Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
ダンテと鈴谷のデートはあともうちょっと続きます。
「今のどうやったの?」
鈴谷はそう言いながら、ダンテのことをじっと見る。
ダンテは、ニヤけた表情で軽く笑う。
「悪いな、企業秘密だ。」
「瞬間移動みたいだったけど、何だか前の演習とは違う感じ?」
そう言いながら、鈴谷は悩んでいるような表情を浮かべる。
ダンテが使ったのは、Quick silverと呼ばれるスタイルで、時間の流れを操ることができる。
3人を撒くために、時間の流れを遅くし、そのまま鈴谷を連れてその場を離れたのだ。
ダンテはそのことをあえて鈴谷に言うことはせず、軽く笑みを浮かべる。
「Hey、それじゃあデートの続きをするか。」
「ふぇ!?あ、えっと…そ、そうだね!!」
完全に意識を外していた単語をダンテが口にしたため、鈴谷は少しテンパっていた。
ダンテは楽しそうに、Ha-ha、と笑う。
「さあ、どこへ行く?」
「!…じゃあ、さ!服見ようよ!服!!」
と、鈴谷は思いついたような口調でそう告げる。
ダンテは軽く笑みを浮かべる。
「huh、服か。」
「ほら、ダンテってその赤いコートしか着ないじゃん?」
鈴谷はそう言いながら、不敵な笑みを浮かべる。
ダンテは両手を軽くあげて、苦笑いをうかべる。
ダンテは自身の一張羅である赤いコートに何かを言われるのは、自身としても初めてのことであった。
「ダンテの他の服見てみたいな〜って思ってさ!じゃあ、行こっか!」
「huh…」
ダンテは軽く諦めたような笑みを浮かべて、鈴谷の言葉にただ従うのみであった。
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ここは、この近辺で1番大きなデパートである。中には食料品売り場やレストランだけでなく、ファッション誌に名を連ねるほどのブランド店が軒を連ねている。
と、その一角のある有名なブランドのショップに、2人は来ていた。
「これとかどう?」
と、鈴谷が手にしていたのは、青いコート。ダンテは少し面倒臭そうなため息をつく。
「Hey、俺をどうするつもりだ?」
「えっとね〜、これとこれと…」
鈴谷はそう呟きながらどんどんと服を選んでいく。
ダンテは珍しく着せ替え人形の気分を味わうことになっていた。鈴谷はそんなダンテのことなど露知らず、黙々と服を見ていく。
ダンテに合いそうな服がどんなものかを考えつつなので、少し静かになるのだ。
「あっ…これなんかどう?」
と、鈴谷が1つのジャケットを持つ。
それは、緑色のジャケットであった。ダンテはそれを見て、少しhuh、と笑う。
「悪くはないな。」
「でしょう!?あとね、このジーンズと、黒のベルトと。このグリーンのスカーフで…」
そう言いながら、次々と服を取っていく鈴谷は、楽しそうな表情を浮かべている。
ダンテはそれを見て、何だか懐かしい感覚を覚えた。
はるか昔、兄と袂を別つ前に、かつてこんな体験をしたような…
「…huh、柄じゃねえな。」
ダンテはそう呟き、天を仰ぐ。鈴谷には気づかれないほどの小さな声で…
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「着れた?」
鈴谷はワクワクしたような表情を浮かべて、試着室の前でそう呟く。
鈴谷にとって、自分がコーディネートした服装を、人に着てもらうのも初めての体験であった。
「ああ、今着た。」
と、試着室の中からそんな声が響く。
鈴谷は少しだけ、緊張した。もしこれが、ダンテに似合わないとなったらどうしようと。
「開けるぜ。」
ダンテはそう言いながら、カーテンを勢いよく開けて外へ出る。
そして、鈴谷はそれを見て、言葉を失う。
「Ha-ha、どうした?」
グリーンのジャケットの下からチラと見える黒いインナー、少し着崩したジーンズに、ブラックのベルト。首に巻かれたグリーンのスカーフがいい味を出しており、ダンテの銀髪と顔立ちをさらに引き立てる。
鈴谷は、その姿に完全に見惚れてしまい、ダンテの言葉に何も返答できなかった。
(…あー、これやばい。)
鈴谷は、顔の温度が少しずつ上昇していくのを感じ取っていた。
ダンテはそんな鈴谷を見て、Ha-ha、と笑う。
「…俺に見惚れちまったか?」
ダンテはそう言いながら、腰に手を当て、軽くポーズを決める。それを見た鈴谷が、ハッとなってアワアワとしだした。
「いいいいや!!なんて言うか、様になってて!!」
「そいつは幸運だ、早速買うぜ。」
ダンテはそう言って、再び試着室の中へと入る。鈴谷は少しボケーっとしていた。
鈴谷は完全に気がついてしまったのだ。
自分の内なる感情に。
(…こんなことってあるんだね〜。)
深いため息をつき、目を閉じる。
心臓の鼓動が早くなり、胸が苦しくなる。
でも、それを不快には感じない。むしろ心地よいのだ。それを未だかつて体感したことなどない。
ただ、直感でわかるのだ。この気持ちの名を。
「人、それを恋と呼ぶのですわ。」
「ひゃあああああああああああああああ!?!?!?」
鈴谷は後ろからのそんな声に驚きすぎて、フロア中に響き渡るほどの大声をあげてしまった。
「す、鈴谷!落ち着きますの!!私ですわ!!」
「知ってるし!!何でここにいるわけ!?」
熊野は鈴谷を落ち着かせるような声を出すが、鈴谷はそれを聞く耳など持たなかった。
2人が言い合いをしている横で、朧と漣はため息をつきながら呆れたような表情を浮かべる。
と、そんな最中に試着室からダンテが顔を出す。
「Hey、何の騒ぎだ?」
そのダンテの一声で、2人はその声を止める。
ダンテは、苦笑いをしながらその2人をただ見るだけであった。
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「よく追いつけたな。」
「私たちをナメないでくださいな。」
ダンテたち一行は、近くのカフェにて軽い食事をとっている。
BGMにはジャズが流れており、店内の雰囲気を彩っている。コーヒーや紅茶、様々なドリンクが選べる中、ダンテはストロベリーサンデーにしか目がいかず、今はそれを口に運びながら会話をしている。
熊野は紅茶を飲み、朧と漣はそれぞれココア。そして、鈴谷はコーヒーを頼み、ただ顔面から机に突っ伏していた。
「…鈴谷さん、大丈夫ですか?」
朧が心配そうな表情を浮かべながら、そう鈴谷に問いかける。しばらく何の反応も見せなかった鈴谷であったが、その後机に突っ伏したまま、ゆっくりと右腕をあげて、自身は大丈夫であることを伝える。
「ねえねえ、ダンテ。何買ったの?」
「huh、洋服さ。スズヤが選んでくれてな。」
漣が楽しそうな笑みを浮かべてダンテに問いかけると、ダンテは余裕たっぷりな表情でそう返す。
その言葉を聞いて、鈴谷は机に突っ伏したまま顔を赤くする。もちろん、それが他のメンバーにバレることはなかった。
「それは良いですわね。私も選んで欲しいですわ。」
と、熊野は鈴谷に対してニヤニヤとした視線を向ける。鈴谷はいまだに突っ伏しているため、その視線に気づくことはなかった。
熊野はそのままダンテに向き直る。
「それにしても、いきなり目の前から消えた時は驚きましたの。」
それに対して、ダンテは軽く両手をあげて、悪いな、と謝罪の言葉を述べるだけであった。
「…あの、ダンテさん。」
朧は突然、そう言いながらダンテに少し不安げな視線を向ける。
ダンテはそちらを軽く見る。
「huh、どうした?」
ダンテは笑みを浮かべてそう尋ねる。
しばらく、朧は黙り込んだが、意を決したような表情を浮かべて、こう尋ねた。
「教えてください。何故、敵を逃したんですか?」
ダンテはそれを聞いて、苦笑いを浮かべる。
「何度も言ったろ?なんとなくだ。」
「もちろん、それを信じてない訳ではないんです。ただ、なんだか他にも理由がありそうな気がして…」
朧の語気が段々と弱まっていくのを聞いて、熊野は援護をする。
「…もちろん、私も気にはなっていますし、お話いただけるなら幸いですわ。」
熊野の言葉を聞いたダンテは、軽く笑う。
それほど、自分のしたことが異例であるということが、その言葉から伺えたのだ。
「…分かったよ、そんなに聞きたいなら…話してやるさ。」
ダンテは軽い笑みでこう告げる。
「悪魔って知ってるか?」
ダンテの格好は、DMC2のDIESELのコスチュームをイメージしていただければ幸いです!
まあ、この服多分今回限りなので覚えておく必要はないと思います笑
ダンテも小さい頃は、母親に服とか選ばれてたりしたんですかねぇ…
…まさかお父様…?