俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

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昨日の夜にあげた第12話を投稿してからのお気に入り数とUA数が半端なくてめちゃくちゃビビりました。
見てくださった方々本当にありがとうございます。
というものに触発されて今までになく早い投稿になりました。
いつも通りキャラ崩壊等にご注意下さい


第13話 正月の千葉の兄妹

1月

正月、俺は今千葉にいる。正確には千葉に向かっているJRにいる。

まあ、正確には俺らはになるが、いろはと一緒に帰省することにした。なんだかんだ去年からずっと忙しく、あまり実家にも帰れなかった。

小町とは連絡はとっていたが、ずっと会ってなかったのは寂しい。

 

「久しぶりですねぇ、千葉」

 

「お前夏に帰ってただろ?」

 

「先輩と!一緒にいる千葉久しぶりですねぇ」

 

無駄に強調して俺の方も見ずに2度目を答えた。

そんなに大事な事かよ…

 

「あー、はいはいそうですねー、あざといあざとい」

 

「なんですかー?そのやる気ない返事は」

 

「早く帰りたいんだよ。自宅大好きな俺としては」

 

「小町ちゃんに会えるからですか?」

 

「当然だ」

 

「うわぁ…久しぶりの先輩のシスコンはキツイです」

 

うるせぇ、こちとら何ヶ月も会ってねぇんだよ。

 

「わたしだからいいですけど、普通なら捨てられてますからね?先輩」

 

「そうだな」

 

そんな相手今までもいた事ないし、これからもいないんだから気にすることも無いけどな…

 

「でも…わたしだって、そんな態度だったら拗ねちゃうんですから…」ボソッ

 

ボソッと言って少しだけ俯いているいろは。悪いけど、俺難聴系じゃないから聞こえちゃうんだよ。

 

「…悪かったな。お前といるのが当たり前になって、無神経だった」

 

隣に座っているいろはも見ずにそっぽを向いて言っていた。

視界の端に映っていたいろはの顔が上がり、俺の方を見た。

 

「えへへ、分かればいいんですよ分かれば」

 

めちゃくちゃ満足気な顔をしていたいろはをスルーした。このままだったら、俺めちゃくちゃ顔赤くしそうだし。

心做しか隣に座っているお客さんの視線が痛い。ほんと、まじごめんなさい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それからしばらくしてから千葉に着き、そのまま駅で別れてお互い帰ることにした。

お互い早く帰った方が良いといういろはの提案だった。なんだかんだと久しぶりの千葉を懐かしみながら、久しぶりの家路についた。まあ、1年そこらじゃ何も変ってなかったけどな。

そして、昼前に無事家に着くことができた。一応事前に小町に連絡をしておいたため、鍵は開いていた。

 

「ただいま」

 

と言って家に入るとリビングから小町が出てきた。

 

「あ、お兄ちゃんおかえり!会いたかったよ!あ、今の小町的にポイント高い!」

 

「相変わらずだな、お前」

 

と軽く挨拶を済ませて2人でリビングに行った。

 

「親父たちは?」

 

「まだ寝てるよ、流石にお正月くらいはゆっくり休みたいって」

 

「ま、だろうな。社畜の気持ちは痛いほどわかるし」

 

「うわ、お兄ちゃんが遠い目をしてる…何かやだなぁ、働くの」

 

「それ以上いくと、目が腐るぞ」

 

「やばっ!お兄ちゃんになるじゃん!!」

 

「うるせえよ」

 

そんな他愛ない会話をまったりとコタツに入りながらしていた。

 

「そういや小町、お前就職どこにするとか決めたのか?」

 

「うーん…まだ悩み中なんだよね。本当はお兄ちゃんのとこの近くにしてお兄ちゃんと住もうと思ったんだけどぉ…」

 

「俺と住むつもりだったのかよ。やめとけよ、あそこ東京とか言うけどあんまり良いところないぞ」

 

「まあ、それもあるんだけどさぁ…お兄ちゃん、どうせすぐにいろはさんと同棲しそうだし」

 

「……は?」

 

その発言に思考と動きが止まって、体が一瞬固まった。

 

「何言ってんの?お前」

 

「だって、部屋も1階違いでしかもほとんど毎日家に行ってるんだったら同棲した方が良いじゃん?というか、小町は普通にすると思ってたんだけど」

 

「……一理ある」

 

「でしょう?」

 

「まあ…おいおい相談するか」

 

「まあ、そんな事より」

 

向かい合って座っていた小町が立ち上がって俺の隣に座り直す。

 

「小町は嬉しいよ。お兄ちゃんにいろはさんみたいな彼女が出来て」

 

「俺も出来るとは思わなかったよ」

 

「そうだけど、でも、小町的には奉仕部のお2人も候補には入ってたと思ったんだけどなぁ」

 

奉仕部、それを聞いて思い出す高校時代。なんだかんだ色んなことがあった、その中でいつも中心にあったのが奉仕部のあの、2人の…雪ノ下と由比ヶ浜の存在だった。

でも

 

「あいつらは…違うんだよ。上手く説明出来ねぇけど、彼女とかじゃない、何か彼女程ではないけど特別な存在だ」

 

「うん、そうだね」

 

と言って小町は俺の肩に頭を乗せた。

 

「小町も早く、兄離れしなきゃね」

 

「言ってることとやってる事が合ってないけどな」

 

「今は大目にみてよ、久しぶりに帰ってきたお兄ちゃんに甘えたいの。小町はお兄ちゃんの事大好きだし。あ、今の小町的にポイント高い!」

 

「最後のが無ければはなぁ」

 

苦笑いをして小町の頭を撫でてやった。ん、と気持ち良さそうな息が漏れる音がした。

 

「お兄ちゃんに彼女が出来て嬉しいけど…たまには小町の事も構ってね?小町に彼氏が出来るまで」

 

「小町に彼氏とか許さねぇよ。仮に出来たとしても俺の前に連れてこい、面接してやるから」

 

「うわぁ、流石にそのシスコンっぷりには小町でも引くわぁ…」

 

「うるせぇよ…」

 

「ま、とにかくおめでとうお兄ちゃん。ちゃんと幸せになって、幸せにしてあげてね?」

 

「おう。お前も何かあったら言えよ、ちゃんと力になってやる」

 

「うん!頼りにしてるねお兄ちゃん」

 

という比企谷兄妹の団欒だった。




今回はいろはというより、小町回でした。小町の感じを出せていたかわかりませんが個人的に頑張りました。
変でしたらごめんなさい

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