、彼女の一番深いところで!!」
「グッ!!」
そしてタスクがヒステリカに向かっていき、ビームライフルを構える。
「俺はもう!何も怖くない!!」
しかし、ディストピア・フェイズが回転し、タスクとナオミ、ジョアンヌを吹き飛ばす。
「何たる卑猥でハレンチな!」
するとディストピア・フェイズの頭部カメラがひかり、旋回砲塔をタスク達に向けた。
「許さんぞ!僕の凌辱するなど!お前の存在!全ての宇宙や次元から消し去る!!」
ビームライフルと旋回砲塔での迎撃が始まった。
そしてサラはゾロアスターの内部、旧アケノミハシラ最下層部に到着すると巨大な容器の中に白き大きな龍『アウラ』が眠っていた。
「アウラ!アウラなのですね!」
サラは焔龍號のバスターランチャーで容器を撃つが容器に次元障壁が張られており、ビームを吸収された。今度は天雷で次元障壁を斬りかかろうとした直前、上からピレスドロイドが襲来してきた。
「邪魔をするな!」
サラは焔龍號を動かし、ピレスドロイドの迎撃へ向かった。
一方、アンジュはゾロアスターの背部まで通過すると、思わぬ物を目の当たりにする。それは赤い目をした悪魔達がゾロアスターの頭部の装甲を剥がしていた。その中にレオスもいた。するとレオスから不気味な少女の笑い声が鳴り響く。
「っ!!」
「『ねぇ、ねぇ♪もっと遊んでよ~♪』」
レオスはそう言うと、ブレードビットでゾロアスターの頭部を突き刺す。しかし、ダイヤも負けてなく、頭部ごとアケノミハシラへぶつけた。
「マサト!」
アンジュが叫ぶと、ゾロアスターがアンジュに気付き、口内プラズマビーム砲を放とうとする。その時、マサトがバルバトスの大型メイスを投げ付けた。
「っ!!?」
ダイヤはレオスの方を振り向いた直後、レオスの膝蹴りがゾロアスターの右目に直撃した。
「まぁだぁぁっ!!!終わってねぇぇぇぇっ!!」
マサトが怒りの声を上げると共に、マサトの両目が十字架の瞳を持つ虹の目へと変わり、アレクトラの指輪が赤く光出す。するとレオスの損傷していた部分が自己再生し始めた。
「何っ!!?」
レオスは赤い目を光らせ、吼える。
『ガァァァァァァァァァァァッ!!!!』
レオスがゾロアスターを抑えつけると、ゾロアスターの口を開かせる。
「コイツ!何を!!?」
レオスがゾロアスターの口内プラズマビーム砲をもぎ取ろうとする。するとマサトが上空にいるアンジュに叫ぶ。
「行けぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
アンジュはマサトの思いを胸に、サラのいるアウラの所へ向かっていくのであった。