TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
そして舞台当日
「もっと…もっと強くお締めなさい!今から舞台で、あの忌々しい貧乳娘を演じるんですから、胸がぺったんこになるまで締め付けるのよ」
「はいぃ……!」
とある控室で袁紹の胸に何重にも巻かれた晒を文醜は更にきつく引っ張りあげていた
「けど、いいのかな?私達、こんな事してて」
「いいんじゃないの?お芝居なんて面白そうじゃん」
「そうじゃなくて……麗羽様、朝廷から河北の平定を仰せつかっていたじゃありませんか。あれ、ほったらかしにしてていいんですか?」
「ふん!構いませんわよ。朝廷の命と言っても、どうせ董卓が言わせてる事ですし、まともに取り合うことなんてありませんわ。まったく、何進が追放されたと思ったら、次は張譲……その後釜が董卓……薄汚い宦官の張譲よりはマシかもしれませんけど……よりによって……あんな辺境の領主が…………」
視界が薄れ、段々と意識が遠のいていく
「……」
袁紹が目覚めるとそこには輝かしい川辺であった。そして、その先には一人の人物が見えた
「あれは…私が幼い時に亡くなったお婆様・・・お婆様~今そちらに参りますまね~」
川を渡ろうとした時
「「麗羽様!!麗羽様!!」」
「猪々子!ちょっと締めすぎでしてよ!?危うく亡くなったお婆様にご挨拶する所だったじゃありませんの!」
「てへ」
三途の川から何とか帰還するのであった
もう一つの控え室
「シャオ様、やはり詰め物を入れないと……」
愛紗達は着替えを行っていた
「そうですよ。そうしないと胸の所が余って不恰好ですし……」
「分かってるわよ!」
「ん~」
愛紗は、浮かない表情を浮かべてながら台本に目を通している
「皆さ~ん、用意できましたか?」
そこへ、張勲が入室する
「張勲殿、今になって言うのもなんだが、この台本、ちょっと張三姉妹の事を悪く書き過ぎではないか?あの三人…改心し、兵の慰問や慈善の舞台を務めているわけだし」
「その事でしたらご心配なく、このお芝居に出てくる三姉妹は、言葉にやたらちょ~を付ける事から、ちょ~三姉妹と呼ばれているだけで、あの張三姉妹とは別物なんです」
台本の片隅を指差す張勲
「ほらここに…本作品に登場するちょ~三姉妹は、実在の人物とは一切関係ありませんって小さく書かいてあるでしょ」
何とも言えない表情を浮かべる愛紗であった
そして本番が始まった
舞台衣装を身に纏い、黒髪の山賊狩りを演じる周泰
「乱世に乗じて民を苦しめる悪党共め!この黒髪の山賊狩りが成敗してくれる!」
観客の子供達から歓声が沸き上がる
「なにあいつ~ちょ~ムカつくんですけど~」
「ちょ~やっつけちゃいましょうよ~」
「わ、分かったちょ~」
そして刀剣で攻撃を仕掛けてくるちょ~三姉妹
(な、なんかやりにくいな……)
心中で苦笑いを浮かべる愛紗
「はっ!」
周泰はそれらを簡単に流していき、ちょ~三姉妹は武器を手放す
「なんかちょ~劣勢だし~」
「こうなったら妖術でちょ~やっつけたいかも~」
「任せるちょ~」
愛紗が妖術らしき呪文を(一部自分の願望も含め)唱える
「グオオオオオオオ!!」
現れたのは、以前愛紗達が袁術の所を訪れた時に化け物退治を依頼された時に出てきた化け物が出現した
「おのれ化け物!」
得物を携え、対峙する
「グオオオオオオ!!」
化け物は、威圧する様に、雄叫びを上げる。開かれた口から、クラッカーが弾けた
「うわ~~」
化け物のクラッカー攻撃を食らい、やられた振りをし舞台袖から、煙玉が投げられ、その煙幕に紛れて退場する
「黒髪の山賊狩りと言っても、ちょ~大した事ないかも~~」
「恐れいったかちょ~~」
「……」
舞台を終えた周泰はそのままどこかに向かった
続いての場面では
「賊共よ!この卑しい宦官の養子の娘で、名門でもな~~んでもない貧乳小娘の曹操が来たからには、年貢の納め時でしてよ!夏候惇、やっておしまい!」
曹操に扮した袁紹が登場している
「はっ!」
そして文醜は夏候惇。顔良は荀イクの格好をしている
「こいつらちょ~ウザいんですけど~」
魏の兵士に囲まれた、ちょ~三姉妹
「数が多いからちょ~面倒かも」
「なら、歌でやっつけるちょ~」
そして、三人が歌を披露し美しい音色と、澄んだ歌声が会場内に響き渡る
「な、なんですの?これは?
「荀彧曰く、これは妖術を使った悪しき歌かと」
妖術に苦しみ始める夏候惇達。そして歌の効力によって、操り人形と化した
「荀彧曰く、これは危機的状況かも~!」
「荀彧!あなた知力95の軍師なんでしょ!?何とかなさい!」
「そんな事言われても~」
操られた夏候惇達が襲いかかって曹操と荀彧は成す術なく、撤退するのであった
「曹操なんて、ちょ~大した事ないかも~~!」
「そこまでじゃ!」
「何者だちょ!姿を現すちょ!」
スポットライトを浴びて、登場した二人組
鮮やかな色合いのアイドル衣装を身に纏った袁術、張勲
「悪しき歌で人心を惑わす賊共め!愛と正義に満ち満ちた妾の歌でお仕置きじゃ!」
「オオオオオオ!!」
観客も盛り上がる。その中にあの時の子供たちもいた
「♪♪♪」
マイクを手に取り、歌を披露し笑顔で歌いきった
「これにて一見落着なのじゃ」
袁術や張勲袁術や張勲歌により、ちょ~三姉妹は、破れ去った。観客席から、盛大なる拍手喝采を浴びる袁術。決めポーズを取り、締めを飾るのであった
舞台が終わり、控室へと向かう愛紗達
「何よ、あの猿芝居!けど、これでやっと袁術にあの書き付けを」
扉を開いた瞬間、それは視界に飛び込んだ
「こ、これって……もしかして」
「楽屋荒らし!?」
衣装が地面の上に散らばっており、何もかもが乱雑に荒らされていた
「ああああああ!!」
尚香が身に付けていたポーチが開けられおり
「書き付け……ここに入れてた書き付けは……ない!無くなる」
驚く三人
「どうしよう……」
「尚香様、落ち着いて下さい」
「け、けど書き付けが……」
「しっ!大きな声を出さないで……いいですか?あの書き付けを盗まれた事がもし袁家の者の耳に入ったら一大事。舞台を手伝えば書き付けを見ると約束したものの、袁術さんの事ですから、こちらから強く言わなければ、これ幸いと会見を引き延ばす筈。そうやって時間を稼いでいる間に、対策を考えましょう」
「わ、分かったわ」
その会話を耳にした、控室の扉付近に身を潜めている一人の少女
「うふ」
彼女は静かに笑った
翌日
「皆の者、昨日はご苦労じゃったの」
謁見の間にて、袁術は集まってきた愛紗達に、労いの言葉をかける
「そなたらの尽力もあって、舞台は大成功じゃ。では、約束通り書き付けを見てやるとしようかの」
「えっ……」
「どうしたのじゃ?早よ書き付けを出してたも」
「それは、その……」
「ん~?まさか、無くしたとか言うのではなかろうなぁ?」
「はい、勿論、無くしてなどおりません!書き付けはこれでございます。どうぞお確かめ下さい」
陸遜の言葉に茫然とする尚香と袁術
「ふふ」
「………」
書き付けを拝見する張勲。直に見て、動揺を隠せずにいた
「ど、どうじゃ?まさか、偽物ではあるまいの」
「は、はい……これは間違いなく、本物の書き付けかと」
「では、国境の件。我が方の言い分をお認め下さるという事でよろしいですね?」
笑みを浮かべる陸遜であった
「ええ!?書き付けを盗んだのは周泰の仕業!?どういう事よ!ちゃんと説明しなさいよね」
客間にて事の真相を聞かされた
「それはその…陸遜様に言われて、自分の出番が終わったら隙を見て、楽屋荒らしを装い、書き付けを隠すようにと」
「舞台を手伝えば書き付けを見てやってもいい。袁術は確かにそう言いましたが、所詮は口約束。信用できるものではありません……そこで、書き付けを盗まれたと一芝居打てば、逆に約束を果たすていをとってそれを見ようとふんだんです」
「???」
尚香は頭に?マークを浮かべる
「そうか…このまま書き付けを見ずに、尚香殿を追い出せば、約束を守らない人物と、袁術殿はまた評判を落とす事になる」
「はい…でも、こちらが書き付けを出せないとなれば、それは我らの落ち度…不利な条件を呑む事もなく、尚且つ、名も落とさずに済む」
「そう考えて合ってみたら、陸遜殿の罠だった、という訳だ」
「書き付けが盗まれた事を、袁術さんの耳に入れるのに少し細工がいるかと思いましたが、予想外に上手く運んで……」
事の顛末を話し終えたが
「……」
「どうしたんですか?尚香様。ご機嫌斜めなご様子ですけど」
「事情は分かったけど、なんでシャオに黙ってたのよ?」
「ほら、敵を騙すにはまず味方からって……それに尚香様、すぐ顔に出るたちですし」
「なるほど…賢明な判断だと思うよ?」
「も~シャオの事バカにして!陸遜、シャオを騙した罰として
そういうと
「その無駄に大きいおっぱいをよこしなさ~~い!」
陸遜の大きな胸を鷲掴み、引っ張り上げる
「あっ、駄目です~、そんなに引っ張ったら伸びちゃいます~~!」
微かな嬌声が上がる
「尚香殿!気持ちは分かるがあまり」
愛紗が止めに入るが
「うるさいうるさい!おっぱい勝ち組は黙ってて!!」
止めることが出来なかった
「勝ち組って」
「どうせそのおっぱいでアイツを誘惑しているんでしょう!!」
「誘惑…私が…ご主人様を」
妄想に入る愛紗
『愛紗』
『ご主人様』
後ろから勇作の声が聞こえ振り向こうとするが
ダキ
『ご、ご主人様!!』
後ろから愛紗に抱き着く勇作
『や、やめてください、こんな所を』
『周りに誰もいないから大丈夫だよ』
『ですか』
『もしかして嫌だった』
『そうではありません…少し驚いただけで』
『それにこういうことするのは愛紗のせいだから』
『私のせいで』
『愛紗がその胸で誘惑してくるから』
愛紗の胸を鷲掴みする勇作
『あっ、ご、ご主人様…やめて…ください』
『嫌そうにはしてないのに』
『…ご主人様の意地悪』
『…』
『…』
お互いに視線が合い
『愛紗』
『ご主人様』
見つめ合い、顔が近づく目をつぶり、唇が触れ
「…う……んう………関羽!!」
「!!どうしました?」
現実に戻る
「どうしましたじゃないわよ!さっきから呼んでいるのに反応がないから」
「す、すなない…………ご主人様」
顔を赤くしもぞもぞし始める愛紗
「(関羽さんがこんなふうになるなんて……高杉さんって変態じゃあ)」
別の場所
「俺は変態じゃない!!師匠と同じにするな!!」
大声を出して否定する勇作
「ご、ご主人様」
「ど、どうしました?大声をだして」
「あ、ごめん…なんか変な誤解を生みそうだったから」
「誤解?」
「な、なんでもない」
目的地に向け再び歩く勇作達であった
目的を達成した愛紗達は、呉へと帰還する為、船に乗っていた
「うーちゃん、陸遜様の御手紙、周瑜様に届けてね」
周泰は丸めた手紙を伝書鳩のうーちゃんに結びつけ、大空に解き放った
「……」
鳩は天高く上がり、呉へと向かった