Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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提督業と兼業で、戦国武将で天下統一目指してたら書くのが遅れました…
申し訳ありません!

ダンテに戦わせるの、楽しいけど難しい…


脅威

「キリがない…っての!!」

 

鈴谷は少し苛立ちながら、敵艦に主砲を向ける。

主砲を敵に向けて放つ。その砲弾は真っ直ぐ敵艦へと向かい、爆煙があがる。しかし、その穴を埋めるように敵の艦艇がまた接近してくる。

この繰り返しを延々と続けられ、第2艦隊のメンバーの気力は消耗していた。

 

「鈴谷!大丈夫ですの!?」

 

そう言いながら、熊野が鈴谷の元へと寄りつつ敵艦へと砲撃をする。熊野の表情にも、焦りが見え始めていた。

そんな熊野に不安を感じさせないように、鈴谷は不敵な笑みを浮かべてみせた。

 

「とにかく、包囲網を崩さないようにしないと!」

「ソレヲ気ニシナガラ、コッチノ対応ハ出来ルノカシラ?」

 

と、そんな風に遠方から声が響く。まるで感情が死んでいるかのような声。しかし、その無機質の中に、ほんの少しの哀しみが含まれたような声。

鈴谷と熊野はその声がする方を見る。そこには、海上に佇む、南方棲鬼の姿があった。

鈴谷は南方棲鬼へと急いで主砲を向ける。

 

「下がって!熊野!!」

 

鈴谷はそう叫びながら、その主砲を放つ。砲弾は南方棲鬼の元へと一直線に向かって行く。

しかし、その弾丸は南方棲鬼の右頬を軽くかすめるだけであった。頰から一筋の赤い血液が流れ出る。

 

「惜シカッタワネェ…今度ハコッチカラ行クワヨ。」

 

そう言った南方棲鬼の両腕の砲塔は、鈴谷へと向けられていた。他の敵艦も鈴谷にその砲塔を向ける。

それを見た熊野は落ち着いた表情で鈴谷と並び、主砲を南方棲鬼に向けた。

 

「…もう鈴谷と離れ離れになるのは嫌ですわ。ここで逃げるくらいなら、最期まで隣で戦い通します。」

「!…あっちゃー、そりゃ殺し文句だ。」

 

それは、かつての艦の記憶。その記憶が、彼女達艦娘の強さの源になっている。鈴谷は少しニヤリとした笑みを浮かべ、南方棲鬼と相対する。

 

「撃テ!!」

 

南方棲鬼のそんな声が辺りに木霊し、敵艦隊はその砲撃を開始する。鈴谷と熊野は、それと同時に主砲を放った。

その弾道は、直線で両者を結ぶかのように飛んでいく。

そして、その弾丸達が交わった瞬間。

鈴谷の目の前に、赤が広がった。

 

ドライブ(Drive)!!」

 

そんな声と共に衝撃波が飛び、双方の弾丸を全て爆散させた。

 

「!?…」

『!!…』

 

鈴谷と熊野はおろか、南方棲鬼も驚きの表情を浮かべていた。今目の前で、何が起きたのかを理解できなかったからである。

だが、鈴谷はそんな中確信していた。理解できないことを平気でやってのける人物が1人だけ思い当たるからである。

 

「Hey、パーティーはまだ終わってねえよな?」

 

そう言いながら、鈴谷の方へとゆっくりと振り返る赤いコート。それを見た南方棲鬼はニヤリとした笑顔を浮かべる。

鈴谷はその表情を安心したような笑顔に変えた。

 

「ダンテ!!」

「来タワネ…!」

 

ダンテは軽く笑いながらリベリオンをしまい、南方棲鬼の方を見る。その目には、曲がらない闘志と信念があった。

 

「ちょ、ちょっと!後方支援はどうされたのです!?」

「交代だ。俺はこっちの方が良い。」

 

ダンテは熊野にそう返し、その両手に単装砲を構える。熊野はその言葉に、呆れたような笑みを浮かべる。

 

「代わりに…それじゃあ、ここの包囲網の方は任せてよろしいんですわね?」

「そのつもりで来たのさ。」

 

ダンテはそう言って、右手の単装砲を真横に向けて放つ。その先には、包囲網を抜けようと鎮守府へ加速する駆逐艦の姿があった。

真横から砲撃を受けた駆逐艦は轟音をあげて、沈んでいく。

 

「…後ろは頼むぜ。」

 

ダンテはそう言いながら両手の単装砲をホルスターへとぶら下げ、鋭い視線を南方棲鬼に向けた。それを聞いた鈴谷と熊野は、少し考え込む。

 

「…分かった、ここはダンテに任せたよ!!」

 

と、鈴谷が叫び、ダンテから離れるように第2艦隊への指示を出し、後方へと向かう。

南方棲鬼は、ダンテのその目を見据える。余裕そうな表情を浮かべて自分に相対するその姿に、素直に魅入っていた。

 

「…イラッシャイ…歓迎スルワネ。」

 

南方棲鬼はそう言いながら、笑みを浮かべる。それに対して、ダンテはその表情を申し訳なさそうな笑顔に変える。

 

「そりゃ、ありがたいな。俺がひ弱なのが残念だろ?」

 

それを聞いた南方棲鬼は、少しその表情を硬くする。あの時、自分たちの言葉が聞こえるほど接近したつもりはない。

その言葉を知っているということは、自分達の存在も知覚していた、ということになる。

危険な相手だ、と脳内で一瞬の不安がよぎる。それをすぐに頭から消し、ダンテに相対する。

 

「…盗ミ聞キナンテ悪趣味ネ。」

「あんなに大声で話してたらな。で…」

 

ダンテは南方棲鬼の言葉を聞いて、huh、と笑いながらその両手を広げる。

 

「…いつ始まるんだ?」

 

ダンテの言葉に、南方棲鬼はその表情をニヤリとした笑顔に変える。

 

「…今カラヨ!!」

 

南方棲鬼はそう叫び、主砲をダンテへと向けて放つ。それを皮切りに他の艦艇もダンテへと集中砲火を浴びせる。

それを見たと同時に、ダンテは海面を蹴って一気に加速し、敵の艦隊目掛けて単装砲を構える。

 

「Ha-ha!!Foooo!!!」

 

ダンテは高らかな笑い声を上げつつ、その大量の砲弾目掛けて、自身の単装砲を乱射する。ダンテの砲弾と南方棲鬼達の砲弾がぶつかり合い、空には大きな爆煙が起きる。

 

「!…」

 

南方棲鬼は、その事態を目の当たりにして、自身の目を疑った。ダンテは、自分の頭上に迫る砲弾を、全て撃ち落としたのだ。

それは、音速を超える砲弾を、全て認識していなければ出来ない芸当である。

 

「Hey、盛り上がってきたな。」

 

と、そんな声が頭上から響く。南方棲鬼はそれが聞こえた瞬間、身体中に鳥肌が立つのを感じていた。

その場を離れるために、バックステップのようにして後方へ下がる。

そして、ほんの1秒前まで南方棲鬼がいた場所に、ダンテが降り立った。

 

「…アリエナイ…!」

 

戦慄したような表情を浮かべ、南方棲鬼は小さい声でそう呟く。どうやったのかは分からないが、あの距離を一瞬で詰めてきたのだ。只者ではないということが分かった。

ダンテは軽くhuh、と笑い楽しそうな笑顔を浮かべる。

そこへ、戦艦ル級はスピードを上げて接近して行く。

 

「ゴ無事デスカ!?」

「…無事ヨ。今ハネ…」

 

南方棲鬼はそう言いながら、ダンテの方を睨みつける。余裕綽々な雰囲気を醸し出すダンテは、南方棲鬼のそんな表情にもニヤリとした不敵な笑みを返す。

 

「食事もワインも無いパーティーなんだ、踊ろうぜ。」

 

そんなダンテの言葉を聞いて、南方棲鬼は自身の顔が引きつっているのを感じとった。

それは即ち、ダンテから自身へ向けた明確な攻撃意思。

 

「…全艦隊、撤退準備。ココハ私ガ食イ止メル。」

「ハッ!?シカシ、ソレデハ艦娘達ニ追撃サレ____」

 

そう言った戦艦ル級は、その続きの言葉を紡ごうとした瞬間、腹部に強烈な痛みが走るのを感じ取った。

 

「!?…」

 

南方棲鬼は、それを見た。

戦艦ル級の腹部に、砲弾が着弾した跡を。

戦艦ル級は、痛みに悶えるような声にならない声を上げ、片膝をつく。

 

「…ベイビー、ぼうっと立ってるだけじゃ俺は満足しないぜ?」

 

そう言ったダンテの右手の単装砲から、硝煙が上がっているのを見た南方棲鬼は、心の中にフツフツと湧き上がる何かを感じていた。

 

「…下ガリナサイ。」

「!…ッ…シ…シカシ…!?」

 

戦艦ル級はそう返そうとしたものの、南方棲鬼の表情を見てその言葉を紡ぐのをやめた。

それは、明らかに覚悟を決めた目であった。

 

「…分カリ…マシタ…」

 

戦艦ル級はそう呟き、後方へと下がって行く。南方棲鬼はただダンテを見据える。その目には、敵意ではなく、闘志が宿っていた。

 

「huh、てっきり囲まれると思ったが、なかなかガッツあるじゃねえか。」

「…正直、舐メテイタワ。デモ…」

 

南方棲鬼はそう言って両手の主砲を構える。

それを見たダンテは、軽く笑う。

 

「…意地デモ戦ッテミタクナッタワ。」

「…そうかい(All right)、行こうぜ。」

 

そう呟くと、ダンテは早速南方棲鬼に向けて単装砲を連射する。1秒につき、6発程度の速度で射出された砲弾は、真っ直ぐ南方棲鬼に向かって行く。

しかし、南方棲鬼もただ突っ立っている訳ではない。

 

「フッ…!!」

 

その音速に引けを取らないスピードで、南方棲鬼は動き始める。

ダンテの射撃が正確であるからこそ、一定のスピードを出し続けて逃げ回れば避けきることができる。

しかし、それではジリ貧になるのは見えている。

 

「オチナサイ…!!」

 

そう低い声で呟きながら、南方棲鬼はその主砲をダンテへと向けて放つ。ダンテはHa!と声を上げて、その砲弾に向けて自分の単装砲を放つ。

再び、黒煙が辺りを覆う。

 

(一気ニ近ヅク…!)

 

だが、南方棲鬼は先程と同じ轍は踏まないように、その黒煙の中にあえて突っ込む。そうすることで、しばらく身を隠すことができると考えたからである。

しかし、それはダンテには当てはまらないということまでは読みきれなかった。

 

「Ha-ha!」

 

そんな叫び声が聞こえたかと思えば、頭上から大量の砲弾が降り注ぐ。

南方棲鬼は突然の出来事に咄嗟に回避行動を取るが、上手くいかない。

 

「チッ…!?」

 

その砲弾のいくつかを喰らってしまい、体勢が崩れる。

しかしそれでも負けじとその黒煙から抜け出し、ダンテの姿を探す。

 

「ドコダ…!!」

「ここだぜ?」

 

と、南方棲鬼の後ろからダンテは呼びかける。南方棲鬼はそちらに鋭い眼光を向けつつ、その主砲を声がした方へ向ける。

しかし、そちらへ振り向いた瞬間、今度は後ろからHa!と声が聞こえ、背中に衝撃が走る。

ダンテは連続で瞬間移動をし、南方棲鬼に砲弾を撃ち込んだのであった。

 

「ァグッ…!?」

 

南方棲鬼は何とか意識を保っていたものの、あまりの激痛に片膝をつく。

 

「…Hey、もう終わりか?」

「!…黙レ…!!」

 

ダンテに強く言い放ちながら、南方棲鬼はそう言いながら立ち上がる。

ダンテは軽く呆れたような笑みを浮かべ、単装砲をホルスターへとしまう。

 

「…もっと手応えあると思ったんだがな。」

「…フフ…ソウ言ッテイラレルノモ…今ノウチヨ!!」

 

と、南方棲鬼は魚雷を発射する。ダンテはそれを確認したと同時に、軽く身体を翻して回避する。

しかし、そのダンテの動きを読んでいたかのように、南方棲鬼は主砲を3発ほど放った。

 

「…huh。」

 

ダンテはそれを確認して、何かのヒーローが取るようなポーズを決めてフィンガースナップをし、ただ佇むだけであった。

 

「!…」

 

南方棲鬼は驚きつつも、その砲弾を避ける様子がないのを見て、勝利という言葉が脳裏をよぎった。

ダンテに砲弾が降り注ぎ、爆煙が覆う。

 

 

 





ダンテの命運は如何に…なんて言っても、誰も心配しなさそう…


次回で、2章ラストになりそうです。
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