Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
DMC側のキャラ、決め終わりました!
艦娘側もどの子を出すかは決まっていたので、あとは突っ走ります!
このブーツを履いた瞬間に、随分と久しぶりな感覚がダンテを襲った。
『選ばれしものは我が魂が力となるだろう。力なきものには我が魂が永遠の眠りをもたらすだろう。』
そんな声が突然頭の中に入り込んできたのだ。
ダンテが自身で立てた仮設の通りに、やはりこの艤装と呼ばれる代物は魔具の一種らしい。ブーツが海上を動き回るためのパーツで、背中に背負うものはそれに魔力を送り込むためのポンプのようなものらしい。魔力がない者にも使用できるようにするための代物である。その他の主砲や機銃とやらも、その魔力を原動力にして、自在に操作できるようになっているようだ。
先ほど、電が言っていた女性にしか適性がないという話は、おそらく出鱈目であろう。原理上、その気になれば、男性にも使えるはずだ。それを隠している理由はわからないが、これらの魔具は深海棲艦に対抗する手段としてはかなり有効なのだろう。魔具をこれだけ用意できていることに疑問と怪しさを感じるが、ダンテは今は深く考えないことにした。
「!…」
やはりというべきか、しばらくした後にその身体に激痛が走った。かつてマレット島にて、アラストルに心臓をささげたとき、そして、イフリートの業火に身体を包まれたときのように、身体中を痛みが駆け回っていた。
「…hmm。」
だが、ダンテはこの痛みに慣れてしまっているのか、全くと言っていいほど苦しんではいなかった。しかし、その魔力は確実に自身に流れ込んできているということを感じていた。この魔具によって自身は新しい力を手にできることも。
しばらくして、痛みは完全に収まり、ダンテは軽くため息をついた。
「ダ、ダンテさん?大丈夫なのですか?」
電は大変な事になるのではないかと、少し焦ったような表情を浮かべていた。それに反してダンテは軽く笑みを浮かべて、体に何か異常がないかを確かめていた。
「…艤装は、単純に女性だけが適応するわけではないのか?」
静かに提督は呟き、少し考え込むしぐさをする。電はそんな提督の方を不安げな面持ちで眺める。
と、そんな二人をよそに、ダンテが急に体を海に向ける。
その表情は、気分が最高に昂っているようで、まるで新しいおもちゃを与えられた子供の様に無邪気な笑顔であった。
「…Fooo!!」
ダンテは突然そう叫びながら海へと高く跳躍し、重力に身を任せる。普段ならばそのまま海に沈むが、今はこの艤装のおかげで海面に立つことができるため、うまく着地する。ダンテはそのまま強く海面を蹴る。だが、海面を走るのではなく、そのブーツがエンジンの役割を果たして、海面をスケートのように滑っていく。ダンテの送り込む魔力によって、艦娘たちのそれよりもさらに凶悪なスピードが出ていた。
「
ダンテはそう言って、海面を蹴って空へとジャンプする。まるでバレエのダンサーのように華麗に飛翔する。海面に足がつくと同時にまた海面を蹴り、そしてまた海面に足がつく。
「Ha-ha!!」
ダンテは最後にとびきり高く飛翔する。そして、その足の角度を変えて海面につき、そのままエンジンをふかして、フィギュアスケートのように激しいスピンをする。
「hoooooooo!!」
スピンのスピードが徐々に上がり、海面のうねりが大きくなる。飛沫があがり、その中心のダンテを彩る。そして、ダンテの周りを霧が覆い、その姿を隠す。
そして最後は綺麗に動きを止め、ホルスターからエボニーを取り出して、空へと撃ち上げる。その瞬間に、あたりの霧は完全に消え、ただの水となって海に落ちる。
「…
ダンテは小さく呟き、その感覚に酔いしれる。今までは潜ることしかできなかった海の上を、自由に駆け回ることができるその感覚に。
しばらくした後、満足そうな笑みを浮かべながら、ホルスターへとエボニーをしまう。
ダンテは海上を自由に駆け回り、敵を追い詰める新しいスタイル、『Sea Dancer』を会得した。
その様子を、固唾をのんで見守っていた武蔵たちは、驚愕していた。初めて艤装を装備した艦娘は、皆例外なくその艤装のスピードに耐えきれなかった。海に浮くというその感覚に慣れていないため、バランスを崩すことも多々あり、艤装本来のスピードを出せるようになるには、それなりの経験と時間が必要になる。
しかし、今のダンテはどうだろうか。初めて艤装を扱ったにもかかわらず、あのスピードで航行し、まるで踊り子のように海上を駆け回り、どの艦娘たちよりもはるかに艤装を使いこなして見せた。
武蔵は、少しばかり体感したその片鱗から、ダンテの強さを推し量れたつもりであった。だが、今の光景を見て確信した。ダンテは、自分の予測をはるかに上回る強さを秘めているということを。
「…今日は最高だ。もっと楽しませてくれるんだろう?」
ダンテはそう言って、武蔵たちの方を見る。その視線に、武蔵は身震いをする。それを、ダンテへの恐れではなく、ダンテと戦えることへの武者震いだと、頭の中で言い聞かせる。そして、ダンテに不敵な笑みを向けた。他のメンバーたちも、それぞれ戦闘時の真面目な表情に変わっていた。
「さぁ、始めようぜ?」
ダンテはそう言いながら、その両手を横に広げた。それを見た武蔵たちは、戦闘時と同じように身構え、戦闘の準備を行った。
潮風が、ダンテと武蔵たちの間に吹き込んだ。
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「ダンテさん…彼は、一体?」
提督は、そう呟きながら、何か考え込んでいる。電は、その様子をみて少したじろいだが、キュッと唇を噛み締めた。昨日の出来事を思い出していたからである。ダンテの人間とは思えないほどの身のこなしを見た提督に、それを言うべきかどうかを迷っていたのだ。
だが、ここで言わなければ、おそらく永遠に心の中にしまうことになるだろう。電は、その重い口を開いた。
「…昨日、ダンテさんと一緒に鎮守府の外に出た時なのです。目の前にいた人たちが、突然、化け物に変わったのです。」
「!…」
電はあまり明るいとは言えない表情で、自分が体験したことを赤裸々に話し始めていた。それを聞いた提督は、訝しげな表情を浮かべたが、電の表情を見て、何も言わずにその話を聞いていた。
「…その化け物たちを、ダンテさんは楽しそうな表情を浮かべて、どんどんと倒していったのです。まるで舞を踊っているのかと錯覚するほど華麗に…なのです。」
電の顔に、いやな汗が流れていた。提督は、息をのんでその話を聞く。
電の言っていることは、おそらくほとんどの一般的な人間が聞けば全く信用ならないであろう。まるで悪い夢でも見ていたんだと、笑うだろう。だが、これを聞いているのが提督だからこそ、共に幾多の死線をくぐり抜けてきたからこそ、電の言葉が真実であると確信できるのだ。
「…彼が、化け物を…?」
視線をダンテの方に移して、そう呟く。ダンテは武蔵たちの方に軽く手招きをしていた。おそらく、挑発をかましているのであろう。その様子を見た提督は、冷や汗交じりに笑顔を浮かべた。
「…その強さ、とくと見せてくれ。」
提督はそう呟き、じっと目を凝らしていた。これから始まるのは、ダンテに対して数で勝る艦娘たちの一方的な猛攻撃か、それともダンテが艦娘たちに対して恐るべき強さを証明し、完膚なきまでに叩きのめすのか。
その展開は、もはや誰も予測することができないであった。
ダンテは新スタイルを会得した!!
これから、艦これサイドにかなりDevil may cry寄りの独自設定を盛り込んでいきます。
次回、いよいよ演習です。