女神科高校の回帰生の見直しをする傍ら、リアフレにオリジナルを
書いてくれと頼まれましたので作ってみました。
本業は女神科なのでまぁ、こちらはオマケです。
では、長宮優奈の能力事情、始まります。
私の名前は長宮優奈。
特に何の変哲もないただの高校生。
誰だってそう言う。
--私はそれが嫌だった。
私は成績も平均点、順位も真ん中、評定はオール3。
--私はそれも嫌だった。
『だったら、何が君にとっていいことなんだい?』
--それすらも分からない。
...遠くでクラクションが聞こえる。
近くで交通事故になりそうな接近があったのだろう。
--だがそれは違った。
瞬間、私の細くか弱い肉体はトラックに撥ね飛ばされ、
アスファルトを転げ回った。
当然血は出る。全身が痛い。骨も折れたろう。
--あぁ、こうやって人々は死んでいくのか。
走馬灯が見える。
産まれた時からずっと、冴えない人生だった。
特に何か特段優れた事も、嬉しかったことも、
悲しかった事もない。
『けど、平坦なものこそ、一番辛いと思う。そんな辛い状況を、
何も感じずいられるのなら、君は僕より強い子だ。』
--強い、子...そうだ、彼だけは、彼だけは私の無に溢れた
人生にしっかり《存在》している...
「よ、ぞら...」
--私は、彼、月波 夜空の名を最後に口にした。
目覚めると白い世界がある。月に一回は見る夢の景色だ。
何故かこれを見ると、翌日必ず夜空に会う。彼は天才だ。
けど彼は言う。
『天才、か。僕は自分のことを天災だと思うよ。』
--天災。辞書をひくと、自然による予測可能回避不可能な災害の事だ。
現に、彼に関わると重い病気にかかったり、親族が亡くなったり、
はたまた家族が転勤や破産してしまうなど、相当な疫病神だ。
最も、特定の個人同士としての関わりに限った事のため、
業務連絡をする生徒や授業をする先生などには影響はない。
--そして、何故か私にも影響がない。
私は、彼のその疫病神っぷりに期待して、彼と会話してみた。
けど、彼は取り合わなかった。当然の反応だと思う。
だから私は言った。
「大丈夫だよ月波君、私には、何も起こらないから。」
事実、何も起こっていない。
--じゃあ、この事故は何だろう。
私は遂に彼の天災の力に巻き込まれたのだろうか。
いや、もう4ヶ月以上経ってる。流石にない。
『優奈。どうやら君は僕を救ってくれる福音の女神のようだ。』
--福音の女神。一体何なのだろう。
『君はどんな運命力も、能力も受けない超自然的状態を維持できる
唯一の人間。だから、誰かが仕組んだこの死の運命をも無効に
している。さぁ、目を開けて。』
--どういう、事だろう...
恐る恐る目を開ける。もう意識はあったようだから。
そこは知らない天井と見知った顔の一人の少年。
それに医師と看護師と、眼鏡をかけたスーツの女性。
『起きたかい優奈。』
「よ、ぞら...?」
全身の痛みが和らいでいく。薬のせいだろう。きっと。
『そうだよ、夜空だ。』
「夜空...一体どういうこと...」
頭の整理がつかない。何故夜空が見舞いに?家族はどこだろうか。
『ここはね、僕らの組織。運命力や能力を持つ者が、その力を悪用
しないようにする対策機関、《リバティー》。』
「《リバティー》...?」
『そう。君は...』
夜空はそこで初めて言葉に詰まった。
『あなたは、私達《リバティー》の希望、運命に抗える能力者。』
眼鏡の女性が言葉を繋ぐ。
「能力者...?」
『あぁ、そうだよ。僕も、君も...』
--やはり話が見えない...
「夜空...つまりどういうこと?」
『...君には、これから《リバティー》の一員として、
...僕たちと一緒に、戦って欲しい。』
--これが、何の変哲もないただの女子高生の物語の始まりとなる一言だった。
いかがでしたか?
女神科と違って、次回予告もリクエストも募集しませんので悪しからず。
感想、評価の方はウェルカムでございます。