Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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お待たせしました!

というかお待たせしてすみません!


救済

「提督!大変だよ!!」

 

慌てた様子の時雨と夕立が、執務室へと飛び込みながらそう騒ぐ。

それを聞いて、中にいた大佐と朝潮達は気を引き締める。

 

「ど、どうしたの?」

「どうもこうもないっぽい!今、外でネロと空が戦ってるっぽい!」

 

夕立がそう言ったと同時に、大佐は執務室の窓から外を見る。

そこでは、ネロが空母棲姫と戦っている姿が見えた。

だが、大佐には一目で分かる。

あの空母棲姫は、間違いなく空であること。

 

「…嘘…そんな…空ちゃんが…!」

「提督!」

 

時雨と夕立が、大佐を見ながらそう叫ぶ。

どうするべきかと、指示を促す。

大佐は、息を飲む。

どうすれば良いのか。

空を助けるにしても、艦娘であるみんなに負担をかけてしまうのではないか。

力のない自分に、価値はあるのか。

 

「提督、僕たちは沈まないよ。」

「だから、提督の思うようにやるっぽい!」

「!…」

 

時雨と夕立の言葉に、大佐は言葉を飲む。

自分のことを信頼してくれる艦娘たちを、自分が信頼しなければならない。

大佐は、自分に気合いを入れるかのように、両頬を両手でパチンと叩く。

 

「…よし!みんな、私に力を貸して!!」

「…了解!」

 

大佐がそう叫ぶと、時雨たちがそう返答する。

空とネロ、2人を助けるために。

 

 

____________________

 

 

 

ネロは純粋に苦戦していた。

相手は海に降りることなく、ただその場に立ち尽くすだけなのだが、周りを飛ぶ球形の艦載機たちが、ネロに対して延々と攻撃を続けてくるのだ。

数は、目視で数えられるだけで200を超える。

 

「…キリがねえな。」

 

その艦載機たちに阻まれるせいで、だった30mの距離が縮められないため、1つ1つ、ブルーローズで丁寧にそれらを撃ち落としていく。

だが、それだけの数をチマチマ攻撃していても、そう簡単に減るわけがない。

ここが軍事施設であることから、空を止めるための時間はそう長くはない。仮に施設に攻撃が始まれば、どうしようもない。事態は急を要する。

 

「なら、思いっきり派手にいくぜ。」

 

ネロは右腕を伸ばして艦爆の1つを掴み取り、それを艦爆たちが群れをなしている所へ投げつける。

艦爆同士がぶつかり、それらの爆弾に引火し、大きな爆煙が空を覆う。

まるで、大きな花火のような爆発であった。

それを見たネロは、軽く笑みを浮かべる。

 

「…割とショボイな。」

 

そう呟いたネロは空の方を見る。

空は、ただ虚ろな目でネロをじっと見るだけてあった。

艦載機を新しく飛ばす様子もなく、ネロは軽く油断していために、空の方へと駆け寄ろうと地面を蹴る。

だが、それを見計らったのように、海に波紋が数個ほど現れる。

 

「!…」

 

ネロはとっさにそれに反応し、すぐに避けるように飛びのけた。

波紋の中から3体のブレイドが現れ、空を守るかのように立ちふさがる。

空の暴走した魔力に惹かれてやってきたのだろう。

 

「チッ…」

 

ネロはすぐにブルーローズを取り出し、そのまま引き金を3回引く。

ブレイドのうち1体がその弾丸を胴体にくらい、そのまま断末魔をあげて倒れ臥す。

と、いきなりネロの方へと1体のブレイドが突撃する。

 

「失せろ!」

 

ネロはそのブレイドをその右腕で引き寄せて、レッドクイーンのエンジンを最大までふかす。

そして、ブレイドがこちらへぶつかるかと思われるその瞬間、EXストリークをかます。

 

「One!Two!Crazy!!」

 

3回の大きな突進を伴った斬撃に、ブレイドは身体を四散させながら吹っ飛ばされる。

最後の1体は、周りがやられていくのに全く動じず、その爪を放とうと構える。

しかし、それをネロは感知していた。

 

「来いよ!」

 

ネロがそう呟いた瞬間、ブレイドは爪をネロへと飛ばす。

しかし、その直線的な弾道を、ネロは軽く身体を逸らすだけの動き(テーブルホッパー)で回避して、そのままブレイドへと近づく。

ある程度近づいた瞬間、ネロは右腕でブレイドを掴む。

 

「くらえ!」

 

ネロはブレイドを、何度も地面に叩きつけ、そのまま最後に1発地面へと強く叩きつける。

その動作で、ブレイドはもがき苦しみながら、最後には動かなくなった。

 

「…増えてやがるな。」

 

ふと、気がついて上を見上げると、また空の周りには白い球体がフワフワと浮いていた。

ネロは少しかったるそうに静かにため息をつく。

 

「ネロくん!」

 

と、後ろからそんな切羽詰まったような声が聞こえた瞬間、ネロはさらに面倒臭そうにため息をつく。

 

「部屋に戻ってろよ。」

「大丈夫!」

 

大佐はそう告げて、総員戦闘準備!と叫ぶ。

すると、時雨と夕立が対空砲を、隼鷹と飛鷹が艦戦を装備しながら現れる。

 

「空を飛んでる奴らは任せるっぽい!」

「今のうちに空さんを!」

 

時雨と夕立がそう叫びながら、対空砲を空中へとばら撒く。白い球体達が、それを受けて時雨と夕立に突貫をかける。

が、その横から現れた艦戦に次々と撃ち落とされる。

 

「パーっと行こうぜ!パーっとな!」

「数が尋常じゃないんだからふざけないで!」

 

隼鷹と飛鷹の式神タイプの鑑戦が、次々と戦果を上げていく。

大佐は、ネロを真っ直ぐ見据える。

 

「もう足手まといにならないから…」

 

そこには、普段の怯えたような目はすでに消え失せていた。

たた、仲間を助けたいという思いだけが垣間見えた。

 

「…空ちゃんを…助けて上げて…!」

 

その表情は、ネロの心を突き動かした。

軽く笑みを浮かべながら、ネロは左手を軽く上げる。

 

「…了解。」

 

ネロはそのまま、空の方へと駆け寄る。

空は、本心では抵抗するつもりはないのだろうが、次々に艦載機を発艦させていく。

 

「…暴れるなよ。」

 

ネロはそう呟いて、ただ空の方を見据える。

空から爆音が聞こえるが、それらは全て時雨たちが撃ち落とした艦載機のものだと確信していた。

 

「助ケテ…」

 

突然、空がそう呟きながら、ネロに向けて何発か主砲を放つ。

正確な弾道で、ネロへと砲弾が接近していく。

 

「Ha!」

 

だが、それらはネロの隙のない動きでかわされていく。

空が、虚ろな目でネロを見据える。

ネロはそれを見て、不敵な笑みを浮かべる。

 

「悪いが、キスで起こしてやるほど俺は優しくないぜ。」

 

ネロはそのまま高く飛び上がり、閻魔刀を構える。

空は、まるで悲しげな顔をしていると同時に、ホッとしたような表情を浮かべていた。

ネロは気力を高めるかのように静かに呟く。

 

「『灰は灰に(Ash to ash)』」

 

ネロはそのまま高く閻魔刀を振り下ろし、空の右腕についている甲板だけを切り落とす。

ついでと言わんばかりに、ネロはそのまま空と艤装をつなぐ部分を斬り壊した。

 

「『塵は塵に(Dust to dust)』」

 

空はまるで、糸が切れたようにプツリと意識を失い、そのまま前に倒れこむ。

しかし、ネロはそのまま倒れ込む空の体をしっかりと両手で支える。

 

「…人間は、人間に戻さなきゃな。」

 

ネロはそう呟いて、空の顔を見る。

先程の悲しそうな表情から、穏やかなものに変わっていた。

少しずつ白かった髪も黒に戻っていき、身体を覆っていたボロボロの布も少しずつ剥がれていく。

まるで生気の感じられない冷たい肌は、徐々に人間らしく血が通ったかのように色が戻ってくる。

 

「…っ。」

 

と、そこまで空を見ていたネロは思わず目をそらす。

決して豊満とまでは言わないが、その女性的なボディラインが露わになっていたからである。

と、後ろからたくさんの足音が響く。

 

「ネロ!大丈夫なのかい!?」

 

時雨と夕立が駆け寄ってくるのを見て、ネロは空のことを丸投げしようと考えていた。

とにかく、今は空が無事に目を覚ますことを祈るしかないのだから。

ふと気がつくと、遠くから見ていたはずのあの気配が動いたのを感じた。

 

「…これで満足かよ。」

 

ネロはそう悪態をつきながら、空を抱えて時雨たちの方へと歩み出す。

太陽が、鎮守府を照らし続けていた。

 

 

 




いや、本当にすみませんでした…

インフルB型にかかってしまい、全然かけなかった…

なかなか週一投稿が出来ないですが、頑張らなければ…
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