Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
さて、比叡型の戦艦をここから出していきます。
風呂敷を広げた以上、畳むのが大事。
見てくれる人を失望させないように頑張ります!
ネロは、その大本営の建物前にまでやってきて、その違和感に気が付いた。
ダンテの気配はするが、それと同時に何かしらの悪魔の気配もするのだ。
「…この中に悪魔がいるのか?」
ネロはそう呟いて、少し嫌な予感がよぎっていた。
もしこの中に、大量の悪魔が現れているのであれば、それこそ技術局長だけではなく、この組織自体が悪魔を研究している可能性は否定できなくなる。
それは、大佐のような人間が利用されているという可能性が拭えなくなる。
「…どっちにしろ、ダンテがここにいる時点でそこは覚悟してんだ」
ネロはそう自分に言い聞かせるように呟く。
そして、その大本営の正門をくぐったところで、その三人の姿が目に入る。
そこには、巫女服のようなものを着た艦娘の姿があった。
ネロは、少しやりづらそうな表情を浮かべながら、その三人へと近づく。
「…動かないでください」
そして、その声を聞いたとき、ネロは心の中で厄介なことになった、と呟いた。
その三人が、しっかりとその砲塔をネロへと向けていたのである。
「…俺は客人だぜ。通してくれよ」
「…今は、理由があってここには誰も入れないんです」
そう呟いたその短髪の女性が、ネロに少し辛そうな表情を浮かべていた。
ネロは、それを見てあからさまに目をそらす。
「…私は、金剛型二番艦、比叡です。とにかく、今は事情があってここを通すわけにはいきません」
そう自分を名乗ったその女性が、ネロに抵抗という選択肢を失わせる。
しかし、ここを通れないのはネロにとっても困る。
「…どうしてもだめか?」
「…貴方が、敵対しているわけではないのなら、このまま引き下がってもらえませんか?」
比叡がそう言いながら、ネロへ主砲を向ける。
それを見て、ネロは大きなため息をつく。
「…それは無理だ。この中に知り合いがいてな」
「…では、すみません。力づくでいかせてもらいます」
比叡がそう呟いて、そのまま後ろの二人へ声をかける。
「榛名、霧島、お姉様のために、ここは何としても守らなきゃ!」
「ですが、艦娘が人を撃つのは…」
霧島と呼ばれた眼鏡をかけた少女は、そう返答する。しかし、比叡は霧島に向けて、鋭い視線を向ける。
「お姉様がこのままだと解体されちゃうんだから、仕方ないじゃない!」
「比叡お姉様…」
榛名と呼ばれた、ロングヘアの少女も同じように迷いが見える態度でそう呟く。しかし、比叡は決してうろたえることなくネロにその主砲を向けていた。
「…わかった。それなら、俺も力づくでいくぜ」
ネロがそう呟いて、静かに歩き始めるのをみて、比叡はその歯を食いしばりながらその主砲を放つ。
ネロはそれを視認した瞬間、それをレッドクイーンによって切り捨てる。
それを見た榛名と霧島は、その表情を緊張させる。
「…榛名、霧島、この人はただの人間じゃない。だから、ここで止めないと!」
「て、敵かどうかはまだ…」
榛名はそう呟いて、それでも心の中に生まれた疑問は消せなかった。
艦娘の砲撃を、ただの人間が切り捨てることなどできるはずがない、と。
「…これは、認識を変更せざるをえないわね」
霧島はそう呟いて、ネロへと主砲を向ける。
ネロは、嫌そうな顔を浮かべるが、諦めるつもりはなく、その隙を伺って間を抜けようと走り始める。
しかし、霧島と比叡の同時砲撃により、ネロは流石にそれを回避するしかなかった。
「…艦娘と戦うなんて冗談じゃねえぞ」
ネロはそう呟きながら、入口へ向かうために走り出す。
しかし、比叡と霧島の砲撃によって、ネロは進行方向を変えざるを得ない。
「…すんなり通らしてくれよ」
ネロはそう呟きながらその二人を見るが、決して通す気はないのか、二人はその表情を真剣なものにしたまま変えることはなかった。
「…榛名、援護して!」
「で、でも…!」
比叡の言葉に反論しようとする榛名。その二人の会話の流れを見たネロは、その一人は攻撃してくる様子はないことを確信して、ゆっくりと三人へと歩み寄っていく。
「…俺はお前らへ攻撃するつもりはない。少なくとも、艦娘であるお前らを敵と思うことはない」
「…その言葉に、信頼できるほどの根拠はありますか?」
比叡はネロの説得も意に介さず、そのまま静かにネロが動くのを待つ。ネロはそれを感じ取って、このままでは埒が明かないことを悟った。
「…そうかい。なら、とっておきを見せてやるよ」
ネロはそう言った瞬間、コートの右腕を捲り、何とかその右腕で比叡の艤装へワイヤースナッチをする。しかし、戦艦その重さゆえかネロの身体が比叡へと引き寄せられる形になる。結果として、ネロが比叡を飛び越えて、そのまま大本営の建物の入り口まで飛んでいてしまった。
それを見た榛名と霧島は、その光景に言葉が何も出てこなかった。
「…通らせてもらうぜ」
そうネロが呟いた瞬間、ネロの前に見知った赤い結界が現れた。
ネロはそれを見て、ニヤリと笑みを浮かべる。
「…こういうのじゃないと戦いづらいからな」
ネロがそう呟くと、そのすぐそばからメガスケアクロウが2体も現れ、そのままネロへと攻撃を加えようとその刃を振るう。
しかし、ネロはそれをそのまま食らうわけもなく、
しかし、もう一体の攻撃は実行に移される。
ネロへとその巨体が転がっていき、そのままぶつかるかと思われたその瞬間、ネロはその敵に向かってレッドクイーンを思いっきり振りかぶって叩きつける。
それを受けて、体勢を崩したメガスケアクロウへ、ネロはダメ押しの一撃を加えるために、その右腕を伸ばす。
「
ネロの攻撃はそれだけでは止まらず、そのままメガスケアクロウを思い切り蹴り飛ばした。
そして、そのまま吹っ飛ばされたメガスケアクロウに向かって、ブルーローズを構える。その弾丸には、最大の魔力が込められていた。
「
弾丸が射出され、メガスケアクロウに突き刺さる。
メガスケアクロウはそのまま、何も感じないかのように立ち上がる。
しかし、その変化は起きていた。
メガスケアクロウに刺さったその弾丸は、突如空気を入れすぎた風船のように破裂したのだ。
「…ねんねしてな」
ネロがそう呟いた瞬間、そのメガスケアクロウはそのまま崩れ去るように消えていった。
そして、ネロはもう一体のメガスケアクロウに眼を向ける。
「い、いやぁぁ!!」
比叡と名乗った少女が、襲われそうになっているのを見て、ネロは素早くそのメガスケアクロウにとびかかる。
その後ろから思いっきりレッドクイーンを振り下ろし、その身体を一刀両断する。
そのまま、メガスケアクロウは身体の維持が出来なくなったのか、地面に溶け出すように消えていった。
「…大丈夫か?」
「…な、何で助けたんですか…?」
比叡はそう言いながら、ネロの方をじっと見る。
ネロは眼をそらしてそのまま大本営の入り口まで歩き始める。
「…ただ、こっちの事情に巻き込まれただけで、悪い奴じゃねぇと思ったからだよ」
ネロがそう言った言葉は、その場にいた全員に聞こえていた。
比叡と榛名と霧島の三人は、それぞれの心に疑念が植え付けられていた。
本当に、この人間を通してはいけなかったのか、という疑念が。
モチベーションが高いというより、リアルが充実した分だけやる気が出てくるということが分かったので、しばらくは更新を遅らせずに進められると思います!