Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
ダンテに単装砲を2つ持たせて、エホアボみたいに使わせたら、レインストームの威力が倍増しそう。
「これがその単装砲ってやつか。」
鎮守府の正面海域、海の上に立つダンテは両手に1本ずつ14cm単装砲を持ち、軽く振って見る。それを見た電は、少しため息をつきながら使い方を説明する。
「これは本来、巡洋艦の主砲に使われるのです。手にはめれば、自在に弾丸を打ち出すことができるのです。普通は弾薬を使用するのですが…」
「Ha-ha!こいつは良いな!」
ダンテはそう叫び、はるか遠くに見える水平線に向けて片側10発ずつ弾丸を打つ。音速を超える弾丸が直線を描き、やがて重力に引かれて海面へと着水する。
「結構飛んだな。」
「…やっぱり、ダンテさんには関係なさそうなのです。」
電は、どういうメカニズムで弾丸を装填しているのかはわからないものの、ダンテの力で弾薬が無限になっていることを理解してそう呟く。
ダンテは単装砲を渡された際に、早速文字通りに『魔改造』を施し、ものの数分で自分好みに改修し終えていた。
「…Ha!」
ダンテは一気に足へと力を入れ、そのまま加速していく。電はそれを見て少し戸惑い、ダンテを止めることができなかった。
「Foooooo!!!」
ダンテはスピードが最高潮に達したと同時に、その場から高くジャンプする。そして、体を捻るように動かし、身体の上下を逆転させる。
そして頭が水面に向いた瞬間、ダンテは回転しながら真下へとその両手の砲塔を向け、何度も引き金を引く。
その砲弾は、まるで雨のように降り注ぐ。
「なんて規格外の技なのですか…」
電は少し呆れながらそう呟く。ダンテはそのまま重力に身を任せると、すぐに体制を立て直して海面へと着水する。そして、楽しそうな笑みを浮かべて、電の方へと戻っていく。
「…huh、こいつは使いやすいな。」
「艦娘でなければ使えないのが普通なのです。」
もはや使えるのが当たり前のように振る舞うダンテに、電はため息をつきながらそう返す。もっとも、艦娘よりも使いこなしていると言われてしまえば、何も反論できないのだが。
「…とりあえず、使い方は分かった。」
「では、索敵が終わるまで待機なのです。深海棲艦が来るかどうかわからないのですから。」
電はそういうと、身体を翻し鎮守府の方へと向かう。ダンテは少し楽しそうな笑顔を浮かべながら、その後ろについていく。
それを遠くから見ている影が2つ。
「…アレガソウナノ?」
白い髪のツインテールの少女が、少し馬鹿にしたように笑いながらそう告げる。その隣にいるのは、戦艦レ級と呼ばれた深海棲艦である。
戦艦レ級はため息をついてその少女の方を見る。
「…舐メテカカルト痛イ目ヲ見ルゾ。」
「ソウハ言ッテモ、艦娘デモ無イ奴ニ負ケル訳無イデショウ?ヒ弱ソウダシ。」
レ級の言葉をそんな軽い言葉で聞き流すこの少女は、大本営からは南方棲鬼と呼ばれている。深海棲艦の中でも危険度が高く、多くの艦娘達を沈めてきた。
しかし、それほどの実力者である彼女の自信満々な顔を見て、レ級は呆れたような表情を浮かべる。
「…ヒ弱…ネェ…」
「マア、ソコソコ戦エソウダシ、鎮守府ニ攻メテミテモ面白イ…ワネ。」
南方棲鬼は、不敵に笑いながらそう呟く。レ級はただ、ダンテの方を見るだけであった。
「…スグニ戻ッテ、攻撃ノ準備ヲシナイトネ。」
「…ソウカ。」
南方棲鬼はそう言って、身体を翻してそのまま海の方へと戻っていく。レ級はそれを見送って、またダンテへと視線を移す。
赤いコートをなびかせて海を行くその姿は、まるで自分たち深海棲艦の纏うようなオーラを出しているように見える。
と、ダンテが突然立ち止まる。レ級は少し怪訝そうな表情を浮かべる。ダンテはくるりと身を翻し、レ級の方を見る。
「!…」
レ級は全身に悪寒が走るのを感じた。これだけ離れた距離にも関わらず、ダンテはこちらの存在を知覚しているのだ。
ダンテはただ小さく笑みを浮かべながら、まるで執事がするような丁寧な礼をした。レ級は息を飲んでただそれを見ていた。
しばらくして、身体を起こしたダンテは、再び電の後についていく。
レ級の強張った体が、少しずつほぐれて言った。
「…アレガ艦娘ヨリモ弱イ訳ガナイダロウ。」
レ級はため息をついてそう呟き、身体を翻した。
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通信室の中、大淀がヘッドセットをつけて通信機の前でじっと構えている。
そこへ武蔵が入っていく。
「どうなんだ?」
「未だ動きなし、とのことです。」
索敵班からの報告を受けた大淀は、武蔵にそう告げる。今現在、索敵を行なっているのは、艦上偵察機『彩雲』を装備している赤城と加賀、零式水上偵察機を装備した利根、筑摩が担当している。
「鎮守府に攻め込んでくるなど、あり得るものだろうか。」
「深海棲艦の行動原理は、未だ解明されていない部分が多いですからね。」
武蔵の疑問に、大淀は少し困り顔でそう答える。今までの深海棲艦の行動パターンから見て、鎮守府に攻め込んでくる場合は、少数ではなく大規模な艦隊を編成して攻撃してくる場合が多い。ダンテの元へ戦艦レ級が単独で来たことですら異常事態なのである。
「とにかく、戦艦レ級が来る可能性は多いにあります。索敵はこのままお願いします。」
『…その必要はなさそうだけれど。』
と、大淀の言葉に反応するかのように、加賀の声が通信機に木霊する。
それを聞いた大淀は、ヘッドセットの声に集中した。
「敵ですか?」
『ええ…それも、かなりの数。軽く40隻を超えてるわね。』
「!…そんなにですか!?」
加賀の報告を聞き、戦慄を覚える。鎮守府近くの海域にて確認される深海棲艦の数の総量を、軽く超えているのだ。それほどの深海棲艦が、鎮守府を1つ潰そうと近づいて来ている。
そこへ、緊急の通信が入る。
『こちら利根じゃ!敵影の中に、南方棲鬼を確認したぞ!!』
「!?…なんですって!?」
大淀は、新たな事実に思わず声を張り上げてしまった。武蔵が少し緊張した面持ちでその声を聞き届ける。南方棲鬼が艦隊を率いて、今から鎮守府を破壊するためにやってくる。その事実は、かなり危険な事態であることを示していた。
『このままでは、こちらも危険ですね。1度退いて、提督の指示を仰ぎたいです。』
赤城のそんな声が、通信機から響く。大淀は少し言葉につまりつつ、偵察隊をこのまま留まらせるのは危険と判断し、大淀は息をのむ。
「…分かりました。すぐに戻って来てください。」
『はい。』
赤城がそう返事をすると、すぐに通信が切れた。大淀は不安げな面持ちを浮かべながら、頭をかかえる。
武蔵はしばらく黙ってその様子を見ていた。
「…あまり、状況は良くないようだな。」
「…ええ。提督に報告して来ます。」
大淀はそう言って、執務室へと向かう。武蔵はそれを黙って見送る。
恐らく、厳しい戦いになるだろう。鎮守府を守るために、全戦力を投入することになることは明らかである。
自分と、大和も。
「…これは私も覚悟を決めなければならないようだな。」
武蔵は、右手に力を込めて、強く握った。
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「…そうか…敵はそれほど…」
大淀から現状を聞いた提督は、少し歯噛みをした。今までにこれほどの量の敵と戦闘したことは、ほとんどない。大規模作戦の場合は、他の鎮守府も参加しており、それぞれが倒さなければならない敵のノルマがあるため、相対する敵は少なかった。
だが、今は単独で奴らと戦わなければならない。
「…第1から第3艦隊まで、全員配置に付かせてくれ。あと、ダンテさんにもお願いしなければ。」
「…了解しました。」
大淀は、不安げな自身の心境を悟られないように、いつもと変わらない面持ちでそう返し、そのまま通信室へと戻っていく。
「…これはかなり大きな戦闘になりそうだな。」
提督はそう呟き、ただ椅子に座りなおすのであった。
日は高く登り、真上から地上を照らし始めた。
と、いうわけでダンテに無双してもらう下準備は整いました。
スタイリッシュポイントを貯めるだけの簡単なお仕事です。