長宮優奈の能力事情   作:Feldelt

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第13話 離散の物語

『来てもらうよ、私たちの所に。《ゼヴィア》にね、ながみやさん。』

 

対は《ゼヴィア》のアサシン...そう夜空は言った。

自らの妹とも言った。

 

だから、私は対の心を...人格を元に戻せれば夜空も...

少なからず幸せを享受できるのかとも思う。

 

--戦えるだろうか、ただの女子高生である私が、

  不本意とはいえ戦闘訓練を受けている少女に。

 

だけど、これだけは言わなければ。

 

「嫌だよ、対ちゃん。私は《ゼヴィア》なんかに行く気はない。

 もう私は、夜空の、夜空達の仲間、《リバティー》の一員だから。」

『その仲間を消し飛ばしたのは君でしょ、ながみやさん。

 くろさぎのアホがくれとに報告してたし。君は災厄を振り撒くんだよ。

 よぞら君がそれを自分のせいにしてるだけで。』

 

「それは違う!」

『反発するんだ...じゃあ、フェイズ2、目標の強行奪取に入るよ。くれと。』

 

対が臨戦態勢になる。私はそれに気づく頃には対の回し蹴りが私に

直撃していた。気づけない一撃。

 

「うぐっ...がっ...」

 

無防備な私は屋上のフェンスに叩きつけられる。

 

『凍らせることも燃やすことも出来やしない...それは確かに強い能力...

 けどね、それは能力"そのもの"を無効にするだけ...この仮説が正しい

 とするならば、きっとこうなるよ。』

 

対の《氷結》の能力が私に向かって来る。

確かに私は寒さすら感じていない。

 

けど、私に直接触れていない空気には《氷結》の能力が作用する。

 

ところで、空気の大半は窒素であることは皆さんご存知だろう。

《氷結》の能力は、私を狙ったのではなく、窒素を液体化させるため

に放ったもの...そして、対のもうひとつの能力は...《炎熱》。

 

『死なない程度に...燃えちまいな...!』

 

「やばっ...!」

 

瞬間、液体窒素が爆発。

その炎は、私を巻き込んで...それd...

 

 

----------

 

 

その爆発音を聞き付けて屋上に来た時には遅かった。

一機のヘリコプターが既に遠ざかって行ったのだから。

 

《ゼヴィア》の連中が意味もなくここを爆破なんてしない。

その理由はなんだ...

 

そして僕は見つける。

黒焦げになっていない、足跡を。

 

『この足跡は...そしてあっちは凍っている...

 なんだ、何が起こって......まさか...真夜か...!?』

 

炎と氷、相反するその二つをこうも連携的に使えるのは

双葉 対しかいない。そしてこの足跡の語る意味は...

 

『連れ去られたというのか、優奈が...だとするなら...僕は...!』

 

守れなかった...また、失った...

きっと《ゼヴィア》の基地に着いたのなら...

 

考えるだけで悪寒がする。

月波白夜と月波夜弦...狂気と狂乱を求めるマッドサイエンティスト

にして僕の両親...彼らは間違いなく、優奈の精神を壊すだろう。

 

『僕は...どうすればいいんだ...』

 

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