ドラゴンボール超 全宇宙一武道会編(IF物語)   作:サクトン

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~OP~ ♪限界突破×サバイバー♪

♪チャンチャチャーン チャーチャーチャチャーチャーチャチャーチャチャーン♪


ナレーター「全宇宙一武道会第4試合、フロスト対ブロリーの試合を観戦していた全王達は、他宇宙を見回っていたウイスの父である大神官から、第10宇宙の様子がおかしいと報告を受ける。」


大神官「今しがた各宇宙の状況を確認していたのですが……少し第10宇宙の様子が気になりまして。」

付き人1.2「第10宇宙?」

全王「ロッド君の所だね、どうしたの?」

大神官「それが良く解りません……先程から他の宇宙の現状は確認できるのですが、第10宇宙だけは私の心眼を用いても現状を把握出来ないのです。」

大神官「私が直接様子を見てきましょう、わざわざ全王様達が動くことはありません。皆様はそのまま試合の続きをお楽しみください。」

全王「そう?じゃあお願いね?」

大神官「はい、では失礼します。」フッ


ナレーター「大神官が第10宇宙へ向かう最中にも試合の方は進んで行き、シルバーフロストとなったフロストと、伝説の超サイヤ人になったブロリーの攻防が続いていた。」


Sフリーザ「これで終わりですよぉっ!」ヒュッ

ブロリー「ぬぉぁぁっ!」ギュィィィーン

Sフリーザ「なにっ!」

フラッ Sフリーザ「ぐっ……!」

ブロリー「うぉらぁぁ!」ブンッ

ガッ Sフリーザ「そんなものですか?」


ナレーター「フロストの短期間による急激なパワーアップ、その秘密は大会当日より3日前に遡る……。」


フロスト「貴方は……まさかフリーザさんですか?」

フリーザ「フフ……ご名答、まぁこれだけそっくりなら解らない方がおかしい気もしますが。それで?私に教えて貰いたい事とは何でしょう?」

フロスト「……貴方の全てを、です。」

フリーザ「私の全て……ですか?」


♪チャチャチャン チャチャチャン♪


46話 フロスト秘密の力!?影に潜む王の計画!!

     ~ヴァドスの杖内 異空間~

 

 

フロスト「なるほど……つまり貴方はサイヤ人に徒党を組まれては面倒になる事や、遥か先祖から代々伝わる超サイヤ人と言う力を恐れた為に、自身の宇宙にあった惑星ベジータを破壊したのですか。」

 

フリーザ「えぇ……元々サイヤ人は戦闘民族だった為に、私の部下としての地上げ屋の仕事は良く頑張ってくれていたんですが、一部でそれを良く思っていないサイヤ人もいたようで……先程も話したサイヤ人の王、ベジータ王もそれに加わりこの私を殺そうと襲いかかって来ましたから……まぁ軽く返り討ちにしてあげましたよ。」ニヤッ

 

【挿絵表示】

 

フロスト「ベジータ王……私と闘ったあいつが、まさかサイヤ人の王だったとは……。」

 

フリーザ「あぁ、あれは違いますよ。貴方が第7宇宙との格闘試合の際に闘った猿はベジータ王の息子………つまり王子です。あれでも昔は本当に聞き分けのある子だったんですが、ある事を境に私へ楯突いて来ましてね……。」

 

フロスト「ある事……?」

 

フリーザ「私がナメック星と言う惑星で、どんな願いも叶うと言うドラゴンボールがあると部下から聞きまして……私の不老不死の願いを邪魔しに、そのベジータもやって来たのですよ……。」

 

フロスト「ドラゴンボール……それはあの超ドラゴンボールの事ですか?」

 

フリーザ「超ドラゴンボール……?確か龍神ザラマさんが造ったと言われている、通称願い星と言うものですか?ホホホ、あれとは全然違いますよ。私が求めていたのはもっと小さいものです。」

 

フロスト「そうなのですか……私はてっきりあれだと。しかし超ドラゴンボールと言う物以外に、願いを叶えることが出来るドラゴンボールがあるとは思いませんでした。」

 

フリーザ「宇宙は広いですからねぇ……もしかしたらドラゴンボール以外にも、願いを叶えることが出来る代物が有るかも知れませんよ?まぁ、そんな物がドラゴンボール以外に見つかったと言う報告は1回も受け無かったですが。」

 

フロスト「なるほど……。」

 

フリーザ「話が逸れてしまいましたが……そのドラゴンボールがあるナメック星で、貴方が格闘試合で闘ったベジータが私からドラゴンボールを奪い願いを叶えようとしたのですが……見事に邪魔してくれましてねぇ……。」

 

       

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

       ーナメック星にてー

 

フリーザ「やってくれましたね皆さん……よくも私の不老不死への願いを見事に打ち砕いてくれました……。」

 

ブルブル ベジータ「くっ……くぅぅ……!」

 

ガクガク クリリン「あわわわわ……!」

 

ガクガク 悟飯「あ……あああ……!」

 

フリーザ「ギニュー特戦隊の反応がありませんねぇ……貴方達がやったんですか?どういう方法で彼等を倒したかは知りませんが、ちょっと意外でしたよ。」スタッ

 

フリーザ「それにしてもあと僅かのところでドラゴンボールが石になってしまうとは……貴方達には残念ですが、私にはもっとでしょうか……?」ゴゴゴゴ

 

ガクガク デンデ「あぁぁぁ……。」

 

フリーザ「ゆ……許さんっ……!!絶対に許さんぞムシケラどもっ!じわじわとなぶり殺しにしてくれるっ!一匹たりとも逃がさんぞ覚悟しろぉ!!」

 

バッ ベジータ「……やってみやがれ!今の俺がそう簡単にやられると思ったら大間違いだぞ!!」

 

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

フロスト「ドラゴンボールが石に……それはどうしてです?」

 

フリーザ「超ドラゴンボールのかけらを使い、そのドラゴンボールを造ったナメック星の長が寿命で亡くなったからでしょう……。奴等が邪魔さえしなければ私の願いは叶っていたと言うのに、結局誰も願いを叶えられなかったと言う結果になってしまいました。」

 

フロスト「それはお気の毒に……。」

 

フリーザ「まぁ別に構いませんよ。色々ありましがベジータは最終的に私が殺しましたし、他に居た者達も全く動く気配は無く、その時点で私に勝てる者は誰もいませんでしたから……ある1人を除いて。」

 

フロスト「1人……?それは一体?」

 

フリーザ「貴方も良くご存じの、あの忌々しい孫悟空と言うサイヤ人ですよ……。最終的に奴は超サイヤ人となり、私はあの猿に敗れてしまったんです。」

 

フロスト「超サイヤ人……彼はそこで覚醒したと言うことですか。」

 

フリーザ「えぇ……どうやら超サイヤ人へ変身するきっかけは、とてつもない程の怒りから来るようです。」

 

フロスト(そう言えばキャベさんも、あのベジータさんから教わったと言っていましたね……彼が変身できたのはそういう事だったのですか。)

 

フリーザ「そして孫悟空と闘い、かろうじて生きていた私は奴に復讐する為に地球と言う星へ赴きました。ですが地球に来た際に謎の地球人にそれを邪魔され、私は死んでしまったのです。」

 

フロスト「只の地球人が貴方を……何かの間違いでは無いのですか?」

 

フリーザ「あぁ……地球人と言うのは間違いでしたね、その者はトランクスと言う地球人とサイヤ人のハーフだったんです。そしてその者も超サイヤ人へと変身し、一瞬でこの私を殺しました……その際一緒に地球へ来たパパも犠牲に。」

 

フロスト「そうでしたか……それにしても超サイヤ人。やはり宇宙は違えど、私達にとっては恐ろしい存在のようですね。」

 

フリーザ「ホホホ……昔は私もそう思っていましたが、今はそうでもありませんよ。何故なら私も彼等と同じくトレーニングをして、その超サイヤ人の領域を瞬時に越えましたから。」ニヤッ

 

フロスト「超サイヤ人の領域を……どういう事です?まさか貴方はあれ以上の力を手に入れたと?」

 

フリーザ「その通り……私は地球にあったドラゴンボールを生き残りの部下が使った事により蘇り、更に強くなっていた奴等へと対抗するために必死でトレーニングをしました。とても屈辱でしたよ……宇宙の帝王であるこの私が、たかが猿共の為に力を付ける事になるとはねっ!」グググ

 

フロスト「トレーニングを……。」

 

フリーザ「まぁ仕方の無いことです……再び復讐するにしても、確実に負ける事は目に見えていましたから。おかげでこの力に目覚めることも出来ましたし。」スッ

 

 

フリーザはそう言いながら両腕を自身の方へ曲げ、一気に気合いを入れる。その瞬間、フリーザの体から金色のオーラが彼を包み込むように迸り、彼の体色は瞬時に金色へと変わっていた。フリーザの変身を間近で見ていたフロストは自分の変身とは全く違っていた為、目の前の出来事に驚きを隠すことが出来なかった。

 

 

フロスト「なっ……その変身は一体っ!?」

 

Gフリーザ「これが私のトレーニングの成果ですよ……。安っぽいネーミングですが、ゴールデンフリーザとでも言いましょうか。」

 

フロスト「す、素晴らしい……まさかこんな変身があるとは。」

 

Gフリーザ「ですがこの変身にも弱点がありましてね……。今は特に変化は無いのですがこのゴールデンフリーザ状態を保っていると、少しずつパワーダウンしていくと言う欠点があるのです。トレーニングの成果でこの変身が出来た際、私はすぐに地球へと向かいました為にこの弱点を知ることが出来ませんでした……そしてそこにつけこまれ、私は再び孫悟空に負けたのです。」

 

フロスト「負けた……それはつまり殺されたと言うことですか?しかし今貴方はこうして私の前にいるではありませんか。」

 

Gフリーザ「付き人さんが仰っていたでしょう?今の私は第6宇宙のヴァドスと言う者によって造り出された虚像……つまり魂だけの存在です。私の身体はもうこの世には存在しません……あの忌々しい孫悟空によって消滅させられましたからね。」

 

フロスト「と言うことは……ここにいるフリーザさんは、第7宇宙にいたフリーザさん本人では無いと?」

 

スッ フリーザ「簡単に言えばそうですね……しかし私がフリーザと言うのも※少し違います※が。」

 

フロスト「それは……どういう意味です?」

 

フリーザ「フフフ……今の貴方の質問には関係ないでしょう?とりあえず第7宇宙の私に関してはこれが以上です、他に何か質問がおありですか?」

 

フロスト「そうですか……それなら先程言った、貴方がフリーザでは無いと言うのは一体?」

 

フリーザ「それを話す前に、私から貴方に対して少し気になった事を1つ。どうやら貴方はまだ、私のように自分自身の限界を越えてはいないようですね……そのままでは、全宇宙一武道会とやらを勝ち抜く事など到底出来ませんよ?孫悟空を殺すこともね。」

 

フロスト「いえ……私は大会を勝ち抜くつもりや孫悟空を殺すつもりは毛頭ありませんよ。この武道大会は破壊神であるシャンパ様によって、強制的に参加させられたような物ですから。」

 

フリーザ「そうでしたか……それなら貴方にとって、その武道大会とやらは暇潰しみたいな物と言うことですか?」

 

フロスト「ですね……あとこれは余談ですが、私は貴方が今変身したゴールデンフリーザとやらには少し興味があります。」

 

フリーザ「ホッホッホ、さすがに目の付け所が素晴らしい。では私から1つ提案が……フロストさん、貴方も私のようなこの力を持ってみたいとは思いませんか?」ニヤッ

 

フロスト「持ってみたい……?しかしその力は貴方のトレーニングの賜物でしょう?」

 

フリーザ「本来はそうなのですが……今私の手に、このゴールデンフリーザの力以上のパワーを引き出す良い物がありますよ?」スッ

 

 

そうフロストに告げながら、フリーザは自身の右手をフロストの前にそっと差し伸べた。フリーザの掌を良く見ると、赤く染まった血みどろのような物がドクンドクンと音を立てており、その赤いものはフリーザの手によってがっしりと握られていた。

 

 

フロスト「フリーザさん……この赤い物は一体?」

 

フリーザ「これは※神の心臓※と呼ばれる物です……これを使えば、貴方も瞬時に私と同じような力を持つことが出来る筈ですよ。」

 

フロスト「本当ですか……?しかしどうやって使うのです?」

 

フリーザ「簡単なことですよ、これをそのまま口から飲み込めば良いんです。まぁ私のような力を手に入れたところで、平和に宇宙征服をするフロストさんにはあまり関係のないお話だと思いますが。」

 

フロスト「そんな事はありませんよ。私にとってもこんな簡単にフリーザさんのような力を手に入れられるなら……これほど嬉しいことはありません。それに私は仮にも平和維持軍を組織して導く者……私自身もっと強くなろうと思っていた所です。」

 

フリーザ「成る程……そしてそう思っていた矢先、貴方はこの宇宙で時渡りの一族と出会い私の話を聞き、この空間へやって来たと言うことでしたか……こちらも色々納得が出来ましたよ。」

 

フリーザ「それでしたら、少しでも人手が多いことに越したことはありませんね……。」ボソッ

 

フロスト「……フリーザさん?」

 

フリーザ「これは失礼……少し考え事をしてまして。それよりこの神の心臓はどうします?ちなみにこれはここの空間を出てしまうと、完全に姿形や効力が無くなってしまいますので……使うのなら今しかありません。」

 

フロスト「そうですか……ちなみにこれを使った後のリスクは?そこまで簡単に力を上げられるのなら、何か1つや2つ副作用はあるのでしょう?」

 

フリーザ「一応ありますが……そこまで気にする必要はないでしょう。限界まで力を使いすぎると動けなくなるぐらいですから……その場合これを使う使わないにしても、何ら変わりないですよ。」

 

フロスト「ふむ……それを聞いて安心しました。それなら特に問題はないようですね……なら心置きなく、その神の心臓とやらを使わせて貰っても宜しいですか?」

 

フリーザ「勿論。ではどうぞ……。」ニヤッ

 

 

フロストはフリーザから手渡しで神の心臓を受け取ると、見た目通りにグチャリとした感覚が掌から伝わって来た。彼の手からポタポタと落ちる赤い滴やそのグロテスクさに少し使うのを戸惑ったフロストだがそれを口にする前に、目の前でニヤリと笑いながら自分を見るフリーザへ1つの質問を投げ掛けた。

 

 

フロスト「ちなみにこの神の心臓とやらは……一体誰の心臓なのですか?」

 

フリーザ「フッフッフ……やはり解りませんか。無理もありません……そこまでグチャグチャになっていたらね。」

 

 

フリーザは左手を口許に添えて薄ら笑いを浮かべた後、フロストの目を見て思いもよらないことを彼に口走った。

 

 

フリーザ「それは※私と貴方の心臓※を混ぜた物ですよ……。簡単に言えば、第13宇宙から第18宇宙に存在していたフロストとフリーザのね。」

 

フロスト「第13から第18宇宙の私達っ!?ど……どういう事ですかっ!シャンパ様やヴァドスさんから聞いたことがありますが、その宇宙達は遥か昔に滅んでいる筈っ……それに何故、貴方がそのような物を持っているのです!?」

 

 

予想もしていなかったフリーザの答えに、フロストは焦りの色を隠せない。しかしフリーザはフロストとは裏腹に、相変わらず彼に微笑みながら問いに答える。

 

 

フリーザ「細かいことは考えなくても良いですよ……あとで追々説明していきますから。とりあえず、今はその心臓を使ってみてはいかがです?あまり時間はありませんし……。」

 

チラッ フロスト「……。」

 

 

フロストは目の前にいるフリーザに少し疑問を抱きながらも、自身の持っている心臓を見て唾をのみ、力を手に入れる為にその脈を打っている心臓を口に含んでそのまま一気に飲み込んだ。舌から柔らかくグニュグニュした感覚がそのまま喉を伝い、フロストの口元には心臓から染み出した赤い滴が溢れ落ちる。一瞬口に広がる気持ち悪さに吐きそうになったフロストだったが何とか飲み干すことに成功し、それを見ていたフリーザは一層ニヤリと笑いながら彼をじっと見つめていた。

 

 

ゴクン フロスト「んはぁ……これで、私にあの力が手に入るのですよね?」

 

フリーザ「お見事、良い飲みっぷりでしたよ……これで貴方も※俺の忠実な部下の契約※を交わしたと言う事になるな……。」

 

フロスト「え……?」

 

 

妙な異物感を感じながらもフリーザの言葉を聞いた瞬間、フロストはうつ向けから頭を挙げてフリーザを見ると、突然フリーザの姿が徐々に崩れ始め、別の何かへと姿形を変えていく。先程までフリーザだった者は別の何かに姿を変えると、そこにはフロストが知らない者が仁王立ちで目の前に現れた。その者は以前にブラックとルヴィスが第10宇宙で会った、辺境の惑星エリサにベビーと手を組んでいた王であったのだ。

 

 

王「よう……第6宇宙のフロストさん。」

 

フロスト「フリーザさんでは無いっ……何者だ!!」バッ

 

 

まさかの出来事にフロストは警戒して王と距離を取り、戦闘体制の構えを取る。だが王はフロストの様子を見ても微動だにせず、そのままの姿勢でフロストへ話しかけた。

 

 

王「すまなかったな……こうでもせんと、第6宇宙にいたお前に会うのは無理だったんだ。」

 

フロスト「なんだと……?お前は一体……!」

 

王「フッ……この俺の声に聞き覚えは無いか?俺はお前に※最近※会った事があるんだがな……。」

 

フロスト「声?それに私と会った事があるですって……?」

 

 

フロストはその場ですぐさま、過去で起きた最近の出来事を脳裏で振り返った。フロストの最近と言えば、ヴァドスにシャンパの星へ連れられて以来第6宇宙の戦士達にしか会っていなかったが、その更に以前の事を振り返るとある1つの出来事が浮かび上がってきた。

 

 

フロスト「ま……まさかっ!」

 

王「そう……俺はお前が会った※時渡り一族※だ。最もあの時は、お前に悟られないよう姿を変異させていたがな……。」

 

フロスト「悟られないためですって……?何のためにそんな事を……それに先程貴方が言った、私が貴方の忠実な部下とはどういう意味ですかっ!?」

 

王「そのままの意味だ……さっきお前が飲み込んだ神の心臓はお前に力を注ぐ代わりに、俺に命を握られるという契約も入っていたのさ……こんな風にな。」スッ

 

ズキッ フロスト「ぐっ……!?」

 

 

王は呆気にとられるフロストをよそに右腕をそっと前へ構えると、突然フロストは心臓辺りからとてつもない程の痛みが生じ、あまりの痛みに胸を両手で押さえつつ膝をつき、まるで心臓を鷲掴みにされたような痛みに唸り声をあげた。

 

 

ズキッ フロスト「ぐぁぁっ!……ぁぁぁぁ!!」

 

王「つまり今のお前に、もう自由は無いと言うことだ……。」スッ

 

 

そう言って王が彼に向けていた右腕をそっと下ろすと、先程フロストの体から生じていた激痛が瞬時に収まり、フロストは息を整えてゆっくりとその場で立ち上がった。強烈な痛みだった為にフロストは王を警戒しつつ、まだ片手で心臓辺りを押さえている状態だった。

 

 

フロスト「はぁ……はぁ……わ、私に一体何をしたっ……!」

 

王「さっきも言った筈だ……お前にもう自由は無い、そしてお前は俺の忠実な部下になったと。」

 

ハァハァ フロスト「ぐっ……では、さっきの痛みはお前が……!」

 

王「フッ……俺の部下になった証と言うことだ……安心しろ、何も殺そうって訳じゃない。少し俺の計画に協力して貰おうと思ってな……。」

 

ハァハァ フロスト「計画……ですって……?」

 

 

フロストは意識を何とか保ちつつ、王が言った計画というのが気になり質問を投げ掛けた。そして王はフロストのその言葉を聞いた瞬間待っていたかのようにニヤリと微笑み、彼に対し自身の計画をゆっくりと告げるのだった。

 

 

 

ニヤリ 王「※全宇宙破壊計画※……是非、第6宇宙にいる君に助力を頂きたくてねぇ。」

 

 

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

 

  ~第??宇宙 ~全宇宙一武道会 会場~

 

 

アキュリ「さぁー盛り上がってまいりましたぁ、全宇宙一武道会第4試合!フリーザ選手対ブロリー選手の闘いですが、第3宇宙のブロリー選手は未だに第6宇宙のフリーザ選手に対し劣勢状態!ここから挽回する事が出来るのでショーカ!?」

 

 

観戦客「あの反則野郎がここまで強いなんてなぁ……。」

 

観戦客「でもここまで強いんだったら、何であんな反則したんだろうな?」

 

観戦客「別に過ぎたことだし良いんじゃない?今が面白ければそれでいいんだし!」

 

観戦客「あのブロリーと言う者の変身も驚いたもんじゃが、フロストと言う者も凄まじい変わりようじゃのう。テカテカしてて眩しいわい。」

 

 

平和維持軍「見たか第3宇宙!これがフロスト様の真の力だ!」

 

平和維持軍「降参するなら今のうちだぞ!どうせ誰もフロスト様には勝てないだろうからな!」

 

 

 

悟空「ん~……やっぱ今のブロリーだと、あのフロストに勝つには無理かもしんねぇぞ。」

 

悟飯「そうですね……二人の気も、完全にフロストと言う人の方が上回っていますし。」

 

トランクス(未来)「それにあのブロリーを一方的に……今の俺でも奴に勝てるかどうか……。」

 

ピッコロ「やはりこの試合も、フロストが勝つ可能性が大きいな……。」

 

ベジータ「フン……。」

 

ネコマジン「んえー……なーんかすっごい長い試合だな。2ヶ月か3ヶ月程見てるような気がする、早く次の試合が見たいぞ。」

 

ビルス「フロストの奴、まさかまた前みたいにズルをしてるんじゃないだろうな……。」

 

ウイス「今は特にそのような気配はありませんが……。」

 

 

シャンパ「よっしゃフロストォ!無理に攻め込む必要はねぇ!相手はボロボロだから、間合いを取ってビーム撃っときゃ勝てるぞぉ!」

 

ヴァドス「ですが、それでは観戦している側としては少し盛り上がりに欠けると思います。」

 

シャンパ「うるせぇ!勝ちゃ良いんだよ勝ちゃぁ!」

 

 

マゲッタ「シュポシュポー。」

 

キャベ「あのサイヤ人の人もかなり強いです……フロストさん!最後まで油断しないでください!」

 

ヒット「……」(フロストの奴……あの力は一体……。)

 

 

ギリギリ ワンド「う~……もう!ブロリー!アンタの力はそんなもんじゃないでしょ!もっとしっかりしなさいー!!」

 

サフィア「ワンド様。行儀が悪いのでソファーの上に足を置かないでください……。」

 

ギリギリ ワンド「むぐぐぐぐ……!!」

 

 

パラガス「くそぉ……こうなったら!ブロリィ!私とフュうう↑ジョンする準備だぁ!」

 

キベス「フュージョン……?」

 

ギネ「あのフロストは素早いし身のこなしも尋常じゃない……ブロリーには最悪の相性かもしれないな……。」

 

バーダック「チッ……ブロリーの奴。あれだけ大口叩きやがったんだ、負けたら俺がぶっとばすからな……!」

 

 

ブロリー「虫けらがぁ……!」チラッ

 

 

ブロリーが緑色のオーラを体から吹き出しながらフロストを見据える。するとフロストは、あろうことかその場で右腕をブラリと垂らし、左腕の手をブロリーに向けてクイクイっと手招きをしていた。

 

 

アキュリ「フリーザ選手、ブロリー選手にかかってこいと言わんばかりに手をこ招いていマス!!挑発しているのか!?それとも何かの作戦でショーカ!?」

 

Sフリーザ「フフフ……いつでもどうぞ?」クイクイ

 

ピキピキ ブロリー「……!」

 

ダンッ ブロリー「ぬおおぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

ブロリーはフロストの挑発に乗り、無謀にもそのままフロスト目掛けて物凄いスピードで突っ込んでいく。フロストはブロリーが近づいて来ても手招きを止めることなく、ブロリーが自身の間合いに入るのを待っているかのようであった。

 

 

ブロリー「犬が良いっ!!!」ブォォォン

 

バッ Sフリーザ「かかりましたね!」

 

ブロリー「ぬぅ!?」

 

 

ナレーター「全宇宙一武道会第4試合、ブロリーとフロストの闘いはフロストの優位に進む。ブロリーがフロストへと突っ込みパンチを繰り出すが、フロストの策略にかかってしまった。ギネやバーダック達が見守る中、この試合でブロリーに勝機はあるのか……?」

 

ナレーター「そして、惑星エリサの王が言う※全宇宙破壊計画※とは……?」

 

~ED~ ♪悪の天使と正義の悪魔♪




これで46話は終わりになります。

最初に一言……みなさん本当に申し訳ありませんでした。(泣)
私生活の方で全く落ち着かず、この小説を書くことすら出来ない現状だったので、お待ちしていた方達には頭も上がりません……。しかも話が全然進んでないし……。

これからはちゃんと活動報告に、少しでも皆さんにご心配をおかけしないよう近況報告をし、更新を出来るだけ続けて、最終的にこの小説を完結させていこうと思ってます!こんな奴ですが、応援していただければ嬉しいです……!

ここまでみていただき、ありがとうございましたぁ!

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