長宮優奈の能力事情   作:Feldelt

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第12話 すれ違う物語

求めるということ。それは自己の脆弱さを享受し、それを他者に露呈させ、

自身とも共存を望むということ。

 

しかし、優奈に脆弱性などあるのだろうか。

いや、あるのだろう。僕が見つけることができないだけで。

 

--優奈のあの言葉は、僕を困惑させた。

  優奈の想いはわかる。僕だってそうなのかもしれないのだから。

  だからこそ余計に、困惑してしまう。

 

『優奈...離れてくれ...僕は君に求められる権利なんてない...

 だって...僕は人を不幸にしてしまう...不幸になっていく優奈なんて

 見たくはないよ...!』

 

「同じことを言わないで夜空...誰かを不幸にしてしまうのが夜空なら...

 その不幸は私が背負う...私にしか、背負わせないで...」

 

平行線というべきか。

僕と優奈の主張は全く変わることは無かった。

 

だからこそ、僕は優奈を振り払った。

 

「っ...」

 

振り払われた優奈は少しバランスを崩し、少し離れた。

 

『いいよ、優奈...僕の不幸は僕が背負うよ...そうでなきゃ...

 そうでなきゃ意味が無い...優奈、僕は君に《救済》を望んだ。

 犠牲じゃないんだよ、優奈...』

 

これで説得出来たとは思わないけど、それでも僕はそう言った。

大事な人を作ってしまうと、僕は全て失ってしまう。

 

だから、僕は...

 

--君を望みたくても、望めない...

 

そして僕はそれ以上何も言わずに、優奈の前から去った。

--優奈は追ってこなかった。

 

 

----------

 

 

夜空の答えは半分予想通りで傷つく事はなく、

半分予想外で私は傷ついた気がした。

 

それから数時間後、私は一人で《リバティー》の基地の屋上にいた。

夜風が私の髪を撫でて、毛先が私の頬を擽る。

 

「夜空...」

 

数時間前を思い出す。あの時の夜空の顔は、少し悲しそうな顔だった。

 

「あんな顔しないでよ...あんな顔されたら...何も言えないよ...」

 

屋上の柵に腕をのせ、その腕の中に突っ伏すように、顔をうめる。

ただ、涙は流れてこなかった。

 

そんな物思いにふけってる時、ヘリコプターが近くを通っていった。

いや、近づいてきたといったほうが正しい。

そしてそのヘリコプターは、あろうことか、この《リバティー》の基地上空で

ホバリングしていたのだ。

 

私は何のことだかさっぱりで、ヘリコプターから一人の人影が

降りてくるまで、茫然自失の状態にあった。

そしてその人影とは...

 

『やー、ながみやさん...久しぶり?いや、そうじゃないよね、数時間振りだね...

 調子はどう?私は上々だよ...?さぁ、私達と一緒に、来てもらうよ...?』

 

双葉 対...月波 真夜であった。




後書きコーナー。

この物語も実はそろそろ半分だったり...いや、まだ早いかな...
それではまた再来週に。
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