ドラゴンボール超 全宇宙一武道会編(IF物語) 作:サクトン
ナレーター「第3宇宙では、バーダック達が惑星ポンポルに買い出しに来ていた際、バーダックの息子であるラディッツが突如として姿を現した。」
ラディッツ「久しぶりだな親父……それにお袋もな……。」スタッ
ギネ「ラディッツ……!どうしてアンタがここに……。」
ナレーター「しかしラディッツは惑星ポンポルを荒らしに来たのではなく、銀河パトロール隊の任務でこの星へと飛来してきたのだった。」
ラディッツ「この星に来た理由は、ここのお偉いさんに依頼されたんだよ……惑星ポンポルの警備をして欲しいとな。」
ナレーター「そしてバーダックとラディッツは、お互いに超サイヤ人となり、バーダックはラディッツに稽古をつけるのであった。」
シュインシュインシュイン バーダック「それじゃあ行くぞ、弱虫ラディッツ!!」バッ
シュインシュインシュイン ラディッツ「く、くそぉー!舐めるなよ糞親父ぃ!!!」バッ
ナレーター「一方第7宇宙では、サクリファイスの付き人の風神により傷が癒えた悟空は、すぐに地球へと赴き、第7宇宙最後のメンバーを決めるのであった。」
悟空「!んー……よしっ!こいつだっ!」
♪チャチャチャン チャチャチャン♪
~第3宇宙 ワンドの宮殿~
ワンド「…………」ゴゴゴゴ
サフィア「……。」
ワンド「むうぅ……!」ゴゴゴゴ
サフィア「ワンド様、どうか落ち着いてください。そんなに貧乏揺すりをしたら宮殿が壊れてしまいます。」
ワンド「だって遅いもんアイツ等ぁ!……いつまで惑星ポンポルで時間喰ってんのよ……!」ゴゴゴゴ
サフィア「確かにそうですね……そろそろ帰ってきても良い頃なのですが。少し惑星ポンポルの映像を出してみましょうか?」
ワンド「別に良いわ、もうすぐ帰ってくるでしょうし……。はぁ……それにしてもお腹空いた……。」グギュルルル~
サフィア「私が何か作りましょう、冷蔵庫にまだ少し余り物があったと思いますので。」
ペタッ ワンド「うぅ……お願いするわ……。」
サフィア「はい、ではしばしお待ちを。」スタスタ
ワンド「……早く帰ってきなさいよアイツ等ぁ……。」
ガレゴム「で……俺達はどうすればいいんだ……。」
キベス「この感じ、完全に忘れられていますね……。」
~第7宇宙 地球 西の都~
17号「トランクス、本当に良いのか?」
トランクス(未来)「えぇ、俺から母さん達に伝えときますよ。17号さんも忙しいでしょうから。」
17号「すまないな……じゃあ俺は一旦家に帰ることにするよ、ブルマさん達に宜しくな。あ……そういえばトランクス、お前スマホは持ってるのか?」
トランクス(未来)「スマホ……ですか?えっと……それってどんな物なんでしょうか?」
18号「なんだ、お前持ってないのか?私でさえ持ってるのにさ。」
トランクス(未来)「す……すみません。俺、そういうのあまり知らなくて……。」
17号「じゃあ今から俺と一緒にスマホ買いに行こう。丁度俺の家の帰り道にショップがあるんだ、車乗ってけよ。」スタスタ
トランクス(未来)「い、いやそんな!悪いですよ!17号さんの家族も心配するでしょうし。」
17号「細かい事気にするな。家も別に嫁がいるから大丈夫さ、ほら行くぞ。」グイッ
トランクス(未来)「えぇ!?ちょ、ちょっと17号さん!?」
18号「私はブルマのとこにマーロン預けてて迎えに行くから、アンタ達2人で行ってきな。お礼は私が言っとくよ。」
17号「わかった、それじゃあ行くかトランクス。遠慮はいらないぞ。」スッ
トランクス(未来)「は、はぁ……じゃあお言葉に甘えて。」スッ
17号「あぁ。それじゃあ……かっ飛ばすか!」ブォォォォン……!!
トランクス(未来)「じゅ、17号さん!!ちょっと飛ばし過ぎですよぉ!?」ブロロロロロ……
18号「……フフフ、仲の良い奴等だな。」
トテトテ ???「んー?なんか歩いてたら変な町に着いたな。でもどっかで見たことあるんだが……どこだ?」
???「あそこのデッカイとこで聞いてみるか。」トテトテ
~西の都 ブルマの家~
悟空「よし、オラこいつに決めたぞっ!」スッ
ベジータ「こいつは……誰だ?」
ピッコロ「知らん、聞いたことが無い名前だ。」
悟飯「ネコマジン……って書いてますね。」
ブルマ「私も知らないけど……孫くん知ってるの?」
悟空「いや知らねぇ、けど名前が面白そうだったからさ!」
ピッコロ「……それだけか?」(汗)
悟空「あぁ!」
ベジータ「……。」(汗)
ブルマ「アンタねぇ……さっきも言ったけど、ちゃんと選びなさいって言ったでしょ!!」
悟空「オラちゃんと選んだぞぉ。このネコマジンっての誰か知らねぇけどさ、何だかすげえつええ感じがしたんだ!」
悟飯「お父さん、それはいくらなんでも適当すぎると思うんですが……。」
悟空「そうかあ?」
ブルマ「はぁ……アンタに選ばせたのがダメだったみたいね。」
ピッコロ「うーむ……他の奴の方が強いと、俺は思うがな……。」
ベジータ「とにかく、どこから集めたか知らんがこんなアンケートなど必要ないっ!!貴様等が何と言おうと、こんなネコマジンだかイヌマジンだか知らんカスより、俺はブウを入れるからな!」スッ
???「誰がカスだー!」バッ
皆「!?」
ブルマ「ちょ、ちょっとアンタ!どこから入ってきたのよ!?」
???「呼ばれた気がしたから来たんだぞ。」
ブルマ「はぁ?」
悟空「おめえ、いってえ誰だぁ……?」
???「俺か?俺は……って、師匠!師匠じゃないですか。」
悟空「ん?」
悟飯「え……?」
ブルマ「孫くんが……?」
ピッコロ「お前の師匠だと?一体どういう事だ!」
???「どういう事って、そういう事だぞ。」
ピッコロ「い……意味がわからん……。」
???「師匠!お久しぶりですね、俺の顔覚えてます?」
悟空「いや……オラおめえみてえな奴知らねえし、おめえの師匠になった覚えもねえぞお?」
???「マジですか……ふむふむ、どうやらここは俺の知ってる所とは全然違うのか、納得したぞ。」
ベジータ「おい貴様!何者か知らんが、何故このバカが師匠なんだ!ちゃんと説明しやがれっ!」
???「あっ!お前ベジータ!あの時俺と戦うって言ったのに逃げ出した奴!今度こそ俺と戦ってもらうぞ?」
ベジータ「な、なんだと!?」
悟空「ベジータ、おめえこいつから逃げた事あんのかあ?」
ベジータ「ふざけるなっ!この俺様が敵前逃亡などする筈が無いだろう!それに、こいつとは一度も会った覚えはない!!」
???「嘘つくな!携帯が鳴っからたとか言って逃げたぞ!……って、ここは違う世界なんだったな。」
ブルマ「ぜ……全然話が整理できないんだけど……。」
悟飯「そ、それより……君は一体誰なんです?」
ネコマジンZ「俺はネコマジンZだっ!さすがに別の世界でも、この名前聞いた事あるだろ?」
ブルマ「えっ!?アンタがネコマジンなの!?」
ピッコロ「さっき悟空がアンケートを見て決めた奴がこいつか……とても強いとは思えんが……。」
ネコマジンZ「やはり俺の名前は、別の世界でも人気のようだな。」
悟空「なぁ!おめえネコマジンって言うんか?」
ネコマジンZ「ネコマジンじゃない、ネコマジンZだ!」
悟空「ぜっとお?」
悟飯「あの……そのゼットって、どういう意味なんです?」
ネコマジンZ「このZを知らないのか?仕方ない、良く聞いておけ。このZと言うのは、それはそれは物凄い物なんだぞ。」
悟飯「そ、そうなんですか……?」
悟空「それで、どんな意味なんだあ?」
ネコマジンZ「この意味は、なんと!」
ブルマ「なんと?」
ネコマジンZ「………………なんだっけ。」
ド テ ッ
ブルマ「知らないんかいっ!!」
ネコマジンZ「ハハハ、猫忘れだ。」
ピッコロ「それを言うならド忘れだろっ……!」
ベジータ「一体何なんだこいつは……。」
悟空「ははっ、おもしれえ奴だな。ところでよ、おめえってつええんか?」
ネコマジンZ「ん、強いと思うぞ!なんたって俺の師匠は孫悟空さんだからなっ!」
ブルマ「それさっきも言ってたわね、孫くんが師匠って。」
悟飯「お父さん、ホントにこのネコマジンZさん知らないんですか?」
悟空「だから知らねえって、オラも今日が会ったの初めてだぞ。」
ピッコロ「ふむ……恐らくこのネコマジンZは、お前とは違う悟空が師匠で、この世界とは別の次元からやって来たのかも知れんな。」
ベジータ「別の次元だと……?」
ブルマ「だったらこのネコマジンって人、もしかしてタイムマシンとかでこの世界に来たって事?」
ネコマジンZ「タイムマシン?そんなの知らないぞ。ただ俺歩いてたらここに着いたんだ。」
ブルマ「歩いてたらって……。」
悟空「じゃあおめえどっから来たんだあ?」
ネコマジンZ「地球に決まってるだろ。」
悟飯「えっと……どういう事なんでしょう……?」
ピッコロ「このネコマジンZは、そのままの意味で次元を渡り歩いた……と考えられるという事だ。」
ブルマ「そ、そんなのアリ……?」
悟飯「でもそう考えると、さっきネコマジンZさんが言ってたベジータさんが逃げたって言うのと、お父さんが師匠だっていうのに辻褄が合いますよ?」
ブルマ「そ、それはそうだけど……。」
ベジータ「フン、くだらん。コイツが俺達とは違う世界の住人であろうが、次元を渡り歩いて来ただろうが関係ない。こんな雑魚をメンバーに入れるつもりなら、俺はブウの奴を入れるぞ。」
悟空「そう言うなよベジータぁ。何ならこのネコマジンっちゅう奴と闘ってみたら良いじゃねえか。それでブウと比べて、どっちを入れるか決めたらどうだぁ?」
ベジータ「俺がこいつと……?」チラッ
ネコマジンZ「ん?」チラッ
ブルマ「ちょっと孫くん何言ってんのよ!!こんな猫が、ベジータの相手になる訳無いじゃない!!」
ネコマジンZ「猫って言うな!ネコマジンZだ!」
悟飯「そうですよお父さん……ネコマジンZさんもここへ来たばっかりですし、いきなり闘えって言うのは……。」
ネコマジンZ「闘うの、別に俺は良いぞ。」
悟飯「え?」
悟空「おっ、いいんかぁ!?良かったなあベジータ!こいつ戦ってくれるってよ!」ポンッ
ベジータ「おい!まだ俺はやるとは言ってないぞ!!」
ブルマ「アンタ、本当に良いの?私のベジータめちゃくちゃ強いわよ?」
ネコマジンZ「大丈夫だ、俺も強いからな!」
ピッコロ「余程自信があるようだな……。」
悟飯「だ、大丈夫でしょうか……。」
悟空「よっしゃ!じゃあさっそく庭でやろうぜ!オラもおめえと闘ってみてえんだけどさ、ビルス様んとこで闘ったばっかりだからこんけえは見学だ!」
悟飯「えっ!お父さんが見学!?」
悟空「ん?オラ何か変なこと言ったかあ?」
ブルマ「孫くんからそんな言葉が出るなんて……アンタ熱でもあるの?」スッ
悟空「熱なんかねぇよ……オラだって戦けぇたくねえ気分って時もあんだぞ?」
ピッコロ「まあ今回はベジータに任せれば良いだろう、どうやら奴もその気になったようだからな……。」チラッ
ベジータ「フン……良いだろう。そこの猫野郎付いてこい!ちなみに降参するなら今のうちだぞ?」スタスタ
ネコマジンZ「俺、高三じゃないぞ?」スタスタ
ベジータ「降参だっ!字が違うだろうがっ!!」スタスタ
ネコマジンZ「でもおなじこうさんだぞ。」スタスタ
ベジータ「チッ、もういい!」スタスタ
スタスタ 悟空「オラ、あのネコマジンっちゅう奴つええと思うな!実力見んの楽しみだなぁー!」
スタスタ ブルマ「はぁ……もう好きにしたら?止めても無駄みたいだし……。」
スタスタ 悟飯「すみませんブルマさん、いつもお父さんが迷惑かけて。」
スタスタ ブルマ「良いわよ別に、もう慣れっこだしね。」
スタスタ 悟空「へへっ!オラと同じ胴着着てっからよ、ひょっとしたらベジータの奴苦戦すっかもしれねぇな!」
ピッコロ「確かにお前と同じ胴着だが……とてもベジータの相手になるとは思えんぞ……。」
ピラフ「……地震、収まったか?」
シュウ「ピラフ様、もうとっくに収まってますよ。」
ピラフ「そ、そうか。全くお前達は臆病で困るな!ガハハハハハ!」
マイ「良く言いますよ……自分が一番に避難してた癖に……。」
ピラフ「う、うるさいな。後でパフェ奢ってやるから、その事は言うんじゃない……。」
マーロン「私の分はー?」
ピラフ「う……ま、まぁいいだろう。」
~地球 サタンの家~
ガチャ サタン「ただいまぁ。」スタスタ
ビーデル「あらパパ、お帰りなさい。もう用事は済んだの?」スタスタ
サタン「あ、あぁまあな……ところでブウさんとパンちゃんは何処にいるんだ?」椅子ポフッ
ビーデル「ブウさん達なら、庭でベエと遊んでるわよ?ところでパパ、用事って一体なんだったの?」
サタン「ムフフフ、実はなビーデル。さっきパパは全部の宇宙を救ってきたのだよ!!」
ビーデル「え……全部の宇宙を救った?どういう事?」
サタン「まぁ何と言うか……ビーデルも知ってると思うが、ワシが全ての宇宙の頂点に立たれる全王様と、何とお友達になったんだよ!!」
ビーデル「全王様って……前に第6宇宙っていう所と試合をした時に来た、あの全王様?その全王様とパパがお友達になったっていうのが、どうして全宇宙を救ったって事になるの?」
サタン「それは話すととても長くなるが……構わんか?」
ビーデル「だったら聞くのやめとく、私家事がまだ少し残ってるから。また今度聞かせてくれる?」スタスタ
サタン「あ、あぁ……。」
サタン(はぁ……昔のビーデルはパパの武勇伝を良く聞いてくれたのになぁ……まぁ仕方ないか、今やビーデルも悟飯君のお嫁さんだしな。)
スタスタ サタン「おーいブウさん、パンちゃん。帰ったぞー。」
ブウ「ん、サタンお帰り。」
パン「キャッキャッ!」
ベエ「ハッハッハッハッ。」
サタン「あらら、また皆えらく服とか汚れてますなぁ。これは家に入る前にお風呂に入らないと。」
ブウ「お風呂か。パン、一緒に入るぞ?」
パン「キャッキャッ!」
サタン「お前もな、ベエ。」
ベエ「アウッ!」
~第7宇宙 ビルスの星 宮殿~
ビルス「ムニャムニャ……zzz」
ウイス「やれやれ、最近お昼寝の時間がずれてきてますねぇビルス様。生活リズムが崩れてしまうと、お体によろしくありませんよ?」
ビルス「うるさいなぁ……僕は普段通りに寝ようとしてるのに、悟空やサクリファイスとかが邪魔するからだよ……。」
ウイス「それもそうですが、ご本人が一番気を付けないといけないの……解ってます?」
ビルス「もう良いから……僕は寝るぞ……武道会前日にまた起こしてくれ……。」
ウイス「やれやれ……では目覚まし爆弾をセットしておきますので、自分で起きてくださいね?」スゥッ
ビルス「はいはい……zzz」
ウイス「……。」スタスタ
ヒューン 予言魚「ビルス寝たの?」
ウイス「ええ、最近ブラックの件や全宇宙一武道会の件などで、少々寝不足のようでしたから。」スタスタ
予言魚「ふーん、ウイスも大変だね。」
ウイス「ご心配ありがとうございます。ですが私のような天使は、疲れることや寝ることもありませんからご心配なく。」スタスタ
予言魚「そういう意味じゃないよ。」
ウイス「? どういう意味ですか?予言魚さん。」スタスタ
予言魚「例の大神官様の件だよ?」
ウイス「ああ……予言魚さんも知っておられたんですか、極封印のつるぎの事を。」スタスタ
予言魚「まあねー。でもそれ、危ないよね。」
ウイス「ええまぁ……ですがサクリファイス様でしたら大丈夫ですよ、あの方は今では大神官様ですから。」スタスタ
予言魚「そおかなー。」
ウイス「彼女なら心配ありませんよ、風神さんや雷神さんもついておられますし、私やお父様が気にするほどでも無さそうですから。」スタスタ
ウイス「ですが……念の為に、あちらの宇宙へ少し様子を見に行った方が良いかもしれませんね……ビルス様と同じで、サクリファイス様もかなり不器用な方ですから。」スタスタ
予言魚「その方が良いかもねー。」
~地球 カプセルコーポレーション 中庭~
ザッ ベジータ「……。」
ザッ ネコマジンZ「……。」
ブルマ「ベジータ!ちゃんと手加減するのよっ!殺しちゃダメだからね!!」
ベジータ「フン……どうだかな。」スッ
ネコマジンZ「なぁ、1つ賭けをしないか?」
ベジータ「賭けだと?何の賭けだ。」
ネコマジンZ「俺が勝ったらお好み焼き作ってくれ。」
ベジータ「お好み焼き……?この俺が貴様にか?」
ネコマジンZ「おう!それで今度はちゃんと闘ってくれよな!逃げたら駄目だぞ!」
ピキッ ベジータ「いちいち勘に触る野郎だ……さっさと構えやがれ!」
ネコマジンZ「ん……!」サッ
悟飯「見てください。あのネコマジンZさん、お父さんと構えがそっくりですよ……。」
ブルマ「あらホント。メチャクチャに暴れまわると思ってたんだけど、案外やる時はやるのね。」
ピッコロ「それにあんな顔の割には妙に落ち着いていやがる……やはり悟空が師匠というのは本当らしいな。」
悟空「あぁ……あいつブウみてぇにすっとぼけた顔してっけど、オラの想像以上に出来るかもしんねぇぞ。」
ベジータ(別の世界でカカロットの弟子だかなんだか知らんが、見よう見まねでこの俺に勝てると思うなよ……!!)スッ
ドヒュゥゥゥン ベジータ「行くぞっ!猫野郎!」ダ ン ッ
ネコマジンZ「こい!」サ ッ
ベジータが白色の気を解放し、一気にネコマジンへ目掛けて突っ込んでいく。ネコマジンはそのまま構えた姿勢でベジータを迎え撃つ。ベジータは自身の攻撃範囲に入ると、渾身の右ストレートをネコマジンZに目掛けて放った。
ベジータ「ちぇああっ!!!」ブ ン ツ
バ キ ッ ネコマジンZ「いてっ!」
ネコマジンはあろうことか、ベジータの右ストレートを顔面にモロに受けてしまい、そのまま少し離れた地面に叩きつけられてしまった。叩きつけらた場所は地面が小さなクレーターを作り、ネコマジンの姿は煙で見えなくなった。
スタッ ベジータ「フッ……所詮この程度か、雑魚が。」
ピッコロ「あのネコマジンZと言う奴は、悟空が言うほど強くなかったようだな。」
悟空「いや……まだアイツは全然力出してねえさ、まずはベジータの力がどんなもんか見たんだろ。」
悟飯「そ、そうなんですか……?」
ブルマ「こらベジータ!ちゃんと加減しなさいって言ったじゃない!」
ベジータ「ちゃんと加減してやった、だが奴はもう立てn」
ネコマジンZ「ふぅ。」スタスタ
チラッ ベジータ「なっ、なに!」
なんと、ネコマジンはあたかも何事も無かったかのようにベジータ達の前に姿を現した。ベジータのパンチを受けた場所も、全くの無傷で元通りになっていたのである。
ネコマジンZ「お前やるな!動き全然見えなかったぞ。じゃあ今度は俺から行くからな!」スッ
ベジータ「チッ……タフな野郎だ……。」
悟飯「そ、そんな……ベジータさんの攻撃をまともに食らったのに……。」
ピッコロ「全くダメージを受けていない……どうなっている……!」
ブルマ「な……なんで!?なんでなのよ!」
悟空「やっぱり、オラの思った通りだ……!」
ベジータ「なるほど、少しは出来るようだな……だが所詮俺の相手にはならんっ!」スッ
ネコマジンZ「それじゃあ行くぞ。」ビ ッ
ベジータ「なにっ!?」
ベジータが驚くのも無理はない。ネコマジンはベジータの前で、文字通り一瞬で消えてしまったのである。ベジータはネコマジンの動きを捉えようと気で探るが、さっきまで感じていたネコマジンの気さえも、完全に消えてしまっていた。
ベジータ「くっ!何処だっ……!」
ネコマジンZ「こっちだ。」ブ ン ッ
バキッ ベジータ「ぐあっ!?」
ネコマジンはいつの間にかベジータの背後に回り込み、後ろから右ストレートをベジータの背中に叩き込んだ。ベジータは地面に叩きつけられそうになったが、瞬時に受け身を取り回避する。
ベジータ「くっ……いつの間に俺の後ろにっ……!」
ネコマジンZ「ハハハ、俺強いだろ。これで人気も急上昇だな!」
ベジータ「野郎……舐めやがって……!」スッ
ベジータ「かぁっ!!!」ドヒュゥゥゥン
ベジータは立ち上がり、一気に気合いを入れる。ベジータの立っていた地面は抉れ、破片がベジータの周りに漂い始める。
ネコマジンZ「お、本気だすのか?」
ゴゴゴゴ ベジータ「あぁ……貴様が想像以上に出来るんでな。今の状態で本気を出してやる……感謝するんだな。貴様もまだ力を隠しているのなら、今の内に出しておけ。」
ネコマジンZ「俺はいいぞ、このままで。」
ゴゴゴゴ ベジータ「フン……後悔するなよっ!!」ダンッ
ベジータ「でぇああ!!」ブンッ
バシッ ネコマジンZ「あぶなっ!」
ガガガガガ ベジータ「でえあだだだだだだ!!」
ベジータはあえて超サイヤ人にはならず、ネコマジンに再び一気に近づき猛烈なラッシュを仕掛ける。だがネコマジンは表情1つ変えず、ベジータと互角の攻防を続ける。
ブルマ「あ、あのネコマジンって奴一体何者?まさかアイツもサイヤ人なの……?」
ピッコロ「いや、恐らく違うだろう……しかし、あのベジータとこうも互角にやりあうとは……!」
悟飯「僕達以外に、あんな強い人がいるなんて……。」
悟空「いや……まだあのネコマジンっちゅう奴、てんで本気出してねえぞ。こいつはオラの想像以上だな……。」
ベジータとネコマジンのラッシュが続く中、辺りは火花や打撃音がけたたましく鳴り響き、草木なども千切れ宙に舞っていた。次第に2人はそのまま空中へと舞い上がり、打撃のラッシュを互いに仕掛けていく。
ベジータ(こいつ……恐らく本気を出していないな。表情からは全く読み取れんがどことなく余裕を匂わせやがる……!こんな野郎が今の俺と全く互角とは……ブウの時を思い出すぜ!!)
ベジータ「せやぁぁ!!」グアッ
パシッ ネコマジンZ「ふん!」ブッ
ネコマジンZ「もうラッシュ飽きてきたぞ、飛び道具撃っちゃうからな!」バッ
ベジータ「チッ……!」スッ
そう言ってネコマジンはベジータから距離を離し、飛び道具を撃つ体勢に入った。ベジータはネコマジンをじっと見つめ、いつでも動ける姿勢をとる。
バッ ネコマジンZ「ねぇぇぇぇ……!」キィィィーン……
ベジータ「なっ……あの構えは……!」
ネコマジンは飛び道具を撃つ為に、手を合わせて気を集める。ベジータ達はそのネコマジンの姿に見覚えがあった……なぜならば、悟空が必殺技に使うかめはめ波にポーズがそっくりだったからである。
悟飯「まさか……かめはめ波を!?」
ピッコロ「胴着や構えだけではなく、奴はかめはめ波まで使えるというのか……!!」
悟空「やっぱすげえよアイツ……!多分ブウよりつええぞ……!」
ブルマ「そんな冷静に分析しないでよ!あんなの撃たれたら、この辺り全部吹き飛んじゃうじゃないのよ!!ベジータ!何としても止めなさいー!」
ベジータ「貴様がその気なら俺も遠慮はいらんな!」ガッ
ネコマジンZ「こぉぉぉぉ……!」キィィィーン……
ネコマジンに対抗するため、ベジータも自身の技で迎撃する準備に入る。両手を合体させ、その手に気を溜めていく。
ベジータ「はぁぁぁっ!!」ドヒュゥゥゥン
ネコマジンZ「はぁぁぁぁ……!!」ゴゴゴゴ
ベジータとネコマジンの手から気が凝縮され、どんどんと巨大になっていく。空に浮かんでいる雲は2人を中心に大きな穴が開き、地面にも2人が気を溜める振動が伝わっていた。
ブルマ「ちょ、ちょっと!!都を吹っ飛ばす気じゃないでしょうね!?」
悟飯「お、お父さん……これまずいんじゃないですか?」
ピッコロ「お互いに全力で撃つつもりだぞ?止めなくていいのか悟空。」
悟空「でえじょうぶだ。ベジータなら奴のかめはめ波ぐらい止めれっさ。」
ブルマ「ホントでしょうね!もし嘘だったら許さないわよ!?」
悟空「ブルマ、ベジータを信じろよお……あれぐらいでえじょうぶだって。」
ベジータ「ギャリック……!!!」ゴゴゴゴ
ネコマジンZ「めぇぇぇぇ……!!」ゴゴゴゴ
2人の手に集まる気が一気に膨れ上がり、目映い光が迸る!!そして……!
ベジータ「砲ぉぉぉぉ!!!!」ズ ォ ビ ッ
ネコマジンZ「波ぁぁぁぁ!!!」ド グ ゥ ン
ナレーター「悟空達の元に現れた、謎の猫ネコマジン。そして悟空達が見守るなか、ネコマジンのかめはめ波とベジータのギャリック砲が炸裂する!果たして、勝つのはどっちだ!?」
ウーロン「おーい、俺一回も出てねぇぞー!!どうなってんだー!」
ブロリー「……ジュルリ、おいしそうだなぁ……。」
ウーロン「ひぃぃ!!」
これで23話は終わりになります。
いやー悩みに悩んだ末に、ネコマジンになっちゃいました。口調とか違和感がありましたらごめんなさい。
ちなみにこの悟空達はネコマジンは知らなくて、ネコマジンは悟空達を知ってる感じになってます。
イラストも挿絵でいれようと思ったんですが間に合わなかった……。
次回はまだ少し、ベジータとネコマジンの戦いが続くと思いますのでお楽しみに!
ここまで見ていただき、ありがとうございましたっ!