Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
だが、その1周年の日に投稿できなかったのは痛い…
特に、1周年だからといって記念をやるつもりはないですけど、ダンテ達をもう1年も拘束してるんだなぁ、と考えるとなんか申し訳ない気持ちが…
なので、さっさと続き行きましょう!
「…部屋から出ちゃいけないって言われてもなぁ。」
空は、ベッドに寝転びながら静かに呟く。
大本営のお偉いさんが来るため、見つかってしまえばここにいられなくなってしまうかもしれないから、ということであった。
「でも、暇だしなぁ。」
空はその時、少しばかり悪いことを思いついていた。
それは、ネロに会いに行ってしまおうということ。
他の艦娘達は、大佐が空に対して出した命令を聞いているはずだろう。しかし、ネロにはそのことをおそらく伝えていないはずだ。
つまり、ネロは自身を追い返したりしないだろう、という算段であった。
「…隠密行動でいこうか。」
空は、少しわざとらしく悪どい笑みを浮かべると、ベッドから立ち上がり、そのまま部屋を出るのであった。
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「…なるほど。」
技術局長は、ガラス越しに医療用ベッドに寝たきりの満潮と大潮を見守りながらそう呟く。
外傷は完全に治癒しているが、2人は目を覚まさない。
それだけ、疲労と精神的な苦痛があるのだろう。
技術局長は、静かにふむ、と呟き、大佐の方を向く。
「…それで、君はどうしたいのだ?」
その問いに、大佐はひどく困惑した。
今の自分が考えていることが、それだけ多くの人間を巻き込むことになるかもしれない。
それだけのことをこの技術局長に伝えることは、迷惑ではないか。
そこまで考えた大佐だったが、どちらにせよ上官命令で技術局長には事実を返さねばならない。
ならばと、大佐は一息置いてこう告げる。
「…この子達の鎮守府の提督は、補給も修理もろくにせずに艦娘に出撃を強いている可能性が高いです。なので、その鎮守府の艦娘たちを、この鎮守府に引き入れたいと考えています。」
「…つまり、鎮守府を丸々潰してでも、艦娘を助けたいと?」
技術局長はそう呟いて、大佐の方を向く。
その表情は、まるで何かを試しているようにも見える。
大佐は、しばらく黙り込んでいたが、やがて首を縦にふる。
「…自分は、艦娘を兵器だとは思いません。彼女たちは、人間です。だから、そんな扱いする人達を見過ごせないんです。」
「…良かろう。そこまで言うのなら、示してみせろ。大本営にも具申しよう。君のような人間にならば、艦娘は心を開くだろう。」
技術局長はそう言って、笑みを浮かべる。まるで、大佐のことを認めたかのようにも見える。
大佐はその言葉に、少し目を潤ませながら敬礼をする。
大本営の人に認められた。それだけで、大佐は嬉しくなったのであった。
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「…大佐を誑かすつもりか?」
ネロの肩に乗っている妖精の1人が、そう呟く。
妖精の中での技術局長とはあまりにもかけ離れたイメージであるため、今の妖精に思いつくのはこの考えだけであった。
それだけ、技術局長への不信感が強いのだ。
「…」
ネロは、ただ黙り込んでその光景に目を凝らす。
いたって普通の、むしろ軍人としてはかなり好感がもてるタイプ。
だが、それでもネロの表情は晴れない。
「…面倒だな。」
ネロはそう呟いて、ただ軽くため息をつく。
妖精は、ネロのその言葉の真意が分からなかった。
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「…艦娘は人間、か。」
技術局長は鎮守府の中庭を歩きながらそう呟いて、大きなため息をつく。
その言葉を聞いた時、技術局長は肝を冷やした。
艦娘は人間。それは、確かに間違っていない。半分正解と言ったところか。
まさか、この田舎鎮守府の人間が、艦娘の根幹にある秘密を知りうる機会があったのかとも思ったが、どうやらそこまでのことは考えていないらしいが…
「…これから先、どんなことになるか分からん。消しておくのがベストか。」
その真実に辿り着かれる可能性があるならば、多少のリスクを負ってでも、その大きなリスクを回避するのが鉄則になるだろう。
もし、放置して自身が危険に晒されるのであれば、それよりかはずっとマシである。
「…そうかよ。やっぱり、あんたは危険だな。」
と、技術局長に、背後から声をかける影がひとつ。
「!?…」
咄嗟のことで、技術局長は振り返ってそちらを見る。
そこにいたのは、銀髪の青年。
しかし、背中には大剣を背負っており、その面持ちは非常に険しいものであった。
「…君は何者かな?初めて見る顔だ。」
「そりゃそうだろうな。」
目の前の青年は、あからさまに敵意をむき出してきている。それが、何故かダンテに重なる。
技術局長は静かに拳を力強く握った。この人間は、自身の計画に仇なす存在、そして、とても有益な情報をもたらす存在だと。
「…だが、随分と気になる顔だ。」
「…俺にその気はねえけどな。」
技術局長は、静かにニヤリと笑った。
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「ネロ、気をつけるんだ。」
「…気をつける、ね。」
妖精の言葉に、ネロは怪訝な面持ちを浮かべる。
気をつけるも何も、相手の出方がわからない以上、どうしようもないのだが。
とにかく、今は相手が実力を行使しないことを祈る。
と、そんなネロをじっと見ていた技術局長が、その重い口を開く。
「…ほんの一瞬。」
「?…」
技術局長の雰囲気が少し変わり、ネロは身構える。
「…ほんの一瞬、君を仲間にしたいと思ったよ。中々面白い魔力をしている。」
「…やっぱりそういうことかよ、お前は悪魔か?」
ネロは右腕を捲る。
技術局長はその瞬間、やはり、と呟いてニヤリと笑みを浮かべる。
「…少し違うな。僕は、悪魔の力を研究している人間。」
技術局長は、軽く右腕を掲げる。
その瞬間、地面には魔法陣がいくつか現れていた。
「!…」
「だから、こういうこともできるのだよ。」
地面の魔法陣が歪み、そこから魔帝ムンドゥスの尖兵である、ブレイドが5体飛び出してくる。
ネロはあからさまに面倒くさそうな表情を浮かべた。
妖精たちの言葉を嫌という程思い知らされていた。
「…こいつらは、ここ最近捕らえたんだ。今は、僕に忠実に従っている。」
「…やるしかねえか。」
技術局長の言葉には耳も傾けず、ネロは覚悟を決めてブレイドを睨みつける。
陽は少しずつ傾き始めていた。
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「…ほ、本当ですか!?」
朝潮は、大佐の言葉に驚きの声を上げる。
それは、自分の姉妹艦たちにとっても嬉しい報せであった。
大佐は朝潮のは手を取って、はしゃぐように話す。
「うん!さっき、大本営の技術局長がいらしてね!話を聞いたら、大本営に具申してくれるって!!」
「私たちが…ここの鎮守府に…!」
朝潮は少し、微笑みを浮かべる。
あの、怖い提督がいる鎮守府に戻らなくて済む。
もう、苦しい思いを背負って出撃しなくて済む。
みんなが、笑っていられるようになる。
「…朝潮ちゃんの友達も、仲間もみんなこっちに迎えられる。だから、もうちょっとだけ待っててね!」
「…はい!」
朝潮は目に涙を浮かべながら、大佐の言葉に返事をする。
その表情を見て、大佐も満足げな様子であった。
その時、中庭の方から音が聞こえた。
「?…何の音だろう?」
大佐は、その音がする方へと目を向ける。
朝潮も、それにつられてそちらを見る。
そこで何が起きているのか、大佐達はまだ知らない。
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「
ネロはレッドクイーンで思いっきり前方をなぎ払うように
2体のブレイドが斬られた衝撃で、メートル単位で飛ばされ、その先でその血液を吹き出しながら消えていく。
「gyaaaaaaa!!」
1体のブレイドが声をあげながら高く跳躍して、ネロへとその鋭い爪を振り下ろそうとする。
それをネロは
ブレイドはそのまま地面へと叩きつけられ、そのまま息絶えた。
残った2体は、その爪を飛ばそうと構える。
が、ネロはブルーローズをその2体へと放つ。
「まだやるか?」
ネロはそう言いながら、技術局長へとブルーローズを向ける。
それに対して、技術局長は何も言わずにただネロを見続けるだけであった。
「…実に興味深い!あの男とはまた違った研究結果になりそうだ!」
ネロはその言葉に疑念を持つ。
あの男。その単語を聞いて思いつく知り合いが1人。
まさか、ダンテはこの男の近くに?
「…まあ、とにかく上手く事は運びそうだ。」
「?…」
ネロは不思議に思って、そのまま技術局長を見る。
上手く事が運ぶ、それは一体どういう意味なのか。
「…ネロ、くん?」
と、その時背後から聞こえる声に、ネロは一気に身体を強張らせた。
それは、今この瞬間、最悪の事態が起きたということ。
「逃げろ!」
ネロは振り返りながらそう叫ぶ。
だが、時すでに遅く、大佐の目の前に魔法陣が出現していた。
そこから飛び出すブレイドが、大佐に向かってその鋭い爪を振り下ろしていく。
大佐はその突然の事態に恐怖し、動けない。
太陽が地平線へと沈んでいく。
というわけで、1年間応援コメントや評価の方、ありがとうございます!
もう少し、完走までお付き合いください!
大佐の命運はいかに!?