TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
虎牢関のとある部屋
「董卓…面を上げなさい」
そこには、部屋の中央で土下座をしている董卓。正面には曹操と孫策が座っており、その後ろには曹操の軍師と周瑜がおり、両側面には、ほかの面々がいた
「私はたとえ敗軍の将であっても、それなりの礼をもって迎えるつもりよ。だから顔を上げて頂戴」
そういわれ顔を上げる董卓
「連合軍の諸将の皆さまに一つお願いしたき儀がございます」
「何かしら?」
「此度の件で多くの民を苦しめた罪…まさに万死に値するもの。ぜひともそれにふさわしい罰をわが身に与たえください」
「けれど、今回のことはすべて張譲の企みによるものと私は聞いているけど」
「愚かにも監物の策に嵌って囚われの身となり、臣下に悪行をなさしめたことこそわが身の罪。なにとぞ厳しきお裁きを下さるよう伏してお願いいたします」
頭を下げる董卓
「ふ~ん、良い覚悟ね」
「確かにこれほどの大事、官位を剥ぐぐらいでは民も納得せぬでしょう」
孫策と周瑜がそう言っていると
「月ぇ!!」
賈駆がやってきた
「僕に黙ってどうしてこんなことを!?」
董卓の所に走って近づく
「詠ちゃん!私、話を聞くまで何があったか全然知らなくて、こんなことなら…私のせいでこんなにも皆を苦しめたのなら捕まった時に自害していれば」
目に涙を浮かべながら悲痛な思いを言う董卓
「月…」
その様子を見た賈駆は
「曹操殿!此度の件で罪があるとするなら張譲の脅しに屈し、悪行に手を貸した僕です!罰を与えるならこの僕に…」
「詠ちゃん、臣下の罪は主君の罪。これは私が責を負わねばならないことなの」
「けど!?」
「曹操殿…もし私の罪に相応しい罰を与えていただけないのなら、我が命を持ってその償いとする所存です」
覚悟を持ったその目に皆は動揺していた
「曹操様!」
すると郭嘉が声を上げる
「この場の裁き、私にお任せいただけませんか」
しばらくして
「……」
袋を持った夏侯淵が皆の所にやってきた
「華琳さま!ご報告が遅れ、誠に申し訳ありません。先ほど討ち取りました逆賊董卓の首持参いたしました」
その報告に一同驚愕した
「(ど、どういうこと?)」
袋を開くとそこには
「(これは!?)」
董卓の首があった。しかしその首は董卓救出に使用さらた人形だった
「ご覧の通りすでに、董卓はすでに夏侯淵将軍が見事討ち果たしております」
それを見た曹操は
「ふ~ん…どうやらそうみたいね。それでそこに控えているのは何者ということになるのかしら?」
「さて、見たところ身なりも安いようですしおそらくただの村娘かと」
「何をおっしゃいます!?私は」
反論しようとした時
「おお!お主どこかに見た顔だと思ったら、トントンではないか」
星が声を上げ、董卓に近づく
「あっ、あなたは!?」
「曹操殿、この者はトントンと申す村娘で少々おつむが弱いのか…時折突拍子もないことを申します。ここは私に免じて許してやっていただけないか」
「趙雲さん、いったい何を」
「御一同!!今のお聞きになられたか?洛陽の都で位人身を極めた董卓が義勇軍の一員に過ぎぬ私の名を知り、あまつさえ親しく呼びかけてくるなどあり得ぬこと!これこそこの者が村娘であるトントンである何よりの証!」
「あっ!!」
「どうやらこれで決まりのようね」
曹操は立ち上がり
「トントンとやら下らぬ妄言で我らの手を煩わせたこときつく叱りよく。もしまた自ら命を絶つなどと口走ったらその時こそ、ただでは済まないわよ。いいわね」
「……」
「其方、見れば貧しく身寄りもない様子…賈駆、これも何かの縁だと思って貴方の所で使ってやりなさい」
表情が明るくなる賈駆
「はっ!かしこまりました」
「うん」
「(これにて一件落着か…)」
勇作がそう思っていると
「終わりましたよ、主」
星が戻ってきて
「ナイスだよ。星」
「ないす?」
「素晴らしいって意味だよ」
「そうですか!ありがとうございます」
「うん」
「しかし言葉だけでは足りません」
「えっ?」
星は勇作の耳元に近づき
「褒美は主の体でもらいましょう」
「はっ!おま!何を言って…」
「ふふふ」
笑みを浮かべる星
「(セイ、ゴシュジンサマムカッテ……シニタイヨウダナ。ウフフフフ)」
その様子を愛紗は光の無い目で見るのであった
そして虎牢関を抜けた連合軍は洛陽の門の前で陣を立てた
「ふわふわのぽにょぽにょにゃ」
勇作陣営のとある場所、そこで孟獲は紫苑の胸で癒されていた
「大王様!そろそろ交代するにゃ!」
「独り占めはずるいにゃ!」
「そうにゃ!そうにゃ!」
子分たちが苦情を言い、紫苑は苦笑いしていた
「(どうしましょう?ご主人様なら、いつでも歓迎なのに)」
勇作陣営の天幕の中では
「「「「……」」」」
翠、たんぽぽ、焔耶、何進がくつろいでいた
「あっ?何進さん…お茶おかわり」
「ん?わかっ!?」
何進が立ち上がるが
「なんでわらわがお茶くみをせねばならんのじゃ!?」
「えっ?でもいかにもそういうことをしてくれる恰好しているし」
「童とて好きでこのようなものを被っているのではない」
何進は頭にバンダナを巻いていた
「これは猫耳を隠すため」
何進がそう言っていると
「おおっ!久しぶりだな。焔耶」
「「「「ん?」」」」
全員が振り向くと
「厳顔!!」
「桔梗様!!どうしてここに?」
巴群の太守である厳顔が入ってきた
「い、いや~袁紹からの檄が届いて、急いですぐに巴群を出たのだが、どうもちょっと遅かったようだな」
「……」
「あっ!?これは失礼。わしは厳顔。巴群の太守を務めておる」
「お主が」
「焔耶は厳顔の弟子だったんだよね。もっとも今は破門されちゃったけど」
「たんぽぽ…余計なことを言うな!確かにそうだが、今はお館の家臣だぞ」
ふたりのやり取りに翠は苦笑いをする
「(ほ~焔耶の奴、あれ程いがみ合っていた馬岱と真名で呼び合うほどとなったか)」
厳顔は笑みを浮かべる
「あの…何か?」
「あっ!いや…貴様を旅に出したのは正解だったと思ってな」
「は?」
「それで焔耶……お主の主は今、どこに?」
「それは……」
場所は変わり、洛陽の城門のとある部屋
「皆さん、此度は逆賊董卓の盗伐ご苦労でした」
そこには盟主である袁紹とその隣に袁術がおり、曹操、孫策、勇作、公孫瓚達と対面していた
「袁紹…何もかも片付いてからのご登場とは、ずいぶんとゆっくりだな」
「あら。真打は最後に登場と相場は決まっておりますでしょう」
「袁紹…貴様」
袁紹の態度に激怒する公孫瓚
「まだすべてが片付いた訳じゃないわ」
曹操が声を上げる
「ゆがんだ政の見直しを始め、やることは山積みよ」
「そうした後始末は名門の私にはふさわしくありませんわね」
「(こりゃ、やる気がないな)」
「いいわ。貴方がそういうなら私が引き受けるわ」
「あら…そうじゃあ」
すると
「失礼します」
典韋が入ってきた
「何事?」
「はい…華佗殿がお目通りを願って訪ねて来られたのですが」
「何?華佗が…」
「(いったいなんで?)」
不安を覚える勇作であった