Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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いよいよ、ダンテが大本営本部へとやってきます。




本部

「…本当に行ってしまうんだな。」

 

武蔵は、少し不満げにそう呟いて、ダンテの方を見る。

だが、当の本人は楽しそうにストロベリーサンデーを頬張るのみで、何も気にしていない様子である。

 

「大袈裟だぜ。確かに、ここのストロベリーサンデーとピザが食べられなくなるのはかなり厳しいけどな。」

「…本当にお前は…まあいい。それがお前だから仕方がない。」

 

武蔵は、ダンテの全く動じない性格を改めて実感し、呆れた表情を浮かべる。

 

「…やはり、大本営がそんな理不尽な命令をしてくるなど、おかしい。もしかすると、何かしら裏があるのかもしれないな。」

 

隣の長門がそう呟いて、ダンテと同じようにストロベリーサンデーを頬張る。

それを聞いたダンテは、少しニヤリとした表情を浮かべる。

 

「おいおい、そんなこと言っていいのか?仮にもお前らの上司だろ?」

「知らん。私の上官は常に提督だけだ。」

 

長門はそうドヤ顔で言い放つ。それを聞いた武蔵はため息をつく。長門の言葉は、反逆と捉えられてもおかしくは無い。もちろん、それを上に報告するつもりもないが。

 

「…まあ、気をつけるんだな。お前のことだから、何があっても無事だろうが。」

「お褒めに預かり光栄だ。感謝するぜ、ムサシ。」

 

ダンテは、最後の一口を頬張って、そのまま座席を立ち、間宮を後にする。

後に残された長門と武蔵は、軽くため息をついた。

 

「…間宮。私にも1つくれないか。」

「はい、そう言うと思って、武蔵さんの分も用意しておきました。」

 

武蔵が口を開くと同時に、目の前にストロベリーサンデーが置かれる。

武蔵は、そのストロベリーサンデーにスプーンを突き立て、ただ口の中へと運ぶ。

ダンテだけでなく、艦娘にも愛されたストロベリーサンデーは、本日をもって終了するのであった。

 

 

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「…この部屋ともお別れか。」

 

ダンテは少し感慨深く呟き、扉の前から辺りを見回す。

と言っても、使ったのはジュークボックスとベッドとシャワー室のみで、机は使ったどころか、触った覚えすらない。

 

「…それで、もうお迎えが来たか。」

 

ダンテは後ろへ振り返りながらそうたずねる。

そこには、長い金髪の女性が1人立っていた。白い軍服につけられたバッジは、大本営所属を示すものであり、この場に艦娘がいたら即座に敬礼をするであろう。

だが、ダンテはそれを見て軽くにやける。

 

「…今回は変装しないのか?トリッシュ。」

 

ダンテの言葉に、トリッシュは小さく笑みを浮かべる。

それはまるで妖艶な魔女のようにも見えるが、ただの微笑みのようにも見えた。

 

「…日本人って意外と抜けてるのね。このままでも問題なく潜入できたわ。それとも、前みたいなのが良かったかしら?」

「…どうでも良いだろ?さっさと連れてってくれ。大本営とやらにな。」

 

ダンテはそう言って、外へ向かって歩き始める。トリッシュはその後を、ゆったりとついて行く。

突然、ダンテは立ち止まって振り返る。

 

「で、どうなんだ?奴らは何をしてる?」

「私たちの想像通りだと思うけど?」

 

トリッシュはそう呟いて、ため息をつく。

ダンテはその言葉に、顔を少しだけ曇らせる。

奴らは艤装に金をかけ、艦娘と深海棲艦を作り上げた。

そして、今のこの戦い。それらが何を表しているかは明白である。

 

「…より強い兵器を作り上げて、どこまでやる気なんだろうな。」

「さあ?悪魔の私には分からないわ。」

 

トリッシュは、ただ興味なさそうに呟く。純粋に、悪魔の力が悪用されているという事実に比べれば、理由などどうでも良いのだ。

ダンテは、ニヤリと笑みを浮かべて、ため息をつく。

 

「…人間だけの戦争なら手を出さずに済んだんだが、悪魔の力を利用したのなら見逃せない。」

 

ダンテはまた身体を反転させて、歩き始める。

廊下を歩く足音が響き渡り、まるで死刑執行人のような雰囲気を醸し出す。

 

「…イかれたパーティーの始まりだぜ。」

 

ダンテは、不敵な笑みを浮かべて小さく呟くのであった。

 

 

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「司令官さん!ダンテさんがどこにもいないのです…!」

 

電は慌てた様子で執務室のドアを開ける。それを見た提督は、少し微笑んだ表情を浮かべる。

 

「さっき挨拶に来た。みんなにお礼を伝えておいてくれと言われたよ。」

「!…もう行ってしまったのですか…」

 

提督の言葉を聞いて、少し残念そうに電は呟く。

最後にお礼を言いたかったのは、むしろ自分だったはずなのに。

心の中で呟いて、少しため息をつく。

 

「…ダンテさん、無事に帰ってこれると良いのです。」

「そうだな。」

 

電の言葉に、提督も頷く。

しかし、2人の表情は明るいものであった。

それは、そんなに時間もかからずにまたダンテと会えるような気がしたから。短い間しか共に過ごしていなかったが、ダンテの行動を見てきた自分たちは確信を持てる。

 

「とってもお世話になったのです。」

「ああ。感謝を伝えきれないな。」

 

2人はそう言い合って、静かに外を見る。

日は傾き始めたが、眩いほどの輝きを放っていた。

 

(ダンテさん…ご無事で。)

 

提督は心の中で、ただ祈るように呟くのであった。

 

 

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「…それにしても、借りたやつ全部持ってきちまったな。」

 

ダンテはその手に、単装砲と艤装のブーツを持ちながら笑う。

本当ならば、借りていたものなのでそのまま返すのが筋であった。だが、今更戻って返すのもまた面倒な話である。

トリッシュはそれを見て、軽くため息をつく。

 

「…そのまま貰ったら?どうせ質に入れるんでしょ?」

 

ダンテは、トリッシュの皮肉に呆れ笑いを浮かべる。

 

「…まあ、全て終わったら返すさ。」

 

ダンテはそう言ってじっと視線を前に向ける。その視界に、高い建物が見えたからである。

50mほどの高さを誇る、その建造物。陸上から繋がる場所は道路が1つのみであり、それ以外は全て海に囲まれたその施設。

それこそが、全ての鎮守府を総括する大本営本部。

まっすぐに伸びるそのビルのような建物は、まるで魔剣教団本部のような静けさであり、テメンニグルのような不気味さを漂わせている。

ダンテは、それを見て軽く笑みを浮かべる。

 

「…さて、案内してくれ。」

「焦らなくても、ちゃんと案内するわよ。」

 

2人はその1本しかない道をゆっくりと歩きだす。

その表情は、余裕綽々といった感じであった。

 

 

 

その2人の影を、建物の屋上からじっと見る影が1つ。

 

「…来たな…スパーダの息子。」

 

技術局長が、凶悪な笑みを浮かべながら呟く。

その両手をギュッと力強く握りしめ、興奮を抑えようとする。

だが、それは効果なく、そのまま高笑いをしてしまう。

 

「…何としても、実験に有益な情報を得なければな…!」

 

技術局長は、ダンテの方を指差しながらそう呟く。

妖精なんかとは違う、世界で最も強い半人半魔の力を解析できれば、今の艦娘などよりももっと強い兵器が作れる。そう頭の中で考えながら。

 

「戦う必要はない…ただ、解析さえできればいいのだ…艦娘を何人か取り入らせれば…!」

 

技術局長は呟きながら、楽しそうな笑みを浮かべる。まるで、無邪気な子供のようだが、その目論見は、子供のイタズラ程度では済まされないだろう。

 

「…待っていてください、総帥…僕があなたをこの世界の頂点に…!!」

 

技術局長は、両手を広げながら天を仰ぐ。その表情は、まるで神を崇めるかのように晴れ晴れしいものであった。

空は、少しずつ曇り始め、不穏な空気が辺りを包み始めるのであった。

 

 





というわけで、最近話があまり進んでないような気がしますが…
もう少しお付き合いください…今後の展開のために必要なんです…泣

もう少しこちらに時間を割けるといいのに…

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