Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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結構時間が空いてしまいましたが…
久々の更新です!

全ての独自設定を、ここに…


真実

「…艦娘が…?」

 

電は、静かにそう呟きながら戦慄した。

深海棲艦と艦娘には類似点があることは、様々な部分で言われている。だが、それを信じることはできず、実際、崩壊した鎮守府の書類を見た時も、半信半疑であった。

しかし、木曾がいた鎮守府が壊滅したのは、ある1人の艦娘が、空母ヲ級と何らかの形で接触した時に、深海棲艦のようになってしまったことが原因だという。

 

「…ちょっと待ってよ。」

 

鈴谷が横からそう呟き、話をさえぎる。その言葉に、木曾は視線だけをそちらへ向ける。

鈴谷の表情は、その話に納得ができないといったものであった。

 

「それってさ…おかしくない?ダンテは確かに、悪魔と深海棲艦が何か関係があると言ってたけど、艦娘と深海棲艦にはそんなに関係がないと思うんだよね…」

 

鈴谷は電へとそう言いながら、視線を向ける。

電は、その言葉にハッとなる。

深海棲艦と悪魔に関係がある。その事実は、ダンテが悪魔狩人であることと、艦娘と深海棲艦の関係性に関する情報を持つ電に、ある1つの仮説をもたらした。

 

「…いや…まさか…」

 

電は小さい声で呟く。

自身が考えた、その恐ろしいシナリオを、何とか否定しようとする。しかし、それを否定する材料がない。

むしろ、それを肯定するように全てのピースがはまっていく。

 

「…おい、どうしたんだ?」

 

木曾が、少し青ざめた様子の電に対してそう告げると、電はハッとなり、すぐに謝る。

 

「すみません!用事を思い出したので行ってくるのです!」

 

そのまま、電は駆け足で外へ向かう。

ダンテに尋ねなければ。自分の仮説が、間違っているのかどうか。

不安と恐怖を抱きながら、その仮説を否定してくれるように強く願いながら、電はダンテのもとへと走って行った。

暗闇が外を支配し、暗雲が立ち込め始める。

 

 

________________

「…いるか?」

 

ダンテは、人気が全くない工廠の中で静かに呟く。その言葉を向けられた当人は、すぐに顔を出すのだが。

 

「…とうとう、来てしまったね。」

 

手のひらサイズの妖精が1人、ダンテの足元へと歩み寄る。

ダンテはその小さな身体に手を差し伸べて、乗るように促す。

 

「…聞きたいことはなんだい。まあ、大体理解しているつもりだけど。」

「なら、聞く必要あるか?」

 

そう言いながらダンテの掌へと乗り移った妖精に対して、ダンテは楽しそうな笑みを浮かべる。

そして、こう口を開くのだ。

 

「…艦娘について、教えてもらうぜ。」

 

ダンテはそのまま、近くにあったドラム缶へと座る。

それは、以前にダンテが尋ねた、艤装の魔力が艦娘に影響を及ぼさないのかについての指摘に対する答えを求めるということ。

妖精は目をつぶり、しばらくの間考え込むような仕草をする。

 

「…その話をする前に、僕たちの話を聞いてほしい。」

 

妖精は、一言そう呟いてその目をダンテへ向ける。

しばらくの沈黙。それは、ダンテから妖精へ向けられた、無言の催促であった。

 

「…僕たちは弱い生き物だ。人の隙間に隠れ続け、悪魔の視界から外れようとし続けた。」

 

妖精は重苦しい口調で続ける。

ダンテは妖精をただ見つめ、その続きを促す。

 

「…だからこそ、今までは人間たちに協力してきたし、これからもそうするだろう。だから、これから話すことを聞いて、何を思うかは自由だ。」

「…わかったよ。で?どんな話だ?」

 

ダンテの言葉に妖精は、少し暗い顔をする。

それが、これから話すことがあまり楽しい話でないことをよく表していた。

ダンテもそれを理解した上で、話の続きを促したのだが。

 

「…僕らは、日本のこの地域にずっと住んでいた。ある時は人は僕たちを崇め、ある時は人は僕たちを友人のように慕い、ある時は人は僕たちに自らの力となるように願った。」

 

妖精の言葉には、一切の感情が含まれていないかのように平坦な声であった。

だが、ダンテはその奥底にある感情に気がついていた。それは、悲しみ。人に利用され続けてきた、妖精達の無念。

 

「…ある日、日本の軍人が、僕らに協力を求めた。日本を守る為の力を手に入れたいと願ったんだ。」

 

その言葉に、ダンテは少し表情を硬くする。

人間が悪魔の力を利用しようとすることは良くある話だ。だが、一国家がその技術を持つということは、あってはならないことである。技術を使いこなしたとすれば、大きな戦争が起きるかもしれないし、それを機に魔界の悪魔たちが一斉に流れ込んで来るかもしれない。仮に使いこなせなかったとしても、国の人間が危険にさらされるという意味では無視できない。

この国はそれをやろうとしているということを、ダンテは頭の片隅へと置く。

 

「その軍人は、僕たちに魔力を提供するだけでいいと言った。だから、僕たちは素直にただ魔力を提供していった。」

 

妖精は、その平坦だった声のトーンを少し落とす。

それを聞いたダンテは、その表情に呆れたような笑みを含める。

 

「…そうして、ある日。僕たちの前に、それは現れた。」

「深海棲艦…てわけか?」

 

妖精の言葉に続けるように、ダンテがそう呟く。

その言葉に、妖精は静かに首を縦にふる。

 

「…僕たちは、すぐにそれらから溢れ出る魔力に気がついた。まるで、僕たちの魔力にそっくりだったからね。」

 

妖精は、そう呟いて少し表情を悲しげなものへと変える。

 

「…でも、それを指摘することはできなかった。そうすれば、僕たちの平穏だった世界を壊してしまう…そう思ってしまったからだ…」

 

妖精が少し寂しく呟くその意味を、ダンテは理解していた。

人間と共に暮らしていた彼らにとっては、人間との衝突を避けたかったのだろう。

それが、彼らの良心を蝕んでいったわけだが。

 

「…彼らは、僕たちに協力をせまった。人間を守る為に、なんて都合の良いことばかり言ってね。」

 

妖精は、語気を強める。

 

「さらに僕たちが力を提供すると、すぐに新しい情報が入った。艦娘という存在の発見だった。もちろん、それらからは僕たちと同じような魔力を感じた。」

 

妖精は、少し残念そうに呟く。

それは、明らかな異常。立て続けに自分たちの同じ魔力を持つ存在が現れる。

それは、1つの事実を指し示していた。

 

「…そうさ…艦娘も深海棲艦も、元は同じ。」

 

少し小さい声で呟かれたそれは、ダンテの表情を暗くさせるには十分だった。

 

「あれは、人間によって作られた、半人半魔だ。」

 

妖精は、鋭く言い放つ。

ダンテは、その事実にたどり着いてしまった。だから、さほど驚くことはなかった。

だが、彼には1つの疑念が浮かぶ。

それは、この国の人間は何のためにそんなことをしたのか。

 

「…深海棲艦は…私たちは…半人半魔…?」

 

そんな声が、工廠の中に響く。

ダンテと妖精はそちらを見る。そこには、ただ力なく立ちすくむ、電の姿があった。

 

「電…!!」

 

妖精は、その表情に焦りを浮かべながらそう叫ぶ。

ダンテにのみ話すつもりだったにも関わらず、それを艦娘に、それも秘書艦である電に聞かれてしまったのだ。

電は、その妖精の言葉に何も答えない。

 

「…イナズマ。」

「…私は…」

 

ダンテの言葉に、電はただ俯きながら呟く。

電は、自分達が人間ではないということを何となくわかっていた。

機械の中から生み出され、海の上を駆ける。戦いで傷ついた身体はすぐに治り、新たな戦場へと駆り出される。人間とは異質な存在だということは、頭の中では認識していた。

だが、自分達に悪魔の血が混ざっているなど、考えもしなかった。

そして、今まで戦ってきた深海棲艦。それらもまた、艦娘と同じ。彼女らもまた、悪魔の力を持つ存在。

 

「…私は…!!」

 

電は、自身に恐怖を抱く。

木曾の鎮守府の1人の艦娘は、深海棲艦のような姿へ変貌し、悪魔を操っていたという。深海棲艦にも艦娘にも、それをするだけの力があるということだ。

では、自分がそうならないという保証は?これから先、自身はこの『力』を確実に制御することはできるのか?

深海棲艦と自分は、何が違うのか?

 

「…ッ!!」

 

電は、居ても立ってもいられなくなり、その場から駆け出す。その眼に浮かぶ涙を振り払うように。

 

「!…電!!」

 

妖精は大きな声で叫ぶが、電はただ走り去って行くだけであった。

未だ厚い雲が空を覆い、月は見えない。

 




艦娘と深海棲艦の関係性、いまだそれを証明できる者なし。
なので、勝手に設定を色々考えた結果がこれだよ!

やはり、多少なりともDMCのストーリーに絡めるなら、悪魔の力を有効活用(という名のゴリ押)していかないとね!!
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