Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
プロットにまさかまさかの致命的なミスが見つかり、それを直すのに時間がかかってしまいました!
しかし、それを投稿する前に気がついてよかった…
というわけで、Mission5開幕です!
出撃
時刻は昼の3時を回ったところである。提督と電が執務机に向かい、黙々と書類の束を処理している。
そんな中、ダンテと響は来客用のテーブルを挟んで心理戦を繰り広げていた。
手元には5枚ずつトランプを持ち、それを見ながらニヤニヤとした表情を浮かべるダンテ。
「…悪いが、俺の勝ちだ。」
ダンテはそう言って、テーブルにカードを広げる。5と6が2枚ずつとジョーカーで出来たフルハウス。
ダンテは響に勝ち誇ったような笑みを向ける。
それに対する響は、ため息をついてカードを広げる。
「…残念だけど、私の勝ちだよ。」
ハートの5から9までが綺麗に並び、見事なストレートフラッシュが出来上がっていた。
それを見たダンテは、決まりが悪そうな表情を浮かべる。
響の後ろから暁と雷が顔を出し、勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「はい、これで響の5戦5勝。」
「…どうやっても勝てないな。」
ダンテはそう呟いて、少し機嫌が悪そうな表情に変える。
雷がそれに続いて、ニヤニヤとした表情でダンテに詰め寄る。
「さあ、約束通り、間宮さんのアイスを奢ってもらうわよ!」
「そんなに食ったらお腹壊すぜ?」
ダンテは雷の言葉に、軽くそう返してそのままソファへと寝転ぶ。
それを見た暁は、少し怒った様に頰を膨らませながらダンテに詰め寄る。
「良いのよ!みんなと一緒に食べるんだから!」
「そうかい。」
ダンテはそう呟きながら目を閉じる。それを見て、唸り声を上げる暁。雷も少し怒り気味な表情を浮かべる。
響はそれを見て、軽くため息をつく。
「…司令官、そろそろ休憩にしないかい?ダンテがアイスを奢ってくれるみたいだよ。」
「!…」
ダンテは身体を起こして、響の方を見る。そこには、イタズラっぽくニヤリと微笑む響がいた。
「そうしようか。」
「では、みんなの分のお茶を持ってくるのです。」
電と提督はそこまで言って、ニヤリとダンテの方を見る。ダンテは静かにため息をつき、立ち上がる。
「…仕方ない。買えばいいんだろ?」
ダンテは根負けしたかのように、静かにそう呟いて両手を上げるのであった。
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「いただきまーす!」
暁と雷の声が同時に響き渡り、それと同時にスプーンをアイスに差し込む。
ダンテはソファに座って、自身が買ってきたストロベリーサンデーを食べ進める。
「…すまない。勝手に決めてしまったね。」
「構わないさ。俺が約束したんだからな。」
響のそんな謝罪に対し、ダンテは楽しそうに呟く。
結果として、ダンテは手持ちの金を持っておらず、提督からお金を借りて自身の報酬から差し引いてもらうことになった。
提督は苦笑いを浮かべて、ダンテの方を見る。
「すみません、僕まで頂いてしまって。」
「気にするなよ。報酬から差し引きなんだ。ほとんどあんたが出したも同然さ。」
ダンテはストロベリーサンデーを口に運びながら、ただ静かに呟く。
そんな全員の元に、ノックの音が転がる。
「失礼します。」
ガチャリとドアが開くと、そこには大淀が立っていた。ダンテは軽く笑みを浮かべて大淀に手を振る。
「悪いな。休憩させてもらってるぜ。」
「構いませんよ。ただ、提督に報告が。」
大淀はそう言って提督へと歩み寄る。提督は真面目な表情を浮かべて、アイスを机へ置く。
「…何かあったか?」
「はい。ある鎮守府との連絡が取れなくなり、そこへの調査へ向かって欲しいとのことです。」
大淀は、そう言いながら書類を何枚か取り出す。
そこに記載されていたのは、明らかに異常な事態。連絡がつかなくなったのは、1週間前。それ以来、そこから艦娘の出撃も無かったらしい。
そして昨日、その鎮守府所属の艦娘が数人、別の鎮守府へ流れ着いたという。
「…危険な予感がするな。」
「…そうですね。」
と、そのまま2人はダンテに目線を向ける。
ダンテは、その話が始まった直後にストロベリーサンデーを一気喰いをしていた。
「俺の出番だな。」
ダンテはその表情をニヤリとしたものに変えて立ち上がるのであった。
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電達第六駆逐隊と、漣と朧で構成された第1艦隊は、ダンテを加えてその鎮守府へと舵を切る。旗艦は電だが、ダンテが楽しそうにスケートをしながら電より先行している。
「それで、その鎮守府はどこにあるんだ?」
ダンテは海の上を気持ちよく滑りながら、後をついてくる電達に声をかける。そこそこ離れた距離なので、声を大きくする。
「ここから南西に2kmほどよ!」
波の音でかき消されないように、雷は少し大きめな声でダンテに告げる。
ダンテはそれを聞いて満足そうな笑みを浮かべる。
「なら、早く着きそうだな。」
「…そうもいかないかもです。」
と、ダンテの言葉に対して朧が少し申し訳なさそうに言う。それと同時に、艦隊の全員が押し黙ってしまう。
それを聞いて、ダンテは動きを止めて後ろの6人を待つ。
「どういうことだ?」
ダンテがそう呟くと、電が少し申し訳なさそうな声でダンテに告げる。
「艦隊の進路は、羅針盤の妖精さんにお任せするのです。」
「早くたどり着けるかどうかは分からないんだ。」
響が電に続いてそう呟いた瞬間、電の肩に乗る妖精が叫ぶ。
「羅針盤まわすよー!」
妖精は、手に持った羅針盤をまるでルーレットのようにグルグルと回し始めた。
ダンテはそれを妙に思いながら、しばらく見つめる。
やがて、その羅針盤は動きを止める。それが指し示していたのは…
「南東か〜、少し遠回りですぞ?」
漣は少し面倒くさそうにそう呟く。それに対してダンテは納得がいかないように腕を組む。
「これは何のために回すんだ?」
ダンテは電に尋ねる。電は、少し困ったような表情を浮かべる。
「艦娘の安全を確保するためと聞いたのです。かつて、この羅針盤を無視して行動した艦隊があり、その艦隊は…その…」
その暗い表情は、その艦隊に何かしらの不幸が訪れたということを示していた。
「…なるほどな。」
ダンテはそう呟いて、あたりを見回す。
確かに、何も感じないほど平穏なのが南東である。それ以外の方角は、何やら不安な空気が漂っている感じがする。
しかし、それを避けて通る必要がダンテにはあるだろうか。
「…なら、俺が見てくる。南西に何があるのかをな。」
そう言って、ダンテは猛スピードで南西方向へと向かっていく。
あまりのスピードに電達は呆気にとられ、すぐに反応することができなかった。
暁がなんとかダンテに叫ぶ。
「どこ行っちゃうのよ!?まだ作戦中!!」
「そこで待ってな。何かあったら通信するさ。」
ダンテの声が遠くなっていく中、第1艦隊の面々はただ突っ立っていることしかできなかった。
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「…それで、こういうことか?」
ダンテがしばらく進んでいると、突然見たことがあるような赤い結界が張られる。そして、目の前に何体かの悪魔が現れた。
仮面を依代として実体化しているこの悪魔。大きな鎌を持ち、不気味な笑い声を高らかにあげる、シン・サイズと呼ばれる悪魔である。その黒いマントのように見えるのは霊体であるため、物理的な攻撃は一切効果がない。
ダンテには関係のない話だが。
「…こりゃ、そう簡単には行かないか。」
ダンテはそのシン・サイズ達に楽しそうな笑みを向ける。
ダンテを囲むように浮遊しながら隙を伺っているその様は、ダンテを嘲笑うかのように見えた。
不意に、シン・サイズの1体がグルグルと鎌を振り回し、そのままダンテへと振り下ろす。
ダンテはそれをリベリオンで弾き、高く飛び上がる。
「お返しだ。」
ダンテは単装砲をその仮面をめがけて放つ。その仮面を粉々に砕き、そのシン・サイズが持っていた鎌は海の中へと落ちていく。
それに驚いたかのように、他のシン・サイズは警戒を強めるためダンテから距離を置く。
「おいおい、誘ったのはそっちだぜ?楽しくやろうぜ。」
ダンテはそう言いながら、両手の単装砲を残りのシン・サイズへと向けるのであった。
ダンテは仕事以外では賭け事に勝てない…
ポーカーの役の順番は結構間違えやすいですね。
未だにフラッシュとストレートのどちらが強いか迷う時があります。