Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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…いや、気がついたら3ヶ月たってました…

ほんと、申し訳ないです…!!




失踪しかけた…(恐怖)


天龍

 

「…終ワッタネ。」

 

戦艦レ級は、そう小さく呟いて欠伸をする。

ネロとあの空母棲姫の戦いは、かなり興味深いものであったが、やはり自分が加われないのが面白くないのだ。

 

「…humph。」

 

バージルはそう呟いて、軽く目を閉じる。

その心の中で何を思っているか、それは本人以外の誰にもわからない。

南方棲鬼はただ、納得がいかないような表情を浮かべていた。

 

「アンナノ、ズルインジャナイノ?アレヲ倒スノ、無理デショ。」

「アノ刀ハ強スギル。提督ニ今スグ返シテ貰ワナイト、コレカラ苦労スルダロウネ。」

 

戦艦レ級は南方棲鬼の言葉にそう返答する。

その言葉には、出来るものなら、という言葉が隠れていた。

 

「…デ、提督。コレカラドウスル?」

 

南方棲鬼はそう静かにバージルへと尋ねる。それに対して、バージルは無言で歩きだす。別段、何もする気は無いと言っているような気さえする。

 

「…無視サレルノハ癪ナンダケド。」

「…マア、仕方ナイサ。」

 

南方棲鬼の嘆きをスルーしながら、戦艦レ級もバージルの後をついていく。

南方棲鬼は、諦めたようにため息をついて、未練がましく鎮守府を見つめながら戦艦レ級を追う。

暗雲は少しずつ晴れていった。

 

 

 

____________

 

 

 

「…君のおかげで、技術局長の思惑はしっかりと打ち崩せた。感謝する。」

 

工廠の中、妖精たちがネロを囲みながらそう呟く。

ネロはその真ん中の椅子に乱暴に座ったまま、黙りこくっている。

まるで、尋問をされているかのような雰囲気に、妖精たちは身体を強張らせていた。

 

「…あいつは、どうなる?」

 

静寂を切り裂くように、ネロが呟く。それを聞いた妖精たちは、すぐにネロが差しているあいつが、空のことであると理解した。

しばらく、妖精たちも黙りこくって居たが、静かに語りだす。

 

「…完全に、彼女の中の悪魔は消え去った。だが、目が覚めるかどうかは全くもって未知数だ。もしかすると、このまま二度と目が覚めないかもしれない。」

 

妖精はそのまま、少しため息をつきながら続ける。

それを見て、ネロは少し怪訝な表情を浮かべる。

 

「彼女はもともと、深海から来た側の者だ。目が覚めなければ、そのまま軍にいいように扱われるかもしれないし、最悪の場合は…」

「…もういい。奴らが半人半魔ってことは分かった。」

 

ネロは話を遮るようにそう返答し、腕を組んで考え込む。

ネロは純粋に、1つの疑問を持っていた。

深海棲艦が半人半魔という事実。それをダンテが見抜いていないはずがない。

ダンテはそれを見逃して、何をしているのか。

そこまで考えて、ネロは大きくため息をつく。そんなことを考えるだけ無駄なのだ。

今必要なのは、情報の整理である。

 

「…ダンテは、どこにいる?」

「…そうだね。約束通り、教えよう。」

 

ネロの小さなつぶやきに、妖精はそう答える。技術局長の一件が過ぎるまで、ネロには無理を言ったのだ。約束すら破れば、もはや自分たちの立場も危うくなるだろう。

妖精たちはそう頭の中で考えながら、その重い口を開く。

 

「…彼は、大本営の内部にいる。それも、特別なVIP扱いでね。」

 

そう言った妖精の表情は、とても悲しげであった。

ネロはその瞬間に、その表情を硬くしていた。

 

 

 

____________________

 

 

 

「…大本営にいるだと?」

 

ネロは苛立ちながらそう呟く。

ダンテが大本営にいる。その事実は、あまりにも信じられなかった。

大本営から派遣されてきた技術局長という男は、わざわざこの鎮守府に視察に来て、最終的に大佐を排除する考えに至った。そんな彼の下に、ダンテがいるということを、技術局長本人が仄めかしていた。

だとすれば、あれほど魔力を自分のために使用する男を、果たして放っておくほどダンテは正義感がない男であったか。ならば、奴らにダンテが加担しているというのだろうか。

 

「…それはないな。」

 

そこまで考えて、ネロは静かに首を横にふる。

おそらく、大本営にいる事実は覆らないが、ダンテが自由に行動できないのは理由があるのだろう。

何かの問題が発生した、などが理由に挙げられるだろうか。双子の兄が現れたことも、関係があるかもしれない。

 

「…チッ…どうしろってんだ。」

 

ネロは、ただ悩むことしかできなかった。

このまま、ダンテのところに向かうことはできる。その場でダンテを問い詰めることも。

だが、今は大佐や空のことが気にかかる。もし、ネロ自身がいない時に敵が攻めて来たとしたら…

 

「…随分な面倒に巻き込まれたな。」

 

ネロはそう呟いて、自室に戻るのであった。

 

 

 

____________

 

 

 

「…空ちゃん、起きてくれるかな…」

 

集中治療室の前、大佐はそう呟いて、ベッドに横たわる空を見つめながら呟く。

外傷は全くないのに、目覚めない。問題は、おそらく心の方だろう。

 

「…彼女が起きるかどうかは、わからない。もしかするとこのまま…」

 

夕張はそこまで呟いて、言葉を濁すように俯く。そんなことは、大佐にもわかっているのだろう。

それでも、彼女が戻ってくるのを待っている。もう空は、仲間になってしまったのだから。

 

「…大丈夫よ。なんたって、私が医療器具も担当してるんだから!それに、ネロのことだしちゃんと手加減してるって!!」

 

夕張は元気づけるようにテンションを上げてそう大佐の背中を叩く。

少し痛がりながら、大佐は自分の背中をさする。しかし、その表情には笑顔が戻っていた。

 

「…そうだよね。」

 

大佐は静かにそう呟いて、軽く伸びをする。

今の大佐には、仕事がたくさん残っているのだ。そう簡単に、倒れるわけにはいかないのだ。

 

「よしっ!じゃあ、またネロくんと空ちゃんの戦闘の後始末だよ!!それに、まだ朝潮ちゃんたちの鎮守府の艦娘を助ける話も終わってないしね!!」

「その意気よ、提督!」

 

大佐の言葉に、夕張も同調するように声を張り上げた。

2人はすぐに執務室へと向かうのであった。

 

 

 

____________

 

 

 

ネロは静かな夜の中、鎮守府の外を歩く。静寂が暗闇を支配するなか、波の音だけはネロの耳に届いてくる。

まるで、ここが現世ではないとでもいうように、青く、そして暗い水平線が広がっていく。 闇がネロを誘っているように見える。

ネロは疲れたようにその湾頭に腰掛けて、そのまま寝転がる。

空はずっと暗闇が続き、月明かり1つさえない。

ネロはそれをぼんやりと眺める。

 

「…隣いいか。」

 

と、そんな声がネロに呼びかける、チラとそちらへ目をやると、そこにはいつもより暗い表情の天龍が佇んでいた。

ネロはそれを不思議に思いながら、無言で返答する。

天龍は、そのままネロの隣に黙って座り込む。

しばらく、2人の間に静寂の時が流れる。波の音が、あたりに響き渡る。

 

「…何を迷ってるんだよ。」

 

天龍はそう言って、軽く俯く。

ネロはぼんやりと、その問いに答えようと口を動かす。

 

「…関係ねえよ。」

「…大本営、行けばいいだろ?」

 

と、ネロの言葉に食い気味で天龍が呟く。

ネロは身体を起こして、少し怪訝な表情を浮かべていたが、やがて呆れたようにため息をつく。

 

「…聞いてたのかよ。」

「…お前の知り合い、問い詰めにいくんだろ?」

 

天龍は軽くそう言って、静かに立ち上がる。

ネロはそれを聞いて、頭を抑えながら立ち上がる。

 

「…そんな単純な話じゃねえ。」

 

ネロはそう言って、その場を立ち去ろうと歩き出す。バツが悪いのか、不機嫌そうであった。

そんなネロを引き止めるように、天龍はネロの腕を掴む。

 

「…俺たちが心配で行けねえってのか。」

「…」

 

ネロは天龍の言葉に、沈黙で答える、

天龍は、深くため息をつく。

 

「…そんな程度なら、今すぐ行けよ。俺たちは大丈夫だ。」

 

天龍のその言葉に、ネロは苛立ちながら手を振り払う。

 

「…そんなわけねえだろ。またあの男が攻めてきたらどうするんだ。」

 

ネロはあまり声を荒げずに呟く。

しかし、その心の中は荒れていた。

今この場を離れてしまえば、この鎮守府は確実に危険だと理解していた。それなのに、この目の前の天龍はそれを理解していないかのようにモノを言う。

それが、少し許せなかったのだ。

 

「俺たちが信じられねえってことかよ。」

「!…ああ、そうだよ。お前もあいつにボロボロにされてたじゃねえか。」

 

天龍の言葉に、ネロはすかさず辛辣な言葉をぶつける。だが、ネロはその選択が間違いだということに気がついていた。

そんなことを言ってしまえば、天龍を傷つけることは理解していたのだから。

 

「…そうかよ。」

 

天龍はそう言って、ネロから目をそらす。

ネロは先ほどよりも居心地が悪くなり、少し反省するような表情を浮かべてその場を離れようとする。

 

「…なら、ネロ。俺と勝負しろよ。」

「…何?」

 

だから、ネロはその言葉に困惑していた。

話の流れ的に、明らかにおかしいものであった。

 

「…まてよ、第1お前はもうすでに俺に…」

「良いから!勝負しろよ。前のようにはいかないぜ。」

 

そう言って、天龍は不敵な笑み浮かべる。

それは、今までのそれとは明らかに違う笑み。

ネロは、少しだけ、天龍に恐怖を覚えた。

 

「…どうしたんだ?」

「…いや、なんでもねえ…」

 

ネロは少し、笑ってしまった。

仮にも天龍たちは、この国の軍事に携わる人間。そんな彼女たちが、短期間で成長しないはずはない。

 

「…良いぜ。どうせ、お前もただじゃ諦めてくれそうにないしな。」

「へっ、後悔するなよ!ネロをぶっ飛ばして、鎮守府最強の称号は貰うからな!」

 

ネロは、静かにため息をついてレッドクイーンに手をかける。

天龍も、自分の艤装用の刀に触れて、臨戦態勢を整える。

 

2人の本気のぶつかり合いが始まる。

 

 

 

 

 




もう絶対書ききります!!

なんか吹っ切れました!!
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