Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
1週間の時を飛ばし、今日は投稿日!!
…はい、すみません。
8時間前の自分をぶん殴りたい縁(みどり)です。
いや、やるべきことはたくさんあったのに、思いの外全てがうまいこと運んでしまったのが悪いんだ…
すみません、なのでもう少しだけ続きを投稿させてください!
鎮守府のとある建物。ドアは完全に破壊され、ただ無用心に開放されている。
それらの瓦礫を物ともせずに、電達は足を踏み入れていく。
「酷い有様だね…」
響はあたりを見回しながら、一言呟く。
床や天井は所々穴が空き、階段は完全に崩れ、観葉植物はもはや原型をとどめないほどにボロボロにされていた。
そして、触れたくても触れざるを得ない、その異常なほどの紅。
「血まみれなのです…」
それは、あたりに広がる血痕。それも、まだ新しいもの。その光景が、鎮守府崩壊という最悪の事態を想像させる。
しかし、まだ希望を捨ててはいけない。中を全て見終わるまでは、まだ諦めてはいけないのだ。
「こりゃ、酷いな。」
と、遅れてダンテが中へ入りながら呟く。
テメンニグルや魔界ほどの酷さではないものの、ダンテもこれほどな状態の場所へ来るのは久方ぶりである。
「…執務室へ行ったほうがいいかもしれないわね。」
雷はそう電へと意見を求める。それに対して、電は1度だけコクリとその首を頷かせるだけであった。
その隣でダンテが、少し楽しそうな表情を浮かべる。
「なら、そっちは任せた。俺はこっちを見てみる。」
ダンテはそう言って、工廠や入渠ドックがある方を指差す。
それを聞いた電は少し怪訝な表情を浮かべる。
「そちらに、何か手がかりがあるのですか?」
それを聞いたダンテは、一言こう呟く。
「ただの勘さ。」
________________________
「…本当に大丈夫なのかな…」
朧は小さくそう呟きながら、ダンテが向かった方をチラとみる。隣で漣が、ため息をつく。
「大丈夫でしょ。本人が俺の勘は当たるって言ってたんだし。」
「そうじゃないと思うのですが…」
電は食い気味にそう呟く。
もとより、ダンテのことは心配などしていない。問題は、彼と離れても大丈夫なのかということ。
ダンテがあんな風に言うということは、この事象に多少なりとも悪魔が関わっているということになる。
そして、あの深海棲艦の提督。あの人物とダンテは何かしらの関係があると見ていいだろう。
この状況でもし何かとてつもないことでも起きたら、自分たちに何ができるだろうか。
「…ここが執務室みたいね。」
雷の目の前に、壊された扉のドアノブが転がっていた。その上部のプレートの文字は、血液で完全に見えなくなっていた。
「…ね、ねぇ…こ、怖くないの…?」
「一人前のレディなら大丈夫でしょ?」
暁の言葉に、意地悪な笑顔で雷がそう言い放つ。
それを聞いた暁は、少し顔を赤くして執務室の中へと先頭で入っていく。
それに続いて、電達も入室していく。
そして、その光景を見た。
「…これ…酷いなんてものじゃないね。」
本棚はいくつか倒されており、電灯などは完全に破壊され、光源は窓から入る陽の光だけ。書類は散乱し、いくつかは血痕によって赤く染め上げられている。
極め付けは、何かでえぐられたような大きな穴が、執務机に空いていたこと。
「…これは、本格的に生存者は無し…かな…」
漣はこの有様に、いつもの口調を取り戻すことができなかった。その表情は、深い無力感に襲われたように見えた。
電は、ふと足元に落ちている書類をみる。そこに書かれていたのは、衝撃の事実。
「!!…深海棲艦の鹵獲…!?」
「!?…」
その単語に、全員の視線が電へと集まる。電はその書類を拾い上げ、内容を読み上げる。
「…本日、鎮守府近海において空母ヲ級と交戦。その末、敵の拿捕に成功…ちょうど1ヶ月前の日付なのです…」
電はそのまま黙読で読み進めていく。
そこには、様々な報告が書いてあり、中でも目を引くのは、深海棲艦と艦娘の類似点に関する部分。
それは、深海棲艦の傷も入渠で治るということ。そして、感情を持ち、性格の好みや人を見分けることができるということ。
「…ねぇ、どうしたの?電…」
「ダンテさんと合流して、すぐに鎮守府へ戻るのです。もしかすると、これは大変なことかもしれないのです…」
雷の言葉に、電はその表情を鬼気迫るものへと変える。
そのあまりに必死な電を見て、他のメンバーは何も言い返すことができなかった。
________________________
「…こんなに広いんだな、鎮守府ってのは。」
ダンテは、そう呟きながらひたすら建物を歩き回る。
この鎮守府が悪魔に襲われたことは確実である。だが、先ほどから悪魔の気配は全くしない。
「…にしても、かなり酷いな。」
歩けど歩けど、艦娘や人間には誰1人として出会わない。恐らく、全員…
となると、悪魔は全ての人間を狩り尽くしてしまったことに気がつき、もう既に他の場所へと向かっているのではないか。そんな考えが頭をよぎるが、それはない、と心の中で呟く。
仮にそうだとすれば、1週間もあれば町の1つは確実に壊滅しているだろう。
そうなれば、可能性はもう1つ。
バージルが、全て狩り尽くしたか。
「…まあ、まだ何も分からねえな。」
ダンテはそう呟き、あるドアの前で立ち止まる。
そのドアプレートには、入渠ドックの文字が書かれていた。
ダンテはそのドアノブに手をかけ、そのままドアを開く。
「うおおおおおお!!!」
その瞬間、中からそんな大声をあげて、日本刀を突き立てる少女の姿が見えた。
ダンテの心臓部へと、それは深く突き刺さる。
「!!…」
ダンテはその痛みを身体に感じながら、やれやれと言った表情を浮かべる。
そして、その少女は、ダンテを見て目を見開く。
「人…!?」
少女は、ただ驚いたまま、呆然と立ち尽くすだけであった。
ダンテはため息をつきながら、少女に一言声をかける。
「…悪いが、抜いてくれないか?こっちも痛いんだ。」
「!…あ、あぁ…悪い…」
少女はそう返すと、頭の中が混乱しているのか、そのまま勢いよく刀を引き抜いた。
ダンテは少し不機嫌そうな表情に変わったが、その少女の服装をみて納得の表情を浮かべた。
「…随分とボロボロだな。何があった?」
ダンテは下から順場に上へと流してみていく。
スカートは所々切れており、セーラー服は真ん中だけ異常なほどに大きく穴が空いていた。
その右目はオッドアイのようになっており、古傷が残っていた。
「…その…ちょっと…な…」
その少女はそう呟くと、安心して気が緩んだのか、そのままゆっくりとダンテの方に倒れこむ。
ダンテはそのまま倒れないように少女を抱きかかえる。その少女は意識を失い、ダラリとしていた。
「…なかなかガッツあるな。1人で戦ってたのか。」
少女へそう声をかけてその場に寝かせ、ダンテは入渠ドックの中へと入っていく。
その中は、悪魔の残り滓、そして白い軍服を身にまとった男の遺体が残されていた。
中でも、頭部だけ別の部分に置かれているのが、何よりも酷い。
「…huh。」
ダンテはため息まじりにそう呟き、匂いを嗅ぐ。
血や悪魔の匂いに混ざって、別の匂いがする。
それは、先ほどまで、ここにある人物がいたことの証明であった。
「…なんだかんだ、あいつのことが気にかかったってことか?バージル。」
ダンテは後ろに寝かせている少女のことを見ながらそう呟く。
何の気配もしなかった鎮守府を、一瞬だけ見たバージル。先ほどまでは全くわからなかったその行動の意味を、ダンテは少しだけ理解した。
それは、バージル自体が少し変わった、ということにもなるかもしれない。
「…ん?」
ダンテは、そのまま視線をドックの方へと向ける。
そこに溜まっているのは、緑色の液体。それが何なのかは、一目見て分かった。
だが、重要なのはそこではない。
「…こいつはどういうことだ?」
それがなぜこんなところにあるのか。ダンテはその疑問を、頭の片隅に追いやることはできなかった。
1つずつピースが集まっていき、もうすぐ形となるだろう。
次の投稿は…多分、3日以内にはしちゃいますね笑
自分が1週間待てないという落とし穴…
とにかく、今後は色々気をつけますね!!