Devil may cry ~Fleet Collection~   作:縁(みどり)

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本編進めなきゃいけないのに、シークレットの方ばっかり書いちゃう…

しかもいつもより長いじゃないか…

あとやっぱり独自設定がどんどん出てきてしまう…

時間軸はシークレットの3の後です…


3 〜 Maneuvers 〜

「ハァ!!」

 

南方棲鬼は叫びながら主砲を放つ。

その砲弾は真っ直ぐにバージルの方へと飛んでいく。

それをバージルは避けることもせず、ただ自身の目の前で日本刀を盾のようにくるくると回す。

その動作だけで、砲弾は真っ二つに切り裂かれる。それを見た南方棲鬼は驚いたような顔を浮かべ、そしてすぐに怒りの表情に変える。

 

「ズルイ!」

「…humph、どうした(What's wrong)?」

 

バージルはまるで呆れたような表情で南方棲鬼の方を見る。南方棲鬼はそれを見て、ただただ自分の弱さに苛立っていた。

 

「ウルサイ!!」

 

南方棲鬼はそう叫び、バージルに向けて魚雷を発射しようとする。

しかし、その動作の間に、バージルは距離を詰め…たかと思えば、高速で南方棲鬼の後方へと通り過ぎていく。

南方棲鬼は、たった今何が起こったのかわからなかった。

 

「!?…」

「…クズが(Scum)。」

 

その声と同時に、南方棲鬼は腹部に激痛が走るのを感じた。まるで自身が切り裂かれたような痛みであった。

南方棲鬼はその痛みに耐えきれず、ゆっくりと倒れていく。

バージルは目にも止まらぬ速さで刀を振ったため、南方棲鬼は自身が斬りつけられていたことに気がつかなかったのだ。(もちろん峰打ちではあるが。)

バージルは、刀にかけていた右手をゆっくりとおろし、humph、と呟く。

 

「…容赦ナイネ。」

「これぐらい当然だ。」

 

バージルはそう呟き、南方棲鬼の方を見る。

それを見た戦艦レ級は、静かに立ち上がる。自身の番が、ようやく回ってきたためである。

それを横目で見たバージルは、レ級の方へと向きなおる。

 

「…ジャア、今度ハ僕ノ番ダネ。」

「…来い(Come on)。」

 

バージルはそう呟き、戦艦レ級をじっと見据える。

しばらく2人で見つめ合う形になる。

 

「…懐カシイネ、僕達ノ初対面モコンナ感ジダッタ。」

「…humph。」

 

2人はそう呟くと、すぐに間合いを詰める。

かつて、初めて2人が出会った時のように。

 

____________________________

 

 

戦艦レ級はただ昼も夜もわからない深海の中、暇をつぶすために歩いていた。

こうしていると、たまに湧き上がる海上へ上がりたいという衝動、仲間への不満を抑えられるのだ。

今日もまた、仲間である離島棲鬼と自身の意見が合わずに衝突したため、歩いていた。

 

「…フン、アノ馬鹿トキタラ。」

 

戦艦レ級は悪びれる様子もなく、ただブツブツと文句を言いながら歩く。

時折、深海魚が近づいてくるが、レ級を見るなりすぐに引き返していく。

 

「…マア良イサ、ストレス発散スルカラネ。」

 

戦艦レ級はそう言いながら、少し歩みを速めた。そうすることで、自身の苛立ちも早くおさまるからである。

しかし、その日はそうはいかなかった。

 

「!…アレハ…」

 

戦艦レ級は、その視線の先に何かが映り込んでいるのに気がついた。

そこには、海底に横たわった人間が1人。銀色の髪に、青いコートを身に纏った男である。

 

「…沈メラレタ船ノ乗組員カ?」

 

戦艦レ級は静かに、その遺体と思われる男へ近づく。

男の顔立ちは整っているものの、まるで鬼のような形相であったため、戦艦レ級は少し身震いした。

 

「死ンデモ怖イ人間ナンテイルモンナンダネ。」

 

戦艦レ級はそう言って、その男の身体をじっと見る。

まるで、吸い込まれそうなほどに綺麗な青。それに戦艦レ級は見惚れていた。

しかし、その時間はものの数秒で終わる。

男が、突然悶え苦しみ始めたのだ。

 

「Aaaaggghhh…!!」

「!?…」

 

戦艦レ級は突然の出来事に、何も対応が出来なくなっていた。

男はガクガクと身体を震わせ始める。

 

「ナ、ナンダ…!?」

 

男の口から空気が漏れる。腕が、足が、まるで1度消え去った命の代わりに、新しい力が流れ込んでいるかのように動き出す。

そして突然、男の震えが止まり、悶えていたことが嘘のように静かにその目を開いた。

 

「…オイ、大丈夫カ?」

 

男はその言葉を聞いて、ゆっくりと上半身を起こす。あたりを見渡し、自身の体を見る。

何か驚いたようにも見えたが、すぐにその表情を硬くして、戦艦レ級へと鋭い視線を向ける。

 

「…ここはどこだ?」

「…ドコッテ…深海ダケド?」

 

男の質問に、戦艦レ級は焦りを見せずにいつものトーンでそう答える。

この状況でおびえた態度を見せれば、相手に自分は格上であると認識させてしまう恐れがあるため、慎重に返答したのだ。

男は、静かに立ち上がる。

 

「…humph、魔界に堕ち、今度は深海か。」

 

男は不敵な笑みを浮かべつつ、そう呟く。戦艦レ級にとって、その意味は全くわからなかったが、大して気にもしなかった。

 

「…ソレデ?ドウシテココニ寝テイタ?」

 

戦艦レ級は、1番気になっていたことを質問した。

男は、その表情を先ほど気を失っていた時のように険しくする。

 

「それが分かっているなら、貴様に質問などしない。」

「…ソリャゴモットモ。」

 

男の表情に、少しだけ息を飲んだが、すぐにそう返答する。

こちらはこの男に敵対するつもりはない。故に、攻撃的な態度を見せないようにしている。

しかし、どうやらこの男はそんなことなど思っていなかった。

 

「…水の中の悪魔とはな。」

「!…イキナリナンダイ?」

 

男の発した言葉に、戦艦レ級は語気を強めてそう返す。

自己紹介も何もしていないのが悪いのかもしれないが、いきなり初対面で悪魔と呼ばれるのが癇に障ったのだ。

 

「…僕ハ戦艦レ級ッテイウンダ。悪魔ジャナイ。」

 

レ級は静かにそう呟き、男に対して威圧的な目をしながら主砲を向ける。

だが、男はただ何も表情を変えずにじっとレ級を見る。丸腰の男が、戦艦レ級の主砲を向けられたのにもかかわらずである。

 

「…humph。」

 

男はその表情を不敵な笑みに変える。

その瞬間、戦艦レ級の身体に悪寒が走る。自分の方が圧倒的に有利なはずなのに、その状況の自分ですら、男の実力の足元にも及ばないように感じるのだ。

自身に向けられた明らかな敵意。それは、1つの事実を示していた。

 

「…人間ジャナイナ…」

 

戦艦レ級は、意を決してその主砲を放ったのであった。

 

 

________________________

 

 

「グゥ…!?」

 

戦艦レ級は、バージルの斬撃の嵐に耐えうることができず、ただ地面に伏す。

バージルはその視線をレ級へと向ける。まるで、その力の無さを見下しているかのような表情である。

 

「…たわいも無い(Too easy)。」

「!…ッ!」

 

レ級は、バージルの言葉を聞いて歯を食いしばる。

その言葉は、初めて出会った時にも言われた。武器すら持っていないバージルに、完膚なきまでに叩きのめされたのである。

その時から、自身は何も進歩していないというのか。

戦艦レ級は、拳を握り締める。

 

「…マダダ…僕ハ負ケテナイ…!」

 

戦艦レ級は静かに呟き、ゆっくりと立ち上がる。フラフラとした足取りだが、その目線はしっかりとバージルを捉えていた。

 

「…humph。」

 

その瞬間、バージルが地面を蹴り、戦艦レ級へと一気に距離を詰める。それを見た戦艦レ級は、先ほどの南方棲鬼を思い出していた。

バージルの決して目で捉えることができない神速の斬撃。力なく倒れる南方棲鬼。

あれを喰らってはいけない。ただそれだけが脳内を駆け巡る。

 

「ガァァ!!」

 

戦艦レ級は主砲を乱射する。しかし、それは1つもバージルを捉えることはなかった。

まっすぐ走ってきたバージルは、砲弾に怯むことなく、しっかりと間合いを詰めてきたのだ。

 

「…安らかに眠れ(Rest in peace)。」

 

バージルはそう呟くと、刀に右手をかける。刀を抜こうと、その手に力を込める。

戦艦レ級の目には、その動作がまるで何十秒も掛かっているかのようにスローモーションで見えていた。

 

(…終ワッテ…タマルカ!!)

 

戦艦レ級はその瞬間、自身から溢れ出る何かの力を感じていた。それは、まるで自分の体が自分のものではないような感覚。

バージルはそれを見て、少し驚いたような表情を浮かべて、その戦艦レ級から離れる。

戦艦レ級の目は赤く輝き、黒いオーラのようなものを纏っていた。

それは、Devil trigger。深海棲艦の中では、エリート化と呼ばれる現象であった。

戦艦レ級は、荒々しい表情でバージルを睨みつける。

 

「…お前の中の悪魔も目覚めたようだな。」

 

バージルはそう呟く。その言葉を聞き逃さなかったレ級は、その感覚に酔いしれる。

これが、提督の言っていた、悪魔の力。

これさえあれば、どんな奴にも負けない。

しばらくして、バージルは刀に手をかけ、そのまま戦艦レ級へと突進する。

それを見たレ級は、バージルへと主砲を向けて体勢を整える。

 

「喰ラエ!!」

「斬る!」

 

2人の声が重なり、レ級は主砲を放つ。それに向けてバージルが斬撃を飛ばす。

その2つは混ざりあい、大きな衝撃を起こし、爆煙があがる。

 

「グゥ!?」

 

戦艦レ級は、その身体を支えることができずに体勢を崩す。

そんな中、バージルは煙の中を突っ切り、戦艦レ級の目の前へと出る。

 

「!…」

 

戦艦レ級はその瞬間、バージルを見た。

楽しそうに不敵な笑みを浮かべたバージルを。

 

「…これで終わりだ(This is the end)。」

 

バージルはそう呟いて刀を抜き、戦艦レ級へと振り抜く。その鋒は、戦艦レ級の腹部を捉えていた。

しかし、戦艦レ級はそれをただ食らうわけにはいかなかった。

 

「コノ!!」

 

尻尾を自分の身体の前に出し、そのまま刀を受け止める。自身の尻尾から、刀の冷たい感触を感じる。

と、その瞬間に、バージルは尻尾を振り払い、その刀を鞘へと納める。

 

「!…ドウイウ…?」

 

戦艦レ級は、少し動揺しながらそう呟く。

バージルはそれを見て、humphとため息をつく。

 

「…まだ足りん。奴を倒すにはな。」

 

バージルはそう鋭い声で言い放つ。戦艦レ級は、それを聞いて言葉を詰まらせる。

バージルが言った、奴とは。それを聞いて真っ先に思いついたのが、あの赤いコート…即ちダンテである。

確かに、バージルの演習についていけないようでは、彼を倒すなど愚の骨頂である。

戦艦レ級はその両手を握りしめる。

 

「…次ハ勝ツ。ソウスレバ、アレニモ勝テルハズダ。」

 

レ級はバージルに向けて、不敵な笑みを浮かべながら、そう告げる。

それを聞いたバージルは、同じく不敵な笑みで返す。

 

「…humph。」

 

バージルはそうため息をついて、執務室の方へと歩いていく。

それを見たレ級は少しずつ呼吸を整える。そうすることで、自身の昂ぶっていた感情を抑える。

少しずつ、自分が戻っていく感覚を覚える。

 

「…ッ…!」

 

と、完璧に自分の感覚に戻った瞬間、自分の体重を支えることができず、背中から地面へと倒れこむ。

身体中に残る疲労感が、一体どれだけのことをしたのかを物語っていた。

 

「…使イコナシテ見セル…デナキャ奴ニハ勝テナイ…!」

 

レ級はそう言いながら、ゆっくりと目を閉じる。

まずはこの疲れを癒さなければならない。少し眠った後に、入渠しよう。

そう考えながら、深い闇に意識を落とすのであった。

 

 

 

 

 

 





というわけで、エリート化はデビルトリガーでした…って無理あるかな?
なんか4のDMDの敵のイメージで、何となく赤い目とかオーラとかが似てるかなぁ…という理由で決まりました笑

でも艦これでもエリート艦だと強さがあがるし、意外と共通点は多いかも…?

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