俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

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本当に、本当に遅くなって申し訳ないです。
二ヶ月も待たせてしまうことになってしまいました。正直私自身どんな風に書いていたか飛ぶレベルでしたので、ちょっと今までと違っていたりしたらごめんなさい。
あ、キャラ崩壊注意はいつも通りです。


第15話 もう少しで

3月

年度もそろそろ終わりに近づいた今日この頃、4月から新入社員も入るとかどうとかの話をチラッと聞いたりするが細かい内容までは知らない俺、いやまあ正直あまり興味が無いと言うか…いやまああれだよ。うん。

 

という訳で、遂に来てしまったよホワイトデー…そんな日なのに仕事だよこんちくしょー!

いやまあ、プレゼントは買ってある。お気に召すかは知らん、正直俺の自己満足だ。

 

「ねぇ、ここってどうやれば…」

 

「え?ああ、ここはですね…」

 

と、先輩の社員から教えを請われた。良かった、教えて貰っていたところで。いや、なんで俺が教えてるんだろ?普通ここは俺が聞くことじゃね?

 

今日は定時で帰らせてもらった。残ってる仕事は明日とかにやれば何とかなるレベルだったしたまにはね。

定時での帰りはやっぱり電車は混むな、座れもしなかったよ。

…高校生とかには俺もそこら辺の冴えないおっさんと同レベルなのかね。

 

電車を降りて駅を出て駅前の広場のところにめちゃくちゃ見慣れたやつが絡まれてる。

 

「ちょ、君1人?これから遊ばない?」

 

「いえ、これから帰るので」

 

「いいから遊ぼうぜ、絶対楽しいからよ!」

 

「ほんと、いいですから」

 

…何あれ?何あいつ戸部の下位互換みたいなやつに絡まれてんの?というか、懐かしいな戸部。

まったく…こう言うのは俺のキャラじゃ無いんだけど…

俺は歩きながらまだいろはに絡んでる奴の方…ではなく直接いろはの方に向かって手を掴んだ。

 

「ほれ、何してんだ帰るぞ」

 

「?!…先輩」

 

「ちょっ!?お兄さん?この子俺が先に見つけた子なんだけど?」

 

「…悪いけど、こいつ俺の彼女なんで」

 

「はあ?!なんでこんな奴」

 

「さあ?こいつに聞いてみてくださいよ。それじゃ」

 

と言って強引にいろはの手を引きながら、その場から立ち去る。

…ほんと、慣れないことはするもんじゃねぇわ。緊張した。

 

「……先輩」

 

「何だよ。ってか、何絡まれてんだよ」

 

「しょうがないじゃないですか、あの人すっごくしつこいんですもん」

 

「まあ、いいや。ほれ荷物貸せ」

 

「別に大丈夫ですよ?先輩こそ、お仕事終わりなんですから少しくらい楽しても罰は当たりませんよ」

 

「…お、おう。なら交換しようぜ、俺のカバンの方が軽いし」

 

「…ほんと、どっちがあざといんですか。先輩の方があざといですよ」

 

「うっせーよ」

 

「まあ、ちゃんと彼女って言ってくれた事は嬉しかったですし、かっこよかったですよ」

 

「…うっせ」

 

そう言ってそっぽを向いたが視界の端に映っているいろはの顔はニヤニヤと笑っていた。ムカつく。

 

そして、話しているうちに俺の部屋についた。俺はすぐに着替えてからシャワーを浴びた。その間にいろはは晩御飯の用意をして俺が上がってから少ししてから用意が終わり、2人で食べた。いつも通り美味かった。

 

その後片付けをしてからいろはがシャワーを浴び俺は仕事の準備をしながらプレゼントの準備もする。

…何かだんだん自信なくなってきた。いや、元々無いんだけどさぁ…

 

そうこう言っているうちにいろはが上がった。今はドライヤーで髪を乾かしている所だ。とりあえず小さいものは近くに置いておこう。

 

「ふう…上がりましたよ〜」

 

「おう」

 

「明日のお仕事は遅くなりますか?」

 

「ん、まあ、そうだな。今日が特別早かっただけでまた遅くなるかもな」

 

「そうですか。はぁ、私もそろそろ働かなくちゃならないんですね〜、なんかヤです先輩〜」

 

「文句言うなよ、俺だって働きたくない」

 

「先輩はダメです。ちゃんと私を養わなくちゃならないんですから」

 

「…へいへい」

 

いろはは俺の隣に座ってきた。それから俺はとりあえず多分良さげな店で買った良さげなクッキーをいろはに渡した。

 

「ほれ、お返し」

 

「ふぇ?あ、ホワイトデーですか。ありがとうございます先輩。先輩の事ならもしかしたら忘れてるんじゃないかな?って思ってたんですけど良かったです!」

 

「一言、二言余計だよ」

 

「まあまあ、へぇ、先輩これいい所のやつじゃないですか。先輩にしてはいいセンスですよ!」

 

「ほんと、一言余計。ちょっと待ってろ」

 

「?」

 

俺は立ち上がって寝室の方に向かって隠していたもう一つのプレゼントを持ってくる。これこそ俺の自己満足なものだ。

 

「…これ」

 

「まあ、これから社会人になるんだしな必要だろうと思ってな」

 

俺が渡したのは女性用のスーツだ。さっきも言ってた通りこいつも来月から社会人になる。聞いても聞いてもどこに就職するとか教えてくれない。だからその職業に合わせた物とかは買えないがスーツはどんな仕事でも使うからな、実用性に富んだプレゼントだと自負している。

 

「…なんか、やっぱり先輩らしいです」

 

そう言っていろはは笑っていた。

 

「何だよ。文句あるなら貰わなくていいぞ」

 

「ありませんよ。文句なんて。むしろとっても大事なものです。流石、私の事をちゃんと考えてくれてますね」

 

「…ブランドとかわかんねぇからな。それなら実用性のあるもの買った方がいいと思ったんだよ。それに、そんな歳でもねぇだろ」

 

「そんな歳って言われるとちょっと癪ですけど、まあそうですね。アクセサリーとか貰うよりも価値はあります。私は素直に嬉しいですよ。先輩」

 

「…そうかい」

 

隣に座っていたいろはが俺に寄りかかってきた。その体はシャワーを浴びた後でとても暖かかった。

心做しか俺の体温も上がったような気がした。




プレゼントは私自身もブランド系統に疎いですし、八幡もそうかなって思い実用的なものを贈りました。
次でいよいよ最終話です。ちょっと短めかもしれませんが、出来るだけ早めに投稿出来るように頑張ります。
本当に遅くなって申し訳ないです。








ちなみに私はバレンタインには何も貰っておりません。FateGOではしっかりとヒロインオルタを当て、うちのカルデア内にいるサーヴァント達にチョコを渡し、貰い終わりましたけどね。

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