Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
ダンテにかかれば、深海棲艦など一瞬…なので、ここで一旦作戦会議です。
あと、独自設定また出ます。
「索敵の範囲で確認が取れた敵の艦種は、駆逐イ級、ロ級、ハ級が8隻ずつ。軽巡洋艦ホ級が8隻。重巡洋艦リ級が5隻と戦艦ル級が3隻。軽空母ヌ級が4隻。そして、南方棲鬼が1隻です。」
作戦司令室に、この鎮守府の艦娘全員が集められていた。今回の深海棲艦の侵攻に対して、それぞれがどの艦隊に配置されるかを確認するためである。
大淀が指し示す画像データは、鎮守府周りの地図を示していた。
「今現在、敵艦隊は真っ直ぐこの鎮守府を目指して航行中です。恐らく、あと1時間で射程圏内に入ります。そこで、敵を3方向から囲む形で迎撃します。」
大淀はそう言いながら、今現在敵がいるポイントを指し示し、第1から第3の艦隊の磁石をその地点を包み込むように配置する。それを見た艦娘達は、思い思いの感想を述べる。
「…大規模戦闘か…」
「…これはかなり危険な作戦になるかもしれないな…」
「…ハラショー。」
ざわついた声が上がる中、大淀が静かに目の前の書類に目を落とす。そこには、提督が指示した今日の艦隊編成について書かれていた。
皆を嗜めるように、大淀は少し大きめな咳払いをする。
「第1艦隊には大和さんを旗艦とし、武蔵さん、赤城さん、加賀さん、電さん、雷さん。第2艦隊は旗艦に鈴谷さん。熊野さん、大井さん、北上さん、朧さん、漣さんが配属になります。第3艦隊の旗艦を長門さんにお願いし、陸奥さん、翔鶴さん、瑞鶴さん、暁さん、響さん。以上です。」
呼ばれた艦娘達が、それを聞いて敬礼をする。それを見た大淀は、一度だけ首をコクリと頷かせ、また書類の方へと目を向ける。
「…なお、他の艦娘は戦闘配備で待機をお願いします。」
「はい!1つ質問です!」
と、大淀の言葉の後に漣が元気よくそんな声を上げる。それを聞いた全員が、そちらの方を見る。そこには、手を挙げた漣が立っていた。
「どうされました?」
「第4艦隊はどうするんですか?いつもは後方支援とかの担当ですよね?」
この鎮守府は普段の大規模作戦では、後方支援艦隊として援護攻撃を行う艦隊として、第4艦隊を利用している。
しかし、今回は提督から指示が来ているのだ。その指示にイマイチ納得がいかないので、大淀はため息をつく。
「…第4艦隊は…ダンテさんが任につきます。」
「えぇ~!?」
大淀の言葉に、全員のそんな声がこだまする。ダンテの起用に対しての驚きや不満、自分が抜擢されなかったことへの焦燥の声が上がる。分かりきっていた反応だとでも言うかのように、大淀は少しため息をつく。
「ってことは、ダンテが単艦で後方支援ってこと!?」
鈴谷がそう言いながら、不安そうな表情を浮かべていた。どうやら、ダンテの心配をしているらしい。それを聞いた大淀は、納得がいかないような表情を浮かべていた。
「そうなります。提督はそれで構わないと。」
「ありえないっしょ!いくらダンテが強くてもそれは…」
「これは命令です。」
大淀のその『命令』と言う単語に、鈴谷は言葉を詰まらせる。どんなに艦娘に優しい提督でも、命令という単語を一度使えば、自分達は逆らうことができない。それは、良くも悪くも軍人としての自覚があるからである。
「ダンテさんには、承認を得ました。なぜ前線ではないのか聞いているぐらいです。」
「やる気満々ってことなのですか…」
電はそう呟きながら、軽く頭を抱える。ダンテの強さの真実を唯一知っている電は、ダンテが後方支援に徹してくれるとは思っていなかった。何かしら一悶着が起きるということを予測していたのだ。
鈴谷は、何か言いたげであったが、何も言わずに俯く。
「…とにかく、作戦開始まで各々で準備をお願いします。」
その大淀の言葉と同時に、全員返事をして解散する。かつて、この鎮守府では経験したことのないほどに大きな戦闘が始まろうとしている。
ピリピリとした緊張感が流れた。
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「…」
艦娘達が作戦会議を行なっている間、やることがなかったダンテは異様なほどに静かな工廠に1人で佇んでいた。何かの存在を、待っているかのように。
「…Hey、俺と遊ぼうぜ?」
ダンテはそう言うと、その場にあった適当な資材用のドラム缶の上に座る。
工廠には誰の姿もなく、ただ声が反響するだけで何も起こらない…はずであった。
「…まさか、
そんな声がしたと同時に、機械の中から1人の手のひらサイズの生物が出てくる。それは、電と共に鎮守府内を巡った時、名前だけ登場した生物、妖精であった。ダンテはそれを楽しそうな微笑みを浮かべて手招きをする。
「やっぱり、お前ら妖精ってのは悪魔だったってことか。」
「流石、と言うべきかな。もっとも、いつかはバレるとは思っていたけどね。」
妖精はそう言いながら、ダンテの元へ瞬間的に移動する。それを見たダンテはHa-ha!と笑いながら、その妖精を手のひらへと乗せる。
「それで、何故話しかけてきたんだい?
「ダンテでいい。今聞きたいのは1つだけだ。何故悪魔が人間に協力している?」
ダンテは、そう言いながらその表情を真面目なものに変えた。妖精は、ダンテが本気でそう尋ねていることを悟り、しっかりとその心に応えなければいけないことを理解していた。
「…僕たち、妖精と呼ばれている悪魔は、魔界ではかなりの低級悪魔だ。当然、力も大したものじゃない。」
「だろうな、あまりにも力が弱すぎて、手を出す気になれなかったぐらいだ。」
ダンテはそう言って、軽く笑う。戦うための力はそんなに強く感じられないのだ。妖精は、そのまま話を続ける。
「スパーダがかつて魔帝ムンドゥスを裏切り、人間界を護った時、穴はほとんど塞がれて、僕たちはみんな人間界に取り残された。まあ、悪く言えば故郷に帰れなくなったということだった。」
「よくいえば、もう誰にも虐げられる必要はない、という訳だな。」
妖精の言葉に続けて、ダンテはそう続ける。魔界では力が全てと考えられており、目が合えば戦い始め、どちらかが勝つまで戦い続けることも多い。だからこそ、低級で力がない悪魔は魔界のヒエラルキーの最下層に位置する。
そんな悪魔は、他の悪魔から見下され続けるのだ。
「とはいえ、人間界では悪魔の姿でいることは危険だった。そうなれば、結局人間界にいるスパーダに討伐されることは明白だったからだ。」
妖精はそう言って、過去のことを思い出しているかのような表情を浮かべていた。
ダンテは軽く笑いながら、妖精の方を見る。
「それで、そんなに小さくなったってわけか?」
「…この姿で、人間達に近づき、影で協力を続けてきた。そうすれば、人間は僕たちを敵だと思うことはない。人間を愛したスパーダをも欺けると思ったんだ。」
妖精はそう言いながら、軽く天井を見上げる。それは、今までの行いを懐かしむような表情であった。ダンテは軽くhuh、と笑うのであった。
「それが続いて、今はこうして艤装や装備を製造したり、それに乗り込んだりして、あの深海棲艦と戦っているんだ。みんなと一緒に。」
妖精はそう言って、ダンテの方を見る。それを聞いたダンテは満足そうな笑みを浮かべていた。
「…そうかい。そりゃ、また力がないのに大変なことだな。」
ダンテはそう言って、妖精を手のひらから降ろすために、ドラム缶の上部につける。妖精は少し驚いたような表情を浮かべて、ダンテを見る。
「…僕たちを殺さないのかい?」
「Ha-ha、手を出す気になれなかったって言ったろ?結局、お前らも人間が好きらしいしな。」
ダンテの言葉に、妖精はハッとした表情を浮かべていた。よくよく考えれば、ただ生き抜くためであれば、そのまま静かに平穏に暮らしていればよかったのだ。人間と出会わないほどの僻地で、ただ静かに生きていれば。
それをできずに人間に協力し続けたのは、それはスパーダと同様に人間を愛してしまっていた、ということだったのかもしれない。
妖精はダンテの手から降り、ドラム缶に乗り移る。
「…そうか。そういうことなのかもしれないね。」
「今日はよろしく頼むぜ。お前らはお前らの仕事をこなしてくれるだけで良い。あとは俺がなんとかするさ。」
ダンテはそう言って、工廠を離れていく。妖精はその後ろ姿を見送る。と、ダンテの足がピタリと止まる。
「そうだ、あの艤装とかいうやつのことなんだが。」
ダンテは突然そう言いながら、妖精の方へと振り返った。妖精はそのままダンテを見続ける。ダンテが次に何をいうのか、考えながら。
「…あれから流れてる魔力、人間に影響が無いはずはないな?」
ダンテの顔から笑顔が消え、再び真面目な表情を浮かべていた。妖精は無表情のまま、ダンテの問いに応えようと口を開く。
「…あぁ、そうだね。」
「そうかい。今度、詳しく聞くからな。」
ダンテは、それだけ告げると、海の方へと歩いて行ってしまった。妖精は、その言葉の意味を吟味しながら目を閉じた。
人間が魔力を浴びれば、確実に影響が出る。それは、艦娘においてもそうだとダンテは言いたいのだ。それが現れない彼女達艦娘は、何者なのかと言いたいのだ。
「…たった数日でそこまで辿り着くのか、ダンテ。」
妖精はただそう呟き、姿を消すのであった。
艤装は魔具(独自設定)
妖精さんは悪魔(独自設定)
まだもう少し独自設定出てきます。お付き合い下さい!