「おーい、そこに倒れてるノービス君。大丈夫?」
女の人が私に語りかけてきた声で、私は目を醒ました。
見上げると、そこには若い女の人の顔があった。
「私の名前はファラ。新しく冒険者になるノービスの人たちを、初心者修練所に案内
しているんだけどね。ちょっと、ここを離れてた間に君が倒れてたんだよ。大丈夫?」
私は彼女に大丈夫だと答えた。
「じゃあ、何でここで倒れていたのかな?」
私は素直に、わからないと伝えた。
「んーと、じゃぁあ、名前はわかるかな?目的は?」
名前は、すんなりと思い出す事ができた。かつての私のROでの1stキャラの名前を…。
だが、目的はわからない。どうして、ここにいるのかがわからないのである。しかし、何も
応えないのはまずいだろう。この場でふさわしいと思う回答を導き出した。
私は冒険者になるために、ここに来ました。
「ん~、正解。あの橋の先に初心者修練所があるから、そこで色々学んで立派な冒険者に
なってね。お姉さん期待しているから。」
私はお姉さんに見送られながら橋を渡っていく。その間に私はこんな事を考えていた。
あのファラさんの髪に服装、そして周りの風景などを鑑みるに、ここはMMORPGの
ラグナロクオンラインの世界ではないかということを…。
ラグナロクオンラインこと通称ROは、かなり有名なMMORPGだと思う。それだけに
想い入れのある人も多いのではないだろうか。かという私も長年プレイして楽しい思い出も
あれば、悲しい思い出なども様々な思い出がある。
私が引退したのは転生システムが実装された頃であろうか。なんで辞めたかは、はっきり
とは思い出せないがリアルでの生活の変化で自然とプレイしなくなったというのがそうだろう。
ちなみに開始当時は、コモド実装の時だったと記憶している。そんなことを考えていると
立派な城のような建物の前に着いた。そこに立て札のようなものがあったので読んでみる。
そこには記憶の通りのことが書いてあった。
「ここは、モンスターと戦う世界である。」
ゲームなどでは、テイマーなどといった職業がある。ちなみにROの世界でもキューペットというシステムがある。しかし、普通の人からしたらモンスターというのは恐怖の対象でしかないことが多いだろう。
モンスターとも仲良くできたらと思う人には、すごく不快な文ではあると思うが私は少し震えてしまった。
私がこの世界に来た理由はわからない。ROの知識は少しだがある。私はガチプレイヤーではなかったので、計算式などを使ってなどのことはできないが、世界観は好きである。なぜ、この世界に来たのかはわからないが、ここに来る前の知識もだいぶんあるようだ。
じゃぁ、なんで震えているかってことは…。ここで死んだら、私はどうなってしまうのだろう。