Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
自分「めちゃ時間かかったけどやっと続きかけた…!さあ、投稿しよう!」
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自分「…前話と前々話のサブタイトル同じになってるやんけ!!」
すみません、編集しました…
というわけで、遅くなってすみません!
行きましょう!!
「げほっ…!」
大佐は、目を見開いた。
化物が、自分に飛びかかってきて、自身の身体を貫こうとその爪を振り下ろした。
その瞬間、横から割って入ってきたその影が、自分の身代わりになった。
「!…空ちゃん…!!」
「…大丈夫…提督さん…?」
その爪は、空の腹部を鋭く貫いていた。今にも気を失いそうな空は、それでもなおブレイドに鋭い目線を向ける。
空の口元から、一筋の血液が流れる。
「マジかよ…!」
ネロはその光景を目の前にして、小さく呟いた。
ブレイドがその爪を引き抜いて、空を蹴り上げる。
「ぐぁ…!?」
空はなすすべなく吹き飛ばされ、そのまま地面を転がる。
大佐は空の方へと駆け寄る。
空は少しずつ目を閉じていく。まるで、力が無くなっていくかのように。
大佐は空を抱えて、空に何度も呼びかける。
「空ちゃん…空ちゃん!!」
ブレイドはその大佐の方へとその爪を飛ばそうと構える。
だが、ネロが右腕を伸ばしてそのブレイドを引き寄せる事で、その動作はキャンセルされる。
そのまま、足元まで転がってきたブレイドの身体にレッドクイーンを突き立ててトドメを刺す。そのままネロは技術局長の方へと振り返りざまにブルーローズを向けた。
しかし、技術局長は既にその場からいなくなっていた。ネロは大きく舌打ちをする。
「クソ…!!」
「空ちゃん…お願い…目を開けて…!!」
大佐は、空の顔を優しく撫でながらそう叫ぶ。
しかし、空は応えない。
その場に残るのは、大佐の声と静寂だけであった。
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「くっ…危なかった…あの男…何者だ?」
鎮守府から少し離れた道路上、技術局長は自分が乗ってきた車の前で憔悴していた。
運転手が、それをただ無表情で見つめている。
「…ご気分がすぐれませんか?」
「ああ、最悪な気分だ!あんな男がいるなどと!!」
技術局長は運転手の言葉にそう吐き捨てるように返す。
本来、この視察ではあの鎮守府の人間がどの程度まで艦娘のことを知っているのかを探るつもりでもあった。
しかし、まさかここにもダンテのような男がいるとは思ってもみなかったのである。
と、そこまで考え込んで、技術局長は気がつく。
「ダンテはどうした!奴は動いたのか!?」
その言葉に、運転手はその右手にあるスマートフォンの画面を技術局長ヘ見せる。
その画面には、全てのシステムがダウンした、という通知がでかでかと表示されていた。
「なるほど…僕の計画通りになったか…!」
技術局長はニヤリと笑って空を仰ぐ。
これでいい。今回の視察ではイレギュラーが発生したが、それも些細な問題だ。
とにかく、今は大本営へとすぐに戻る事が先決。
「すぐに戻るぞ。」
「…かしこまりました。」
技術局長の言葉に、運転手は静かにお辞儀をしながら車のドアを開く。
技術局長は、遠くの空を見つめながら、また口元を歪ませるのであった。
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「…」
日が沈み、暗くなった室内を電灯が照らす中、大佐は集中治療室の前のソファで塞ぎ込んでいた。
集中治療室の中では、大潮達と並んで、空も治療を受けている。
なぜ、どうして。自分が傷つけられるはずだったのに。
空が傷つく理由なんてないのに。
全ては、自分のせいなのに。
そんな言葉が自身の脳内を埋め尽くす。
そんな大佐のもとに、靴音が響き渡る。
カツン、カツン、と響く足音は、大佐の近くまで来ると同時に消える。
「…隣いいか。」
そう言って、ネロは大佐の右隣にドカッとソファに座る。
ネロは、少し俯きながら、先ほどの出来事を思い出していた。
ブレイドが、大佐を切り裂こうとしていた。その瞬間、ネロは技術局長に集中していたため、動く事ができなかった。
「俺が油断してなければ、あいつは怪我なんてしなかった。」
ネロはそう呟いて、ため息をつく。
フォルトナにいた時の自分であれば、あんなミスはしなかった。あの状況で、大佐も空も救えたはずだ。
ブレイドが出現した瞬間に、ブルーローズを放つこともできたはずだ。右腕で悪魔を引き寄せることも出来たはずだ。
だが、それが出来なかった。
ネロは、フォルトナの時の感覚を思い出していた。
誰も救えなかった時のことを。
「…ネロくんのせいなんかじゃない…」
大佐はふさぎ込んだまま呟く。
ネロはそちらに目を向けず、ただぼんやりと前を見る。
「…だって…私があの場に行かなかったら…ネロくんが1人で全部倒してた…私が…あそこに行かなかったら…!」
ネロは、それを聞いて何かを言おうとするが、やめた。
フォルトナでは、キリエを救えなかった自分を憎んだ。力を持たない自分を憎んだ。
故に、大佐が自分を責める理由もよく分かる。
自分が非力だと、嘆いているのだ。
「…私が傷つけばよかったんだ…」
大佐はそう言ってソファから立ち上がり、そのまま逃げるように駆け出していく。
「…」
ネロはそれを引き止めることもしないで、ただ後ろ姿を見送っていた。
大佐にかける言葉が見つからなかったというのもあるが、1番の理由はその大佐が周りを拒絶をしていた事だ。
「…キリエが見たらなんて言うだろうな。」
ネロはそう呟いて、軽く天井を見上げた。
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「…提督、大丈夫かな?」
時雨が、執務室で書類を整理しながらそう呟く。
大佐が今はここにいないので、秘書艦である自分がなんとか仕事をこなさなければならない、という考えからであった。
その隣で、夕立も少しため息をついていた。
「…う〜ん、わからないっぽい。いつも提督は自分のことを責めちゃうから…」
「…そうだね。僕たちが、しっかりと支えないと。」
夕立の言葉に、時雨はそう返答してまた書類へと目を通す。
せめて、今は提督が仕事に気を取られてしまわないように、自分たちが出来ることをやるんだ、と。
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「…空ちゃんに顔向けできないな〜…」
工廠の中、地べたに座る大佐は静かにそう呟いて、ドラム缶に背中を預ける。
その表情は笑顔であったが、少し悲しげに見えた。
本当に苦しいのは空のはずなのに、自分がこんな調子では怒られてしまうだろう。
だが、それでもいつものように明るく振舞う事ができない。
「…はぁ〜、空ちゃんは生きてるのよ?なのに、そんな通夜みたいな雰囲気出して…空ちゃん起きたら怒るんじゃない?」
と、作業着姿の夕張が大佐に向かってそう告げる。
夕張に対して、大佐は少し困り顔で反論する。
「だ、だって…空ちゃん一歩間違ってたら…」
「…そりゃ、一歩間違えたら、私たちも沈むよ。」
と、大佐は夕張の言葉に何も言い返せなくなる。
大佐はそのまま、塞ぎこむように膝を抱える。
その様子を見た夕張は、あちゃ〜、とつぶやきながら頭を抱える。
「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったんだけど。」
そう謝る夕張に、大佐は塞ぎこんだ顔を少しだけあげる。
そうだ、自分の命令にはみんなの命がかかっている。それなのに、自分はみんなのために命をかけられない…
大佐は小さく呟く。
「…私って、みんなに命令するだけ…いつだって自分は安全なところから指示を出すだけ…最悪だよね…」
「…だから、そうじゃないんだって。」
夕張はそう言いながら、大佐の目の前にしゃがむ。そして、大佐の手を取ってギュッと握りしめる。
大佐はその手を見る。作業をしていたせいでとても黒かったが、不快ではなかった。
「提督の指示に従ってるのは、それが正しいと思うから。確かに、上官の命令には背けないんけど、それだけじゃないし、何よりも大佐のためだから命をかけられるんだよ?」
夕張は大佐の目を見ながらそう呟く。
大佐はその夕張から目を背けるように塞ぎこむ。
「…でも、私怖がりなの…みんなが出撃してる時に、ずっと震えてる…」
「愛宕から聞いたよ。それって、自分が出した指示でみんなが怪我しないか不安なんでしょ?」
夕張はそう言って、大佐の顔を両手で挟み込む。
大佐はそのまま夕張の方を見るように大佐が目を動かす。
「…提督は、それだけ優しいんだよ。だから、みんなも提督のことが大好きなんだよ。だから、自分が傷つけばとか、そんなことは考えないでよ。そんなこと言うと、みんな提督のこと怒っちゃうよ!」
夕張はそのまま大佐に笑顔を見せる。
その笑顔を見た大佐は、少しだけ心が軽くなった。
2人はそのまま、なんだか可笑しくなって、笑い始めた。
「あはは、悩むなんて私らしくないよね。」
「そうそう、提督は明るすぎる方が似合うって。」
夕張と提督は、しばらくそのまま笑いあっていた。
月明かりが、鎮守府を照らし始めていた。
さて、続きなのですが、年明け前にもう1話投稿しようと思ってます!!
色々な予定が絡んで忙しかったので、かなり投稿スピード落ちてますが、年明けからかなり時間が取れると思うので、そこからは結構投稿スピードあがると思います!!
もうしばらく、お付き合いくださいませ…