Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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あけましておめでとうございます!

新年1発目の更新行きます!


Mission3 〜 Silent Night 〜
対峙


艦娘との演習から2日、ダンテはまたも暇を持て余しており、自室のデスクに足を乗せながら椅子に座り、ピザを頬張っていた。

というのも、この近辺に深海棲艦の目立った動きはなく、戦闘らしい任務は全く入ってこなかったのだ。艦娘たちは訓練や演習、そして遠征の任務のみである。

 

「…huh。」

 

つまるところ、ダンテはこの2日間、鎮守府の中では全くやることがなかったのだ。訓練に参加しようとすると、全力で艦娘たちに止められ、遠征について行こうとすれば、流石にそれは申し訳ないと提督に止められ、他の鎮守府との演習に遊びに行こうとすれば、秘書艦の電に睨まれるという、三重苦であった。

しかし、それではダンテも暇なため、鎮守府を少し抜け出して街を散策してみた。すると、悪魔の気配を多く感じたのだ。それも海の向こうからではなく、地上で。攻撃してくることはなかったものの、かなりの視線を感じたのもまた事実である。

 

「…これだけ暇なら、ここにDevil May cryを開くってのもアリだな。」

 

ダンテはそう呟きながら、デスクの上の足を組み替える。提督の好意で、使わなくなったジュークボックスを部屋に置いており、そこからアップテンポのハードロックが流れている。

また一口、ダンテはピザを食べ進める。

 

「…それで、扉の向こうにはそのお客様第一号が来てるってことだな。」

 

そう呟いて、ドアを見る。正確には、ドアの向こう側の人物。

しばらく静寂が辺りを支配する。

 

「…ヘェ…気ガツイテタンダ。」

 

そんな、まるで無機質な声が聞こえたかと思えば、ドアが勢いよく吹き飛ばされた。飛ばされたドアはデスクにぶつかって止まる。

 

「Huh、随分と激しいノックだ。まだ店を開くかどうかも決まってないのによく来たな。」

 

ダンテはニヤケながら、そのドアを破壊した客人を見る。

全身は白い肌であり、黒い装束を身に纏っている。フードを深く被り、ちらりと見える口元はダンテを嘲笑うかのように歪んでいた。

 

「…新シイ敵影ヲ確認シタッテ聞イタカラ、ドンナ奴カト思エバ…」

 

声をあげながら顔を上げる来客を、ダンテはしっかりと見据えていた。何処と無く電たちと似ているようにも見えるその幼さが残る少女は、狂気を孕んだ笑顔を浮かべていた。

 

「…マサカ、外国ノ人間トハ思ワナカッタヨ…」

「そういうお前は、海から来たんだろう?」

 

ダンテは余裕の表情を崩さずに、その少女へと問いかける。少女はそんなダンテの言葉に、ニヤリとした笑みを浮かべる。

 

「…サアネ!!」

 

そんな力強い声が部屋に木霊したと同時に、その少女の背後から化け物の顔をした尻尾が現れる。

ダンテはその表情を少しだけ硬ばらせる。

 

「モウアンタハ死ヌンダカラ関係ナイッテコトサ!」

 

少女の尻尾は、ダンテの顔面に食らいつくために、その口を広げる。勢いよく、ダンテの目の前のデスクを破壊し、ダンテへと迫った。

それを見た瞬間、そばにあったリベリオンを手に取り、その化け物の口の中へとつっかえ棒のようにぶちこむ。

 

「!…」

「Ha-ha!こいつはすげぇな!尻尾の上や横だけじゃなくて、口の中にも大砲が入ってるのか?」

 

少女が突然の出来事に表情を固くしている中、ダンテはその化け物の口の中をまじまじと見ながら、ピザを頬張る。

少女は、しばらくして、またニヤリとした笑みを浮かべた。

 

「…ナルホド…タダノ人間ジャナイッテ訳ダ。」

「そいつは、お褒めに預かり光栄だな。」

 

ダンテはそう言いながら、その余裕な表情で少女に向き直る。それを見た少女は、少したじろいだ。ダンテの瞳から底知れない自身への殺気が出ているのを感じたからである。

 

「…で、どうするんだ?今からでもお誘いは受けるぜ?」

 

ダンテはそう言って、尻尾の口に入っていたリベリオンを取り出した。少女は、何も動かさずにダンテをじっと見る。

それは、ダンテから少女に向けての宣戦布告。

 

「…フフ…フフフ…」

 

数秒遅れて、少女はやっと元通りに口を歪ませる。そして、尻尾を引っ込めながら、軽く息を吐く。

 

「…ヤメテオクヨ。ココジャナクテ、海上ノ方ガ良イカラネ。」

「…huh、そうかよ。退屈しのぎになるかと思ったんだがな。」

 

少女がそう言うと、ダンテは残念そうにリベリオンを元あった場所に立てかける。そして、少女の方に顔だけ向ける。

 

「じゃあ、今度は海の上でパーティーってことだな。」

 

その表情は、その時を楽しみにしている、と言いたいかのように、やけに軽い笑顔であった。少女は心の中で恐怖に似た感情を持ったが、それでも表情を一切崩すことなくダンテを見る。

 

「…ソウダネ。コッチモ楽シミダヨ。」

 

少女はそう言って、身体を翻して部屋を出ていく。ダンテはそれをただ黙って見送るのであった。

やがて、その少女の足音が完全に聞こえなくなった。

 

「…さて、どうするかな。」

 

ダンテは両手を腰に当てながら、軽くため息をつく。破壊されたドア、そしてデスクの件を、提督達にどう説明しようか困っていたのであった。

 

「…huh、直してから行ってもらえば良かったな。」

 

ダンテはそう呟いて、落ちていたピザの箱を拾いあげて、また中身を口に運ぶのであった。

 

 

 

_______________________________

 

 

 

 

「な、なんですって!?」

「く、黒いフードを被った…って!?」

 

夜が明けて、ダンテが部屋の件を提督と電に報告すると、2人に驚愕の表情を向けられていた。

ダンテはソファにドカッと座りながら、2人に顔だけを向けていた。

 

「どうした?そんなにまずいのか?」

「そ、それは深海棲艦の中でもトップクラスの強さを誇る、戦艦レ級と呼ばれる深海棲艦なのです!」

 

ダンテの言葉に、電は少し強い口調でそう返す。提督は、デスクから参考資料を引っ張り出して、それをダンテのテーブルに広げた。

 

「これが、戦艦レ級の資料です。」

 

ダンテは、目の前に広げられたその資料を手に取り、中を確認する。そこには、数回の戦闘から取られた様々なデータが事細かに記載されており、その桁違いの強さと凄まじい性能を示していた。

 

「何度か、作戦海域にて確認されており、多くの艦娘達がその餌食になりました。うちの艦娘達も、その海域に赴いた何人かが酷い傷を負って戻ってきました。」

 

提督は少し悔しそうな表情を浮かべながら、ただ俯いていた。ダンテは、昨日の少女、戦艦レ級のことを思い出していた。

彼女から溢れ出ていた闘志は、かなりの実力を持っているだろうとは思っていたが、やはり本当に強いらしい。

そして、あの目。前に、悪魔に取り憑かれた人間を見たことがある。その目にとても似ている。感情と理性を失い、悪魔に支配された時の…

 

「…面白いじゃねえか。」

 

ダンテはそう呟いて、不敵な笑みを浮かべた。それを聞いた電は、あまりにも楽観的なダンテの言葉に少し顔をしかめた。

 

「面白くないのです!ダンテさんがいくら強いとはいえ、戦艦レ級と戦うなんて無茶なのです!」

 

電がそう言うと、ダンテは両手を軽くあげて、軽く笑い声をあげる。

 

「最近暇なんだ、これぐらいの楽しみがないとな。」

「楽しみって…はぁ…もういいのです。」

 

ダンテの言葉に押されてしまった電は、呆れた表情でそう呟いた。ダンテは軽く資料に目を通して、そのまま立ち上がる。

しかし、それほどの強敵に、いつものリベリオンとエボニー&アイボリーで挑むのはあまりにも面白みがない。

どうせなら、()()らしい戦い方でやり合うのがいい。

 

「イナズマ。あのいつも手に持ってた大砲はどこにある?」

 

ダンテは電の方を向きながらそう告げる。電は少し戸惑った表情を浮かべていた。提督はそれを聞いて、微笑みを浮かべた。

 

「もしかして、使いたいんですか?」

「huh、まあそういうことだ。」

 

ダンテは軽く楽しそうな笑みを浮かべてそう告げる。提督はそれに答えるように電に向き直る。

 

「電、単装砲を貸してあげてくれ。二つほどね。」

「はぁ…了解なのです。」

 

電も軽く諦めたような表情でそう告げて、執務室を出て行く。ダンテは満足そうな笑みを浮かべながら、電の後を追う。提督はそんな2人を、ただ見送る。

普通ならば、戦艦レ級と戦うことなど危険だと止めるだろう。仮に艦種が駆逐艦であろうと、戦艦であろうとである。しかし、ダンテには何も言わない。

彼には、そんな言葉は必要ないように思えたからである。

 

「…彼なら、戦艦レ級ですら軽々と倒せてしまえるんだろう。」

 

提督はそう呟いて、ただ窓の外を見るのであった。

朝日が外から執務室を照らしていた。

 

 






というわけで、戦艦レ級との対峙です。

数々の提督の心を折ってきた敵も、ダンテにかかれば多分楽勝なんだろうなぁ…


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