Devil may cry ~Fleet Collection~ 作:縁(みどり)
と言うわけで、シークレットです!
時間軸は、Mission5と6の間です!
後で見た人のために、全部のシークレットに時間軸を書きました!
「…提督?」
戦艦レ級は、執務机の椅子に座るバージルを見てそう問いかける。
いつものごとく、バージルは何かを読んでいるのだが、その読んでいるものが、いつもと違うからである。
本のようにも見えるが、それよりも何の変哲も無いノートに見える。
「…コレッテ、日記?」
南方棲鬼がバージルの隣に回り込んで、それを覗き込む。
それは、先日崩壊した鎮守府の艦娘が残した日記らしく、中には鎮守府での日常が綴られている。
「…」
黙々とその日記を読むバージルは、何を思うのか。
レ級と南方棲鬼は想像もつかなかった。
____________
「…提督。なぜ深海棲艦を鹵獲したのですか?」
私は、目の前で書類と向き合っている提督に、改めて尋ねる。
負傷していた敵の深海棲艦を鹵獲、というより保護した。そこまでは良いけれど、大本営にも、上官にも報告はしないと決めたようなのだ。
提督は、その優しい視線を私に向ける。
「…今のまま深海棲艦と戦い続けて、この戦局が良くなるとは思えない。だからこそ、彼女を連れて来た。もしかすると、戦わないでこの戦争を終わらせることができるかもしれないからね。」
提督はそう呟いて、また書類に目を通していく。
みんなも私も、深海棲艦との戦いが終わることを望んでいる。
だからこそ、その決断を支援した。
戦いが終わるかもしれない。そんな期待を心に抱いた。
でも、提督の側にずっといたいと思うこの気持ちも本物だ。
私は、少しだけ複雑な気分になった。
____________
今日は、大本営から技術局長が来た。提督が席を外していたので、私が応対する。
なんだか、いつもあたりを気にしていて、落ち着きがないように見えるが、この人が私たち艦娘の艤装を開発した人だという。
そんな方に、無礼があってはいけない。
「君は深海棲艦をどう思うかな?」
と、私がお茶を持っていくと、そんなことを聞かれる。
私は少しだけ考えて「自分たちと似ているような存在ですかね。」と呟く。
艦の思いから生まれたのが私たち艦娘ならば、艦の苦しみや恨みから生まれたのが深海棲艦ではないか、と。
「似ていると思うんだな。」
技術局長はそう呟いて、何か書類にメモをする。
私は少し不思議に思いつつ、今度は御茶請けを取りに行こうとする。
「…ところで、この鎮守府には深海棲艦がいるのかね?」
その言葉が、私の行動を遮る。
提督は、その事実を大本営どころか、上官にも報告しなかった。
なのに、なぜこの人が知っているのか。
「…匂いで気がついてね。ここには、艦娘以外にも何かがいる、とね。」
技術局長は笑いながら、私に書類を差し出す。
それを見ると、そこには新しい計画が書かれていた。
しかし、そんなものには全く目が通らない。
気が動転しすぎていて、心がざわめいていた。
「…この事実を大本営で公表すれば、ここの提督は確実に処罰されるだろうな。」
「!…そんなっ!?」
私は、まるで銃口を突きつけられている気分に陥った。
提督が鎮守府を追われるかもしれない。それどころか、提督は敵方についたとされてそのまま処刑されてしまうかもしれない。
それを止めるには、この人に必死に命乞いをしなければならない。
「お願いします…それだけは…!!」
「ならば、協力してくれるね?」
私は、その言葉を聞いた直後から記憶がない。
ただ、私の心に焦りだけが残るのであった。
____________
…身体が重い。
秘書艦の仕事が手につかない。呼吸をすることすら億劫になっていく。
「…大丈夫かい?休んでも良いんだよ?」
提督が心配そうな表情でこちらを見る。
私のことを気にしてくれるのはとても嬉しい。でも、それと同時に迷惑をかけてしまっていることへの罪悪感が湧き上がる。
「…すみません…少しお休みしますね…」
私は何とかそう告げて、部屋を出ようとする。
しかし、そこへ空母ヲ級がやってくる。
「!…っ!?」
ヲ級を見た瞬間、身体が言うことを聞かなくなる。
意識が飛び、片膝をつく。
「!!…おい!大丈夫か!?」
提督が慌ててこちらへ駆け寄ってくる。
私の身体…一体どうなって…?
____________
暑い…
あの日から、ずっと身体が暑い。
頭がグラグラする。身体が動かない。
そのせいか、提督から秘書艦を解任されてしまった。
私は、どうしたら良いのだろう。
もう、よく分からない。自分のことも、他人のことも。
提督…私は…ドウシタラ…?
____________
私は、気がついてしまった。
戦いが終わるなんてことは、もはや望んでいないこと。心が欲しているのは、ただ提督とずっと一緒にいたいという思いだけ。
だから、私は決めた。
「お前…何して…?」
提督が青ざめた表情でこちらを見る。
それもそのはずだ。私が右手に持っていたのは、あの空母ヲ級の左足。それ以外は完璧に消し飛ばしてしまった。あたりに血が飛び散っているのも見えたが、そんなことはどうでもよくなっていた。
私は、心の底から嗤った。
モウ提督以外イラナイ。
____________
「…下らん。」
バージルはそこまで日記を読んで、パタリと閉じてしまった。一緒に読んでいたレ級と南方棲鬼はまだ読み終えておらず、少し不機嫌そうな表情を浮かべてバージルの方を見る。
「…チョット、マダ読ンデル途中ナノニ…」
「humph。」
バージルはそのまま椅子から立ち上がり、執務室のドアの方へと歩いていく。日記はそのまま執務机に置いたまま。
戦艦レ級と南方棲鬼は互いに目を見合わせて、またバージルへと視線を戻す。
「…読ンジャウヨ?」
南方棲鬼がそう呟いて、バージルを呼び止める。
だが、バージルはそれで止まることはない。
「好きにしろ。」
そのまま、ドアを開けて外へ出てしまった。
2人は頭の中で疑問符を浮かべながら、また日記に目を通すのであった。
____________
気がついたら、私は提督をその腕に抱いていた。動かなくなり、頭だけになってしまった提督を。
外では、とてつもない轟音が響き渡り、ガラスが割れる音や、誰かの怒声が響き渡っている。
私の目の前に、何体か化け物がいる。しかし、どうやら私には攻撃を加えないらしく、じっとこちらを見ている。
「…アァ…提督…」
私は、力一杯提督を抱きしめる。それだけで、幸福感が頭を支配していく。
もはや、何もいらない。鎮守府も、人間も、深海棲艦も、艦娘も。
そして、自分自身も。
「…モウ…全テ壊レテシマエ。」
そう呟くと同時に、目の前の化け物達が一斉にガラスを突き破り、外へと飛び出す。
大きな砲撃音があたりに響き渡る。
でも、私は動きたくない。動く必要がない。もう、ただ壊れていくだけでいい。
「…アハハ…提督…」
ただずっと、このまま提督と一緒に…
____________
「…悪魔を利用したか。」
バージルは廊下を歩きながら、一言そう呟く。
技術局長という男と出会った直後、その艦娘に何かが起きた。その事実は、バージルに対して最上の怒りをもたらした。
「…貴様らは思い知るだろう。悪魔を愚弄したことへの代償をな。」
バージルはそう呟いて、目を閉じる。
その瞬間、バージルの身体が青い光に包まれ、その姿が魔人に変わる。
溢れ出る気は、まるで怒りを体現するかのように強く揺らめき、辺りに広がっていく。
『…
そのノイズがかかった声はあたりに響き渡り、訓練中の深海棲艦が何人か倒れたという。
バージルってかっこいいですよね。
もっと本編への出番増やして欲しかった…なんて思ったけど、1.3.4SEって感じで意外と出てるという笑(ストーリーに絡んで欲しかったなぁ〜なんて思ったり。)