ドラゴンボール超 全宇宙一武道会編(IF物語)   作:サクトン

50 / 51
~OP~ ♪限界突破サバイバー♪

♪チャンチャチャーン チャーチャーチャチャーチャチャチャーチャチャーン♪


グググ ブロリー「ぐぐっ……ぬぉぉぁぁ……!」

Sフリーザ「フッフッフ……流石の貴方でも動けませんか。無理もありません、貴方の体の内部の中心……つまり心臓部分から少しずつ※凍らせているのです※からねぇ。」ニヤッ

グググ ブロリー「なにぃ……!?」


ナレーター「全宇宙一武道会第4試合、第六宇宙のフリーザことフロスト対第3宇宙のブロリーの闘いはフロストが圧倒し、ブロリーは苦戦を余儀なくされていたが……。」


Sフリーザ「なっ……なんだあの姿は……!!さっきとはまるで違うっ……!」

ゴゴゴゴ ブロリー「俺や親父ぃの事を馬鹿にするのは良い……だがなぁ……!」

ブロリー「俺のお袋を馬鹿にするのは……絶対に許さんぞお前はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ドンッ

【挿絵表示】



ナレーター「ブロリーは武道会に参加した理由と自身の目的を思い出し、絶体絶命からの超パワーアップを果たすと、シルバーフリーザとなったフロストを一気にねじ伏せたのだった。」


メリメリッ Sフリーザ「ぬぅおぁぁぁ……!?」

ブロリー「……。」

レフェリー『フロスト選手気絶っ!!試合続行は不可能とみなし、勝者はぁー!』


レフェリー『第3宇宙のブロリー選手でぇぇぇす!!』


ナレーター「ボロボロになりながら辛くも勝利を収めたブロリーであったが、第6宇宙の破壊神であるシャンパは同点になったにも関わらず、その表情には勝利を確信した笑みを浮かべていた……!」


シャンパ「へっ!見てろよ第3宇宙の奴等……お前らの第3宇宙は、俺様の第6宇宙よりも遥かに格下だって事を、その貧弱な身体に叩き込んでやるぜぇ!ワンドよぉ!」


♪チャチャチャン チャチャチャン♪


49話 這い寄る恐怖!?神の力を使いこなせ!!

  ~全宇宙一武道会会場 第3宇宙控え場~

 

 

スタッ ブロリー「ブロリーです……。」

 

キベス「おかえりなさい!ブロリーさん!」

 

ギネ「ありがとなブロリー!私の仇をとってくれてっ!」

 

ブロリー「い↓え↑い↓え↑、滅相も御座リーです……。」

 

パラガス「ちょっ!おまっ!私の台詞を取るなぁ!」

 

バッ ワンド「ブロリー!アンタ大丈夫なのっ!?あのフリーザって奴に手足撃ち抜かれてたからっ!」

 

ブロリー「……はい。今は何とも無いですYO☆」

 

バーダック「へっ……その様子だと、どうやら次の試合も心配はいらねぇようだな。」

 

ブロリー「そうかぁ?」

 

ギネ「さっきのブロリーの超サイヤ人物凄かったよ!修行の時にはあんな力引き出せなかったのにさ!」

 

パラガス「確かに……私もうにょりーのように頑張ったら、更に強い戦士に育つ筈ですっ!!」

 

バーダック「テメェはもう反則的な強さがあんだろうが……。」

 

サフィア「……ブロリーさん、少し傷を見せて貰っても構いませんか?」スタスタ

 

ブロリー「……?」

 

ワンド「流石サフィア、ブロリーの傷を治すのね?」

 

サフィア「いえ、それは反則行為となりますので……身体に付いている血などは拭き取りますが、あくまで少し傷を拝見するだけですよ。宜しいですか?ブロリーさん。」

 

ブロリー「はい……なぁんなりーと見てくだサイヤ☆」スッ

 

 

  ~全宇宙一武道会会場 第6宇宙控え場~

 

 

ヴァドス「そういえばシャンパ様。次の選手にマゲッタさんを出すのは良いですが、フロストさんの件はどうするのですか?」

 

シャンパ「あ?フロストの件って何だよ?」

 

ヴァドス「先程第4試合が始まる前に仰っていたではありませんか。もしフロストさんが試合で負ければ……彼を破壊すると。」

 

シャンパ「あー……そういやそんな事言ってたなぁ。だが肝心のフロストの野郎はもう医務室に運ばれちまってるし……ワンドんとこの試合が終わった後でも良いだろ。」

 

ヴァドス「それもそうですね。今のシャンパ様は、フロストさんの事など頭に無さそうですし。」

 

シャンパ「あぁ……もうあんな奴に興味すら無くなったからなぁ。あれだけ大層な変身かましといて相手の奴を殺そうとしたり、結局毒針も隠し持ってたみたいだからよぉ。」

 

ヴァドス「フリーザと言う名前で出場したのも、大会のルールの裏を掻くだけだったようですしね。……私的に1つ気になったのですが、なぜフロストさんは急にあのような力を持つようになったのでしょう?」

 

シャンパ「ん?どういう意味だよ。」

 

ヴァドス「シャンパ様もご存じの通り……この全宇宙一武道会が始まる前に他の方が修行している間、フロストさんがシャンパ様の宮殿に来たのはご存じでしょう?」

 

シャンパ「あぁ……あれお前がやった力とかじゃねぇの?」

 

ヴァドス「いいえ……私は確かに自身の杖で、フロストさんに第7宇宙の情報を元に作った虚像と会わせるため、異次元の中に入れたのは入れたのですが……力を授けるような行為は一切しておりません。自身の修行の成果以外で、私達から力を与えるような事は出来ませんし、それは基本的にルール違反となりますから。」

 

シャンパ「そういやぁキャベ達も言ってたなぁ……突然フロストの奴が見違えるほどに強くなったってよ。」

 

ヴァドス「本人に直接聞く方が一番早いとは思いますが、今は医務室で安静状態になってますので、こちらから少し調べてみた方が良いかも知れませんね。」

 

シャンパ「別にそこまで気にすること無いんじゃねーの?最終的にはアイツ負けちまったんだからよお……今はそんな事より次の試合だ!パワーアップしたマゲッタの力を、奴等第3宇宙に見せつけてやんだよ!」

 

ヴァドス「はぁ……シャンパ様は相変わらずですね。」

 

 

ヒット「……キャベ。」

 

キャベ「あ、はい!何でしょうヒットさん。」

 

ヒット「……さっきのサイヤ人の妙な技……お前何か知ってるのか?」

 

マゲッタ「シュポ?」

 

キャベ「いえ、知ってると言いますか……何か感じたと言いますか……あれは神の力だと思います。」

 

ヒット「神だと……?」

 

キャベ「恐らく……きっと向こうの破壊神様の力です。あのブロリーと言う人がさっきの技を使ったとき、僕と同じ神の気を感じたんです。」

 

ヒット「なるほどな……それが奴の能力と言うことか。」

 

キャベ「多分……。」

 

マゲッタ「シュポポ……。」

 

 

アキュリ『えー……先程の試合の件ですが全王様に説明しましたところ、色々とハプニングがありましたが試合は続行するとの事でしたので、予定通り次の第5試合を始めようと思いマース!!』

 

アキュリ『今大会の今の現状ですが、第4試合では第3宇宙のブロリー選手が勝利したので、第6宇宙と第3宇宙は今の所同点!次の第5試合目で、戦況が大きく動くと言っても過言ではありまセーン!一旦リングの方を修復した後、次の試合を始めていきたいと思いマース!!』

 

 

ボロボロになったリング上で、ズノー様の乗り物に乗った実況者のアキュリがそう言うと、右手を頭上に掲げて光の輪を作り上げると、そのままリングへ一気に降り注いだ。そしてボロボロだったリングはみるみるうちに光の粒子に包み込まれ、一瞬のうちに傷1つ無いツルピカのリングに生まれ変わっていく。

 

 

ビビビビ アキュリ「これで良いかな。てゆーか毎回毎回リングを破壊しないで欲しいんだけどなぁ……何気に結構疲れるんだよねぇ。」

 

 

 

ザワザワ 観戦客「試合はこのまま続行か……まぁ全王様も、今さら中断させるわけには行かないんだろうなぁ。」

 

ザワザワ 観戦客「そりゃそうだよ!俺達も俺達で、わざわざ高い金を払ってここまで見にきてんだぜ?」

 

ザワザワ 観戦客「しかしのぉ、これ以上フリーザのような者は見とうないんじゃが……心臓に悪いわい。」

 

ザワザワ 観戦客「まぁ全宇宙一を決める武道会だからねぇ……あんなトラブルメーカーもいるとこはいるんじゃないかしら?」

 

ザワザワ 平和維持軍「うぅぅ……フロスト様が負けるなんて……。あんなにも修行して力を付けたと言うのに……。」

 

ザワザワ 平和維持軍「仕方ないさ。フロスト様も連戦の疲れがあったし、負けるときは負けるものさ……後でお見舞いにでも行こう。な?」

 

ザワザワ 平和維持軍「ぐすっ……解った……。」

 

 

ビルス「フロストの奴はやっと退場か……何だか物凄く長かった気がするな。」

 

ウイス「時間で言えば……丁度半年ぐらい見てた感じですかねぇ。」

 

ネコマジンZ「この調子じゃ、終わるまで10年ぐらいはかかりそうだぞ……な?作者。」\スマン…/

 

悟飯「次の第6宇宙の選手は、一体誰が出てくるんでしょう……?」

 

ピッコロ「第6宇宙は前の試合と同じ選手の順に出している。それを考えると、次は恐らくあのマゲッタだろう……待機場にいる、あのデカイ奴がそうだ。」

 

トランクス(未来)「あれが……マゲッタ。」

 

悟飯「でもあれって、ロボットの類いか何かじゃないんですか?」

 

ピッコロ「いや、あれはメタルマンと言う立派な人種だ。体がかなり大きいがああ見えて逆にメンタルがとても弱く、悪口を言われるだけで戦う気を失くしてしまうらしい。」

 

悟飯「そ、そうなんですか……何だか少し意外ですね。」

 

トランクス(未来)「メタルマンなのにメンタルが弱い……。」

 

ベジータ「フンッ、所詮只の図体がデカイだけのデカブツに過ぎん。」

 

悟空「ベジータ……オラはそんなことねぇと思うぞ?アイツの体はめちゃくちゃかてぇからよ、並の攻撃じゃビクともしやしねぇんだ!前の第6宇宙とのしええの時も、ベジータが超サイヤ人になってリングの外に押し出して勝てたぐれぇだかんな!流石にあのままやってたら、ベジータでもヤバかったかもなー。」

 

ベジータ「チッ……余計なことを。」

 

トランクス(未来)「と……父さんがそこまで苦戦するほどの相手なんですかっ!?あのマゲッタと言う戦士は!」

 

悟飯「それだけ体が固い相手だと、あの傷付いたブロリーが勝つことは難しそうですね……。」

 

ピッコロ「いや解らんぞ……奴は先程の試合で、あのアキュリとか言う奴が作ったカッチン鉱製のリングを粉砕していた。あのマゲッタがそれ以上に固い身体でなければ、ブロリーに十分勝機はあるだろう。」

 

ベジータ「……まぁ見た目からは解らんが、あの野郎も俺達との試合からの反省点を踏まえ、かなりのパワーアップをしているだろうがな。」

 

悟空「へへっ!ブロリー対マゲッタか……次のしええどうなっかな?」

 

 

  ~全宇宙一武道会 武道会控え室 病床~

 

 

ザワザワ 観戦客「第6宇宙のフリーザって奴が負けたみたいだな。」

 

ザワザワ 観戦客「へっ!良い気味だぜ!あの反則野郎が!」

 

ザワザワ 観戦客「対戦相手だったブロリーって人、大丈夫かしら……。」

 

ザワザワ 観戦客「さっきモニターでチラッと見えたけど、何だかピンピンしてた感じだし……大丈夫でしょ。」

 

 

イチャイチャ ジャコ「マキアちゃーん、早くお粥ちょうだーい?」

 

イチャイチャ マキア「もう……ジャコさんはホントに甘えん坊さんですね。はい、あーん。」スッ

 

イチャイチャ ジャコ「ハフハフッ……お粥おいしいー↑!!」

 

イチャイチャ マキア「ジャコさん相変わらず大袈裟なんですからー。」

 

 

エレンド「今回は第6宇宙のルーズか……まだまだこのバトル、どっちにローリングするか解らない状況だねぇ。」

 

ペリド「そうみたいですね……。」

 

エレンド「今さら聞くのもなんだけど……ペリドちゃんはどっちの宇宙にウインして欲しいの?アハーン?」

 

ペリド「私的には、第3宇宙の方を応援しています。」

 

エレンド「それはMR.ブロリーがいるからかい?」

 

ペリド「はい。なのでエレンド様……1つ私からお願いがあるんですが。」

 

エレンド「ホワッツ?それにしてもペリドちゃんからの頼みなんてレアだねぇ!ミーに出来ることがあれば、何でも言ってみな!」

 

ペリド「ブロリー様の介護をしたいので、そろそろこの臭い部屋から出ても良いですか?」

 

エレンド「臭いっ!?……ここそんなに臭う?」

 

ペリド「臭いますね物凄く……それにエレンド様も充分元気そうですし、私が見る必要は全く無いと思われます。」

 

エレンド「そ、そんなぁ~!そんなクールな事言わないで、ミーの事ちゃんと看病してよぉー。」

 

ペリド「嫌です、失礼します。」スッ

 

エレンド「あっ!ちょっ!?ペリドちゃん待ってぇー!MR.ブロリーの看病するって言っても、彼はすぐに試合に出るんだよぉー!?」

 

ペリド「……」スタスタ

 

エレンド「あーあ……ゴーしちゃった。」

 

エレンド(ペリドちゃんが言ってた臭い……ちょっと気になるねぇ。)

 

 

      ~武道会控え室 離れ廊下~

 

 

スタスタ ペリド「……」(大型モニターが設置してあるとはいえ、狭苦しい所で試合を見るのは御免です。今はそれより……。)

 

スタスタ ペリド「確かこの辺りで感じましたが……。」

 

 

武道会の控え室から少し離れた余り人気の無い会場に向かう通路で、第9宇宙破壊神エレンドの付き人のペリドは、この通路で何か不審な気を感じていた。この会場に来ている選手か観戦客かまでは解らないが、明らかに邪悪そのものがうごめいているような、放っておけば大変な事になりそうな気である。先程エレンドに臭いと言ったのはこの事であったのだ。ペリドはその人気の無い赤いマットを敷いた通路の奥を進んでいくと、やがて十字路に差し掛かった。

 

会場へ向かうにはそのまま真っ直ぐ進めば良いのだが、そこで彼女は右手から自身の杖を取りだし、先程から感じている邪悪な気の出所を探り始める。

 

 

ブゥゥン ペリド「……どうやら右側の通路から、この邪悪な臭いが出ているようです。」スッ

 

 

ペリドから見て右側の通路から臭いの元を感じ取った彼女は、杖を一旦戻していつでも戦闘態勢を取れるよう、警戒しながら右の通路へと入っていった。通路の奥は余り使われていないのか、天井に付いているライトの明かりが点いたり消えたりと変に不気味な様子で、ペリドは足音を立てずにゆっくりと進んでいく。そして彼女が異変を感じ取ったのは進んでしばらくしてからだった。

 

 

???「うわぁぁぁぁぁ……!!」

 

ピクッ ペリド「!」

 

 

ペリドは通路の奥から誰かの悲鳴のようなものを聞いた瞬間、一目散に駆け出して声の元までたどり着いた。彼女が着いた途端、そこには薄暗い通路の隅で何者かが武道会の警備員の首元を掴み、手から口へ何かを入れているような風景を目にする。

 

 

ズズズ 警備員「おぼぇ……おごぁぁっ!」

 

???「……。」

 

ペリド「貴方っ……!その手を離しなさいっ!!」バッ

 

 

異質な光景を目にしたペリドは一歩も怯む様子もなく、再び右手から光と共に杖を取り出すと、下の赤いマットを蹴りながら謎の人物へ向け、杖の先端から強力な電磁波を放った。警備員へ掴みかかっていた謎の人物はそれに気づきジャンプで回避すると、警備員を放して違う通路へと逃げていった。彼女もすぐにその人物を追いかけようとするが、床に倒れて咳き込んでいる警備員を放っておく訳にも行かず、後を追うのをやめて警備員の元へ駆け寄る。

 

 

スッ ペリド「しっかり……!大丈夫?」

 

警備員「ゴホッ!ゲホッ!だ……大丈夫ですっ……!」

 

ペリド「一体何があったの……?」

 

警備員「わ、解りません……私がここの巡回をしていたら、いきなり誰かに掴まれて……口に何かを……ゴホッ!!」

 

ペリド「待って、すぐに治療するから……!」スッ

 

 

このまま咳き込んで苦しんでは話が聞けないと思ったペリドは、右手に持っていた杖で警備員の治癒をしようと先端を向ける。杖の先から緑色の光の粒子が迸り、警備員の身体全体を優しく包んでいく。

 

 

ペリド「これでもう安心……ゆっくり休んで。」

 

スゥゥー 警備員「あ、ありがとうございます……。!?」

 

 

だが次の瞬間、横たわっていた警備員の身体がビクンビクンと跳ね上がり、両手で自身の頭を鷲掴みにしていきなりもがき始めた。いきなりの出来事に彼女も驚きを隠せなかったようで、治癒を一旦中断し警備員の身体をさすりながら問いかける。

 

 

ペリド「どっ……どうしたの!しっかり……!」

 

ジタバタ 警備員「うぁ……あぁぁぁ!!わ……私の中で何かが……うごめいて……うぐぁぁぁっ!」

 

ペリド(まさかさっきの……。)

 

ペリド「気をちゃんと持って……!」

 

警備員「うぁぁぁ……ぐぉぉぁァァァァアア!!」バッ

 

ペリド「!?」

 

 

さっきまで倒れていた警備員は瞬時にその場で起き上がると、すぐ傍にいたペリドへいきなり襲いかかってきた。まさかの事態に彼女も一瞬判断が遅れてしまい、真横に置いてあった杖を取ろうにも間に合わず、警備員が間近に迫っていた。

 

 

ペリド「くっ!」(一体どうなって……!?)

 

警備員「ガァァァァァァァ!!」ブンッ

 

 

彼女に攻撃が当たる直前……回避も防御も間に合わない距離であったが、次の瞬間だった。

 

 

バッ ???「デストラクションッ!」

 

ドクンッ 警備員「「!?」」

 

スゥゥー 警備員「グオァァァァァぁぁぁ……!!」

 

 

何者かがそう叫んだ瞬間、ペリドの目の前にいた者は光の粒子に包まれ跡形も無く消え去ってしまった。目の前で消える様子を見ていたペリドはその者の声に聞き覚えがありすぐ後ろを振り向くと、第9宇宙の破壊神であるエレンドが左手を構え仁王立ちで立っていた。

 

 

エレンド「大丈夫かい?ペリドちゃん。」

 

ペリド「エレンド様助かりました……ですが、どうしてここへ?」

 

エレンド「ペリドちゃんがさっき言ってただろう……臭いがするってねぇ。ちなみにさっきのは一体何だったんだい……どうしてさっきの奴がペリドちゃんにアタックしていたの?」

 

ペリド「エレンド様が今破壊したのは、この武道会の警備の方です。それがいきなり様子がおかしくなって……それよりエレンド様。今はエレンド様に説明するよりもまず、即刻全王様にお伝えしなければならない事があります。」

 

エレンド「ワット?オールキング様に?どういう事だい?」

 

ペリド「この武道大会……※何者かが裏で何かを企んでいる可能性※があります。」

 

エレンド「ホワッツ!?」

 

 

      ~全宇宙一武道会 会場~

 

 

第3界王神「はぁー全く、さっきから冷や冷やしっぱしやわ……お前さんのとこの選手のせいでなぁ!」クワァ

 

第6界王神「わ、私のせいじゃないのだな……。」

 

第3界王神「じゃかましいわい!どっちにしろお前さんの第6宇宙の管理がなっとらんから、あんな危なっかしい奴がおるんや!恥を知れ恥を!」

 

第6界王神「うー……。」

 

第6付き人「第3宇宙の界王神様……どうかその辺で。」

 

第3界王神「お前もお前じゃい!!なっさけない界王神を持ってるなら、付き人のお前が一番しっかりせんとアカンやろがぁ!なめとったらしばき倒すぞ!」

 

第6付き人「は、はい……。」

 

第3界王神「全く……!」

 

第6界王神「と言うか……最初にルール違反をしたのはそっちの宇宙なんだな……。」

 

第3界王神「…………うるさいわい!おどれ等は黙っとれっ!」

 

 

  ~全宇宙一武道会会場 第3宇宙控え場~

 

 

ブゥゥン サフィア「……これは……。」

 

ブロリー「……?」

 

ギネ「傷がどうかしたんですか?サフィアさん。」

 

パラガス「まさか……傷が治っているとでも言うのかな……?」

 

バーダック「バッキャロが……!そんな馬鹿な事があるわけねぇだろ。」

 

ブゥゥン サフィア「やはり……傷がほとんど完治していますね。」

 

バッ バーダック「な、何だとぉ!?」

 

パラガス「腐★腐。私の言った通りのようだなぁ……って、ゑゑゑゑゑゑゑっ!?」バッ

 

キベス「ど、どういう事ですか!?サフィアさん!」

 

ギネ「ブロリーにそんな力ありましたっけ……?」

 

ブロリー「フッフッフッフ★」

 

スッ サフィア「いえ、ブロリーさんやバーダックさん達はサイヤ人ですので、そんな回復能力はありませんでした……前までは。」

 

ブロリー「ゑっ!?」

 

バーダック「前までは……だと?一体どういう意味だ。」

 

サフィア「皆さんはこの武道会に向け、ずっと修行に明け暮れました。時には私が相手になり、時にはワンド様が直々に相手になりと。」

 

バーダック「……何が言いてぇ?」

 

ギネ「あ!私解ったかもしれない……。」

 

パラガス「ギ↑ネ↓、俺にも教えろぉぉぉ!!」

 

ギネ「バーダック、アンタにだけ教えてあげても良いよ……?」ジッ

 

バーダック「断る。」

 

ギネ「んもぉー!ノリが悪いんだよバーダックは!」

 

パラガスルー「無視すなぁ!!」

 

スタスタ ワンド「私とサフィアの力よ。アンタ達はこの間の修行の合間に、私やサフィアと同じ※神の気※を解放したって事。」

 

キベス「神の力を解放……?」

 

ブロリー「それと俺のはぁ……何の関係があるんだぁい?」

 

サフィア「先程ブロリーさんが試合の時に変身した姿ですが、金色のオーラと共に青色のオーラも混じっていた事は覚えていませんか?」

 

パラガス「青色のオーラ?」

 

バーダック「あぁ……確かにあったな、それがどうしたってんだ?」

 

サフィア「あの青色のオーラは神の気を解放した印なんですよ。そもそも神の気は2段階ありまして、その1段階目はギネさんが変身していた、あの赤色の超サイヤ人ゴッド……つまり※神の気を纏う※という事です。」

 

ギネ「私の……?」

 

キベス「じゃあ2段階目と言うのは……?」

 

サフィア「自身に神の気を纏うのではなく、※自身から神の気を解放する※のですよ。」

 

ブロリー「解放かぁ……。」

 

サフィア「人間の方はこの段階に行くまでかなり難しいようですね。解放状態になった人間は基本的に纏う状態からパワーアップするのは勿論ですが、一番の違いは解放状態の身に纏うオーラの違いです。解放状態となった者のオーラの色は赤ではなく、その者の質等の関係によって纏うオーラの色は変化します。」

 

ワンド「まぁその色も十人十色だけどね。私も実際にあまり見たことないからあれだけど、聞いた話じゃ私やサフィアみたいな神じゃない人間がその二段階目に入ったら、その人が正しい心を持ってる場合は青色に近く、邪な心を持ってる場合は色が黒色に近くなるみたい。」

 

パラガス「ほほぅ……つまりどういう事だね?」

 

バーダック「聞いてなかったのかよテメェ……。」

 

ブロリー「親父ぃ……神の気は2段階あって1段階目は赤色、2段階目は色が違うってことだ。解ったか!?」

 

パラガス「あ、あぁ……そうかぁ……。」(納得)

 

ギネ「で……2段階目になったブロリーは、どうして傷が治癒していたんですか?って話に戻るんですけど……。」

 

サフィア「それは本来の神の気を持つ、私とワンド様の力によるものですよ。」

 

ギネ「ワンド様とサフィアさんの?」

 

バーダック「ったく!さっきから黙って聞いてりゃ、一々話がややこしいんだよ!もっと簡潔にまとめやがれっ!」

 

ワンド「だから、私とサフィアの性質のおかげって事!私とサフィアには元々、神の気とそれに伴って特殊な能力を持ってるの。それがさっきブロリーの傷を治癒してた、云わば回復能力って訳!解った?」

 

パラガス「なぁるほど、解らん。」

 

キベス「つまり……こういう事ですか?その第2段階である神の気を解放した人は、1段階目より強力なパワーアップするのと、1段階目では無かった回復能力が備わる……。そしてその回復能力はワンド様とサフィアさん特有の物という意味ですね。」

 

ワンド「その通りよ!……アンタ見かけによらず賢いのね、ちょっとだけ見直したわ。」

 

キベス「ど、どうも……。」

 

パラガス「なるほどなぁ、それだったら解るぞぉ!」

 

ブロリー「んんんんんんんんんんん!!」(賢さ26)

 

パラガス「おまおまおまおまっ!さっき解ってたじゃないか!」

 

ギネ「と言う事はワンド様とサフィアさん特有だとして……他の宇宙の破壊神様や付き人の人達も、そういう特殊な能力があるって訳ですか?」

 

ワンド「さぁ?それは他の破壊神しか知らないから、私からは何とも言えないわね。」

 

ギネ「そうですか……。」

 

キベス「ですがもし、その第2段階の神の気を解放というのを使いこなせば……私はサイヤ人ではありませんが、バーダックさんやギネさん達はサイヤ人なので死の淵から這い上がる度に力を上げますし、相手にやられても回復能力で復活して力を上げてで最強じゃないですか!!」

 

パラガス「oh.yes~.じ、実は私も今そう思っていたのだからなぁ。」

 

ギネ「嘘バレバレだからな?」

 

サフィア「今キベスさんが仰ったその行為ですが……それは不可能です。」

 

キベス「え?」

 

バーダック「だろうと思ったぜ、何かのリスクがあんのか?」

 

ワンド「えぇ。その第2段階目になってる間はかなり体力の消耗が激しいらしいの。その回復能力があったとしても、あくまで傷が癒えるってだけで体力自体は戻らない……それにその回復能力が自動で付くせいで、自身の体力が更にごっそり減っていくらしいわ。」

 

バーダック「成る程……ある意味諸刃の剣って事か。」

 

サフィア「そういう事です。もし2段階目をマスターしたとしても、使い所を間違えばたちまち自分自身を追い詰めてしまい、すぐに倒れてしまうのがそのリスクと言うものです。」

 

ギネ「じゃあここぞって時にしか、その2段階目とやらの発動はしない方が良いって訳か……。」

 

ワンド「まぁ心配する必要はないわよ。アンタ達が仮に使えたとしても、そこまでする奴と闘うなんて事ありはしないと思うから。ね?バーダック。」

 

バーダック「何で俺に振るんだよ……。」

 

 

アキュリ『只今リングの修復が終わりましたので、それではそろそろ全宇宙一武道会、第5試合の方を始めていきたいと思いマース!第3宇宙からは引き続きブロリー選手デース!ブロリー選手はリングへとお願いしマース!!』

 

   \ワー!/ \ワー!/ \ワー!/ \ワー!/

 

 

パラガス「ん?もうブロリーが呼ばれているぞぉ!」

 

ワンド「悪いわねブロリー、引き続きアイツ等の相手をお願いするわ。」

 

ブロリー「はい……任せロットォォォォォ!!」

 

ギネ「元気バリバリだね……。」

 

バーダック「油断すんじゃねぇぞブロリー。まだ後釜に俺とお前の親父が残ってんだ、テメェだけ独り占めは許さねぇからな!」

 

キベス「無理なら無理で、降参するのも1つの手ですよ!」

 

ブロリー「はい……。」タンッ

 

 

リングの遥か上空に浮いてある選手待機場から、ブロリーは颯爽と頭から飛び降りる。やがてリングの地面が近づいてくるとブロリーは体勢を変え、片膝と右手を着けて瞬時に着地した。

 

 

スッ ブロリー「……。」

 

アキュリ『では続いて第6宇宙からは!メタルマンこと、マゲッタ選手の登場デース!!マゲッタ選手、リングの方へとお願いしマース!!』

 

   \ワー!/ \ワー!/ \ワー!/ \ワー!/

 

 

シャンパ「よぅし!じゃあ行ってこいマゲッタ!!お前の修行の成果を、あのサイヤ人に見せつけてやれぇ!」

 

マゲッタ「シュポォォー!!」バッ

 

 

マゲッタもブロリーと同様に、上空の選手待機場から勢い良く飛び降りると、リングに両足を踏みしめドシンと言う音と共に着地した。リング全体に重くのし掛かったマゲッタの体重が、如何に重いかが伝わってくるほどだ。

 

 

アキュリ『うわぁ……大きい身体ですねぇ。この重量感も渋くてカッコいいです!』

 

マゲッタ「シュポシュポォ……///」

 

ブロリー「ふん。そんなモビルスーツで、このブロリーと対等に戦えると思っているのか?」

 

マゲッタ「シュポポ……?」

 

 

悟空「さぁて……第3宇宙のブロリーの奴、今度はどんなたたけぇをすっかなぁ?」

 

ベジータ「さっきの様子を見るに、奴は超サイヤ人2が限界だろう……あのマゲッタの場合は、鋼鉄の体を崩せん限りリングアウトを狙うしか勝つ方法はないだろうな。」

 

悟飯「それにしても……さっきまでブロリーはボロボロだったのに、偉く平然としてますね……。」

 

ピッコロ「確かに……向こうの待機場で何か使ったのかも知れんな、ブロリーとパラガスのコンビなら充分考えられる。」

 

ウイス「いいえ、彼等はそんな事してはいませんよ。」

 

ピッコロ「む……?」

 

トランクス(未来)「どうしてウイスさんには、そんな事が解るんですか?」

 

ビルス「心眼って奴だよ。僕達神は君達と違って体の造りが違うから、そういうのは見れば解るもんなのさ。」

 

悟空「へぇー、ビルス様達そういう事もできんだなぁ!」

 

ウイス「えぇ、まぁあまり使い道は無いですが。」

 

ベジータ(ビルスの野郎……そんな事まで出来るのか。)

 

悟飯「じゃあ、何故あれほどブロリーは……。」

 

ビルス「それは戦ったことのある君達が1番知ってるんじゃないの?要するに、あのサイヤ人の特異体質ってとこじゃない?」

 

悟飯「そうですか……。」

 

ウイス「まぁ細かいところは、試合の時にでもじっくり観察すれば良いんじゃないですか?」

 

悟空「へへっ!それもそうだな!よっしゃ、あのブロリーの限界の力見せてもらっかぁ!」

 

ネコマジンZ「うむ、それがいいぞ!」

 

 

ブロリー「貴様のようなニュータイプの成り損ないは、粛正される運命なのだ!」

 

マゲッタ「シュポシュポ……。」

 

 

ワーワー 観戦メタルマン「ジュポポポー!」

 

ワーワー 観戦メタルマン「スポポスッポー!」

 

ワーワー 観戦客「こいつらスポスポうっせぇなぁ……。」

 

ワーワー 観戦客「図体もデカイから、席も二人分取ってんだよなぁ……。」

 

 

キッ マゲッタ「シュポォォーク!!」プシュー

 

ブロリー「モビルスーツの分際でいい気になるなよ……!」

 

【挿絵表示】

 

アキュリ『それでは!全宇宙一武道会第5試合、第3宇宙のブロリー選手と、対するは第6宇宙のマゲッタ選手!』

 

アキュリ『試合……開始デース!!』バッ

 

 

ナレーター「全宇宙一武道会第5試合、両宇宙の勝利を左右するブロリー対マゲッタの試合が始まった。フロストに苦戦を強いられていたブロリーに対し、以前の戦いでベジータも苦戦したメタルマンのマゲッタが立ち塞がる。」

 

ナレーター「ワンドから神の力を説明されたブロリーは、この絶望的な戦いで活路を見出だすことが出来るのだろうか?それとも超パワーアップを果たしたマゲッタが勝利するのか……?注目である!」

 

 

~ED~ ♪Boogie back♪




これで49話は終わりになります。

勢いで書いてしまったために、挿絵などもありませぬ……せめて皆さんに早くお届けしようと思って、お話だけ書いてしまいました。皆さん的に挿絵はあった方が良いでしょうか……?もし必要であれば後々載せますので、その辺りもご意見頂ければ有り難いです……!

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。