カルデアの英雄達と   作:ひとりのリク

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カルデア学園

カルデア学園。

この学園は世界一、英雄が在籍する学園として有名だ。

通う生徒は伝説の数。一般人が来ようものなら即自主退学を申し出る。普通なら耐えられない、ネジの外れた英雄達が集う場所。

超絶物好きな校長が、生徒一人一人に声を掛け、そして掛けられた者は必ず入れさせられるという闇は、一部の関係者しか知らない。

そして当然、生徒も英雄であれば、それらを指導する教師もまた、名高い英雄達。学園の彼方此方に、自由奔放な英雄達が歩き回っているため、下手をすれば動物園とも見て取れなくもない。

それでも、賑やかなことに変わりはない。

何故かは知らないが、こんなデンジャーアカデミックに入学してしまった一人の少年を視点に、物語は進んでいく。

彼の名は、グダ男。そう名付けた、今。

 

場所はグラウンド。

十数人の生徒が、授業を受けている最中。内容は、

 

歴史…………!!!

 

「よく聞け雑種共!今から我の『王の財宝』から宝具を取り出し、装填する。右から順に、宝具の名を当ててみよ!答えられなければ、貴様らに向けて飛ばす!」

 

上下紺のスーツ姿で、突然の難題を生徒に与える英雄王。最早、試練とでも言うべきだろうか。歴代の宝具が並ぶ様は、宝物庫の館へ来ているような気持ちになってしまう。眩しい。

 

「アホかお前!歴史の実技授業で宝具を飛ばす奴がおるか!!」

 

歴史の実技という言葉に疑問符も浮かべず、制服姿で抗議する魔王。

逆に聞きたい。歴史の実技って、何をするんですか?だけど、それを言ってしまえばこの魔王は、楽市楽座を実行するだの、カルデア学園の敷地に城を建てるだのと言い出しそうなので口は開けなかった。

 

「何をほざくかと思えば。日本史で必ず出てくる魔王(笑)も、底なしのビビリとはな。所詮、我のゲートの中にも入らぬ火縄銃を使う、質素なアーチャーよ!」

 

ムキーと唸る姿は、かつて部下を猿と呼びからかっていた偉人であり生徒、″織田 信長″。抹茶アイスをよく食べている。

片方、自身の背後に国宝級の宝具をズラッと並べ慢心面で高らかに笑うのは最古の英雄、″ギルガメッシュ″。カルデア学園の歴史の教師だ。Sクラスのアルトリアによくデートを申し込んでいる。

 

(あ、一番左の聖剣はアスカロンだな)

 

俺は、ボンヤリとそう考えながら、これが歴史の授業でいいのだろうかと自問する。デスゲームの間違いじゃないか?

 

「ちょ、金ピカいい加減にしなさいよ!子犬の目が絶望に染まってるじゃない」

 

「知ってるぜ。ああいう野蛮で威圧的言動行動を教え子にするのを、アカデミック・ハラスメントって言うんだろ?アイツにピッタリの言葉だよな」

 

2人とも、口ではあぁ言っているが、″エリザベート″はビビる俺の顔を見て楽しんでいる。クーフーリン(術)に至っては、『王の財宝』に自身の宝具、『刺し穿つ死棘の槍』が装填されていないかを探している。真ん中辺りに、彼の探す武器があるので、見つけたら多分盗りに行くに違いない。『灼き尽くす炎の檻』で爪楊枝を取る感覚でヒョイと。

 

「フハハハハハハ!答えなければ永遠と襲いかかるぞ雑種!」

 

「ノブッ!?」

 

遂に、宝具を撃ちまくる教師と、必死に火縄銃で反撃する生徒の授業(?)が始まる。ピンポイントで信長に宝具が降り注いでいるので、こちらへくることはなさそうだ。

多分、銃刀法違反の類の法律はないのだろう。次々と放たれる宝具の威力は凄まじく、硬いグラウンドの地面にぶつかる度に、土煙を上げながら着弾。次々にクレーターを作り出している。

これが歴史の授業…。

先生と生徒の啀み合いの域を超えている…。

信長は、全く答える気がないのか出来ないのか。ひたすら火縄銃を構え、ビームのような弾を発射している。空になった火縄銃は、そこら辺に捨てるのではなく、『王の財宝』の中へ投げ入れていた。先程の、ギルガメッシュが火縄銃を馬鹿にしていたことが許せない様子。

時々、『王の財宝』から投げ入れた火縄銃が飛び出してくるのがシュールだ。

2人が暴れているのをどう止める術もなく、ただ眺めていると、生徒の1人が動いた。

片手に旗を持ち、2人の前に立つ時後ろで編んだ金色の髪が揺れる。彼女が自分の横を通った時、暖かくて安心できる匂いがした。変な意味はないのだが、少しだけ頬が赤くなる。

 

「2人とも、いい加減にしてください!」

 

その透き通る、逞しく美しい声に、ギルガメッシュと信長の動きが止まる。

驚いた。あのタイラント達を、一声で大人しくさせるなんて。彼女しかいないかもしれない。いや、間違いなかった。何より、彼女の声には不思議な説得力があって、自分の思考までも止まってしまうほどだ。…聞き惚れそうになりました。

 

「歴史の実技、ましてや宝具を取り扱う授業だとしても、です。先生が生徒に宝具を放つなんて、暴力的にも程があります!ギルガメッシュ、それ以上の体罰、私が見過ごしません!」

 

堂々とする様は、背中を見るだけでついて行きたくなる程に輝いていた。歴史的聖女、名をジャンヌ・ダルクという。

ジャンヌは、このクラスの学級委員長。規律を守り、平和を愛する心美しい生徒だ。ギルガメッシュや、ナイチンゲール等、かなり危ない先生達にもキッパリと物を申す。

 

「アルト……いや、ジャンヌ・ダルクか。む、そうだな。まあ、今回は貴様の顔に免じて、あの猿は不問に処す!」

 

アルトリア顔カテゴリーのジャンヌを、素で見間違える慢心教師。お詫びとばかりに、右ポケットから取り出したアメを与えようとしている。

 

「おいコガネもどき!顔に免じてって、本当の意味で顔だけ見てただろ今!なんだその鼻の下の伸び方!!!!おぉぉい!?」

 

信長の指摘は、もうギルガメッシュの耳に届かないだろう。

何故か?ギルガメッシュの背後から『王の財宝』が閉じ、透き通る青い空が見えるからだ。何かと、アルトリアの前で口説こうとする時、宝具は出さない。いや、出すには出す。何を出すかは、後ほど分かると思うので割愛。とりあえず、アルトリア顔ならこいつ、見境ないな。

クー・フーリンは隣でつまらなさそうに溜め息を吐く。

ふと、気になった。ギルガメッシュは一体、どうやって授業の評価を付けているのだろうか…

気になるが、それが新たな火種になりかねないので、俺は口を閉じ歴史の授業が終わるのを待つことにした。

 

(ちなみに、これは1時間目だよ。朝のHRはね、担任の教え子が問題を起こしたとかで不在だったから、やってない。そのうち、担任も登場するんじゃないかな)

 

そんなことを説明して、時間を潰していると、2人(原因はほぼギルガメッシュ)を止めたジャンヌが、ギルガメッシュの誘いをおしとやかに流し戻ってくる。

ジャンヌはとても面倒見が良く、困りごとには自ら首を突っ込む程。彼女が学級委員長だということを、俺は同じクラスメートとして誇りに思っている。いや、大袈裟ではない。なぜって……

 

「マスターくん、大丈夫ですか?胃が痛くなったり、めまいが起きたりしませんでした?」

 

「…っお!?う、うん。大丈夫」

 

声を掛けられ、身体が跳ね上がる。

 

なぜって……ジャンヌの真っ直ぐな瞳は、この学園で数少ない、頼れる人だからだ。……ご、誤魔化してなんかいない。

彼は笑顔を向けるジャンヌに見惚れながら、歴史の授業は終わりのチャイムを迎えた。

 




閲覧ありがとうございます!細やかではありますが、楽しんで頂けたのなら嬉しく思います!
よければ気楽に感想ください。えぇ、とてもお待ちしております。



fateGOのアニメにありがちな事、ありそうな事っていう題材で授業内容を書いたら楽しそうだな〜って想像中です。
・強化素材が落ちなくて1クール終了
・召喚サークルからサーヴァントが出てこない
・放送中に落ちる
・スタミナ回復の為にリンゴを貪り食うシーンがある

…ん〜。こんなアニメなら逆に観てみたいです。
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